韓国の放送広告、国の独占にようやく終止符

韓国では今年、地上波テレビ・ラジオ放送向け広告を30年近く独占してきた国営広告代理店制度が改定され、競争制度が導入される。地上波テレビ放送をIPネットワーク経由でリアルタイム配信するIPTVを皮切りに始まった韓国の「通信と放送の融合」は、放送産業にも大きな変革をもたらそうとしている。

 韓国では、地上波放送39社(テレビ14社、ラジオ25社)、地上波DMB(韓国版ワンセグ)16チャンネルの広告営業のすべてを、1981年に設立された国営の韓国放送広告公社が独占してきた。民間の広告代理店は主に広告制作代理店であり、韓国放送広告公社を経由してしか広告営業をすることができない。


 そのせいで、韓国の大手広告代理店はサムスン、SK、ロッテなど大手企業のいわゆるインハウスが多く、グループ会社の広告を制作してそれを元に韓国放送広告公社と交渉する。韓国放送広告公社は放送局の広告営業代理、民間の広告代理店は広告主の代理、という関係になる。



■「言論統廃合」の産物









韓国放送広告公社のホームページ


 韓国放送広告公社の2008年の売上高は前年比8.7%減の2兆1855億ウォン(テレビ86.9%、ラジオ12.7%、地上波DMB0.4%)。放送局別のシェアはMBC(文化放送)が40.8%、KBS(韓国放送公社、KBS1とKBS2の計)が5.6%、SBS(ソウル放送)が22.0%で、地域民放は7.8%、宗教放送は3.8%となっている。


 韓国放送広告公社はもともと「国家財産である電波を使う放送が広告主の影響を受けてはならない」という建前から設立された。しかし、実際には80年に発足した全斗煥政権による「言論統廃合」の産物であり、国が放送を掌握するために作られた制度と批判されてきた。そのため、08年11月に憲法裁判所が放送広告営業の独占は違憲であるとの判断を下し、2009年末までに関連法が改正されることになった。




 その背景には、放送業界を取り巻く環境の変化もあっただろう。80年の言論統廃合により新聞と放送局の兼営が禁止されたが、08年には一連のメディア関連法改正により新聞・放送の兼営が解禁された。IPTVやモバイル放送などの新技術媒体の広告に対応するためにも、国が広告を握り分配するような制度を見直し、メディアの競争力を高める必要があるという判断が働いたのである。



■公営放送も広告収入モデル


 現時点ではまだ参入方法を検討中の段階だが、「公営1社、民間1社」もしくは「公営1社、民間複数」にして、公営放送は公営の広告代理店が、民放は民間の広告代理店が担当することになりそうだ。広告市場の全面開放は、メディアを変えるに等しい影響を放送産業に及ぼすのは間違いなく、業界内に賛否両論がうず巻いているためだ。


 放送局は一般に、受信料を徴収する国営・公営放送と、広告収入で運営する民放に大別できるが、韓国では公営放送でも広告を流す。首都圏の場合、SBSは民放、EBS(韓国教育放送公社)は公営放送と区分が明確だが、MBCとKBSは公営ながら広告収入を得ている。


 MBCの株式は、政府機関である放送文化振興会が70%、朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領が設立した正修奨学会が30%を保有するため公営放送に分類されるが、広告が収益源の民放である。KBSもKBS1は94年に受信料を電気料金と併せて徴収する方式を導入する代わりに広告をなくしたが、KBS2は民放と同じである。







 地上波放送の広告営業が競争体制になれば、広告料もその分値上がりするだろう。韓国放送広告公社の報告書によると、放送広告市場の競争体制により放送局の広告収入は4年間で70%増加すると予測している。しかし、広告が増えるチャンネルもあれば、減ってしまうチャンネルも出てくる。


 業界内では、MBCやSBSの寡占が強まるとの懸念が出ている。一方、これまで韓国放送広告公社が広告を回すよう誘導していた宗教放送や地域放送は収入減に陥る可能性がある。KBSは月2500ウォンの受信料を月6060ウォンに引き上げる一方で、KBS2の広告を廃止するとしているが、視聴者の理解を得られるかどうかは疑問だ。放送・通信産業を所管する政府の放送通信委員会は10年に新規放送事業者を認可する予定で、放送局はますます視聴率競争に駆り立てられることになる。





■ソフトパワー強化に期待


 広告制度の見直しに対しては、「広告主に気を使って公正な報道ができなくなる」と反対する国会議員もいたが、韓国が他の国と同じように普通になっていく一つの段階に過ぎない。放送局がこれを前向きに生かすには、視聴率至上主義に走ることなく、コンテンツの制作力を地道に強化していく努力が欠かせない。


 韓国のドラマは「韓流」としてアジアと中東にブームを巻き起こした。ドラマが放映された地域では韓国に対するイメージがよくなり、韓国製品の売れ行きが大幅に伸びているという。ハードウエアの組み立て製造には強くてもソフトパワーがないと指摘され続けた韓国がこれを契機にさらにコンテンツの制作力を高め、韓国産コンテンツの輸出が増えることに期待したい。


– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  
[2010年1月4日]
Original Source (NIKKEI NET)
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx?n=MMIT13000004012010

[東京留学生活] あちこちで大活躍中 ヨナちゃんのCM

キム・ヨナちゃん~


かわいくてセクシーで、韓国人のみんなをとりこにしてます。


 


スポーツスター番付で結構な金額を稼いでいることが話題になりましたが、フィギュアスケートはとってもお金のかかる種目だそうなので、もっともっと稼いでほしいです。


金メダル取れなくてもいいから(あ、こんなこと言ったら怒られるかな。。。)、のびのびと生きてほしいです。


金メダル取れたら嬉しいけど、それが人生の全てではないですよ~~~。


今の雰囲気じゃ金メダル取れなかったら大変なことになりそうだから、ちょっと心配。




Samsungの広告モデルであるヨナちゃんのCMです。


携帯電話よりエアコンCMの方がかわいかったな~。その動画も探してみます。


 


出典


http://kr.samsungmobile.com/service/event/ad/advideo.list.do?sDivCode=01


– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=187

大学路のステキな散歩道

 
マロニエ公園を抜けて奥へと進みます。











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    坂の上にある壁画。モザイクで作ったラクダは必見です!











