ポータルサイトの優劣を左右する付加価値サービス――韓国でHOMPYが人気(過去記事)

韓国電算院の「2004韓国インターネット白書」と総務省の情報通信統計データベース4月15日付けを見てみたら、驚いたことに2003年末日韓のインターネット普及率の差はたったの3.9%、日本が60.6%、韓国は64.5%だった。「驚いたことに」というのは、韓国では何でもネットが中心で、ネットから話題が生まれ、子供もお年寄りもみんなネット中毒に近い状態と実感していたので、普及率90%はいくのではと思っていたからだ。年齢別利用率をみると日本は13~39歳までが90%強、50代が60%強、65歳以上も15%だが、韓国は6~29歳までは94%だが、50代は22.8%、60代以上はたったの5.2%であった。この数字だけを見ると日本の方がはるかにネットを使いこなしているのでは、と思ってしまう。

ヒットアイテムを生み出す韓国のインターネット


 韓国でインターネットユーザーというとPCでネットを利用する人をカウントするが、日本の統計には携帯でだけ、ゲーム機でだけネットを利用する人も含まれている。日本のネットユーザーは7730万人、PCのみの利用者は3106万人。この数字だけを比べると日本の普及率は半分以下になるので韓国との差も大きくなるが、ネットに接続できる端末を持っているという意味ではやっぱりその差は3.9%に過ぎない。


 しかし、ネットの使い方、個人がネットをどれだけ上手く使い込んでいるかという点では、日韓の差はまだまだ大きいように思われる。韓国が次々にオンラインゲーム、アバター、電子政府などヒットアイテムを生み出し海外にも輸出しているのは、新しいネットサービスのアイデアを提供し、熱狂的に反応してくれるユーザーがいたからだ。日本のユーザーはネットで何をやっているのだろう。


加熱するHOMPY人気


 この頃韓国ではブログ、正確にいうと「HOMPY」の人気が留まるところを知らない。HOMPYは写真と短い文を投稿するブログの特徴とホームページらしいUI、アバターを上手く取り入れたかわいい画面構成と遊び心が揃った個人ミニホームページのことだ。特に人気が集中しているのはSKコミュニケーションズの運営する「NATE.com」が昨年5月M&Aした「サイワールド」(www.cyworld.co.kr)だ。


 大学生と若い会社員を中心に、サイワールドのHOMPYを持たない者はいないといわれる程だ。サイワールドのHOMPY会員は680万人、他のサイトのブログや元祖HOMPYサイトである「セイクラブ」(www.sayclub.com)からの引越しも後を絶たない。一般人だけでなく政治家や財閥のファミリー、ノ・ムヒョン大統領の息子の夫人までもHOMPYに自分の日常や子供の写真を公開したほどで、「サイホリック」(サイワールド中毒)は職業、年齢を問わない。


 親しい友人のHOMPYを「親戚」として自分のHOMPYにリンクしておいて次々に訪問することを「波に乗る」といい、一言ずつレスポンスを残してあげるだけで2~3時間はかかってしまう。カメラ付き携帯の普及もHOMPYの人気をあおり、携帯で撮ったらメールではなく即HOMPYに掲載するのが常識になっている。三星など大手企業では社員の勤務中のHOMPYアクセスが後を絶たず、サイワールドを「業務妨害サイト」に指定し社内からのアクセスをサーバーで遮断している。何でも気軽に書けるHOMPYの雰囲気から社内情報が外に漏れるのを心配しての処置でもある。


既存コミュニティーサイトの有料化が発端


 HOMPYの誕生はある人気サイトの没落と深い関係がある。1日平均195万人が訪問し最も人気があったコミュニティーサイト「フリーチェル」は2002年11月、コミュニティーサイトの利用に毎月定額を課金する有料化を実施した。しかしこれが失敗で、フリーチェルは現在市場から消えかかっている。昨年6月から無料サービスを再開し、コミュニティー当たり保存容量を50MBから100MBに増やしたが、一度逃がしたユーザーは戻って来なかった。ユーザーに何の前触れもなくいきなり有料化を宣言し、ユーザーの反発にも耳を貸さず一方的に推進したことが原因だ。


 コミュニティーを他のサイトに移転するのは簡単ではないが、それ以上に一度離れたユーザーを呼び戻すのは難しい。フリーチェルを離れたユーザーは当時同じようなサービスをしていたサイワールドに集まり始め、そのユーザーを種にしてコミュニティーの中で自分をアピールするためアバターを利用したプロフィール紹介としてHOMPYをスタート、ユーザーのアイデアを取り入れながら今のようなHOMPYに発展させた。


