Twitterや検索キーワードを悪用、あの手この手の選挙運動

韓国では6月2日、地方選挙が行われる。韓国の選挙法では選挙120日前から本人による対面名刺配布・電子メール・選挙管理委員会の承認を得た印刷物の郵送による選挙運動ができるが、他人による選挙運動は事前選挙運動として取り締まりの対象になる。

 Twitterやブログ、インターネットコミュニティー、動画投稿サイトなど、韓国人が日常的に使う情報源となるサイトを利用してはならないという、IT大国らしくない規定がある。しかし、選挙法にひっかからないよう、あの手この手を使ったインターネット選挙運動が問題になっている。


 先日は、自分の名前が検索キーワードランキング上位になるよう、有名ポータルサイトから繰り返し検索させる知識検索(Yahoo!知恵袋のようなユーザー同士の質問と答え)に自分に関する質問と人柄を褒める答えを繰り返し書き込む方法を取った選挙候補が「事前選挙運動」違反で逮捕された。「○○区選挙候補」と検索すると、自分の名前が検索結果上位になるようにしたわけだ。


 この候補はオンライン広告代理店にお金を渡して選挙運動を依頼し、代理店がアルバイトを雇ってこのようなことをしていた。さらに、代理店が100人以上もの個人情報を盗みIDを作って、ポータルサイトに特定候補を褒め称える質問と答えを書いていたことから、実名制度の穴ともいえる個人情報管理実態が問題になっている。こんなに簡単に盗まれて悪用されてしまうようでは実名制度(参考記事はこちら)の意味がないからだ。


 検察は地方選挙を前に、Twitterをはじめインターネットに特定候補に有利な印象を与えるよう宣伝の書き込みをすることを「選挙犯罪」として取り締まっている。してもいない世論調査をでっちあげて、「○○候補が支持率1位」と何十回も書き込んだ50代の男性も逮捕された。市長のメールをハッキングして選挙動向を探りライバル候補に渡した公務員もいたというから、選挙は怖い。

選挙まで約40日残した時点で、616人が立件、23人が拘束されている。数字だけ見れば2006年の選挙に比べると減っているとは言え、選挙候補だけで約1万5000人。これに関連する選挙運動組織まで含めると、監視対象はきりがない。


 選挙管理委員会は8000人規模の「選挙不正監視団」を運営している。インターネットについては250人体制で24時間モニタリングし、選挙法違反をチェックしている。このほかに警察からサイバー捜査員945人、一般市民から募集したサイバー名誉警察「ヌリカップス」1181人が動員され、インターネット選挙運動監視を担当する。


 政府の調査によると、インターネットを悪用した選挙法違反が選挙法全違反件数に占める割合は、2004年の9.2%から2010年現時点において14%にまで大きく増加している。人々のコミュニケーションが対面や郵便・電話から、インターネット、ソーシャルネットワーキングサービスへ移行しているからだろう。


 さかのぼれば2002年、「インターネットの力で大統領が誕生した」と言われたものだが、その後選挙法が厳しくなったことで、ネットの世論に押されて政権が変わるといったことはなさそうだ。それでも、韓国ではネットが世論の中心であることは間違いない。2002年当時でも紙の新聞より信頼されていたネット上の新聞であったが、2010年、Twitterが特ダネの発生地になりニュース源として、より信頼されるようになっている。選挙運動にTwitterを利用できないのは、今度の選挙が最後かもしれない。


 選挙では使えないTwitter、一方で企業では積極的に利用されている。CEOが自分の日常をTwitterでつぶやいて親近感を与えることで企業イメージアップを狙うのは当たり前。韓国の大手企業は部署別にTwitterを運営しているほどだ。最近は病院が患者とのコミュニケーションのためにつぶやいていることが話題になっている。


 韓国のへぇ~なTwitter事情もまた今度詳しくお伝えしましょう。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年4月28日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100428/1024636/

就職難で英語に命がけの韓国人、もうかるのは教育産業だけ?

韓国の就職難は昨日今日の話ではない。大学新卒で正社員にすぐ採用されるなんて「針の穴を通るようなもの」と言われるほどである。インターン採用ばかりで、3~6カ月の試用期間を経てから採用が決まる。

 最近の大学は“小学校”に戻ったとも言われる。学部は4年のはずだが、4年で卒業する学生はあまり見かけない。卒業して無職になるのが怖いからわざと単位を落としたり休学したりして5年生、6年生になる。男性は徴兵もあるから、ただでさえ大学卒業まで6~7年はかかるというのに! 就職が決まるまで卒業せずねばると、30代になって新卒ということにもなりかねない。就職難から新卒の年齢制限を廃止したこともあり、さらに大学生の「いいところに就職するまで卒業しない」主義が強まったのかも知れない。大学は授業料を長い期間取れるからもうかるだろうが、家計の負担は相当なものになる。


 毎年秋になれば日本のテレビでも話題になる韓国の大学入試風景。熾烈(しれつ)な競争を突破して名門大学に入った後は、サークル活動より、就職準備のためスタディーグループに入る。大手企業、マスコミ、公務員など志願する分野ごとにグループを作り情報を共有するのだ。このグループに入るためにはメンバーの面接があって、そのメンバーよりレベルの低い人は入れない。ここから既に就職難は始まっているようなものだ。

韓国人の英語に対する悲壮なまでの取り組みに話を移す。最近は英語でしゃべる能力まで測定するという「TOEIC Speaking」が登場し、人々を悲しませている。TOEIC Speakingは2009年12月時点で約200企業が社員評価のために導入している。


