最終回:ついに始りました!驚きの連続~ペ・ヨンジュン主演『太王四神記』







最終回
ついに始りました!驚きの連続

ペ・ヨンジュン主演『太王四神記』

2007年9月21日


 いつかいつかと世界中のヨン様ファンが首を長くして待った超大作ファンタジー歴史ドラマ『太王四神記』がついに韓国で放映開始となった。チャンネル11番、MBCより9月10日予告スペシャルのドラマ全般解説から始まり11日~13日に3話連続放映という太っ腹サービスで幕開けとなった「テワンサシンギ(太王四神記)」、略して「テサギ」は韓国でも今年最高の、いや歴代最高のドラマとして早速視聴率がぐんぐん伸びている。







太王四神記 (c)iMBC ※ クリックで拡大

●済州道の野外セットはテーマパークに

 2003年に企画され、男物のドラマを作らせたら右に出るものはいないとされるキム・ジョンハク監督にペ・ヨンジュンがパートナーとして参加し、2006年3月に撮影開始、事前製作を目指したのだが2007年9月時点、未だ撮影は続いている。

 放映が6回も延期されたのは撮影に手間のかかる時代劇であるのとCG作業が重要な役割を占めるファンタジーであることが原因だが、「ソン・ジナ作家とヨン様の意見対立で撮影中止に」という報道もあった。真偽のほどは明らかではないが、その後作家が一人追加された。製作発表当時は映画「ロードオブザリング」のCGチームが参加するということだったが、台本が出るのが遅れてしまい、1年以上も韓国に滞在していたが、結局1コマもCGを作ることなく帰国してしまったそうだ。もったいない。

 済州道(チェジュド)に完成した大型野外セットは8月まで無料公開され大繁盛、まだ撮影が続いているため一般公開は難しいが、撮影が終了したらテーマパークとして公開するという。同じく高句麗を背景にしたドラマ「朱蒙(ジュモン)」の野外セットだった全羅南道の羅州(ナジュ)にある三漢志テーマパークや、ソウルから近い九里市にあるデジャンガンマウル(鍛冶屋村)でも撮影が行われている。そのため9月22日からのお盆連休には家族連れでロケ地巡りを計画しているファンも多い。野外セット場は韓国の三国時代の歴史を学べる場所でもあるので、子供を連れて行きたいスポットとして人気が高いとか。


視聴!<太王四神記>

 太王四神記』(MBC、毎週水木・夜9時55分から)を視聴するには、ドラマ視聴ページ(VOD)から。
 MBCのインターネットでの視聴方法について詳しくは
第3回:無料で楽しむ韓国ドラマ 入門編3<有料でも見たい!MBC>を参照。
 なお、
壁紙場面写真も公開されている。



●韓国の建国神話と高句麗19代目の王様の歴史がモチーフ







太王四神記 (c)iMBC ※ クリックで拡大
 『太王四神記』のストーリーは韓国の建国神話と高句麗19代目の王様の歴史をモチーフにしている。主人公ダムドク(談德)は韓国歴代王様の中でもっとも勇敢で領土を中央アジアにまで拡張した「広開土大王(グァンゲトデワン)」、日本では「好太王」と記録されている人物だ。名前から察しがつくように、ヨン様が演じる広開土大王は韓国の歴史上もっとも韓国の領土と勢力を拡大させた王様だった。高句麗の領土を韓国歴史上最大規模である今の中国吉林省にまで拡大して最盛期を迎える。

 中国は高句麗の遺跡の多くが元々高句麗の領土だった中国に残っているのをいいことに、高句麗は中国の歴史、『太王四神記』は中国の歴史を改ざんしていると主張し、遺跡周辺での撮影を拒否し、高句麗の歴史を中国の世界遺産として登録申請している。ヨン様のドラマは日本では待ちに待った待望の大作だが、中国では目の敵のような作品扱いをされていて、外交問題にまでなろうとしたほど。

 ドラマの物語は三国時代の高句麗から始まる。登場人物の生まれ変わる前の因縁や四神を説明するため神話の時代に戻り、生まれ変わってからの子供時代から話が始まる。ダムドク(神話時代ではファンウン)とスジニ(神話時代ではセオ)、ソギハ(神話時代ではガジン)姉妹の三角関係と、ダムドクがジュシンの王様として領土を取り戻すまで彼を守護する四神の生まれ変わりである個性的なヒョンゴ、ジュムチ、チョロの活躍、ダムドクを慕う貴族からライバルへとなるしかなかったヨンホゲのソギハへの想いと苦悩も、ストーリーをひっぱる大きな軸となっている。