新鮮で面白い「個人の何気ない日常」


 韓国のネティズンはコミュニティー、掲示板、チャットでは満足できず、いつも「自己アピール」したい欲望を持っている。日本では自分を下げて相手を大切にする謙譲の美徳というがあるが、韓国は逆だ。知らなくても知っているふり、常に「自分」を主張しないと本当にこの人は何も知らないから大人しいのかも知れないとバカにされる。


 HOMPYは自己アピール以外に他人の日常を覗く面白さも教えてくれたわけだが、これはネットが発展すればするほど強まる傾向ではないだろうか。動画、音楽、アダルトコンテンツなどはもう当たり前すぎて面白くなくなり、ネットと現実社会、実生活の区別がつかないほど高度なネット社会になればなるほど、個人の何気ない日常が新鮮で面白く感じられるのではないだろうか。


HOMPY がポータルサイト優劣のカギ握る


 サイワールドの売上は2004年末で前年比2.5倍の250億ウォン(約25億円)の見込みだ。これは無料サービスでありながら着せ替えキャラクター「アバター」の部屋を飾り「ミニルーム」を作るのが重要なポイントにもなるので、その有料化から収益が生まれている。アバター関連アイテム、BGM、スキン(背景画面)は全て有料で、サイバーマネーの「どんぐり」を1個100ウォンで買って利用する。


 Q&A型でユーザーの知識をデータベース化する知識検索のブーム、100MB~200MBと大容量の無料メールに続き、2004年のポータルサイトの勝負どころはブログやHOMPYのように個性をアピールしながらコミュニケーションできるツールに移動している。頻繁に訪問し、しかも1回の訪問時間が他のサービスより長いので固定ユーザーを確保しやすいのも魅力だ。ポータルの中でもシェアが少なかったNATE.comはサイワールドと合併後、HOMPYの人気のお陰でYahoo!Koreaを押しのけ、NAVER、DAUMと並び3大ポータルサイトに成長した。


サイト成功のカギはユーザーが握る


 NATEの合併成功に驚いたネットベンチャー系のEMPASやDREAMWIZなどのポータルサイトもブログやユーザーの個性をアピールできるコンテンツサイトとのM&Aや集中投資でもう一度市場シェアを伸ばしてみようと考え始めている。久しぶりにインターネット業界が騒がしく動き始めている。


 特に全国民の半分以上が会員と言われる無料メールとコミュニティーが中心のポータル「DAUM」は、「NAVER」に次ぐ2位に順位が下落、何か新しいサービスを取り入れなくてはとあせっている。NAVERが昨年から知識検索という会員同士の質問と答えを投稿型オープン辞書にして検索に追加したためだ。そこで、今年2月にはNAVERの知識検索とブログ、NATEのHOMPYのいいところだけを取り、100MBの無料メールをつけたポータル「マイM」(www.mym.net)を新登場させた。


 インターネットサービスは景気の影響はあるものの、それでも未来への成長エンジンに間違いないという確信をHOMPYが見せてくれたといえる。インターネットサービスにはあまり関心のなかった大手企業の参入で、数百万人の会員を持つ既存ポータルと資金を武器に次々とM&Aで迫る大手との勝負は既に始まっている。だが成功のカギはやはりそれを使いこなしてくれるユーザーにかかっている。



4月末の韓国サイトアクセス数TOP20





















































































順位 URL 分野
1 www.naver.com 検索ポータル
2 www.daum.net コミュニティーポータル
3 www.nate.com 有無線ポータル
4 kr.yahoo.com 検索ポータル
5 www.empas.com 検索ポータル
6 www.bugsmusic.co.kr 音楽ストリーミング
7 www.sayclub.com アバター、コミュニティーポータル
8 pmang.sayclub.com オンラインゲームポータル
9 www.sportsseoul.com スポーツ新聞
10 www.chosun.com 朝鮮日報=日刊紙
11 www.auction.co.kr オークション
12 hangame.naver.com オンラインゲームポータル
13 www.kbstar.com 国民銀行
14 www.msn.co.kr コミュニティーポータル
15 www.dreamwiz.com コミュニティーポータル
16 www.mym.net 検索ポータル
17 www.msn.com コミュニティーポータル
18 www.netmarble.net オンラインゲームポータル
19 www.ohmynews.com インターネット新聞
20 www.freechal.com コミュニティーポータル
出典:Rankey.com




by- 趙 章恩


 