 新卒に求められるのは大手企業の場合、大学での平均B以上の成績、TOEIC800点前後、TOEIC Speakingレベルは理工系学部5、文系6以上である(TOEICのレベル別の目安はこちら)。さらに海外語学研修経験やボランティア活動証明書(何時間ボランティアしたという証明様式がある)、日本語テストや中国語テストの公認成績表を要求する会社もある。これが書類審査を通る最低条件というわけだ。


 韓国では中小企業でもTOEICの成績表は必ず要求される。そのため、90年代後半まで年間30~40万人だったTOEIC受験者数が、2009年には年間200万人に増えた。高い点数を取るために毎月テストを受ける人もいるので(私もかつてそうだった)、人数は減らない。


 ネットでは「TOEICを4、11月に受けると難易度が低くて点数が上がる」、「2月は難易度が高くて点数を取りづらい」といった口コミまで広がっている(韓国TOEIC委員会はそんなことありえないと否定している)。少しでも高い点数を取ってなんとか就職したい! と願う人達にとってこれは貴重な情報だ。一時は日本や海外でTOEICを受けるとより高い点数が取れるという噂が流れたが、ほとんどの企業が海外で発行されたTOEIC点数は認めないそうだ。政府機関に就職するためにはTOEICとは別に、韓国で開発されたTEPSという英語テストを受けなければならず、テスト受験費だけでもばかにならない。


 就職のためだけでなく、就職後も定期的にTOEICテストを実施して人事に反映する会社もあるので、油断できない。日本でも韓国のTOEIC関連本が翻訳出版されており、これが結構人気だそうだ。英語ができなくてもTOEICの点数だけは高く取るという珍現象を追体験できるかも。

日本でよく、「韓国人は英語が話せる人が多いですよね」と言われるが、それはやっぱり人それぞれ。大手商社や研究所に勤める人は流暢だけど、海外と縁のない事務職の人は英語で話しかけられるとガチガチに緊張して知っている言葉も出てこない、なんてこともよくある。


 日本語と同様、韓国語は英語と語順が逆なので、韓国人にとって英語は本当に難しい。Pagodaという大手英語教育機関の調査によると、これだけ勉強しているのに、韓国人のTOEIC平均点数は意外にも低くて600点台前半。受験者の目標とする850点とは200点以上も差がある。TOEIC900点なのに書類審査で落ちた、なんていう話を頻繁に聞いたのでもっと平均点が高いかと思っていた。この理想と現実の差を埋めるため、どんな不況でも英語関連産業はもうかる一方だろう。Pagodaの調査では外国語勉強時間は1日平均で1時間30分、外国語取得のために使う費用は月平均14万ウォン(約1万2000円)だった。


 TOEIC対策の英語スクールやEラーニングサイトはいつも大繁盛で、iPhoneのApp Storeの人気アプリも英語辞書や英会話、TOEIC関連のものが多かった。日本ではあまり見かけない動画再生機PMP(portable multimedia player)が普及しているのも、英語のため、Eラーニング動画を見たり電子辞書を楽に使ったりするためである。


 英語ができるとその分いろんなコンテンツを楽しめるし、情報の量も広がる。ネット検索でもこれは使える、と思う情報は英語が多い。しかし今の韓国は英語に重みを置きすぎているように感じる。人々にものすごいストレスを与えているからだ。


 韓国では、学校の成績とTOEIC点数を重視する採用方式はそろそろやめるべき、という声も出ている。少子化で生産人口は減っているはずなのに、就職難は増すばかりである。大学生らが大手企業ばかり目指し、中小企業には就職したがらないからと政府は言うが、それは当然だ。給料の格差が大きすぎる。就職や勉強のために使った費用を回収するためにも、急騰する物価のためにも、若者は大手企業を目指すしかない。


 企業は人材を養成する場ではなく雇う場、即戦力のある人しか採用しない、といった恐ろしいほどの競争社会はいつまで続くことやら。何事もほどほどにしないと、跳ね返りも大きいからね。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年4月22日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100421/1024435/

もう待てない! iPad発売未定の韓国、購入代行サイトに注文殺到

新しい製品やサービスが大好きで誰よりも早く使いたがる、いわゆる「アーリーアダプター」と呼ばれる人が多い韓国。米で売り切れ続出というiPadへの関心も非常に高い。iPhoneによるモバイル革命が起きたということもあってか、進化した電子書籍リーダーというよりは、何でも使える、ライフスタイルに大きな影響を与える携帯型情報機器としてiPadを期待しているようにみえる。

 Appleによると韓国での発売予定はまだ決まっていないということだが、TwitterやブログにはiPad体験記が書き込まれ、海外購入代行サイトを利用した注文が殺到しているという。iPhoneも「来月には出る」として2年近く発売が遅れたため、海外で購入したiPhoneをキャリアの代理店に持ち込み契約して(携帯電話として使うためには別途端末認証などの手続きが必要だった)使う人もいたほどだった。いつになるか分からない正式販売まで待てないのである。


 海外購入代行サイトは文字通り、海外でしか手に入らない商品の購入をネットで依頼し、韓国へ郵送してもらう代行サービスのこと。海外発送に対応していないオークションサイトやアウトレットの商品を購入するためによく使われている。iPad(16GB)が米で499ドルのところ、郵送料や手数料込みで約84万ウォン(7万円前後)はする。韓国で未発売のiPadが既に1000台以上は輸入されたという推定値があるほどだ。大手海外購入代行サイトはどこもiPad特設コーナーを設けている。共同購入で人を集め大量注文することで手数料を安く抑えようと、Twitterやブログを通じて購入者を集める人も出てきた。


 中には「iPad買った!」という書き込みに対して、どんな機能があるのか、一体どんなものなのか、あまりにも質問が相次いだため、自分のiPadを触って体験できるよう体験会を開催した人もいるから面白い。発売予定はまだないというのに、iPadを展示する大型書店もある。ここでもiPadを体験するため長蛇の列!


