ネットの時代こそのフォント開発
ファッションにも採用
韓国インターネット振興院が実施した「2008年インターネット利用実態調査」によると、韓国では人口の77.1%、10-30代は98-99.9%がインターネットを利用し、そのうち84.5%がインターネットから新聞記事を読んでいるという結果が出ている。ネットの閲覧や文書作成をする際に、少しでも目の疲労を和らげてくれるフォントがあればありがたい。
インターネットを使うのが日常的となっているにもかかわらず、20年近く前に導入されたマイクロソフトのフォントに依存しているのはIT先進国として残念なことである。読みやすく目が疲れないフォント、新聞サイトやポータル独自のフォントを望む動きはどんどん高まってくるということで、フォントを専門的に開発する企業も増えてきた。
ファッション業界でも新しいハングルフォントの開発に注目している。文字をモチーフにしたデザインが流行っているからだ。携帯電話端末や冷蔵庫にも流れ星のようなハングルフォントで有名な詩を彫刻した限定版が登場している。パリのファッションショーでは韓国人デザイナーのハングルがプリントされたシャツやワンピースが注目された。観光地で売っているような類いのものではない。鳥や花を描いたようにも見える美しいハングル書体をアレンジした衣装は、東洋的で不思議な記号にも見え、韓国の芸能人の間でも流行っている。
ハングルをビジネスとして見直す動きが一時的な流行で終わらず、自分の国の言葉を愛し正しく使うことへつながることを願うキャンペーンも行われている。チャットやメッセンジャーの登場によって、韓国でも2ちゃんねる用語のような言葉がたくさん出てきたので、「言語破壊」や世代間の言語デバイドが問題になっている。それに、韓国ではグローバル化の一環として英語教育に力を入れており、小学校から英語の授業を始めている。英語しか使わないという幼稚園は、妊娠したらすぐ予約しないと生まれたわが子を入園させられないという繁盛ぶりだ。
英語ばかりで韓国語は使われなくなり、ハングルフォントはもういらない、なんてことにならないようにしなくては。
(趙 章恩●取材/文)