eスポーツの選手であるプロゲーマーは、ここ10年ほど小学生のなりたい職業のトップ10にランクイン――。1998年に家庭向けのブロードバンドと「PCバン」と呼ばれるネットカフェの登場とともに始まった韓国のeスポーツ産業は、今やサッカーや野球と変わらないほど認知度が高いエンターテインメントに成長している。

住宅街にあるPCバンの例
多くの若者が対戦型オンラインゲームを楽しむために通っている。写真は、「Danawa Play Games zone」のソウル市オモクギョ店

 毎年11月に釜山で開催されるオンラインゲームの展示会「G-STAR(Game Show & Trade, All-Round)」は、eスポーツ大会を同時開催している。この入場者数は毎年増加しており、今や23万人近い観客を集めている。ソウルで開催されている大型IT展示会の入場者数が13万人前後なので、これはかなりの規模と言える。大手企業から中小企業まで幅広い企業がスポンサーとなり、オンラインとオフラインをつなげるマーケティングができる場としてeスポーツが注目されている。

 韓国政府機関の支援も手厚い。年中開かれているプロ向けeスポーツ大会とアマチュア向けの全国大会が、世界で活躍するプロゲーマーの育成を支えている。2018年8月18~9月2日にインドネシアのジャカルタで開催された第18回アジア競技大会で、eスポーツは“リアルスポーツ”にまじって公開競技に採用された。韓国チームは、当然のように全てのゲームタイトルで金メダルを狙って出場した。

韓国eスポーツクラブのホームページ
掲載された国内大会の予選案内。年中無休で何かしら大会が開かれている。アマチュア向けの「大統領杯全国アマチュアeスポーツ大会」の予選も始まった(図:韓国eスポーツクラブ)

 結果は、全6種目の内、「StarCraft II」と「League of Legends」で本戦に進出し、それぞれ金メダルと銀メダルを獲得した。League of Legendsでは年俸30億ウォン(約3億円)のプロゲーマー「Faker」がいるので金メダル間違いないと言われたが、惜しくも中国に負けてしまった。

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