IT協力が急進展
【ソウル発】10月6日、韓国情報通信部とインド通信情報技術部はノ・ムヒョン大統領のインド訪問をきっかけに8大IT協力課題に関する「IT協力意向書」を締結し、「韓国-インドIT協力委員会」を構成して具体的な事項を協議する事にした。
8大課題とは、①ソフトウェア人材協力センター構築、②ソフトウェア関連人材共同育成、③既進出した韓国企業の研究所拡大、④電子政府構築、⑤国際研究網構築、⑥3世代及び次世代移動通信開発協力、⑦超高速設備構築、⑧電子署名相互認証など情報保護分野相互協力──など。
IT分野で高いレベルと競争力を持つ韓国のハードウェア分野とインドのソフトウェア分野を結合させ、パキスタンなどの隣接国家はもちろん中東地域など第3国市場への共同進出を模索しようという動きだ。
インドは人口12億人の巨大市場であり、第3世界のリーダー国として影響力を持つ。韓国はインドをBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で最も早いスピードで成長している強国と評価し、南西アジア進出のためにも「第2の中国市場」として交流を活発にしていきたいと考えている。中長期的には南アジア地域協力連合(SAARC)との協力関係も増進させて行く方針である。
今回の協力案は両国のIT強点を生かした相互補完的な関係作りだけでなく、先端技術分野の国家間協力の新しいモデルを提示したと評価されている。韓国はソフト分野の人材が不足していて、「IT839戦略」でも重視されている組み込みソフトの場合1万4000人余りの人材が不足している。このため、韓国とインドはまず人力協力センターを設立し、インドの専門人材を韓国企業が活用しやすいよう斡旋窓口として利用することにした。加えて、インドのソフト技術に韓国のハード生産技術を導入できるようインドに進出している韓国企業の研究所を拡大させ、投資も増やす。
また、韓国が先に経験し成功させた情報化計画樹立戦略、ブロードバンドインフラ構築、1000万国民情報化教育、電子政府構築などをインドにも伝え、韓国が仏、米、日本、中国、シンガポール5か国と連携している国際研究網をインドのERNET(Education & Research Network)網と連動させ、両国がIPv6、ソフト分野の共同研究開発を推進する方案も検討されている。
韓国の2003年対インドIT輸出はIT全輸出の1.7%にあたる9億5000万ドルで、前年比244%増加した。なかでも携帯電話輸出が7億4000万ドルで77%を占め、メモリ、セットトップボックスなども主力商品である。(趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト))