【ソウル発】内需低迷が続くなか、韓国では統計史上初めてサービス業種もマイナス成長となった。底なしの不況に陥る前に対策を打たなくてはならないと、韓国政府は景気活性化に向け社会間接資本(SOC)とIT分野に10兆ウォン(1兆円)規模の投資事業を開発する「総合投資計画」を来年下半期から本格施行すると発表した。
これは「韓国型ニューディール」といわれ、12月にも具体的な移行計画が固まるが、核心部門としてまずITに集中投資する。財政は政府予算の早期執行と基金、公企業・民間企業、外国資本など最大限の財源を活用する。
陳大濟・情報通信部長官は、「総合投資計画」とは別に、①国家災難管理システムの高度化(2007年まで2万人の雇用創出、8000億ウォンの生産誘発效果)、②テレマティックス活性化(全自動車の60%に普及、09年まで7万人の雇用創出)、③国家DB拡充及びネットワーク化、④疎外階層、軍、学校などにパソコン普及(疎外階層100万台、軍に5万台普及、小中高校の古いパソコン10万台を買い替え)、⑤デジタルマルチメディア放送(DMB)サービス拡大──などを骨子とする2兆ウォン規模の「ITニューディール計画」を発表した。
この他にも産業資源部は、部品素材産業育成、特許紛争解消のための特許支援センター設立、中小企業技術開発サポート、新再生エネルギー事業に拍車をかけるため、7兆1859億ウォンを投資する法案を発表した。
一方、科学技術部は、理工学部が有名な大学を研究中心の大学に集中育成させ、世界超一流に発展させるという計画を持っている。三星電子やベンチャー企業など業界では、「公共事業をベースに第2のITブーム到来の可能性が高い」と期待を隠せない。
陳長官は、「IT分野の需要創出で景気回復、産業活性化はもちろんIMF経済危機克服に大きく貢献したベンチャーブームをもう一度巻き起こしてみせる」と強調した。
「総合投資計画」により、今まで省庁別に推進されてきたIT産業育成法案が政府次元で力強く推進され、省庁間の利害葛藤と規制により遅れていた企業都市建設、衛星DMB事業、放送通信融合などIT業界の懸案が次々に解決される見込みである。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)