 韓国ではやはりiPadの大きな画面が魅力とされている。瞬時に起動し、写真もきれいに映る解像度に期待は高い。電子ブックだけでなくネット検索、ゲーム、動画再生、デジタル額縁、GPSナビゲーションとしても利用できるので、遊びにも仕事にも使える。有料アプリケーションを購入すれば、韓国語入力もできる。


 iPadを取り寄せた人の中には、アプリケーション開発者や出版業界の人が多いようだ。個人がiPhone向けアプリケーションを開発して一晩で数百万円稼いだという実話が何度も報道されてから、アプリケーション開発は“宝の山”として注目を浴びているのだ。


iPadをきっかけに離陸する韓国電子書籍ビジネス



 韓国でも2009年から電子ブックリーダーが次々に発売され、人気作家の連載が電子書籍限定で配信されたり、新聞社が有料配信を始めたり、「電子書籍」がようやくビジネスモデルとして動き始めたことも影響している。韓国の電子書籍サービスは1999年に登場したものの、10年も眠ったままの市場だったが、電子書籍にぴったりの使いやすい機器が登場したことでやっと活気が出始めた。出版業界もデジタルコンテンツ業界も、iPadのように誰でも楽に使える機器が出たからには、パソコン向けサービスとはまた違うコンテンツサービスができると胸を躍らせている。銀行やポータルサイトもiPadからサービスを利用できるよう準備しているという。


 電子書籍リーダーを発売したばかりのハードウエア業界にとってiPadは嫌な存在ではある。しかし、iPadの影響でパソコンや電子書籍、デジタルコンテンツ産業が生まれ変わるきっかけになることは間違いないだろう。iPhoneをきっかけに韓国モバイル産業が大きく変わったように。世界市場で活躍する韓国メーカーらは当然iPadを超える機器作りを目指すだろうから、これをきっかけに韓国産タブレットPCや電子書籍リーダーの技術発展も望める。


 韓国では一家に1台、テレビはなくてもデスクトップパソコンはあるほどで、「大画面+ネット」依存が強い。テレビの番組もテレビ局のサイトからリアルタイムで高画質映像を観られ(Onairサービスといって、CMも含めテレビに流れる画面がそのまま無料でネットから視聴できる)、音楽や動画、ゲーム、雑誌などパソコンから利用できる無料コンテンツも豊富にそろっている。


 iPhoneのようなスマートフォンの利用が急増しているのも、携帯電話より画面が大きいのでストレスがない、無線LANを使えるから料金を気にすることなくネットが使え、よりたくさんのコンテンツを利用できるという点が挙げられる。「大画面+ネット」への要求の高さからすると、無線LANに対応した9.7インチのiPadは、韓国人にとって欲しくてたまらないものなのだ。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年4月14日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100414/1024306/

韓国ICT展示会・スマートフォンで激変した韓国モバイル事情セミナー(講師: 趙章恩氏)


  • 2010 Korea ICT PLAZA JAPAN (韓国ICT展示会)
  • ・開催日 : 5月10,11日
  • ・場 所 : ホテルニューオータニ(千代田区紀尾井町)




お申込みは、こちらから ※ 参加ご希望のイベントも、必ずお知らせ下さい。
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 韓国IT企業の精鋭50社が参加、最大級の韓国IT展示会とセミナー
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モバイル、AR(拡張現実)、グリーンIT、情報漏えい防止など、韓国IT企業の
精鋭50社を集め、製品をご覧になっていただく、2010 KOREA ICT PLAZA JAPAN
を、下記のとおり開催いたします。セミナーとKorea IT Cafeも同時開催します。
これだけの製品が一か所に集まる機会は、めったにありません。是非、今回の
イベントにご参加いただき、ビジネスチャンスを拡げて下さい。情報収集大歓
迎です。お気軽にご参加下さい。

日時:
 展示会:5月10,11日 10:00~17:30
 セミナー: 5月10日 14:00~15:00 5月11日 10:00~11:00(日本語)
 第19回 Korea IT Cafe: 5月11日 13:30~15:30(日本語)

場所:ホテルニューオータニ 芙蓉の間 (千代田区紀尾井町)
    館内案内
主催:大韓貿易投資振興公社(KOTRA)
参加費:無料(要登録)

【セミナー】
 5月10日 14:00~15:00 定員100名
 テーマ: スマートフォンで激変した韓国のコンテンツビジネス
 講師: ITジャーナリスト 趙章恩氏
  ○ 韓国の携帯電話・モバイルの現況(WiBro含む)
  ○ 韓国のスマートフォンの現況
    – 普及率、料金などの一般的情報
    – iPhoneの登場による市場の変化
    – 端末の動向
    – Wi-Fiの利用状況
    – コンテンツ(ソフトウェアも含む)ビジネスの変化
  ○ スマートフォンの韓国市場の展望
  ○ モバイルビジネスへの政府の政策
    – 2009-13モバイルインターネット活性化推進計画
  ○ スマートフォンの企業・政府の国際戦略

  【連載中のコラム】
  連載日経オンライン IT先進国韓国の素顔
  http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx
  日経PCオンライン Korea On The Web
  http://pc.nikkeibp.co.jp/pc/column/cho/index.html

 5月11日 10:00~11:00 定員100名
 テーマ: スマートフォンで激変した韓国のコンテンツビジネス ※5/10と同一内容です。

【第19回 Korea IT Cafe】 5月11日 13:30~15:30 定員100名
 第1部テーマ: 韓国の最新ネットワークセキュリティ Web攻撃からの防御
 発表者: 株式会社アンラボ、ペンタセキュリティシステムズ株式会社

 第2部テーマ: なぜ、韓国では文書統合管理システムの導入が進んだのか
 発表者:株式会社ユニオンエヌイーシー

 ※ Korea IT Cafeは、日韓ITビジネスの最前線で活躍している韓国企業の方を
 ゲストに、韓国ITビジネスについてお話いただき、お客様と共に、情報交換する
 イベントですが、今回はご参加者が多いため、セミナー形式になります。
 ※ 事情によりテーマが変更になる場合もございますが、ご了承下さい。


【展示予定企業】 ※ 各ブースに日韓通訳がつきます。

A. モバイルソリューション
 ★ 2D・3D GUI/ Flash plug-in 4億台の携帯に搭載/デジタルアリア
 ★ Mobile Vector Graphics、サムスンが採用 /ヒュワン
 ★ モバイル拡張現実(AR)エンジン /ゼニターム
 ★ クロスプラットフォーム(携帯・PC・TV)で利用できるWidget /ミニゲート
 ★ 3DアニメーションMMS /EveryShow
 ★ モバイルCRM・企業用広告Ring Back Tone /ユーアンジェル
 ★ リアルタイム位置情報システム(RTLS) /ナインティシステムズ
 ★ 業務用PDA/モバイルRFリーダー /D.O.TEL
 ★ 携帯電話用カメラモジュール / DVR ビデオドアフォン /エムシーネックス

B. セキュリティソリューション
 ★ 情報漏えい防止 /Waterwall,Nadsoft,ブレインズスクエア,Cometrue Tech.
 ★ IPアドレス・MAC管理製品 /スコップ情報通信
 ★ 虹彩認証製品 /イリディス
 ★ 指紋認証製品 /G.I.
 ★ 監視カメラ / DVR /ソンミョン電子通信、ヒュンダイ通信
 ★ 車両用ドライブレコーダー /ジオクロス

C. ネットワークソリューション
 ★ デジタルサイネージ /デジタルゾーン, エリヴィジョン
 ★ 画像会議システム /セハソフト
 ★ STB (セットトップボックス) /インフォイキュー
 ★ 光ケーブルトータルソリューション /フォステク
 ★ シングルサイト並列共有ファイルシステム /ピースペース
 ★ パソコン自動節電システム /インカソリューション

D. ソフトウェア
 ★ 統合文書管理ソリューション、サムスン生命が採用 /ユニオンエヌイーシー
 ★ AR eラーニングパッケージ /ミンズトリ
 ★ 音声認識・認証製品 /パワーボイス
 ★ ビデオ変換・編集ソフト /オネステック
 ★ 動画変換・アップロード・Wi-Fiとサーバ転送機能付SDカード /ENJsoft
 ★ 特許情報検索・分析・競合社分析、新ビジネス発掘に利用 /ウィズドメイン
 ★ パンデミック対策、遠隔サポート /RSUPPORT
 ★ ナレッジマネジメント /OntheIT

E. ハードウェア
 ★ LED照明 /コリアLED照明, MKライティング, ルミネイチャー
 ★ SSD・SSD Controller /インディリングス
 ★ USBメモリ・外付けHDD /メモレ、シー・エヌ・エス
 ★ ワイヤレスUSB VGAアダプタ /メモド
 ★ ブルートゥース送受信器 /ユーニーズコマース
 ★ 高音質イヤフォン /アイフィールユー
 ★ 電子黒板・電子ペンタブレット /ペンアンドフリー
 ★ プレゼン用デバイス /イ・ディテール
 ★ iPod補助バッテリ・iPod用 FMトランスミッター /ネオメトロカン
 ★ インクジェットプリンター・デジタル角度測定器 /トリアシステム
 ★ 視覚障害者用センシング杖・インドアゲートボールシステム /プリンポ
 ★ ロボット用航法センサ・リモコン動作認識入力装置 /マイクロインフィニティ
 ★ 位置認識・超音波センサー /ハギソニック
 ★ 薄型テレビ用電動壁掛け・テーブルスタンド /ロボメックス
 ★ 掃除ロボット /ユジンロボット

「申し込む」より、ご登録して下さい。

Google中国撤退、韓国からは撤退しないのね

Googleの中国撤退は、自由を守るために撤退したとも見れるのか?


韓国におけるGoogleのシェアは2009年11月時点でまだ3%と、検索市場8割を占めるNAVERには全然勝てない。
しかし韓国は今、ADSLが初めて商用化された時のようなスマートフォンブーム!


アンドロイドフォンも韓国で発売され、スマートフォンではGoogleが韓国で結構なシェアを占めるのではないかと思われる。


検索だけでなくマップやドキュメントや翻訳などなど、ついつい利用してしまうサービスがいろいろあるので、スマートフォンから利用しやすい。韓国でもGoogle Blogが始まったし。


韓国のポータルや検索サイトは、まだ十分にモバイル対策をしていないので、今のうちに!と思っているかも。


韓国は人口も少ないし、世界市場からみれば広告規模も小さく、韓国の検索サイトは日本を狙っている。
韓国のインターネットサービス企業が一番力を入れているのも日本市場である。


韓国の検索サイトやインターネットサービス会社が日本進出を目指すもう一つの理由は、韓国よりは自由だから、というのもあると聞く。


日本のマスコミで韓国企業が世界市場で強い理由は何だ~と騒いでますが、基本は韓国市場だけでは食べていけない、韓国ではビジネスがし辛い、といった理由もある。


Googleも韓国で実名制度に反対し、YOUTUBEアップロードを中止した。
表現の自由を守るため、だそう。


アンドロイドマーケットはゲーム事前審査制度によってサービスが禁止される危機もあった。


韓国は実名制度、ゲーム事前審議制度、コンテンツ規制が厳しく、ガラパゴス規制なんてよくいう。


自由=混沌、混乱、炎上ではないと思うのだが。。。


– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=222

「電子政府輸出」で世界の行政情報化に貢献したい

2010年1月、192カ国を対象にした国連の電子政府評価で韓国が1位となった。電子政府の利便性やインフラ高度化、国民の政府政策参加といった評価項目で1位となり、電子政府を構築しただけでなく実生活で上手く活用している国として評価されている。

 韓国は急速なブロードバンド普及を背景に、世界でも早期に電子政府システムを構築できた。国民向け電子政府ポータルサイトがオープンしたのは2002年11月。ネットを利用して住民票や各種書類を申請できる、自宅のプリンターで印刷したものも効力を持つといった程度ではない。行政DBを使って照会すればいいので役所に書類を提出したりする手続きが簡素化されたことが非常に便利であると感じる。


 私が個人的に便利だと思ったのは、税金と医療。税金の申告も自分で計算して書類を提出する必要はなく、自動的に計算されて還付金が口座に振り込まれているから驚き!去年も何の手続きもしていないのに源泉徴収された分が計算され、過納分が口座に振り込まれましたという通知が届いた。病院に行くときも保険証はいらない。受付で国民IDカードである住民登録証を見せるだけ(住民登録番号と名前を口頭で言うだけでOKの病院もあり)。保険証を忘れて自己負担で高い医療費を払い後で精算しなおし、なんていう面倒なことはなくなった。どの病院をいつ利用したか確認書のような通知が届き、保険の水増し請求や医療保険のなりすましを防止している。


 よく電子政府や行政の情報化というと、立派なシステムを作ったのに誰も利用してくれない、といったことが問題になるが、韓国では着実に国民の生活に浸透し日常的に利用されている。


 もちろん、これは国民総背番号制である住民登録番号があって、所得・納税・教育・医療・クレジットカード使用などといったことを把握できるからかもしれない。住民登録番号を使って個人の活動を監視しすぎてないかという疑問を持つ人もいるようだが、ここまで生活が便利になってしまえば、住民登録番号があってよかった~なんて思ってしまう。


 韓国の電子政府システムは世界各国の視察対象となり、ソウル市でもっとも電子政府に力を入れている江南区は2001年から2009年まで325カ国3179人が視察に訪れたほどである。政府機関である韓国情報化振興院が開催するIT専門家研修に参加した海外の公務員だけでも100カ国3000人近いという。2010年3月には総務省の原口一博大臣も韓国を訪問し、電子政府システムや農漁村を対象にした「情報化村」を視察している。電子政府を担当する省庁である行政安全部の次官と面談し、2010年内に韓国と日本で電子政府構築に関する覚書を締結し、IT協力委員会を定期的に開催して相互協力を強化することにしたという発表もあった。

韓国の電子政府システムの輸出実績は2002年から2009年までの期間で1億1393万ドルに達し、半導体や携帯電話端末のように韓国を代表する輸出品目として政府も後押ししている。行政自治部の説明では、記録管理システム、電子文書流通システム、電子貿易サービス、遠隔勤務支援システム、行政電子署名認証システムなど252件の電子政府システムが輸出されているという。


 本格的な電子政府輸出のために、「電子政府海外進出支援センター」を2010年2月に発足した。政府が持つ電子政府システムの知的財産権使用や広報資料など海外マーケティングを支援する。電子政府システム開発に参加していない企業であっても、政府の支援によって知的財産権を使用できるので営業窓口になれる。2010年9月にはソウル市が「世界都市電子政府協議体創立総会」を開催し、10月には国連の電子政府評価で上位にランキングされた国の大臣を集めた「次世代電子政府首脳会議」が同市で開催される。


 海外政府機関から視察に来ると関連企業を紹介し、視察だけで終わらずビジネスにつながるよう韓国政府はセールスにも熱心だ。韓国型「情報化ODA」として、自身の経験を生かし、途上国の情報化を支援することにも積極的である。途上国の公務員を招待して電子政府に関する教育をさせているのも、“IT強国”として韓国にしかできない方法で世界の情報化に貢献したいからだ。