デジタルコア連載   Link

ネットの預言者「ミネルバ」を逮捕した韓国 煽ったマスコミの罪

「たかがネットの書きみ」と笑って見過ごすことはできないのだろうか。韓は今、「ミネルバ逮捕」で大きくれている。ポタルサイトDAUMの示板に政府の経済政策にする批判を280件ほど書きんだ「ミネルバ」というIDの男性が、ついに電通信基本法違反の罪で緊急逮捕され、身柄を拘束された。1月15日には証拠隠逃走の恐れがあると拘束適否審請求も棄却された。


 


 ミネルバ逮捕にし、韓の識者文化人は「牛も笑ってしまうコメディ」「ミネルバに罪があるとしたら、真実を書いたことであろう」「現とかけ離れた経済展望で民を惑わした大統領は罪にならないのか」「私がミネルバだ、私を逮捕せよ」などと、政府の対応しく批判している。


 


 


■逮捕容疑は「虚偽の書きみ」


 


 ミネルバは電通信基本法47違反の罪に問われている。電通信基本法は1983年に制定され、2008年3月まで26回改定された。471996年12月30日に改定された罰則で、「公益を害する目的で電通信設備により公然と虚偽の通信をした者は5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金にする」「自分または他人に利益をえたり他人に損害をえたりする目的で電通信設備により公然と虚偽の通信をした者は3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金にする」としている。


 


 今回の逮捕容疑は、ミネルバが2008年12月29日に行った「政府が金融機と大手企業へ米ドル買いを禁止した」という書きみは虚偽であり、政府は替市場に介入していない、というもの。このミネルバの書きみにより市場には不安心理ががり、ウォンドル買い注文が殺到した。察の表には、「(虚偽の情報により)外国為替市場と家信用度に影響をえた」「政府は替安定のため約22億ドルの資金を投入するしかなかった」とある。


 


 


   


虚偽情報を流布した容疑で逮捕された「ミネルバ」=1月10日〔ロイタ


 


 


 しかしこの表そのものが、政府による市場介入の事を認めたようなものではないか。政府の際金融担者も「命令ではないが金融機議を開き、米ドル買いをしないよう電話で協力を求めたことはある」とミネルバの書きみに信憑性があることを暗に認めている。


 


 さらに、ミネルバが「公益を害する目的」、または「自分または他人に利益をえたり他人に損害をえたりする目的」で書きみをしたという事はまだ立証できていない。ミネルバを支援する弁護は「表現が荒っぽいところはあったかもしれないが、誰もが知っている容と公表されたデタを引用したもので虚偽ではない」と主張している。ミネルバの書きみに比べれば、アナリストや政府係者のいつも見事に外れる予測や李明博大統領の「7%経済成長公約」のほうが、よほど事に反している。


 


  


■「ネット経済大統領」と賞してきたマスコミ


 


 そもそも政府は、たかがネットの書きみぐらいで替市場がパニックにったと本で言うのだろうか。あのようなぎが起きたのは、ミネルバの書きみを「待ってました」とばかりにそのままコピペして記事にしたマスコミがいたからだ。その記事を引用して海外のマスコミまでもが報道してしまい混に輪をかけた。


 


 事実関係を確認することもなく「ミネルバが予言をしてくれた」と書きたてたマスコミ、ミネルバを「2008年を代表する人物」に選び賞を贈ることまで企していたポタルサイトDAUMの責任は問わなくていいのだろうか。ミネルバ個人だけを者にして、生贄にしてませられるのだろうか。


 


 政府はこれまでミネルバについて何度か言及している。「間違った情報で民を惑わしているので、本人にって正しい情報をえたい」と、身元を特定みであることをほのめかす脅しのような言さえあった。ミネルバの書きみはものすごいクリックを記し、マスコミでも大的に取り上げられた。マスコミはこぞって「韓経済情勢を的確に予測するインタネット経済大統領」とミネルバをえた。


 


 ここから、ミネルバは個人的な意見を書きんだ一人のネットユではなく、「預言者ミネルバ」として、存在が巨大になっていった。ネットの示板など見ない中高年層まで「ミネルバというすごい人がいるそうじゃないか」と口にするようになり、マスコミ報道を通じてミネルバがどんな書きみをしてきたのかぐらいはほぼ全民が知るようになった。