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    ナクサン公園の階段から振り返ると、ソウルタワーが目の前に~。











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    城郭から見下ろした風景です。












  •  城郭から見た夕暮れはアニメの一場面のようで、どこか懐かしく感じます。











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    城郭に沿って歩いていくと東大門市場です。











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    終着地の東大門市場。名物のタッカンマリを食べに行きましょう~。


    小劇場とカフェが密集する芸術の街。ソウルの大学路(テハンノ)をご存知ですか?

    秋のマロニエ通りはとってもきれいで、必須のデートコースでもあります。移り変わりの早いソウルで、1960年代から続くカフェが残っているのも大学路ならではの風景です。


    マロニエ公園の向かい側にあるハクリムタバン(学林茶房)は、1956年から続く老舗喫茶店。ソウル大学の学園祭の名称だった「学林祭」が名前の由来です。今でも著名な文人や芸術家が通う風格のある喫茶なんです。


    大学路は、大学があるわけでもないのになぜ「大学路」なのでしょう? 今はソウルの南にある巨大な敷地へと移転しましましたが、1975年まで、ここにはソウル国立大学がありました。その跡地にマロニエ公園や劇場が建てられ、今ではソウル大の病院だけが残っています。日本の東大に負けず、韓国全国各地から秀才が集まる憧れのソウル大学があったことから、自然と大学路と呼ばれるようになったのですね。


    この大学路にはもうひとつ、それはそれはステキな散歩道があるんです。ドラマのロケ地としても頻繁に登場する場所、ソウルでは残り少なくなってしまった一戸建ての住宅街とビルの夜景をいっぺんに見下ろせる、絶好のスポットをご紹介しましょう。


    大学路といえばマロニエ公園。まずは、駅から公園方向へ歩き出します。公園の手前で左に折れ、公園を右手にしてまっすぐ路地を進みます。赤いレンガのカフェを過ぎてまた右に曲がります。狭い路地裏を進み、青い看板の中小企業銀行のところで左に曲がると、すごい坂があるので、そこを上ります。


    坂道の左右には、古い一戸建てのあいだにビンテージ古着を売るショップや開業50年は軽く経っていそうな骨董品屋さん、キラキラのアクセサリーを並べたひと坪もないような小さなショップなどが建ち並び、ついこっちに行ったりあっちに行ったり、寄り道をしてしまい坂をまっすぐに上れません。


    坂の上にある灰色の壁には、一面にモザイクのらくだや本物と間違えてしまうほどリアルなお花の絵が描かれています。これは若い画家達がボランティアで描いてくれたものだそうです。


    坂を上りきったところの左側に階段がありますが、この階段の上がナクサン公園、目的地です。


    階段をゆっくり上ると広場があります。さらに奥にある階段で上へ上へと上ります。運動不足の私にはかなりきつい階段でしたが、どんなにゆっくり歩いても、15分はかかりません。階段が苦手な方は、階段の左のスロープになっている散歩道を利用しましょう。


    ナクサン公園は風水的に見ると朝鮮王朝を守る左青龍にあたる位置にあるため、昔から大事にされてきた場所でした。朝鮮時代の城郭が残っている公園で、景色がキレイだとは聞いてましたが、この都心の中にこんな静かな緑があったなんて! 初めてこの公園に来たときには驚いてしまいました。


    途中、階段からうしろを振り返ると~すごい! 遠くには屏風のように山脈が続き、坂を埋め尽くしている一戸建てから明洞のビルまで、手に取れるほど近くに見えるじゃありませんか! よし! 力を振り絞ってあともう少し! ついに頂上です。


    頂上には朝鮮時代の長い城郭が残っていました。この城郭によじ登ると、ちょうど夕日が沈むころ。風が清々しく気持ちいい!


    ここから見下ろすソウルの街は、まるでアニメの一場面のようで懐かしい感じがします。左には80年代風の古い下町が、右には高層ビル群が見えます。ここは高層ビルの屋上と同じぐらいの高さです。山の向こうはまだ青い空と雲が残っています。夕日を反射してオレンジ色にキラキラ光るビルと、朝鮮時代の城郭が共存するソウル……この街を愛さずにはいられません。


    城郭に沿って歩き出すと、階段とは別の道が現われます。ゲートを出て右へ続く坂道を降りていくと、学校があり、小さな公園やベンチがいくつもあります。「まだ人が住んでいるのかな?」と、びっくりしてしまうほど古い韓屋も並んでいます。どの家の庭にも、かぼちゃやねぎ、唐辛子、サンチュがびっしり植えられていました。公園では近所のみなさんが料理を持ち寄り、大きなボールにビビンバを作って食べていました。楽しそう! こういう景色とふれあいがある下町に住んでみたくなります。


    城郭と韓屋の間にある散歩道を歩いて、30分ほどで東大門市場に到着しました。


    雲が流れる音しかしないような静かな坂の上から降りてきたせいか、東大門市場の騒音を聞いた瞬間、朝鮮時代からやってきた浦島太郎になった気分でした。


    韓国はこの秋、「歩く旅」が流行っています。大学路でミュージカルを観て、昔ながらのカフェでお茶して、坂の上の城壁を散歩して、東大門市場でおいしいタッカンマリを食べて(「タッカンマリ」は「鶏1羽」という意味で、鶏の水炊きのようなものです。肉を辛いソースにつけて食べてから、汁にうどんを入れて食べたりします)、ショッピングまですれば、充実した1日になること間違いありません!


  • 韓国で大ブームのオートキャンピング



     
    オートキャンプ場はこんな感じです。広い運動場のようにも見えます。












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    到着したら真っ先に、たき火をしてバーベキューの準備にとりかかります。












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    漢江になるナンジキャンピング場の入口。漢江の夕暮れを見つめながらのバーベキューはいかがですか?