 韓国政府はこれからの時代に合わせ、スマートフォン向けモバイル行政サービスを推進している。モバイルデバイスから利用する行政サービスのセキュリティー検証やモバイル向け標準化を進め、公務員がスマートフォンを使ってリアルタイムで決裁や報告、メール確認といった業務を行えるようにする。PDAを使った交通取締りや工事関連現場報告は以前から行われていたが、今回は韓国で大ブームとなっているスマートフォンを使いモバイルオフィスを具現するというもの。これも先進事例にして関連企業のシステムを輸出できるよう支援し、固定ブロードバンドの普及が難しい途上国向けにも技術を伝授する。


 電子政府は「作って終わり」ではなく、国民の生活パターンやインターネット利用環境に合わせて常にイノベーションを続けないといけない。行政書類を申請するサイトというより、国民と政府が気軽にコミュニケーションできる場でないといけないので、構築後がもっと大変だ。高いネット利用率と政府主導の支援策によって、活用という面でも韓国は高く評価されている。その点、日本では国民にどうやって利用させるかが課題となっているように見える。この課題は韓国以外ほとんどの国の悩みかもしれない。これから韓国と日本が電子政府協力体制を築くことで、世界の情報化、電子政府支援により貢献できる道が開けたのではないだろうか。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年4月8日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100407/1024162/

ゲーム審議巡りGoogleとつばぜり合い、暗雲漂う韓国Android Market

2009年11月に発売されたiPhoneをきっかけに、韓国では、ネット利用がパソコンからスマートフォンへ、有線ブロードバンドからモバイルブロードバンドへ一気に移行している。キャリアも端末ベンダーもアプリケーション販売サイト(アプリストア)をオープンし、面白いアプリケーションを確保するため、個人デベロッパーの囲い込みに精を出している。

 韓国の人気モバイルコンテンツはなんといってもゲーム。音楽ダウンロードや映像コンテンツも人気を集めているが、いつでもどこでも楽しめる手軽な暇つぶしとして、スマートフォンでもキラーアプリはゲームになると見られている。


 ところが、韓国のiPhone App Storeには「ゲーム」カテゴリーがない。


 韓国では「ゲーム物等級委員会(Game Rating Board、以下「委員会」)」の事前審議を受けていないゲームコンテンツは販売できない。審議により青少年への有害性、射幸性を判断し、すべてのゲームを「全体利用可」・「12歳利用可」・「15歳利用可」・「青少年利用不可」にレーティングする。


 App Storeは韓国だけのためにゲームの事前審議を受ける面倒なことを避けるため、ゲームカテゴリーそのものを削除した。その代わり、エンターテインメントカテゴリーの中に、いくつか事前審議を受けたゲームを提供している。


 最近発売されたAndroid端末向けAndroid Market(Android向け専用アプリ配布サービス)には事前審議を受けていない“ゲーム”が約4400件提供されていることから、委員会と衝突している。Googleがゲームの事前審議を受けないままゲームアプリを流通し続ける場合、委員会は、Android Marketを韓国では利用できないように閉鎖することもできるとして騒ぎになった。


 Googleは米本社の確認を取っているとして、委員会の要請に応えないままゲームの提供を続けている。ゲーム類の事前審議を受けるのか、それともiPhoneのように「ゲーム」カテゴリーのないAndroid Marketを提供するか。


 世界最大マーケットと言われる中国から検閲や規制に反発して撤退したGoogleである。韓国向けAndroid Marketを別途つくるようなことはしないだろう。表現の自由を守り開放・共有という企業理念を守るため、事前審議に反対し、韓国でAndroid Marketそのものを提供しないことも考えられる。

韓国企業が制作した韓国市場向けゲームならまだしも、世界中のデベロッパーがAndroid向けに開発し続けているゲームすべて事前審議を受けるとなると、それは大変な作業になる。それにAndroid Marketではなく、キャリアのアプリストアを経由していくつかの機能を提供するという方法もある。しかしこれでは、ユーザーにとってAndroid搭載スマートフォンを購入する魅力が減ってしまう。


 しかも有料アプリケーションも韓国独自の個人認証を利用しないと決済できないため、Android Marketの有料アプリは利用できないままである。


 ゲームやコンテンツ政策を担当する省庁の文化観光体育部は、「韓国でサービスしたければ韓国のルールを守れ」という委員会と、「コンテンツの選択幅を狭める時代遅れの規制」と反発するユーザーの板挟み状態。事前審議を経ないゲームが流通する現状下では、Android Marketからのゲーム利用は違法行為になる。


 文化観光体育部も規制による市場萎縮よりは流通促進、という姿勢を見せている。同組織はゲーム産業振興に関する法律を改定し、アプリストアのように個人も売り手として参加できる「オープンマーケット」は例外とし、「事前審議」ではなく「自律審議」にする方案を検討するとした。ゲーム物等級委員会のガイドラインに沿って年齢レイティングを自己登録する方法である。従業員300人以上、年間売上300億ウォン以上、自律審議担当者2人以上のオープンマーケット事業者が対象となる。法律が改定されれば、アプリストアに世界中のデベロッパーが開発したゲームがリアルタイムで流通される。委員会はオープンマーケット事業者がガイドラインを守っているかどうかを事後規制することになる。


 韓国の新聞記事によると、iPhoneを販売する94カ国の中でゲーム事前審議をしているのは韓国が唯一という。ほとんどの国は事業者に任せ、問題があれば事後審議してフィルタリングしていく。


