初回分完売のサムスン縦折り畳みスマホ、超薄型ガラスへの投資が結実

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韓国では新型コロナウイルス感染拡大の影響で個人消費が落ち込む中、サムスン電子(Samsung Electronics)が2020年2月14日に発売した縦型折り畳みスマートフォン「Galaxy Z Flip」が予想以上の売れ行きを見せている。日本では、KDDIの独占販売で、同月28日に発売された。

 サムスン電子は、Galaxy Z Flipと併せて「Galaxy S20」シリーズも同月11日に公開した。S20シリーズは、韓国で5G(第5世代移動通信システム)対応スマホとして同月27日に販売が開始した。当初は3月6日発売と宣伝していたが、新型コロナウイルスの影響で販売店に足を運ぶ人が激減したため、通信事業者3社は発売を前倒ししてインターネット販売に熱を上げている。

2000年代を思い出させる光景がSNSに

 韓国ではS20シリーズも人気だが、SNS(交流サイト)で話題になっているのはZ Flipのほうである。「Galaxy Fold」に続くサムスン電子にとって2番目の折り畳みスマホであり、手のひらに収まるサイズが特徴だ。米国では、貝殻のように開くデザインから「クラム・シェル・タイプ」に分類されている。韓国や中国では、日本円で約15万円という価格にもかかわらず、初回分が数分で完売し、年間目標の250万台を軽く超えそうな勢いである。

 韓国ではZ Flipは特に女性に人気で、Z Flipにストラップをじゃらじゃらと付けたり、シールを貼ったりと、SNSには2000年代の携帯電話を思い出させる写真がたくさん投稿されている。

 Z Flipのメインディスプレーには、約6.7インチ型のアクティブマトリクス式有機ELディスプレー(AMOLED)「Dynamic AMOLED」を採用した。アスペクト比は約22:9、解像度は2636×1080画素。折り畳み可能で、インカメラ用の穴がある「Infinity-O Flex Display」と呼ばれるものだ。

 Z Flipのディスプレー保護材には、超薄型ガラス素材の「Ultra-thin Glass(UTG)」を採用した。UTGは、厚さが30μm程度のガラスに添加剤を注入し、折り曲げても割れないようにしたものである。第三者検査・認証機関であるフランスのビューローベリタス(Bureau Veritas)によって、「20万回折り曲げても問題ない」という認証を受けた。Foldでは、ディスプレー保護材に透明ポリイミドフィルムを使っていた。

 カバーディスプレーは約1.05インチ型のAMOLED「Super AMOLED」。アウトカメラとしていずれも約1200万画素の超広角カメラと広角カメラを1つずつ計2つ、インカメラとして約1000万画素のカメラを1つ備える。RAMは8Gバイト、ROMは256Gバイト。バッテリー容量(公称)は3300mAh。重さは約183gである。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2020. 3.

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01231/00001/

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