暑い夏でも角質はたまります。外側は脂っぽくてベトベトしているのに、目元や口周りはカサカサに乾燥してくすんだ肌を見ると、「あ~あ、また歳をとってしまったのね~」なんて思ったりします。悲しすぎます・・・こうなったらもう最後の頼みは美容外科・・・ですかね。
でもちょっと待った! その前におすすめしたいのがこれです。韓国の国民的レジャーとして親しまれている「チムジルバン」~。ある新聞社のアンケート調査によると、外国人の友達が韓国に来たときに真っ先に連れて行きたい場所1位に選ばれたほど、韓国人の生活の一部でもあります。
チムジルバンは日本の健康ランドに似ていますが、カジュアルだけどディープな(!)使われ方をしています。銭湯やサウナとは別にいろんな部屋があって、まった~りとした時間を楽しめるからです。受付で渡される白いTシャツと短パンに着替えて、タオルの両端を丸く巻いて(これをヤンモリ=「羊頭」といいます。ドラマ「私の名前はキム・サムスン」に登場して流行りました)頭に載せたら、さあ入場!
寝っころがれる黄土部屋をはじめ、テレビやDVDを観たり、カラオケで歌ったりできるいろいろな部屋があるんです。チムジルバンは24時間営業のところがほとんどなので、友達同士で、家族連れで、一晩中おしゃべりしながら汗を流して、食べて(チムジルバンと言えばわかめスープ定食!)、テレビも観て……という感じで、自宅のリビングだと思って思う存分リラックスできるんです。
なぜそんなにチムジルバンが好きなのかと聞かれると、私の場合はやはり美容のため! 昔からの健康法である熱々の黄土オンドル部屋でじっくり体の芯まで温めて汗を流し、ひんやりとした塩部屋や宝石部屋でまた肌を引き締め、また汗を流し……ということを繰り返します。サウナより暑くないので息苦しくなることもなく、体がだるくなることもなく、汗と一緒に老廃物を出しまくります。韓国では肌の美しさも健康も、何よりもデトックスをしないと得られないと考えられています。
デトックスとは文字どおり毒を出すこと。2009年のトレンドである、シルクのようにしっとり輝くセンオル(生顔)を磨き上げるためには、夏から秋にかけてどんな対策を取るかが重要なのです!! メラニンを体の外に出してシミを防ぐためには顔だけに投資してもダメで、体の内部からムダなものを出さないといいものを取り込めないというわけです。日本でもヨガや腸洗浄などが流行りましたね。
韓国のデトックスの基本は、これまで受け継がれてきた伝統ともいうべき垢すり、ハンジュンマク、黄土部屋チムジル、よもぎ蒸しです! このすべてを体験できる手軽な場所として、「チムジルバン」は、韓国の人々の生活の一部として浸透してきました。
韓国はマンションでも床暖房のオンドル部屋が当たり前ですが、チムジルバンのオンドルはいろんな種類があって本格的なので、月に1~2回は自然と足が向いてしまいます。じっくり汗をかいたあとは、サウナへ移動。垢すりにきゅうりパック、オイルマッサージをしてもらって一皮剥きます!
チムジルバンでは汗をたっぷりかくので、水分補給を忘れずに! チムジルバンの飲み物といえば、なんといっても柿酢(ガムシクチョ)で決まり! 500MLぐらいの大きさのタンブラーに甘酸っぱい柿酢と氷を混ぜてくれるシンプルな飲み物ですが、これがチムジルバンで飲むと格別においしんですよ。蓋があるタンブラーに入れてくれるので、中で持ち歩きながら飲んでも大丈夫。熱々の黄土部屋に寝転がって、キーンと歯にしみるほど冷たい(歳はごまかせませんね~)ガムシクチョを飲めば、うひぇ~極楽極楽~。
柿酢はビタミンCが豊富で、体脂肪の分解、消化促進、血管をきれいにする効果があると言われているので、自然と肌もきれいにしてくれるんです。ウィルスの抵抗力も高めてくれる力があるそうなので、「風邪かな?」と思ったときに飲む人も多いんですよ。一時期、柿酢ダイエットがものすごく流行ったこともあり、ロッテマートやスーパーでも手に入れることができるようになりました。原液が500mlで500~600円ほどのお手頃価格です。牛乳に混ぜてヨーグルトにして飲んでもおいしかったですよ。
今ではすっかり在韓外国人にも人気のチムジルバン。スパやエステとはまた違った、まったりデトックスにハマってしまうかも! 私のお気に入りは江南(カンナム)にある女性専用チムジルバン。家族と一緒もいいけれど、女性同士のほうが気楽ですもの。顔にシートマスク貼ったままおしゃべりしたり、お気に入りのコスメを持ってきて座談会を始めたり、芸能界の裏話に花を咲かせたり~トホホ。
明洞(ミョンドン)周辺には日本語の通じるチムジルバンも多いので、ぜひ体験してみてくださいね。
by: 趙章恩
2009年08月02日
「ニッコリア」: ダイナマイト・コリア 今日もドキドキ探検に出かけよう!