 一方、韓国にしか存在しない規制の影響でいいこともあった。国内企業は規制の少ない、より自由な市場を求めて海外を目指すことになった。韓国のモバイルゲームはApp Storeに登録されるや否や有料ダウンロード上位を占め、「アプリケーションで一攫千金」という神話まで生み出した。どんなことにも一長一短はある。


 今後、ゲームの行方に大きな注目が集まるだろう。政策決定者は、スマートフォン向けだけを特別扱いせず、他業界から恨まれることのないよう、流通活性化に向けた公平な規制緩和をしてもらいたいものである。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年4月1日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100331/1023976/

韓国ネット界を揺らしたある訴訟

2010年2月、韓国では著作権法をめぐるある訴訟が注目された。

 歌謡曲を歌いながら5歳の子供が踊る1分未満の動画をブログに掲載したところ、「著作権法に違反している」として著作権団体がブログ運営会社へこの動画の削除を要請。運営側はこれを受け入れ動画を削除した。


 BGMに歌謡曲を流したのでもなく、子供の遊戯に過ぎない動画まで著作権法違反として削除要請したこと自体驚きだが、「表現の自由を守るため、無差別的な著作権取り締まりをなくすため」として韓国音源著作権協会とブログ運営会社を相手に、この動画を載せた子供の保護者が裁判を起こしたというからすごい。


 判決は一部勝訴。これは個人的著作物であり、音楽の商業的価値を利用して営利目的を達成しているわけではないとして、音源著作権協会が過剰な著作権を行使したと判断、損害賠償として20万ウォンを原告に支払い、削除した動画を再掲示するという命令が出た。動画を無断削除したとして訴えられたブログ運営会社側は、30日以内に再掲示要請をするよう原告に告知していたが、30日を過ぎて原告が再掲示を要求したということから無罪となった。


 しかし、ネットで問題になっているのは「非営利目的」の範囲である。判決の中で著作権法違反ではないとした根拠が、歌謡曲が「非商業的に使用された」、「子供の歌なので原曲とはかなり違うところがある」という点だった。今回の訴訟では著作権侵害ではないという判決が下されたが、歌が上手な人が歌謡曲を歌う動画をブログに載せた場合は著作権法に触れる可能性もあるというのだろうか。「歌謡曲をそのままそっくり歌うカラオケ動画」をブログに載せるのは著作権を侵害しているのか、そうでないのか。


 混乱の背景として、韓国では2009年7月に著作権法が改定されたことにある。


 違法動画と知りながらもアップロードできるよう場所を提供し、ダウンロードする人から利用料をもらっていたストレージサイト、そのような動画を大量にアップロードしてストレージサイトから収益を分けてもらう、「ヘビーアップローダー」と呼ばれる人を取り締まるのが目的で、3回摘発されると該当サイト閉鎖、アップローダーの場合は該当サイトのID利用停止という「三振アウト制度」が導入された。ブログやSNSといった個人の非営利目的の利用は取り締まりの対象にならないとしていた。


 ところが、実際はそうでなかった。2009年10月時点でブログやSNSなど2010件の掲示物が摘発されたのである。非営利目的の利用は著作権侵害にならないとしながら、個人ブログのドラマキャプチャー画面や音楽の一部を編集した動画などが対象になった。

違法になる基準がはっきりしないため不安になったユーザーらは、ブログを閉鎖したり、SNSの更新をやめたり、大混乱が続いた。著作権者が法律事務所を代理人として無差別に訴訟を起こし、著作権のことをよく理解していない小中学生がターゲットになった。著作権侵害で摘発されたのが青少年の場合、最初の1回は起訴せず著作権について教育する「起訴猶予」を実施する処置を政府は急いで打ち出した。


 著作権を担当する省庁の文化体育観光部は、2010年内に著作権法を再度改定し、非営利目的の著作物利用に関する「公正利用制度」の項目を追加するとしている。非営利目的の、カラオケで歌う動画やドラマのキャプチャー画面を利用したパロディ、2次創作物に関しては著作権の負担なく利用できるようにはっきりさせる、ということである。


 さらに、「不法複製物」の明確な定義をし、無差別訴訟をなくすために韓国著作権委員会が著作権訴訟の紛争を仲裁できるようにもする。インターネット=「パソコン」から「スマートフォン」へ移行しているだけに、アプリケーション、電子書籍などに対応する著作権保護に関するガイドラインも2010年内に制定するという。


 著作権は当然、守るべきである。しかしインターネット上で行われる個人の引用、パロディ、著作物を利用した2次創作物の著作権、表現の自由も重要とみなされる。プロが作るコンテンツよりユーザー投稿動画の方が面白いケースも増えてきた。一部有名アーティストの間では、新曲をネットで発表して自由にブログにコピーできるようにするケースも増えてきた。ネットで次々と現れるサービスに、著作権をどこまで行使するか、著作権保持者の悩みであり続けるだろう。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年3月25日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100325/1023887/

仰天のネット中毒予防策? オンラインゲームをつまらなくするシステム導入

昨年の秋、親がPCバンでオンラインゲームに夢中になり、生後3カ月の赤ん坊を放置して飢え死にさせたという衝撃的な事件が韓国で発生した。日本でも親がパチンコに夢中になって子供が犠牲になる事件が度々発生しているように、韓国ではオンラインゲーム中毒による殺人、恐喝、窃盗などの事件がなくならない。またゲーム中毒による過労死も毎年のように発生している。

