韓国初のホームページは? メールは? ――。今では政治を動かすインターネット市民運動はどこから始まったのだろう?
韓国のインターネットの歴史を知る「インフォトラスト運動」が最近関心を集めている。これは保存価値のあるインターネット上の知識と情報を市民の参加と募金で公共化しようとする動きだ。インターネット初期の文化ウェップマガジン、独立したインターネット新聞、同好会、団体のホームページなどは無料ホスティングサイトの閉鎖とともに忘れ去られている。
このままでは情報は徹底的に商売道具になりデジタルデバイドは深刻になるばかりだ。活用されないままサーバーに眠っている情報を復元し、みんなのものにしようと6つの市民団体が集まりサイトを運営している(http://www.infotrust.or.kr/)。
韓国のインターネット史を振り返ると、1982年、韓国初のTCP/IPでSDNを構築したコンピュータ通信網が設置され、87年に情報通信政策を担当する「韓国電算院」が開院した。90年にはパソコン通信で「正しい通信のための集まり」が組織され、韓国初のオンライン市民団体が生まれた。
91年5月、KT(韓国通信)で電子メールサービスが始まり、93年6月に韓国初のホームページ「KAIST人工知能センター」がオープン。94年6月にはKTからインターネットサービスが始まり、7月には青瓦台(大統領官邸)のホームページがオープンした。ここからはもう目まぐるしいスピードで進化していった。
このインターネットの歴史を振り返ることから「インフォトラスト運動」は始まる。筆者が初めてインターネットを知ったのは95年の夏。大学の図書館に置かれたハングルウィンドウズ95のパソコンから日刊紙「中央日報」のサイトに接続したのが全ての始まりだった。画像はほとんどなくテキストだけだったが、本当に不思議な世界があるものだと毎日閉館時間までマウスが放せなかった。
その時すでにインターネットを使いこなす友達がいて、彼女がパソコンの前に座るとみんな後ろに並び「うわ~すごい!」と目を輝かせていた。当時はニュースか欧米のアダルトサイトぐらいしか見るものがなかったが、全国各地の図書館に次々と「インターネット室」がオープンし、若い世代は早い時期からインターネットに慣れ親しむことができた。
あれからもう8年以上も歳月は流れ、そういえば自己紹介程度の個人ホームページもいくつか作った記憶はあるのだが、今ではURLさえ思い出せない自分が悲しい。「私のインターネット史」みなさんは大事にしていますか?