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現代自動車は当初、アップルと協議中であることを認めたものの、同日の公示で「多くの企業から自動運転EVに関する共同開発の協力要請があったが、現時点で決まったことはない。確定し次第、あるいは1カ月以内に再公示する」と発表した。その後も同社の株価は上昇し、1月12日になってやっと落ち着いた。
韓国証券業界の分析は「アップルとの協力は現代自動車にとって新たな市場を作る絶好のチャンス」と「アップルの下請けに転落する」の真っ二つに分かれた。両社はどのような形で協力するのか、それとも協力しないのか、2月8日の現代自動車の再公示が注目されている。
英Reuters(ロイター通信)など複数の報道によると、アップルは24年の自動運転EV生産を目標に複数の自動車メーカーと協議している。同社は14年から「Project Titan」という名称のEV開発プロジェクトを進めており、一時中断を経て19年に再びプロジェクトを加速させたという。
現代自動車は20年12月、EV専用プラットフォーム「Electric-Global Modular Platform(E-GMP)」を公開した。800Vの高圧充電に対応しており、18分以内に80%充電できる。1回のフル充電で最大500㎞、5分の充電で最大100㎞の走行が可能だ。21年発売予定の中型CUV(クロスオーバー・ユーティリティー・ビークル)「IONIQ 5」を皮切りに、22年発売予定の中型セダン「同6」や、24年発売予定の大型SUV(多目的スポーツ車)「同7」に適用する。アップルが現代自動車を協業相手として選んだのは、このE-GMPがあるからともいわれている。
24年にレベル4以上の自動運転か
韓国証券業界で現代自動車とアップルの協業をチャンスと分析する側は、現代自動車がアップルカーの生産を率先して引き受けることで、競合が躍進する芽を摘み、EV事業を軌道に乗せられるとみる。さらに、最初のパートナーに名乗りを上げれば、現代自動車はアップルの下請けにならず、対等の関係を築けるとの見方もある。協業によって両社は24年にレベル4(一定の条件下で無人運転が可能)以上の自動運転EVを生産できると期待する。
両社の協業は、電池の開発も含むとみられる。アップルにとってEVでの強敵は米Tesla(テスラ)であり、同社と価格でも張り合うには電池コストの低減が不可欠だ。アップルがリン酸鉄リチウムイオン電池を開発中との報道もあった。現代自動車も全固体電池の研究を進めているほか、韓国電池大手のLG Energy Solution(LGエネルギーソリューション)、Samsung SDI(サムスンSDI)、SK innovation(SKイノベーション)の3社とも緊密な関係にある。
趙 章恩=(ITジャーナリスト)
<<NIKKEI X TECH>>
2021. 1.
-Original column
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01231/00024/