  • まったく不景気には見えないほど活気にあふれている韓国。でもやっぱり、失業やワーキングプアが問題となっています。「節約! 節約!」が一番のこの時期、夏の休暇も秋の行楽も、お金をかけずに楽しむためのノウハウがテレビや新聞で紹介されています。


    実家に帰る(顔を見せるだけで親孝行、さらにお土産もいっぱいもらえる)、自転車で全国一周(ダイエットにもなる)、とにかく歩く! といった古典的な方法以外にも、田舎で民宿しながら農業を体験できるファームステイ、お寺でじっくり座禅と瞑想、自分磨きができるテンプルステイ、森の中でのキャンピングなどが紹介されていました。


    テンプルステイや、伝統屋敷である韓屋を利用した民宿はヨン様の本「韓国の美をたどる旅」でも紹介され、さらに注目を浴びています。その中でもこの秋、韓国でブームになっているのは「歩く旅」と「オートキャンピング」です。


    歩く旅は済州島のオルレキル(オルレ道)が有名ですよね。エコやWell-being、ロハス、スローライフといった言葉が生活に定着してから、みんな自然を守りながら楽しむことの重要さに気がつきました。ヨン様もしきりに「何よりも大切なのは自然、ちゃんと守って後世に残してあげないといけない」というような話をされていますが、まさにそのとおりです。


    オートキャンピングは車にテントとバーベキューセットを詰め込んで、山や川に出かけるキャンプの旅のことです。あまり動かなくてもいい……ということで、私はオートキャンピングを選びました。


    目的地はソウルから東北へ2時間以内で行けるカピョン(加平)のチュンミサン(仲美山)です。深い森が残っていて渓谷もあり、漢江の上流にあたる清浄地域として知られているところです。世界キャンプフェスティバルのような大規模なイベントも、カピョン一帯にあるキャンプ場で開催されたんですよ。


    しかし! 土曜日の午後、あまりにも道が渋滞してしまいギブアップ! カピョンまでは行けず、途中のテソンリ(大成里)で車を止めました。この頃は全国どこに行ってもキャンプ場があるので、近くにあるテソンリオートキャンプ場へ入りました。テントひとつあたり1泊2万Wです。


    テソンリといえば、大学生のMTの名所です(MTは「メンバーシップトレーニング」の頭文字を取ったもので、合宿のようなもの。「ニッコリアTV」でも紹介しているのでご覧ください)。目の前に広がる北漢江には、水上スキーやバナナボートに乗ったり、自転車をレンタルして川沿いを走ったりできるレジャー施設が揃っています。


    テソンリまで来て気付いたことですが、ソウルの漢江にあるナンジキャンプ場のほうがよかったかも!


    ナンジキャンプ場は、2002年のワールドカップのとき、ホテルがとれなかった外国人のために作られた施設なのですが、漢江が見渡せる公園の中に、ずらっとテントが並んでいる光景を見たことはありませんか? ワールドカップ競技場から8776番バスに乗ってすぐのところにあります。


    入場料はひとり3750W。テントのレンタルは4人用サイズで2万Wほどなので、ふたりで2万8000Wほどあれば、漢江を眺めながら1泊2日のキャンプができます(テントを持ってきた場合は入場料だけ)。バーベキュー道具も貸してくれますし、食料品や炭火などを売っているスーパーもあります。手ぶらで行ってもキャンプを楽しめるすごいところなんです。


    食べることが大好きな韓国人らしく(特に私)、キャンプ場に着いたら真っ先にバーベキュー用の炭火を焚きます。時間なんて関係なし! 早朝だろうが深夜だろうが、キャンプといったらバーベキューです! ちょうどよい火加減になるまでのあいだ、さっさとテントを設置して、テーブルと椅子をセットします。この頃のテントは便利ですね! バッグから取り出すだけで自動的に広がり、家が完成!


    バーベキューの基本は、やっぱりサムギョプサルと厚めにスライスされたモクサル(豚の首肉)でしょう! 炭火で脂を落としながら焼いたせいか、どのレストランで食べるお肉よりおいしい!


    臭いがするので家ではあまり焼かない魚も、炭火で焼いてみます。私が好きなのはサバ。韓国でもっともポピュラーな焼き魚です。頭から尻尾までまるごと1尾を半分に割いて、塩をふって焼きます。これもしっとりしていておいしい! さらに、プリッとしたソーセージにコチュジャンで味付けした豚カルビが続きます。照り焼きソースのトゥンカルビ(豚の背のほうにあるカルビ)まで焼いて、「食った食った~」とデザートへ。


    お肉にはビールもいいですが、韓国のキャンプではワインを飲む人のほうが多いですね。グラスではなく、登山用のステンレスカップで飲むワインもまた格別です。


    ほかのテントはどれどれ、何を焼いているのかと覗いたら、やっぱりみなさんもサムギョプサル! 大人も子供も、脂がジュージューと音を立てるサムギョプサルが大好きです。大きな鍋でサムゲタンを作っている大胆な大家族や、じっくり味を染み込ませた骨付きカルビをきれいに焼いている女性グループ、インスタントラーメンだけのカップルなど、さまざまです。


    秋のキャンプはひんやりとした森の中で、エスプレッソを飲みながら読書でも……と思っていたのですが、食後はやっぱり昼寝でしょう! テントの中にもぐりこんで、木と木が擦れ合う音、鳥のさえずり、川の流れる音をBGMにたっぷり寝ます。


    夜は虫の鳴き声を聴きながら、ワインを片手に焚き火です。ホイルで包んださつまいもやじゃがいもを焚き火の中に入れて焼いて、また食べて~。


    翌朝は早起きして山に登りました。落ち葉を踏む自分の足音しか聞こえません。ひんやりした森の香りが気持ちいい! 帰りにはおいしいと評判のソルロンタン食堂で熱々の牛骨スープにキムチで冷えた体を温めました。日本のキャンプ場は、温泉に入れるところもたくさんあると聞きました。日本でもオートキャンプしてみたいです!


    by: 趙章恩

    2009年10月19日

    「ニッコリア」: ダイナマイト・コリア 今日もドキドキ探検に出かけよう!

