花開くCO2削減アイデア
国民レベルの取り組みで
製品を製造し、あるいは消費しながら、私たちは大量のCO2を排出する。そのCO2の量を「炭素の足跡(Carbon Footprint)」と呼ぶそうだ。IEA(国際エネルギー機関)が発表した主要国家別CO2排出量を見ると、2005年の韓国は4億4891万トンで世界8位。毎年、国民一人あたり4000本の樹木を植えない限り「炭素の足跡」を消せないほど深刻な問題になってきたとして、政府が率先してCO2排出を削減できるアイデアをあれこれ発表してきた。
そのなかで面白いのは「炭素キャッシュバック制度」である。家電製品や携帯電話、パソコン、プリンタなどIT製品を購入する際に省エネ認定製品を購入すると、購入金額の数%がマイレージとして貯まり、交通機関や大手スーパーで使えるようにするキャッシュバック制度である。08年11月中に開始される予定で、政府機関のエネルギー管理公団とSKマーケティングカンパニーの提携で運営する。
自治体も「炭素キャッシュバック制度」を導入していて、主婦たちが活発に参加している。ソウル市から南へ4時間ほどの距離にある光州市では、5月に「二酸化炭素銀行」が登場した。月々の電気使用量を銀行に登録すると、前月比で節約した分をポイントに換算して積み立て、現金と同じように地元スーパーなどで使える。こうした特典が人気となって団地を中心に加入世帯が増え、08年9月時点で約2万世帯が登録した。ソウル市江南区も「地元炭素ポイント制度」を運営している。241kwhを節約すると1000ウォン(約80円)が貯まり、区役所が運営する教育プログラムや施設利用料として使えるようにしている。
09年からは大型スーパーなどで、製品を製造するために排出されたCO2排出量をパッケージに表示する「炭素成績表示制度」も始まる。消費者が興味を抱けば、メーカーもCO2排出量がより少ない製品を開発するだろうという狙いだ。まずコカ・コーラ、アモーレパシフィック(化粧品)、リバート(家具)、LG電子など大手企業10社を対象にテストサービスを開始し、08年末までに排出量認証基準を確定する計画である。
炭素キャッシュバック制度導入で「エコ買い替え」も増えるかどうか、韓国が世界のテストケースになりそうだ。
(趙 章恩●取材/文)