 


 ミネルバを褒めえ有名人にさせたマスコミは、逮捕後は手の平を返したようだ。彼が門大卒で金融機に勤めた経験はなく、独学経済学を勉し現在無職であることを調しながら、「31ひきこもり経済大統領」「者にもてあそばれた大韓民」などと攻している。なぜここで学歴や職業のことを問題にするのか、人すらそこにはない。


 






■「誹謗中傷」とは別問題


 


 芸能人がネット上の誹謗中傷や質な書きみを苦にして自殺した事件、ネットでき起こった米産輸入牛肉への反運動が大規模な反政府集へとがった昨夏のできごと――。韓では確かにネットの書きみがリアルの生活にものすごく大きな影響をえている。しかし、影響をえようとしたのはユやネットではなく、マスコミがネットの出事をいちいち記事にして大げさに報道したせいだと考えずにはいられない。


 


 芸能人の自殺が何件もいたことなどを受け、韓ではネットの名制度が化され非親告罪として査機がネットを監視規制するサイバ侮辱罪の導入が議論されている。ポタルサイトでは1日に書きめる件を制限したり、名確認をして登した員にしてもう一度本人確認をしたり、再三注意を呼びかけたりしているが、今でも事情はわらない。


 


 しかし、今回のミネルバ事件とネットの誹謗中傷は別問題である。


 


 察は「ミネルバを放するということはサイバテロを容認すること」と意気込んでいる。しかし、ミネルバが誰かを誹謗中傷するために書きんだわけではないだろう(政府は自分たちを誹謗中傷していると感じたかもしれないが)。もちろん李明博大統領は就任早、たかがネットと思っていた米牛肉問題での批判が反政府集展したという苦い経験がある。「ネットの書きみ」と聞いただけで軋りしたくなるかもしれないが、過に警戒するのは自らにも非があることを認めるようなものではないかと思わずにはいられない。


 


 


■「私はブロガに過ぎません」とミネルバ


 


 ミネルバが経済の勉をしなくてはならないと思うようになったのは、IMF経済危機の時に友人の親が事業に失敗して自殺したのを見たのがきっかけだったという。自己防衛のために身につけた知識をネットで共有しようとしたつもりが、政府のバラ色の展望とは正反の予測ばかりになり、それがまた次たってしまった。


 


 ネットで索したデタを引用し自分の意見を書きんだ結果、虚偽情報を流したと容疑をかけられ逮捕された。ミネルバが逮捕されてから、ネットで活に活動してきた「論客」たち、政府のIT政策や経済政策に苦言を惜しまなかったブロガたちが、自分の書きみを削除しネットから消え始めた。ネットに自然と集まっていたユー参加型情報が消える一方で、幼稚で質なデッグル(コメント)だけがってしまう恐れもある。


 


 私は弁護人が公開したミネルバとの話や面談容をみ、悲しくなった。察の査で彼に浴びせられた質問は「誰かに指示されてやったのか」「反李明博体に加入しているのか」といったことだったという。マスコミの餌食にされ、政府には経済影響をえる原因を提供した犯人扱いされ、個人情報がされ、もう日常にはれなくなった。


 


 「私は自分の意見をネットに書きんだブロガに過ぎません。反政府主義者ではありません」「私は政治犯でも、殺人犯でもありません。で縛られ手錠をかけられこうして面談をしなければならないなんて怖いです。記者や政治家の方にお願いします。これを政治事件にしないでください。オンラインに書いたことはオンラインでだけまれると思った私の間違いです」と訴えている。


 


 


■ユあってこその「IT強国


 


 ミネルバ逮捕は今後の韓のネット利用に大きな影響をえるだろう。放送局MBCの「100分討論」という人番組は、党のハンナラ党にしミネルバ逮捕をテマとして提案した。「ミネルバの書きみは表現の自由の範囲内であり、ネットをこれ以上規制してはならない」と主張する側と、ミネルバを逮捕した側が向き合って討論するという番組案だが、党は「まだ査中の事項にして討論すべきではない」と拒否した。


 


