会社が社員のスマートフォンを監視、セキュリティのためならいい?大手企業で労組対立も

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この頃問題になっているのが、「MDM(Mobile Device Management)」である。韓国では、社員が自分のスマートフォンを会社に持ち込み、仕事用としても使うBYOD(Bring Your Own Device)が当たり前になってきた。だが、スマートフォン経由で社内の機密情報が外に漏れることを懸念した一部大手企業が、社員にMDMアプリのインストールを強要しており、それが問題視されている。労働組合側は社員監視目的だと反発し、会社側はあくまでもセキュリティのためだと主張している。

 MDMといえば、有名なのがサムスン電子やLG電子といった韓国の大手企業の研究所や製造工場である。空港の保安検査場並みのセキュリティ装備があり、持ち物を通して中身を確認する。許可が出たノートパソコン以外は持ち込めず、スマートフォンのカメラのレンズには全てシールを貼らないと、中に入れない。社員だけでなく、外部の人も同じ扱いをする。

 社員たちは、毎朝入口に並んでカメラのシール張りと持ち物検査をする。産業スパイも多く、ちょっとした技術の漏れが大きな業績の差につながるので、会社としてもセキュリティにはピリピリしている。各社は、毎朝の手続きが面倒な社員はMDMをインストールするように、と勧めている。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.9

-Original column

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