 ジュシン(肅愼)というのは、韓国の建国神話と関連がある。天から天符印として青銅剣、青銅鏡、青銅鐘の3つを持って3,000人でこの世へやってきた桓雄(ファンウン)が、太白山の周辺に神市を作った。そこへ熊と虎がやってきて、人間になりたいと願った。ファンウンは100日間洞窟の中でにんにくとヨモギだけを食べれば人間になれると言った。それに耐えられなかった虎は途中で逃げてしまうが、熊は最後まで耐えて女に生まれ変わる。ファンウンは熊女と結婚し、今の韓民族の先祖となる。

 ドラマではファンウンがヨン様、熊女がセオでありその後のスジニ、虎がガジンでその後のソギハという設定で、ファンウンはガジンが持つ火を操る力(紅色の玉ネックレス)を奪いセオに渡す。嫉妬したガジンはセオが産んだファンウンの子を崖から投げ落とす。怒りに燃えるセオは、真っ赤に燃える黒朱雀となり、その怒りを静めるために残りの三神がこの世に登場する。ファンウンは自らの手で黒朱雀になったセオを殺し、セオのネックレスをはじめ四神の力が込められた神物を聖なる木の下に封印する。

 ファンウンはジュシンの王様が生まれる日、星は光り神物はそれを告げてくれると予言する。神物は高句麗や百済の家で代々命より大事な物として守られてきた。そしてダムドクが生まれた日、神物はそれを告げ、虎族の後継で闇の王国建設を狙うデファチョンフェ(大和天会)は神物を手に入れようと動き出す。


●“ヨン様の恋人”に注目が集まる

 予告スペシャルでは、ヨン様よりもスジニ役の新人女優イ・ジアに視線が集中した。“ヨン様の恋人”を演じる相手役を選ぶために30回以上もオーディションを繰り返し、撮影が開始されてから1年6か月以上経ってやっと決定したほど、スジニ役選びは難航した。だが監督は演技経験のまったくない、グラフィックデザイナーを目指してアメリカに留学中だった26歳のイ・ジアを一目見た瞬間「この子はいける!」と惚れ込んだそうで、ヨン様と同じBOFの所属となり撮影に挑んでいる。

 神話時代の髪の長いセオを演じるシーンではとてもきれいで、一瞬チェ・ジウに似ていると思ったが、古代の髪の短いスジニのシーンではまた別人のようでビックリ。放映早々ヨン様よりもイ・ジアのほうが、ネットで検索キーワード上位になったほど、シンデレラ誕生間違いなし。

 もう一人驚いたのはチェ・ミンス。大和天会の首長を演じる彼のカリスマは画面を通り越して鳥肌が立つほど。いつもはすごい老人なのに魔法で若く見えるようにしているという設定なので、最初はあの老人がチェ・ミンス? とひっくり返るほどの特殊メイクもすごかった~。

●豪華なCGを使ったハイビジョン映像は感動モノ

 映画より豪華なCGを使ったハイビジョン映像は感動の一言だ。ファンタジー映画とはあまり縁のなかった人でも、これは手が込んでいるな~と実感できるはず。神話の場面では、白髪に長髪のヨン様の姿が映画「ロードオブザリング」のガンダルフっぽいことから「ヨンダルフ」ともいわれたが、スジニとソギハの関係を説明するためには重要な場面なので笑ってはいけない。

 CGが多くて一瞬オンラインゲームのようでもあり、アニメのようでもあるが、そこが逆に新鮮だ。物語りも複雑だから集中して(登場人物をメモったりしながら)観ないといけないので、1時間があっという間に過ぎてしまう。3話連続放映のあとに再放送でまた観てしまったが、観るたびに新しい発見があってよかった~。子役の演技も安定していて、脇役もしっかりしているから、観るたびに「このセリフは後でこういう仕掛けのためかな?」なんて分析してみたり、街の風景や衣装、小物にまでもすごく細かいところまで手が行き届いているから目がぐるぐる回ってしまう。

 これから本格的にスジニ(朱雀)、ヒョンゴ(玄武)、ジュムチ(白虎)、チョロ(青竜)の四神が登場する。「いつも僕のそばにいて。振り返ったら見えるよういつもそこにいて」とダムドクが告白した初恋のソギハではなく、なぜスジニに惹かれるのか、ライバルのヨンホゲはどんな妨害作戦でダムドクを苦しめるのか、どうやってジュシンの王になるのか、今後の展開から目が離せない!

By-
RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情 
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