 民はネットの書きみを呑みにするほどバカではない。政府の言うことを100%信用するほど純情でもない。媒体や情報源の少ない韓でネットは重要な情報の溜まり場であり、はけ口でもある。どうしてネットユは政府を批判する書きみに熱狂し、政府の言うことはまず疑ってかかるようになったのか。政府はまず、その理由を振り返ってみるべきだが、その余裕もないほど追いまれているのだろうか。


 


 韓が今でも「IT強国」と胸を張れるのは、ITを活に使いこなし、企業のトライ&エラにも文句を言わず一にアイデアを出してくれるユがどのよりも多いからであるはずだ。そのユをネットから離れるように仕向けるのは、IT強国を諦めるということにほかならない。10年後、20年後を見てさまざまなを聞き入れる政府になってくれることを願いたい。


 


 


 – 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  


[2009年1月19日]


韓国 三星電子がスポンサー(2006年11月27日 掲載)

に「携電話修士課程」が登場




 


【ソウル】三星が1996年から財となった成均館(ソンギュングァン)大情報通信工部大院に、韓で初めて携電話科が新設され、年から修士課程が始まる。携電話科は年、修士40人、博士12人を募集する。1次12人募集に99人、2次28人募集に266人が志願し、競率は9.1倍となった。



 合格者は三星電子から授業料全額と
100万ウォンの生活費補助金が支給され、卒業すれば三星電子情報通信括に入社、携電話連の究開を任されることになる。


 


 携電話科はヒュマンインタフェス、コネクティビティ、エムベデッドSW、モバイルプラットフォム、モバイルヘルスなど次世代携電話にかかわる5つの究グルプで構成される。


 


 入は三星電子の入社試よりも難しかったとのうわさだ。書類審査、授面接、三星職務能力試SSAT)、三星電子面接の4段階を合格しなくてはならない。特に面接とSSATは入社試と同じレベルで、大申オAにTOEICで点を取った人も落ちたほどだ。


 


 携電話は、昨年246億ドルの輸出を記し、韓全体輸出の8.6%、IT輸出の22%超を占める韓の主力輸出品だが、門の人材を育てる大はなかった。


 


 三星電子の係者は「人材にする心はますます高まっているが、企業は攻能力を基盤とした務的な人材を要求し、大IT技術の速い化を育課程に直ちに反映しにくいのが情だ。携電話科こそが韓IT産業の競力を一段と引き上げる産協同モデルになるなるだろう。企業と大が協力し、韓の携電話産業をグロバルトップに展させるという目標を持ち努力すれば家競力にもつながる」と評している。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2006年11月27日 vol.1164 載] Link 


 

普及のネックは高額な料金(2006年11月20日 掲載)

のモバイルインタネット




 


【ソウル】韓インタネット振興院の調査によると、9月1か月間の12以上の携電話利用者の45.1%がネットにアクセスした経験があると答えた。週平均利用時間は48.2時間、アクセス回6.7回だった。一方モバイルインタネットの足度は5点点の2.8点と低いことが分かった。特に利用料金にする足度が2.2点と最も低く、モバイルインタネットの活性化のためには利用料金の引き下げが先決という意見が93.6%に達した。モバイルショッピング、モバイルバンキングなどMコマスと位置情報を含むテレマティックスの場合、まだ利用率は低いが、今後の潜在成長率は非常に高いと評されている。



 無線インタ
ネット利用者のサビス別利用経験はモバイルショッピング8.9%、モバイルバンキング11.3%、テレマティックス11.4%、人探しや周情報などの位置情報は19.7%に過ぎなかったが、今後の利用意向はモバイルショッピング38.8%、位置情報32.9%、モバイルバンキング31.8%、テレマティックス25.2%で、日常生活を便利にするサビスをモバイルから利用したいとするニズが高かった。


 


 韓インタネット振興院は「モバイルインタネット利用はいまだ有線インタネットに比べ低い水準だが、新しい生活中心のサビスが持的に開されればモバイルインタネットの利用は大きく活性化する見み」と述べている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


 BCN This Week 2006年11月20日 vol.1163 載] Link


 

第26回:『太王四神記』が残したもの~ 韓国人の歴史観を変えたヨン様


高句麗ブームを巻き起した『太王四神記』



ヨン様5年ぶりのドラマ出演となった『太王四神記』が韓国で放映されてから、1年が経ちました。もっとも影響力のある俳優「ヨン様」が主演する時代劇で、韓国ドラマ史上最高額の430億ウォンの制作費を投入する超大作。そして、韓国史の中でも解明されていない部分がもっとも多い「高句麗」を背景にしたフュージョン時代劇……ここまで聞いて期待しない人はいないでしょう?


