中国人観光客の「Alipay」決済増加、利益半減に見舞われる外貨両替店も

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ソウル市内で両替するなら、銀行の他に公認両替所がある。銀行よりレートがいいので、外国人観光客だけでなく海外に出かける韓国人も公認両替所で円やドルに両替する。金券ショップでも、外貨両替ができる。外国人観光客が集まる繁華街ミョンドン(明洞)は、金券ショップも両替所もありすぎるというほどたくさんある激戦区なので、銀行で両替するよりもかなりお得なレートになる。

 ところが、明洞で両替を利用する観光客が減少しているという。韓国メディアの記事によると、明洞に中国人観光客があふれているのに、人が来なくなって利益が半減した両替所が続出しているとか。どうやらその理由は、韓国でも中国のモバイルペイメントを利用できる加盟店が増えたことにあるようだ。


写真●Alipayの画面(サムスン電子提供)
サムスン電子が提供するSamsungPayとAlipayが提携、SamsungPayにAlipayのアカウントを登録して韓国でも中国でも楽に利用できる。ワンタイムバーコードを表示して決済するので、クレジットカード情報を盗み取られる心配もない。韓国ではモバイルペイメントで支払う中国人観光客が増えたことで、韓国では両替の需要が減少したほどである。
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 明洞といえば、韓国の中の中国というほど中国語の看板が増え、韓国語が通じない中国人店員ばかりいるお店もあるほど。中国人観光客が売り上げを支えていると言っても過言ではない。

 韓国観光公社によると、韓国を訪問する中国人観光客は2014年613万人、2015年598万人、2016年は800万人を超える見込みである。その内7割は団体ツアーではなく、個別に韓国を訪問する20~30代の旅行客だった。明洞一帯の主な顧客だった中国人観光客の年齢層は、だんだん若くなっている。実際に明洞に行くと、お店で現金でもクレジットカードでもなく、モバイルペイメントを利用する中国人観光客を頻繁に見かける。

 最近はスマートフォン一つあれば、ガイド本も、お金も、カメラもいらない。予めクレジットカードや口座情報をモバイルペイメントアプリに登録し、お店ではパスワードを入力してスマホの画面にワンタイムバーコードを表示。それをレジのPOSにかざすだけで、決済が終了する。バーコードは毎回変わるので、カード情報を抜き取られる心配もない。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.8.

-Original column

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/549762/082500106/?itp_leaf_index

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