    パケット課金に不正疑惑、政府が携帯事業者を調査

    iPhone発売をきっかけに、モバイルインターネットの利用が急激に伸びている韓国。スマートフォン向けパケット定額料金制も続々登場しているが、スマートフォンでない端末のユーザーはまだほとんどが従量制、使ったパケット分だけ料金を払っている。

     韓国では元々モバイルインターネットはネット利用時間に応じて課金するCircuit方式であったが、2001年モバイルインターネット料金値下げを目的にパケット料金制度に変更された。しかし、パケット料金制度はユーザーから見て料金をはっきり計算しにくく、逆に料金が高くなったことが問題として指摘され続けてきた。


     韓国ではパケット使い放題の定額料金制がまだ始まったばかりである。今までの使い放題料金制は期間限定のサービスだった。新規の端末やコンテンツの開始に合わせて3~6カ月だけ使い放題にし、その後からはパケット量に応じて段差をつけた従量制課金になる。使い放題と宣伝する料金制度でもよく見ると最初の6カ月だけで、その後は1GBまで使い放題になるか、料金が値上げされてきた。


     パケット料金は基本料に応じて差があり、0.5KB当り0.45~5.2ウォン(約0.035~0.4円)。テキストなのか画像・動画なのか、公式サイトなのか、インターネットに直接アクセスするのかによって適用されるパケット代が全部違う。最近は割引料金制度がとても複雑になっているので、自分が使ったパケットと請求額を比べてみても訳がわからないという状態。もしかして、パケット料金をごまかしているのではないか、間違って割引を適用していないのではないか、パケット代をめぐる苦情は増えるばかりである。そこで、政府の調査が始まった。


     韓国政府省庁である放送通信委員会は、移動通信キャリア3社の不当課金疑惑を調査すると発表した。市場シェア50.5%のSKテレコムの場合、料金制度は政府の認可を受ける必要がある。他のキャリアもこれに応じて少し安く料金を設定するので、いまさら移動通信の料金そのものを調査するということではない。きちんと告知した通りの料金を課金しているのか、パケットの水増しはないのか、といったことを調査するという。政府の課金調査は移動通信サービスが始まって以来であるため、通信業界では調査結果に敏感になっている。政府系シンクタンクと一緒に移動通信キャリアのログファイル分析による実際のデータ量の測定も始める。

    さらに移動通信キャリアは、この調査をきっかけにまたもや政府から料金値下げの圧力をかけられるのではないか緊張している様子だ。


     2008年末から09年にかけて、政府の要請により移動通信サービスの料金の値下げが続いたからだ。大統領の「家計の通信料金負担20%減」の公約を守るため、移動通信キャリアは基本料金・加入費(事務手数料)・SMS・通話料金を20%ほど値下げし、さらに加入者間無料通話、長期加入者割引、青少年割引、低所得者割引、バンドル割引(固定通信・移動通信・VoIP・IPTV・固定電話など同じ系列会社の複数のサービスを同時に利用すると基本料と利用料が最大50%まで割引される)など、数え切れないほどの割引制度を始めた。


     しかし今回の調査は、移動通信キャリアの悪さを裁くというより、ユーザーに安心してモバイルインターネットを使ってもらいたいという目的の方が大きいように見える。1999年携帯電話からモバイルコンテンツサービスを利用できるようになったその日から、10年以上も高い高いといわれ続けてきたモバイルインターネット料金の構造を、実際のデータ量と費用を用いて分析することで合理的な料金を算定し、ユーザーに納得して使ってもらいたいということであろう。


     携帯電話の加入者数は人口の96%、実に4700万人を超えたのに、パケット定額料金に加入しているのはキャリア3社合わせて410万人ほどにすぎない。ほとんどの人が携帯電話からインターネットなんて料金が怖くて使えないとおびえているが、そうではないということを証明したいのだろう。スマートフォンの本格的な普及前に、OECD加盟国の中で最も高いと不満の種になっているモバイルインターネット料金体制をはっきりさせる必要はある。


     全世界で固定通信から移動通信へトラフィックが流れ、ネットの利用形態は早いスピードで変化している。色んな産業分野で携帯端末と移動通信の融合により新しい市場が生まれ、経済活性化に貢献している。これをさらに活気付けるためには、何よりもモバイルインターネットを普及させないといけない。韓国の場合は、焦りから政府が背中を押しすぎているような気がする。市場全体の競争によるものではない政府の圧力による料金値下げやビジネスモデルの変化がどこかで不具合を起こすのではないか心配だ。
    (趙 章恩=ITジャーナリスト)

    日経パソコン
    2009年12月24日

    -Original column
    http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091223/1021752/

    [エンタメコラム] ドラマ歴代視聴率1位! 「初恋」その3

    社会現象を巻き起こした話題作「初恋」



    春川の田舎に住む父と姉と兄弟。生活は貧しいけれど、何よりも絆を大事に生きているチャンヒョクの家族。チャンヒョクは幼い頃からヒョギョンが好きですが、実業家のヒョギョンの父は、娘を裕福で地位のある人と結婚させたがっています。そのため、ヒョギョンの父と叔父は暴力団にチャンヒョクを暴行するよう指示し、襲われたチャンヒョクは逃げ出そうとした際に交通事故に遭い、松葉杖なしでは歩けない体になってしまいます。


     


    ソウルの大学に合格した弟のチャヌは、成功してヒョギョンの父に復讐することしか頭にありません。大学で出会ったソクヒとは「ミウンジョン(憎みあいながら情が生まれるという意味)」が深まり、少しずつ親しい仲へと発展します。チャヌは、カジノでアルバイトをしているとき、銃を取り出して騒ぐ外国人客を流暢な英語でなだめたことが評価され、そのカジノのオーナーの信頼を得ます。それをきっかけに兄の復讐のためヒョギョンの父の事業を潰そうと企み、危ない闇の世界へと脚を踏み入れていきます。


     


    一方、ソクヒの兄ソクジンは、ヒョギョンの父が望む婿でした。ソクジンはチャンヒョクのように誠実で優しく、そのうえ財力もあります。ヒョギョンの理想の夫になることは間違いありません。両家ではふたりを一緒にパリへ留学させ、結婚させようとします。しかし、チャンヒョクのことが忘れられないヒョギョンは、留学するとウソをついて結婚を破棄し、家庭教師をして父から自立しようとします。


