【ソウル発】地方のITベンチャーがマイクロソフトを押しのけて韓国で初めて日本の証券会社にメモリデータベース管理システム(DBMS)を輸出する快挙を成し遂げたと話題になっている。その話題の主は大田市大徳研究開発特区にあるソフトウェア開発ベンチャー企業の「リアルタイムテック」。
リアルタイムテックは自社のメモリRDBMS(メモリ・リレーショナル・データベース・マネジメントシステム)である「Kairos(カイロス)」を日本のオンライン証券会社である「カブドットコム」に輸出したと発表した。このシステムは1月から稼働している。日本での販売はシアンス・アール(東京都港区、平岡秀一社長)が担当している。
カイロスは既存のDBMSプログラムと完璧に連動するため、プログラムを修正しなくてもシステムを導入できるのが特徴だ。処理速度も大幅に向上した。ハードディスクにデータを保存する一般 DBMSとは違い、メモリにデータを常住させるメインメモリDBMS方式を採用し、データの処理速度が既存システムより7─10倍以上向上した。メモリRDBMSは高速データ処理が可能なため、金融・通信・インターネットサービス・リアルタイムデータ処理分野などに利用されている。
リアルタイムテックの説明によると、今回の「カイロス」導入の特徴は既存応用プログラムを全く修正せず全面的にシステムを入れ替えたことにあり、カブドットコムはハードウェア増設費用を大幅節減できたため、1口座あたりのシステム費用が半分ほど減り、性能はより向上したと評価しているとのこと。今後は日本のソフトバンクテクノロジー、日立システムなど大手企業とディーラー契約をして日本での販売も積極的に拡大させる計画だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)