 人口約5000万人の韓国で、オンラインゲームユーザーは2000万人以上と推定されている。中毒問題もブロードバンドが商用化された1998年当時から繰り返し浮上し、中毒予防対策も毎年のように繰り返されている。


 度重なる事件から、韓国政府は青少年を対象にしていたインターネット中毒予防プログラムを幼児から成人にまで拡大することを決めた。名づけて「インターネット中毒予防及び解消総合対策I-ACTION 2012」。行政安全部、教育科学技術部、文化体育観光部、保健福祉部、放送通信委員会、法務部、国防部に至るまで、7つの政府省庁が共同対処するほど力を入れている。インターネット中毒予防のためのカウンセラー養成や相談施設拡大などのために、予算も10倍以上増やし、2012年まで人口のおよそ20%に当たる1000万人に中毒予防カウンセリングを行うとしている。


 韓国政府の調査によると、全国民の約80%がネットを利用してその内8.8%がインターネット中毒に至っている。インターネット中毒は、ネットが使えないといらいらしたり不安になる禁断症状がひどいことで、1日5時間以上オンラインゲームをする人もこれに当たる。韓国ではインターネット中毒やオンラインゲーム中毒は麻薬中毒と同じほど深刻な問題であるととらえられている。よくテレビの特番にもなっていて、「オンラインゲーム中毒は心理的な問題というより脳疾患」と断定する医者もいた。そのため、2012年までインターネット中毒を8.8%から5%以下に落とすのが国家的課題である。


 「I-ACTION 2012」の主な内容は、今までのようにネット中毒、オンラインゲーム中毒を防止するための相談、治療、官民協力など。面白いのは、オンラインゲームを長時間やればやるほど楽しさが減るシステムを導入するという点である。


 これは「疲労度システム」と呼ばれるもので、既に一部オンラインゲームに導入されているという。一度に長時間連続してゲームをすると逆にキャラクターの成長速度が遅くなったり、獲得できるアイテムが少なくなったり、1日一定時間以上ゲームをできないようにするためのツールである。


 オンラインゲーム中毒の理由は、ほとんどが長時間やればやるほどキャラクターが育ち、ゲームマネーを獲得していろんなアイテムを使えるようになるのでゲームがさらに面白くなるところにあった。それを一度に長くゲームを利用するとどんどんつまらなくなるようなシステムを開発するだなんて、ゲーム業界は大丈夫なのだろうか。

ゲーム業界の賛同が必要な部分とは言え、疲労度システムが導入されれば、長時間ゲームをやることでゲームマネーやアイテムを獲得し、それをほかのユーザーへ転売することで換金する「アイテム取引」を減らせるのではないかとも韓国政府は見ている。ゲーム会社の約款に「アイテム取引」は違法とされているが、これを合法とした判例があるため議論になっている。


 韓国のオンラインゲームは「Eスポーツ」と呼ばれ中国・台湾・日本はもちろん、東南アジアや欧米にも輸出される大事な産業である。韓国オンラインゲーム産業の輸出規模は2009年に約15億ドルで、毎年50%ほど増加している。オンラインゲームは韓国のデジタルコンテンツ産業を支え、自動車産業よりも輸出額が大きいと言われているため、一方ではオンラインゲームを育成させ、一方では中毒問題でゲーム内容を厳しく事前審議したり規制したりという矛盾が続いている。


 疲労度システムの導入に関しても、ゲーム業界ではオンラインゲーム中毒の予防という観点では同意するものの、一括適用ということになっては困るという雰囲気だ。


 また、一定時間になるとオンラインゲームやインターネット接続そのものを強制的にシャットアウトするシステムも導入が検討されている。このシャットアウト制度は2005年から議論が続いていて、インターネットは社会の基本インフラであり誰でもアクセスできるようにするべきという利用者の権利問題もあり制度化はされていない。一部オンラインゲーム会社は自主規制として、IDごとに1日10時間以上プレイできないようにしている。


 日本では携帯電話を一時も手放せず、絶えずメールを打ちまくり、モバイルインターネットにつながっていないと不安になるという若い人が結構いるようだが、中毒だといって政府がドラスチックな対策を発表するなんてことはないようにみえる。インターネット中毒やオンラインゲーム中毒、韓国政府の国民過保護が事を大きくしているのかもしれない。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年3月18日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100317/1023664/

韓国行ってきました~


いや~疲れました。。。でもすごく刺激になりました!!


 


KDDI総研のWさんSさんの文献調査がすごくて、行く先々で「お詳しいですね~」と賞賛されまくってました。


すごい方々です。日本に帰国後、過労で倒れてないか心配です。


 


韓国はやっぱり「パリパリ」の国。とってもスピーディーで、変化が早い!


日本は静かな小川、韓国は激流の滝、と感じました。


エキサイティングな国です。


 


日経新聞社説に韓国企業を学ぼう、みたいな内容が掲載されましたか?(見てない。。。)


韓国の新聞に大々的に報道されてますよ。日本が世界市場で活躍する韓国企業を学ぼうとしていると。


韓国内ではこれに関して色んな意見がありますが、世界市場で活躍しているのは確かです。内需も世界市場の一部です。


 


ところで、


今回は会えませんでしが、某政府系の方が、未だにKDDI総研一の美女だった(というのは今は他の部署に移動されたので)A・K姉さんのことを「あの時の美人はお元気ですか」と聞いてくることです。


A・K姉さん~お元気ですか~~~~~~~


– BY  趙章恩


Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=210