デパートで流行るO2O、IT+VRで買い物を楽しくしないと売れない時代に

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今年9月、ソウル市郊外にオープンした大型ショッピングモールにO2O(ONLINE TO OFFLINE)ショップが登場した。O2Oとは、オンラインとオフラインをつなげる、オンラインの顧客をオフラインの売り場に誘導する、といったIT戦略のことである。

 ここは、韓国の大手デパートである新世界デパートグループが1兆ウォン(約1000億円)を投資してオープンしたショッピングモール。新世界デパート系列のオンラインショッピングで販売している商品を、オフラインで体験し購入できる「スーパーショップ」で、最先端のO2Oを体験できる。


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写真●新世界デパートのアプリ画面
新世界デパートはオンラインとオフラインをつなげるO2Oに積極的で、VRで360度商品や売り場を確認できるアプリを提供している。

 同じ商品でも、店舗を持たないオンラインショッピングサイトの方が安く買えることが多いので、オフライン店舗で商品を見てオンラインショッピングサイトで購入する人が急増。デパートやショッピングモールは頭を抱えていた。オンラインショッピングサイトは割引クーポンも豊富に提供し、送料無料、ロケット配送(午前注文したら午後には届く)などサービスもいい。商品が届くのを待てないからオフラインで買う、という人もいなくなった。

 デパートやショッピングモールは、オフライン店舗で売り上げを稼ぐため、O2O戦略を活用。オンラインショッピングサイトをオフラインの店舗でより詳しく紹介して、商品もオンラインと同じ価格で販売(ただし商品はオンラインショッピングサイトから宅配で届く)。その足でついでにスーパーやレストランに立ち寄って食事をしたり、他の物も買ってもらったりする消費パターンの増加を狙っている。

 「スーパーショップ」では、新世界デパートや系列のディスカウントショップがオンラインで販売する200万点を超える商品を、大型デジタルサイネージを使って検索できる。加えて、オフラインに展示してある商品のバーコードを、新世界デパートのアプリをインストールしたスマートフォンでスキャンすると、オンラインショッピングサイトの価格が表示される。

 その場でオンラインショッピングサイトの会員登録をすれば、オンラインの価格でも注文できる。オンラインとオフラインどっちが安いのかいちいち検索する必要なく、その場で最安値で購入できるようにしている。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.9

-Original column

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/549762/092800110/?itp_leaf_index

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