     


    ヒョギョンは交通事故で死んだと思っていたチャヌに会い、チャヌからチャンヒョクは生きているけれど脚が不自由になっていることを聞き、それは自分の父のせいだということを知ってショックを受けます。結局ヒョギョンはソクジンとの結婚を選び、チャンヒョクは一途に自分に尽くしてくれたシンジャと結婚します。


     


    チャンヒョクの家族が春川からソウルへ出てきて、都会でなんとか生きていこうとする姿に、昔の自分と自分の家族を重ねていた視聴者もたくさんいました。


     


    このドラマの背景である70~80年代は、ソウルオリンピックを前に韓国が高度経済成長を果たしていた時期で、田舎からソウルへ職を求めて出てくる人があとを絶ちませんでした。自分はどんなに苦労をしても、子供には都会で立派な教育を受けさせたい、スーツを着て働く専門職に就いてほしい……ただそれだけを希望にソウルへやってきてがむしゃらに働き、今は安定した生活をしている人たちが、チャンヒョク達の苦労に共感し涙を流しました。チャンヒョクとヒョギョンのテーマソングだった切ないロックバラード、Stratovarius(ストラトヴァリウス)の「Forever」という曲も涙を誘うんですよね。


     


    最初は有名なシナリオ作家であるチョ・ソヘ先生の作品であること、チェ・スジョンとぺ・ヨンジュンという美男俳優のおふたりが兄弟を演じることが話題となり、注目のドラマとして視聴率を上げていきました。が、66話という長いストーリーにもかかわらず「初恋」が歴代視聴率1位になった理由は、脇役も含めひとり残らずそれぞれの役になりきっていて、キャスト全員の演技の共鳴がすばらしかったことにあると思います。


     


    弟のためならどんなことでもする献身的な姉チャノクと、彼女を愛する無名歌手のチョンナム、チャンヒョクに一途な想いを寄せるシンジャ、チャンヒョクの親友で義理人情の固まりのようなトンパルなど、脇役たちも個性的でした。チャノクが、お米が足りなかったために自分は食べたふりをして、弟達にご飯の用意をしてあげるシーンなどは、貧しい時代を生き抜いた世代の人たちにとっては、「自分のことのようで今でも思い出しただけで涙が出る名場面」だと語り継がれています。


     


    「初恋」といえば、電話抗議事件を忘れてはなりません。チャヌが復讐のために暴力団員になりかけたとき、KBSには抗議の電話が殺到しました!


     


    「お父さんとお兄さんと今まであんなに苦労してきたのに、彼を闇の世界に入らせてはならない。もっと立派な職をもたせるべきだ!」、「チャンヒョクの脚を不自由にしておいて、チャヌの人生までめちゃくちゃにするなんてひどすぎる!」、「立派な人になることで復讐させるべき!」、「胸が痛いのでこれ以上ドラマを観ることができない。チャヌ兄弟をこれ以上いじめるな! 視聴料未払い運動をしてやる!」などと、抗議の電話が止まりませんでした。これは当時の新聞にも、ドラマが社会現象にまでなっているとして大きく報道されたものです。


     


    これだけではありません。ヒョギョンがチャンヒョクのことを想いながら、ソクジンとの結婚を選んだことも視聴者を怒らせました。「ヒョギョンはなぜふた股をかけてチャンヒョクの人生を狂わせるのか。あんな女はドラマに出るべきではない」と、チャンヒョクを応援するファンが激怒! ヒョギョン役のイ・スンヨンさんは、行く先々で「チャンヒョクを弄ぶな!」と抗議を受けたほどです。


     


    ここだけの話ですが、チャンヒョクは最初の企画では寝たきりになるはずでしたが、視聴者の怒りを恐れて脚が不自由になるという設定に変更になったのです。チョンナムも、ぐうたらしているけれど「いい人」という設定になっていますが、最初はチャノクをいじめる夫という設定だったのです。チョンナム役のソン・ヒョンジュさんが「こんな場面が放映されたら、もう2度と街を歩けなくなる」と監督に頼み、監督もチャンヒョクとチャヌをできるだけ幸せにしてあげる方向に修正し、お人好しのキャラクターになったといいます。


     


    「初恋」は典型的な韓国ドラマのようで、実はちょっと変わった作品でした。どんな苦難を乗り越えても主人公は幸せになるという、ハッピーエンドが当たり前だった韓国ドラマには珍しく、実らない初恋という悲しい運命を描いた作品でもありました。ドラマが進展するにつれて、どんどん物語の中心がチャンヒョクからチャヌに変わっていったのも印象的でしたね。


     


    KBSには「初恋」の制作陣と出演者が一緒に植えた「かりん」の木があります。歴代最高視聴率を記録した記念に植えた木で、今でもKBS別館にあります。当時50センチほどだった小さい木が、今では4メートルほどの立派な木に成長しました。


     


    そのあいだ、「初恋」は東南アジアで韓流ブームを巻き起こし、ベトナムでは生まれてくる女の子に「ヒョギョン」という名前をつけるのがブームになったと新聞で報道されたほどでした。ヨン様は作品を重ねるたびにアジアのスーパースターになり、ヨン様が慕っていた「初恋」の作家チョ・ソヘさんが亡くなりました。長いといえば長い歳月です。


     


    韓国ドラマも「初恋」のあとからずいぶん変わりました。ディープな家族愛、貧困から抜け出すためにもがく若者、かなわぬ初恋といった典型的なパターンから脱皮し、海外ロケが当然となり、憧れの専門職を持つ主人公が登場するようになりました。


     


    そして2009年の最高の話題作「IRIS(アイリス)」が、もっとも進化した韓国ドラマといえるでしょう。韓国では毎週水・木曜日夜10時に放映されていますが、「次回が待ちきれない!」と大騒ぎになっています。


     


    私もそのひとり! ドラマが終わるとネットで撮影現場目撃談を検索して、これからのストーリーを想像しては胸をときめかせています! 早く日本でも放映されるといいですね!


