外部から「李部長お願いします」と電話がかかってきた場合、「李部長様はただいま会議中でございます」と答える。チャットでは「ペンギン様、お昼何食べた?」のようになる。逆に社内で社長に課長や部長のことを話す場合、社長の方が上なので自分の役職に関係なく「金課長が、」「李部長が、」と呼び捨てにする。
日本では同級生で男子が女子を、女子が男子を呼ぶ時、相当仲良くないと照れるので名前ではなく苗字で呼んだりするが、韓国ではフルネームを言う。苗字名前合わせて長くても3-4文字なのでとてもシンプルだ。
人口の4分の1が金さんなのに「金!」と呼んだりしたらそれこそおかしい。ソウル市内で石を投げれば「金社長」に当たると言われるほど、韓国には金さんと社長が多い(リストラや就職難で起業する人も多いし、誰かの下にいるより貧しくても社長になりたがる人も多いので)。
韓国で苗字にさんをつけるのはお年寄りぐらい。さんは「氏」(韓国語の発音もシ)になるが、「金○○氏」とフルネームか「○○氏」と名前に氏を付けよう。「李氏!」と呼んだ瞬間、喧嘩を売っているのかな?と思われるかもしれないので気を付けよう。
「させて頂きます」、「頂戴します」、「拝見します」といった謙譲語。これはどう翻訳しても、韓国語だと普通の尊敬語になってしまう。外国人なら誰も一度は自分を下げるつもりが、意味の通じない日本語になってしまい、赤面した経験があるだろう。
今一番悩ましいのは「教えてください」の謙譲語、「教えて頂ければ幸いです」?うん…ストレートに言い合う気質のせいか、韓国人としてはそこまでへりくだる事ないのに、と思ってしまう。韓国語にも謙譲語はもちろんあるが、尊敬語とあまり区別されず使われているような気がする。
日本語と韓国語では同じように使われる言葉も多い。豚に真珠、塵も積もれば山となる、雨降って地固まるなど、ことわざもそうだし、カバンはカバン、道路はドーロ、無理はムリと漢字の発音が同じものも多い。まずは韓国人に出会ったら、「アンニョンハセヨ」(こんにちは)と言ってみよう。外国人が韓国語を喋るとみんな大喜びしてくれるので、商談もすいすい進められるだろう。
[趙 章恩 CHO CHANG EUN]
[BCN This Week 2003年12月22日 vol.1020 掲載] Link