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4月13日、韓国全土で国会議員を選出する選挙が行われた。ポータルサイトごとに選挙特設コーナーが作られ、大いに盛り上がった。IT大国韓国の選挙運動は、インターネット、特にSNSの影響力がかなり大きい。Twitter、Instagram、Line、KakaoTalkなどSNSを使った選挙運動は、古典中の古典である。昔は候補者の家族やボランティア支持者らがSNSで支持を訴えたが、最近は専門業者を使いSNS選挙運動を行う候補者もいる。
投票前日の12日には、不法SNS選挙運動をしたとして、選挙管理委員会が候補者の一人を検察に告発するという前代未聞のケースもあった。2016年1月に、この候補者はオンラインマーケティング会社に約130万円でSNSモニタリングを依頼。オンラインマーケティング会社は、社員数人の名義でTwitter、NAVERなどSNSや検索サイト、ブログのIDを61個作り、この候補を支持する書き込みを3カ月間で1231件残した。検索サイトでこの候補の名前と選挙区を繰り返し検索し、キーワードランキングに登場するようにもした。
韓国の選挙法では、候補者ごとに選挙事務所以外の場所に組織を置いて選挙運動することを禁じている。選挙管理委員会は、この会社がしたことは選挙事務所以外の組織による選挙運動に当たり、SNSモニタリング業務から大きくかけ離れているため不法選挙運動であると判断し、候補者を告発した。選挙管理委員会は韓国の国家機関で、選挙と投票、政治資金管理に関する業務を担当している。
この摘発は、選挙管理委員会内にある「サイバー選挙犯罪対応センター」が、オンライン上の不法選挙運動を摘発するため開発したオンライン証拠分析システムによるものである。韓国の選挙管理委員会内には、「サイバー公正選挙支援団(サイバー選挙不正監視団)」という組織もある。
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