     


    次回はまだどんなドラマでおしゃべりに花を咲かせましょうか! 楽しみにしてくださいね~。


    ニッコリア
    Cho!エンタメコラム
    http://ni-korea.jp/cho/index.php?id=091216#leftblock

    韓国CM REPORT – ロッテ – デニス・オー


    デニス・オー プロフィール


    1981年8月29日生まれ。


    188cm83kg 本名Dennis Joseph O’Neil。アイルランド系の父と韓国人の母の間で生まれたハーフで、モデル出身。アメリカで生まれ16歳からヨーロッパ、シンガポール、台湾など国際的なモデルとして活躍。韓国ではキムチ冷蔵庫や携帯電話のTVCMを経て、ドラマ『恋するスパイ』でデビュー。『恋するスパイ』の制作陣はCMで見たデニスの表情が忘れられず、彼をドラマにキャスティングするため、彼が所属しているアメリカのエージェンシーと彼が通っている大学に2ヶ月間通い続けたという。ハーフなのにあまり外人っぽくないところが逆に人気で、吸い込まれそうな神秘的な瞳が魅力。まだ韓国語があまり喋れず、ドラマではアメリカ人、フランス人など外国人役が多い。





    ドリームカカオ



    出演




    デニス・オー

    放映日




    2007年1月

    ダン ハンボンド ヌキョボジモッハン
    (たった一度も感じたことのない)


    ジンハン クメ サロジャピョッダ
    (濃い夢に夢中になってしまった)


    ジンハゲ(濃く)


    ド ジンハゲ (もっと濃く)


    なんてセクシーで幻想的なCMなんでしょう。キラキラ光るクモの巣に引っかかったデニス・オーを、こっそり隠れて観察しているような気分にさせられてしまいます。男性なのに美しくてかっこよく、眺めているだけでうっとりしてしまいますね。本物はもっとすごくて、彼がいるところだけがポワ~ッと光っているとか!


    以前はよく『春のワルツ』、『私の名前はキムサムスン』に出演していたダニエル・へニーと間違えられていたけれど、今はそんなことは全然ないようですね。デニス・オーはデニス・オーです! 彼がCMモデルに選ばれてから「ドリームカカオ」の売上が一気に伸びたというほど、知名度も人気もぐんぐん上がっています。この頃は雑誌のグラビアやCMで顔を見ることの多いデニス・オーですが、俳優としての人気も根強いですね。


    彼はこの1年ほどドラマから離れていましたが、2008年は『エデンの東』という作品での復帰が決まったそうです。主人公のソン・スンホンを助ける香港のカジノ王という役柄で、男性的で強烈なキャラクターだということです。今まではヒロインを見守り、優しく微笑む好青年の役ばかりだったので、今度は全然違うタイプの人物を演じてみたいと思ったのかもしれませんね。


    彼はドラマに出演するだけでなく、大学で写真を専攻した実力を生かして、今後は映画の製作にも参加するそうです。映画のビジュアルを担当するということですが、どのような作品に仕上がるのか楽しみですね。


    ちなみに、CMに登場する「ジンハゲ(もっと濃く)」という表現ですが、韓国語で「濃い」は「ジンハダ」といいます。「味の濃いコーヒーをください」というときは、「ジンハンコピジュセヨ」になります。「サロジャピョッダ」は「夢中になる、捕らわれる」という意味ですが、「ナヌン ヨンサマハンテ サロジャピョッソ~」というと、「私はヨン様に夢中よ~」という表現になります。



    – BY  趙章恩


    ニッコリア 
    韓国CM動画「ニッコリアCM」
    Link
    http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200709&dr=food

    新型インフルに花より男子――検索キーワードで2009年を読み解く

     韓国の2大検索ポータルサイト「NAVER」と「DAUM」は、2009年にもっとも多く検索されたキーワードを発表した。


     NAVERによると、韓国では毎日ポータルサイトを経由して約20億4000万件の検索が行われているそうだ。これはNAVERのサービスが始まった1999年に比べると約200倍も増加した数字だという。テレビのCMでも「ネットで検索!」というナレーションや字幕が必ずといっていいほど入っているだけに、ネットでの検索は重要な情報伝達窓口になっている。


     2009年の検索キーワード1位は「新型インフルエンザ」。韓国でも12月15日時点で新型インフルエンザと確診された死者が117人。中には有名芸能人の子供もいた。最初は政府のワクチン確保が遅れ大騒ぎになり休校が相次いだものの、今は全国の小中高校で予防接種が実施され落ち着きを見せ始めている。


     2位は世界を驚かせた「ノ・ムヒョン前大統領の死去」。後を追うかのように亡くなった「金大中元大統領の死去」も6位に入った。


     3位は大ヒットドラマ韓国版「花より男子」。10から20代の女性の間でシンドロームを巻き起こした。「花より男子」に登場した衣装やアクセサリーが飛ぶように売れ、主人公の別荘があるという設定で紹介された南太平洋のニューカレドニアが憧れのハネムーン名所になった。このドラマの主人公のイ・ミンホをはじめF4は今や大物スター扱いされるようになった。


     2008年キーワード1位だったフィギュアスケートの「キム・ヨナ」選手は、2009年4位となった。競技だけに限らず「国民妖精」として、高麗大学入学、メイクやファッション、出演する番組、CM情報、収入に至るまで、彼女に関するありとあらゆることが話題だった。キム・ヨナ選手は3年連続でキーワードベスト10に入っている。


     5位は振り付けまで大ヒットしたアイドルグループ「少女時代」の「Gee」。着メロ、着うた、デジタルダウンロードで売り上げ1位となった。どネットでは警察や軍人、男子校学生が「Gee」の振り付けを真似る動画が投稿され、大いににぎわった。

    2009年の音楽界は少女グループとワイルドな男性グループが人気を二分した。女性アイドルグループは「2NE1」、「KARA」、「Afterschool」などが音楽チャートを席巻した。健康的でセクシーな魅力持つアイドルが増え、「クルボクジ」(はちみつを塗ったようになめらかで弾力のある太もも)という言葉まで流行ったほど。


