第33回:緊急報告!負けるなクォン・サンウ、がんばれクォン・サンウ







第33回
緊急報告!
     負けるなクォン・サンウ、がんばれクォン・サンウ

2007年2月8日


 大変なことになった。前々から巷で「クォン・サンウが組織暴力団に脅迫されていて、芸能活動どころか命もあぶない」という噂は本当だった! 映画「青春マンガ(日本のタイトルは『恋愛漫画』)」以降、CM以外まったく活動がなかった彼に何か問題でもあるのではないかと心配していたが、こんな深刻な問題があったとは。

 韓国では6日9時のニュースや総合日刊紙に大々的に報道され、検察が本格的に捜査を始めたそう。母思いで礼儀正しく率直な受け答えで女性記者に大人気のクォン・サンウが、こんなことをされていたなんて、かわいそうすぎる。母にまで暴力団が手を出すのではないかと心配したクォン・サンウは、数か月間自宅に帰れずホテルを転々とする生活だったとか。

 「僕が娘だったらもっと母にやさしくできたかも。男だから心はそうじゃないのにぶっきらぼうにして母を心配させた」、「母はよくあなたの面倒をみるために100歳までは生きていないとね、っていうけど本当に100歳以上に長生きしてほしい」と目を赤くしたクォン・サンウの姿が目に浮かび悲しくなってしまった。去年12月には台湾で雨の中でファンミーティングを開催し、愛蔵品を寄付してオークションを開き、現地の子供達に寄付するなど、海外ファンとの交流も大事にしていたのに。

 脅迫をされるようになったすべての始まりは、日本でのある出来事だった。前所属事務所の関係者が、日本の組織暴力団出身の牧師と日本でのファンミーティングを約束し800万円の有名ブランド時計をプレゼントされてから。クォン・サンウには、ファンからのプレゼントだと時計を渡したという。牧師は日本でのファンミーティングやデパートでのサイン会に参加するよう前所属事務所に要求したが、クォン・サンウはそれを知らなかった。その後、牧師の「韓国の友達」というキム・テチョンから電話がかかってきて脅迫されるようになったという。キム・テチョンは韓国では名前そのものが凶器といわれるほどの存在で、ソバン派(はは日本でいうなんとか組)の元ボス。今はクリスチャンとして普通の生活に戻り宣教活動に熱心、全国各地で「映画に登場する組織暴力団の義理なんてみんな嘘、暴力団なんかに憧れてはならない、私のようになってはいけない」と講演していた。

 実はクォン・サンウ、脅迫したキム・テチョンを告訴するつもりではなかったらしい。告訴したのは、もっとすごいことがあったからだ。クォン・サンウの前マネージャーはソバン派と並ぶ韓国3大暴力団の一つであるヤンウ二派の二番頭の息子で、2005年11月からI社と専属契約を結び、自分をマネージャーにしなければマスコミに秘密を暴露すると脅威し、「契約どおりにしないと10億ウォンを支払う」という内容の覚書きを書くよう強制した。クォン・サンウはこの契約を何とかしたいと思い検察に相談したところ、「キム・テチョンがクォン・サンウを脅迫、組織暴力団と芸能界の闇のつながり」と報道され、検察はキム・テチョンと前マネージャーを告訴し、暴力団から芸能界、大騒ぎになってしまった。

 クォン・サンウは前マネージャーが釈放されるよう検察に嘆願書を出し、円満に解決できることを願っている。去年11月芸能番組とのインタビューで「暴力団に脅迫されているという噂があるが事実ではない」と答え、この問題が表に出ることを極力避けていただけに、戸惑ってしまっただろう。

 ネットでは「前マネージャーが暴露すると脅した秘密が何であろうと、脅迫なんかに負けちゃいけない」、「暴力団の復讐が怖いだろうけど勇気を出して立ち向かってほしい、大勢のファンがついていることを忘れないで!」と応援のメッセージが書き込まれ、大物韓流スターがこのような事件に巻き込まれたことを残念がっている。現在、クォン・サンウはCM撮影のため海外に滞在中。いつ帰国するかは未定だ。

 ということで、クォン・サンウが元気な笑顔でドラマや映画に復帰することを願う気持ちを込めて、彼の作品をもう一度観てみましょう。

恋愛漫画

 30歳を過ぎても少年のようなクォン・サンウのおかっぱ頭が見られるだけで嬉しくなってしまった映画。軽快で笑える場面が多い前半とは違って、後半はラブコメとは思えない気が重くなる反転もあり、ハッピーエンドへ向かって二転三転する。やることなすこと憎たらしい限りだけど、実は根がやさしく純粋で繊細なキャラクターを演じさせたら右に出るものはいないと言われるクォン・サンウだけに、映画の中ではずっとキラキラ輝いていた。アクションシーンも90%代役なしで挑んだというだけあり、リアルだった。クォン・サンウが演じるジファンとお父さんとの関係も微笑ましくて、ラブコメというよりヒューマンドラマかも。

美しい野獣

 韓流スターとして美少年役やラブコメばかり選ぶのかと思ったら、徹底した役者魂で現れたクォン・サンウの変身に驚いてしまった。物語としてはまずまず、彼の変身についていけなかったのかシビアすぎる展開のせいか、観客も評論家もあまりいい点数をつけなかったけど、「クォン・サンウは幅広い演技ができる」ということを証明した映画にはなった。面白い映画、とは言い切れないけど、時間がもったいないな映画ではない。

ひとまず走れ

 25歳で余裕の高校生役。全然違和感ないところがすごい。TVで何度も放映されたが毎回楽しく観ている。美術教育学科出身で母の望むとおり教師を目指していたクォン・サンウは人気絶頂の2003年、4週間兄が教鞭を取っている地元デジョン(大田)の中学で教育実習もした。そんな彼のはまり役は、リアルのクォン・サンウとは正反対の反抗的な高校生。「ひとまず走れ」もそうだし「マルチュク青春通り」もそうだし。モムチャンだからとアクションシーンも毎回登場するので、物静かな彼の性格からして大変じゃない? と思ってしまうが、どんな役柄もクォン・サンウだけの魅力がにじみ出ているところはさすが! この頃と今を比べると顔があまり変わらない気がするんだけど、もしかして歳をとらない魔法にでもかかったの?

ただいま恋愛中

 筆者の大好きなドラマの上位にランキングしている作品で、韓国ドラマでほぼ初めて、かわいい弟のようで案外たくましい年下彼氏像を演じ、全国のお姉さま達を熱狂させた。また、個人的に大好きなチェリムとソ・ジソプも出演しているところもお勧めの理由。クォン・サンウが主人公ではないのだが、全体的にかわいい雰囲気のドラマなのでお勧めしたい。

 クォン・サンウは今年「悲しき恋歌」から2年ぶりにSBSのドラマに出演する予定だそう。去年からピが主演するという噂のあったドラマで、キャスティング候補になった女優達はキャラクターが強すぎるとみんな断ったという作品で、今クォン・サンウに合わせて企画を全部ひっくり返して調整しているらしい。2005年以降ドラマも映画も努力した割りには興行成績がぱっとしなかったが、「占いに行ったら今年からは開運するそう」と自ら話しているだけに、これからはいいことばかり続きますように。がんばれクォン・サンウ!


By-
RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情 
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