『太王四神記』が放映されてから、韓国では高句麗ブームが巻き起こりました。さらに、歴史的にも文化的にも自分たちのご先祖様である高句麗のことを知らなすぎるのではないか、という反省の声が高まりました。


高句麗は韓国人にとって、とても誇らしい歴史の1ページです。しかし、高句麗の遺跡はあまり残っていません。『太王四神記』が放映されてから、全国の自治体では高句麗と縁のあるところはないかと、「目に火をつけて(韓国では必死になって探すことを「目に火をつけて」といいます)」探し始めました。今や韓国各地の高句麗の遺跡や城壁が見つかった場所で、「高句麗祭り」が開催されています。それほど高句麗の領土は広かったのです。ロケ地となった済州島や九里の高句麗鍛冶屋村は、今でもアジア各国からの観光客が絶えません。また、ドラマがきっかけとなり、高句麗や三国時代の歴史の勉強をさせたいと子供を連れてくるお母さん達でロケ地はごった返しています。


韓国では『太王四神記』をきっかけにして、高句麗の生活や衣装、食べ物、風習なども話題になりました。前回の高矢禮(ゴシレ)弁当にも盛り込まれていたメクジョッ(貊炙)は、豚肉にテンジャン(味噌)ソースを塗って焼いたものですが、この料理をはじめ、プルコギや焼肉種類の発祥地が高句麗なのです。メクジョッは、狩で捕まえた山の豚をさばいて、壷の中にテンジャンと一緒に漬け込んで焼いたのが始まりだと言われていて、当時の壁画にも残されています。韓国の食事といえば、みんなで一緒にテーブルを囲み、ワイワイ同じ鍋をつっつくというのが一般的ですが、高句麗時代の絵を見ると、厨房に捕らえられた豚がかけてあり、みんなが小さいテーブルの前に座っていたり、火の前で何かを焼いていたり、壷の中を覗いていたりする女性の姿が描かれています。今の生活とは、かなり風習が違っていたようです。そこがまた新鮮なんですよね。


また、韓国といえば床暖房のオンドルが有名ですが、これも高句麗時代に生まれたものです。寒くて長い冬を過ごすためには、下からポカポカ暖かくなるオンドルが欠かせません。今では韓国全土のどの一軒家も、どのマンションもオンドルを利用しています。さらに、疲れが溜まった日には、家族全員で「チムジルバン」に行きます。熱々のオンドル部屋がいくつもあり、オンドルの上に黄土を塗って遠赤外線を出す部屋や、デトックスに効果があるというアメジストを所狭しと貼ってある部屋など、テーマごとに分かれた部屋で汗をかくと、老廃物が無理なく自然に流され、体が軽くなるのです。現代の韓国人の生活になくてはならないものの多くが、高句麗時代に生まれた知恵だったことに驚きです。








    人間の愛を描いた『太王四神記』



    ヨン様が演じた好太王こと広開土大王は、韓国の5000年の歴史上、唯一といっていいほど、領土を拡張し朝鮮半島から北へ北へと攻めていった王様でした。領土を広げた=戦争が多かった=怖い王様というのが今までの定説でしたが、ヨン様と作者のソン・ジナさんは、それを見事に覆し、みんながアッと驚く新しい広開土大王の姿を見せてくれました。広開土大王は戦争が好きだったわけではなく、悲惨な状況に置かれた人々のことをどうしても見過ごせなかった、情の深い王様だったのです。ひとりの血の通った人間として悪者を排除するために戦争が起こったわけで、広開土大王が治める国に住みたいという移民が増えたことから領土も広がったのです。『太王四神記』では、そんな優しい国家経営者としての広開土大王を見せてくれました。これは韓国人にとってものすごく画期的なことなんです!!