     日本の草食系男子のように、男性グループも2009年の春までは10代の美少年グループが人気を集めたが、後半は「ジムスンナム」といって、野性的な男性グループに人気が集中した。


     その他には、韓国の伝統酒「マッコリ」の検索頻度が例年の2.7倍に増え、順位も大幅上昇した。マッコリはにごり酒のことであるが、韓国の庶民的な伝統酒であるにもかかわらず、日本で先にブームになり、日本向けに色んな種類のマッコリが登場するようになってから、韓国でもマッコリの価値を見直す動きが出始めた。ソウルの繁華街、明洞のデパートでは、のり、キムチに続いてマッコリが売れているほど、人気が急上昇しているという。


     「プロ野球」も例年の2倍に上昇した。これはWBCで韓国チームが予想を上回る成績を見せたことで、野球応援の熱気がそのままプロ野球へ流れたからではないかと見られている。


     性別による検索キーワードの違いも分析されたが、面白いのは女性よりも男性の方が「ショッピング」というキーワードで検索していること。「ストレス」「憂鬱」を検索したのは女性の方が多かった。


     年齢別、地域別にも検索キーワードには差が出ているが、10代が他の世代よりもニュースに登場するキーワードを検索する頻度が高いというから驚いた。「北朝鮮」「大統領」「新型インフルエンザ」など。大学入試の小論文テーマになるので、受験勉強のためだとは思うが、これも意外な発見だった。


     季節によっても集中する検索キーワードがあり、年末年始になると「ダイエット」、「初夢」の検索が25%ほど増えるという。「来年こそはダイエット!」、「来年こそはキャリアアップ!」を夢見ながら、検索ばかりで終わってしまわないようにしないと!


    (趙 章恩=ITジャーナリスト)

    日経パソコン
    2009年12月17日

    -Original column
    http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091216/1021558/

    韓国CM REPORT – ロッテ – キム・アジュン


    キム・アジュン プロフィール


    1982年10月16日生まれ。


    170cm、48kg。アジュンは「アジアの中心となれ」という意味が込められた名前で、漢字で書くと「亜中」。2006年日本のマンガ『カンナさん大成功です!』を原作にした映画『美女はつらいよ』が大ヒットし、人気女優の座を射止めた。この映画でチュンサ映画祭主演女優賞、大鐘賞主演女優賞を受賞。ジーンズブランドのGUESSとロッテ百貨店がタイアップした「キム・アジュンジーンズ」も登場した。





    チョコファージ



    出演




    キム・アジュン

    放映日




    2006年9月

    チョンドゥクチョンドゥク
    チョコチョコ
    チョコファジー
    ハ~
    ジンハンチョコソゲ トチョコ
    (濃いチョコの中にまたチョコ)


    このCMソングを一度聞くと頭から離れず、気が付けば口ずさんでいたという人も多かったことでしょう。キム・アジュンのダンスを真似た動画を、自分のブログに載せるファンが多いというのも納得です。動画投稿サイトでも「チョコファジーダンス競演」になってしまったほど、このCMダンスを真似た動画がたくさん投稿されていました。


    「チョンドゥクチョンドゥク」というのは、「モチモチした食感」のことで、「トギチョンドゥクチョンドゥクハダ」というと、「餅がもっちりしていて、歯ごたえがある」という表現になります。お肌がピチピチで弾力があるのも、「チョンドゥクチョンドゥク」と表現することがあります。「チョコファジー」は、こってりとしたディープなチョコ味で、アイスなのにモチモチした不思議な食感なんです。それを表現するためにあのダンスを踊っているんですね。


    キム・アジュンのすらっと伸びた脚やプロポーションは、とっても美しいですね。子供の頃は、そのスタイルと黒目がちな瞳で、よくハーフと間違えられたとか。でも、彼女はきれいなだけではありません。映画『美女はつらいよ』で歌も披露しましたが、歌に踊りに演技にと、何でもこなしてしまうのです。映画の主題歌「マリア」は、韓国の「着うた」や「着メロ」でも大ヒットしました。歌唱力もすごいですが、演技はもっとすごくて、集中すると数秒ですぐ涙を流せるそうです。そういえば、「韓国版『花より男子』を撮影するとしたら、つくし役に一番ふさわしい女優は?」というアンケートで、キム・アジュンが選ばれたこともありました。


    映画一本で一気にスターになった女優と思われていますが、実はキム・アジュンも長い無名生活を経て花が咲いたのです。芸能界に入りたくて何百回もオーディションを受け、バラエティーのアシスタントのような役でテレビに出演していたそうです。無名時代の苦しかった経験が、今の彼女を支えているのですね。

    – BY  趙章恩


    ニッコリア 
    韓国CM動画「ニッコリアCM」
    Link
    http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200609_2&dr=food

    グーグルも郷に従う 韓国ポータル競争、第2ラウンドの舞台

    検索サイト世界最大手の米グーグルは12月4日、韓国サイトのデザインを変えた。グーグルといえば検索だけに特化したシンプルなメーン画面が特徴だが、検索キーワードを入力する窓の下に、「人気トピック」「話題の人物」「人気ブログ」といった、韓国の他のポータルサイトのメーン画面にもあるメニューを追加した。これまでグーグルは世界各国で同じデザインの画面を通じてサービスを提供してきたが、韓国に限り、その世界共通のスタイルを捨てたのだ。






     



    リニューアルされたグーグル韓国のサイト


     グーグルによると、韓国で市場調査をした際に、「検索結果の品質」には満足するが、「社会的イシューの把握」で満足できないという意見が多かったため、メーン画面を修正したという。グーグル側は「メーン画面変更は全世界で韓国語サイトだけ。広告のないさっぱりしたデザインと優秀な検索品質で、韓国ユーザーを満足させられることを期待している」と述べた。韓国サイトの訪問者数は11月27日の54万人から、12月4日には61万人に増加した。





