大手と中小企業の格差浮き彫りに
【ソウル発】韓国・情報通信部は、2004年韓国企業の情報化は100点満点の51.3点、5段階評価のうちの3段階目の企業内情報化水準にとどまったと発表した。今回の調査は、無作為抽出した韓国企業1000社を対象に行った。
企業情報化水準5段階評価は、第1段階…機能情報化(個人業務電算化、ワード、エクセル)、第2段階…業務情報化(個別業務情報システム構築、MIS=経営情報システム)、第3段階…企業内情報化(業務情報システム統合、ERP=統合基幹業務システム)、第4段階…企業間情報化(顧客および協力企業との電子取引、B2B、B2C)、第5段階…知識情報化(先進業務方式を活用、新しい業務方式創出、知識ポータル)──に分けられている。
韓国企業の情報化水準評価は、01年49.84点、02年50.92点、03年51.2点と持続的に向上しているが、企業間情報化格差は大きい。大手企業と中小企業間情報化格差は15.07点で、03年の16.63点に比べ小幅ながら縮まったが、国民のデジタルデバイド以上に問題になっている。
情報通信部は01年から、情報化予算が乏しい中堅企業にはERP構築支援、中小企業にはASP(アプリケーションの期間貸し)で簡単に情報化できるよう支援している。08年まで全中小企業の3分の1にあたる100万企業の情報化が目標で、04年末まで37万社を支援した。
今年からはモバイルも強化し、小企業や自営業者のニーズに合わせた多様なソリューションと移動性を強化したモバイルビジネスソリューションを提供しようと、「2005年中小企業情報化ASPソリューション拡充開発事業推進計画」を発表した。今年の中小企業情報化支援事業対象は50万社、モバイルを含めたASPソリューション普及に27億ウォンを支援すると発表している。
重点支援分野は、①業種共通ソリューション基盤拡充──中小企業での需要が多いERP、CRM(顧客情報管理)、グループウェアソリューション全体または核心単位モジュールのウェブサービス基盤ASPソリューション転換、②共同活用単位コンポーネント(支払い、認証、セキュリティなど)拡充──異業種間・多様なビジネスソリューションで共同活用できる単位サービスをウェブサービスで新規または転換開発、③モバイルASPソリューション標準プラットフォーム構築──などとなっている。移動業務が多い中小企業の需要に対応し、m-ERPやm-CRMなどモバイルビジネスソリューションをASP方式に拡充。どんな端末環境からもサービスを提供できるモバイルソリューション標準プラットフォーム構築を掲げている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)