    何よりも大事なのは、ヨン様の優しさの中に、女性を守ってくれる逞しさを秘めたイメージと、天下無敵という感じの広開土大王のイメージが重なり合ったことで、『太王四神記』だけのオーラを秘めたタムドクが生まれたことです。「もうヨン様以外の人が演じる広開土大王なんて想像もできない!」というのが、韓国視聴者の正直な気持ちです。実存した人物を自分なりに解釈して演じるのは、とても負担が大きかったはず。でもヨン様は、「冬ソナ」のチュンサンのように、タムドクといういつまでも忘れられないオリジナルキャラクターを私達の心の中にプレゼントしてくれましたね。ヨン様は、チュンサンを超えるタムドクという素晴らしいキャラクターを生み出すことで、自身がかけがえのない存在であることを、私たちにハッキリと示してくれました。


    『太王四神記』はまた、「アクション俳優としてのヨン様」を十分に見ることができたドラマでもありました。アクション俳優とまで言うと大げさですが、「ファンタジー時代劇」という新しいドラマの可能性と相まって、鎧を着て馬に乗り、剣を振り回すヨン様の凛々しい姿に夢中にならずにはいられませんでした。コンピューターグラフィックスがふんだんに登場するのも、韓国ドラマ史上あまりなかったことです。四神が登場する華麗なシーンは、ドラマをあまり見ない層と言われていた男子高校生までをもファンにしました。


    そして、『太王四神記』が残したのは、なんといっても「愛」です。韓国のドラマを観ると、毎回数え切れないほど、「サランへヨ(愛してます)」、「ジョアヘヨ(好きです)」というセリフが登場します。韓国では日常でも、お母さんに、友達に、恋人に、挨拶代わりといえるほど頻繁に「サランへヨ」と言い合います。ところが『太王四神記』では、一度も「サラン」(愛)を口にして語る場面がありませんでした。スジニの王様への愛、タムドクのスジニへの、そしてキハへの愛、チョロのスジニへの愛、ホゲのキハへの愛、チュムチとタルビの愛、父と子の愛、母と子の愛、王様の国民への愛など、いろんな形の愛が登場しますが、誰も一度も口にして「愛している」などと言いませんでした。目で訴えたり、命をかけた戦争で相手を守り抜いたりすることで、全身で愛していることを表現し、感じさせてくれました。


    中でも印象的だったのは、チョロでしたね。スジニを愛していながらも、愛する人の愛を守ってあげるため、つまりスジニとタムドクの愛を守るため、騎士のようにスジニの周辺から離れず、切ない目でいつも彼女を見つめていたところがチョロの魅力でした。たとえば、チョロとタムドクがスジニを間にして対立……三角関係を演じるものの、実はチョロとタムドクが異母兄弟で過酷な運命に翻弄される……というような、韓国ドラマの典型的なパターンを打ち破ったところも新鮮でした。








      ヨン様と『太王四神記』が時代を変えた!



      時代劇のヨン様もいいけれど、やっぱりファンとしては、いつものヨン様というか、眼鏡をかけて都会的でスーツをビシッと着こなすヨン様をじっくり堪能したいという欲望もあるわけです。その願いがついに、そしていよいよ現実のものとなりそうです。2009年は、ヨン様が主演・製作すると言われている『神の雫』の撮影が始まりそうです。『神の雫』は韓国でワインブームを巻き起こした日本の漫画で、韓国では珍しく170万部以上売れた作品。ワインが飲めるレストランやバーには、必ずといっていいほど『神の雫』が置かれています。デパートやスーパーには特別コーナーが作られ、漫画に登場したワインを集めて販売されているほどの影響力です。ヨン様は、韓国でワインブームが巻き起こる前からワイン好きで知識も豊富なので、このドラマにはピッタリですよね。


      ヨン様のおかげでまた時代が変わったな~と思うのは、日本の漫画を原作にしたドラマ制作に、誰も反対しなくなったことです。以前なら歴史的な感情から、「日本の漫画を原作にするなんてけしからん」と反対する意見がかなり出ていたはず。しかし、今回は何の反対もなく、逆に「ヨン様とワインなんて、とってもお似合い!」という喜びの声ばかりなのです。これはヨン様と日本の韓流ファンのみなさんのおかげです。日本のみなさんがヨン様をきっかけに韓国ドラマを見てくれて、好きになってくれて、韓国にも頻繁に来てくれて、韓国の文化や食べ物にも興味を持ってくれたことから、韓国人の日本に対する意識も変わりはじめたのです。


      「日本でこんなに韓国ドラマがブームになって、韓国の食べ物や芸能人が人気を集め、韓国を好きになってくれる人がたくさん増えたというのに、いつまでもグチグチ言ってられないわ!」……これが今の韓国人の正直な気持ちです。日本の女性のみなさんが韓国を好きになってくれたことで、韓国でも日本を好きになり、好感を持つ人が増えたのです。韓流ファンのみなさんが日韓の外交までも変えました。素晴らしいことです。これからも韓流を楽しんでみようじゃありませんか!