    ■低迷するグーグルのシェア







     しかし韓国のネット業界は、グーグルの冒険に注目してはいるものの、「メーン画面のメニューを増やすぐらいではユーザーに受け入れられないだろう」と厳しく評価している。


     グーグル韓国の新しいメーン画面に表示される内容は、過去の検索結果からコンピューターが解析して決める。グーグルはこの方式について、「閲覧数に応じてトピックを表示しているので、より客観的な情報を提供できる」と主張する。


     これに対し韓国の他のポータルサイトでは、複数の編集者がブログやニュースのコメントなどに目を通して、なにをメーン画面に表示するのかを選別している。ニュースの見出し編集は禁止されているが、ブログの書き込みは見出しを編集したり構成を変えたりして、利用者の注目度を高めようと競い合っている。雑誌やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイトと提携し、話題のコンテンツを提供してもらってもいる。韓国の検索ポータルは検索機能の高度化だけでなく、コンテンツの制作と流通にも深く関わっているのだ。




     グーグルの努力にも関わらず、韓国の検索市場における同社のシェアは2%と低迷している。しかも、グーグルと過去3年間検索広告契約を結んでいた市場シェア2位のポータルサイト「DAUM」が、広告単価の高いオーバーチュアに乗り換えたことで、韓国国内での広告売り上げが大きく減った。グーグルの広告サービス「アドセンス」は個人ブログを中心に利用が広がっているものの、広告事業は順調とは言い難い状況である。



    ■韓国ポータルでNAVERが独走する理由


     韓国のパソコン向け検索ポータルでは、「NAVER」がシェア約7割と他を圧倒している。NAVERを運営するNHNの2009年7~9月期の売上高は、前年同期比13%増の3332億ウォン(約254億円)。内訳は52%が検索広告、32%がゲームだった。ライバルであるDAUMを運営するダウムコミュニケーションの同じ期の売上高は641億ウォン(約49億円)と、NHNの5分の1でしかない。DAUMも会員数ではNAVERに負けていないが、売上高でここまで引き離される背景には、検索データベース(DB)の差に加え、検索利用件数の違いがあるといわれている。


     「NAVERのサイトを見れば、ほしい情報が簡単に、見やすく手に入る」というユーザーの利便性を維持するため、NAVERは検索、口コミ、画像、動画、ブログ、SNS、Twitter(ツイッタ―)、ニュース、論文、専門資料など、ネット上に存在するあらゆる情報を1つの検索DBにまとめている。ホームページでは見つからない情報が、口コミサイトで見つかる可能性もあるからだ。その結果、NAVERは「レポートを書くときも、市場調査をするときも、まずNAVERに行けば大丈夫」というブランドを築いた。


    ■スマートフォン普及で変わる競争条件


     ここ数年、NAVERの独走を止められる対抗馬は存在しなかった。しかし携帯電話サービスが第4世代に進化して有線のインターネットと遜色ない通信速度になれば、ネット利用の中心はパソコン向けのポータルサイトから、外出先からでも利用できるモバイルポータルサイトに変わっていくだろう。


     韓国では今、大手企業やネット関連企業が社員に米アップルの「iPhone」や韓国サムスン電子製の「OMNIA」といった高機能携帯(スマートフォン)を支給し、インスタントメッセンジャーの活用などによって通信費の節約と業務効率化を同時に図っている。そうなれば当然、スマートフォンで使いやすいポータルサイトがより高い市場シェアを得ることになるだろう。


     グーグルは韓国のパソコン向け市場ではNAVERの壁を越えられなかった。しかし、グーグル製の基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」を搭載した携帯端末が2010年に発売されれば、その構図も変わるかもしれない。


     グーグルは12月初め、モバイル向けを中心とする新しい検索技術を相次ぎ発表した。携帯のカメラで撮影した画像で情報を検索する「Google Goggles」、ユーザーの位置情報によって検索結果の順位を変える技術、中国語や日本語などに多言語化されつつある音声検索などは、韓国でもネットユーザーの関心を集めた。韓国のポータルサイトも相当な検索技術を持っているが、ここまでくるとグーグルには敵わないかもしれない。



    ■移り気なユーザー、チャンスはどこにも


     NAVERやDAUMといった韓国の大手ポータルは、数年前から携帯端末向けのサービスも提供しているが、スマートフォンの普及とともに、携帯電話会社も子会社を通じてモバイルポータルの運営をてこ入れし始めた。


     iPhoneを販売する韓国の携帯電話最大手KTは、子会社KTHが運営する携帯ポータル「Paran」のスマートフォン専用サイトをリニューアルした。中小店舗向けに顧客管理ソフトなどをネット経由でモバイル端末に提供するSaaS(サース)にも力を入れている。


     SKテレコムの子会社で2300万人が加入する韓国最大のSNS「サイワールド」を運営するSKコミュニケーションズは、SNSを前面に出したモバイルポータルで勝負している。SKコミュニケーションズのポータルサイト「NATE」は検索シェアが5%台から7%台と、わずかながらも伸びている。







     NAVERも座して待つつもりはない。モバイル向けの地図情報サービスでは、「交通」「自転車」「不動産」「山登り」など目的に応じて異なる地図を提供。個人に焦点を当てて、「何でも揃って使いやすい検索ポータル」というブランドを守ろうとしている。地図からお店情報を検索して無料で電話できるサービスも始めた。自分の電話番号を残すとお店に連絡が届き、その番号宛てに電話がかかってくるのでユーザー側は電話代を払う必要がないという仕組みだ。




     韓国のネットユーザーは新しいもの好きだ。DAUMのSNSから「サイワールド」へ、そしてNAVERのブログへ移動していったように、少しでも便利なサイトがあれば、長年使っていたサイトでも未練なく捨てて他に移っていく。


     検索も同じだ。NAVERが今は圧倒的に強くても、モバイルが前提になればグーグルをはじめDAUM、NATE、PARAN、Yahooなど、どこにユーザーが移っていくかわからない。iPhoneを引き金に始まった新たな競争は、韓国のインターネット産業全体に広がっていきそうだ。

    – 趙 章恩  

    NIKKEI NET  
    インターネット:連載・コラム  
    [2009年12月14日]
    Original Source (NIKKEI NET)
    http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx?n=MMIT13000010122009