      次回からは『太王四神記』からさらに広く、韓国のドラマとエンタメ裏話をより深く広くお伝えする新連載をお届けします! 連載を読んだその夜のうちに、絶対観たくなるドラマがどんどん登場しますのでご期待ください!!

            BY  趙章恩


      Original column
      http://ni-korea.jp/entertainment/essay2/index.php?id=26

      韓国の携帯電話事情 機種変更は半年に1度に短縮(2006年12月4日 掲載)

      中古端末のリサイクルが問題に


      環境体、新たな制度導入を主張


       


       


      【ソウル】韓では携電話ベンダの新機種発売とマケティングの化がすすみ、ついに機種更周期が6か月にまで縮まった。日本は夏と冬のボナス時期にあわせ新機種が発売される傾向がいが、韓では時季に係なく年中新機種が投入される。機種更周期はこの1年の間に、12-18か月から6-8か月へと一に短くなり、世界で最も入れ替えの激しいといわれている。


       


       三星電子の場合、年間150種類もの新機種を発売している。そのためマケティングや告も派手に行われ、多モデル生産によるR&D費用も上せされるので、高な端末しかつくれない。


       


       最近の新機種は新規加入だと60-80万ウォン(約10万円)、機種更では120万ウォン(約15万円)を超えたりもする。それでも韓の機種更周期はこの1年の間に、12-18か月から6-8か月と一に短縮化しており、世界で最も携電話をころころえるといわれている。


       


       州や米の機種更周期は短くて18-24か月、3年以上にわたって同じ端末を利用する人も多いそうだ。


       


       携電話市場シェア3位の三星電子の場合、ノキアやモトロラとの競に打ち勝つため、とにかくどこよりも早く新しい機能を披露することに力を入れている。カラ液晶、MP3音1000万素カメラ付きなど競合するベンダよりも早く提供することで、高仕端末というブランドイメジをつくり上げた。


       


       LG電子はデザインで勝負しながら新機種の発売やしている。ファッションとしての携電話を調し、ブラック&ゴルド、パステルカラ、ピンク、ステンレス素材で鏡のような端末を次り出している。


       


       ペンタックはデザインと機能の面を追求し、最先端の機能ではないがユの意見を反映した使いやすい携電話を投入している。消費者のなかから選ばれた30人のデザイン開コミュニティを運、一般ユをできるだけ反映しようと努力している。そのため、いま韓では薄さが6.9mm、8mmなどスリム携で競が激化しているが、ペンタックはいちばん握りやすい13mmの薄さを選した。


       


       機種更の周期が短くなるにつれて、携電話の部品産業も成長を遂げている。3年前までは、カメラやLCDはすべて日本からの輸入に依存し、韓では組み立てるだけだったが、いまではモデムチップ以外のほとんどを産化している。


       


       韓の産業が活性化したのはいいが、問題も浮上しつつある。環境汚染の恐れがあるため中古端末は回してリサイクルすべきだが、キャリアもベンダもこの問題には消極的すぎるのが情だ。代理店が回はしているが、代理店に持ちまれる中古端末は年減っている。


       


       昨年までは携電話購入補助金が禁止されていたため、その代わりとして機種更する際に中古の携を代理店にわたすと2-3万ウォンを値引きしてもらえたが、今年から加入期間にじて機種更の際に補助金がもらえる制度がスタト、キャリアは中古端末の補償を中した。


       


       そのためリサイクルされる端末は昨年の10分の1にもたない。リサイクルされないまま放置された携電話は昨年だけで1300万台、今年は1600万台以上がゴミとして捨てられそうだ。ベンダは生産量の11.9%だけ義務的に回すればいいので、あまり心がないのが態だ。


       


       環境体は、携電話を販する際に空き瓶対策のように補償金として一定金額を預かり、中古端末をしながらしをする制度を導入すべきだと主張している。


      趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


       


       BCN This Week 2006年12月4日 vol.1165 載] Link


       


       

      韓国 地下鉄でもWibro利用可能に(2006年11月27日 掲載)

      対応端末も多



       


       


      【ソウル1月からソウル地下1-8線のほか、地下商店街でもWibro(モバイル無線LAN)を利用できるようになる。Wibroは時速120kmで移動しながらもブロドバンドインタネットが使えるサビスで、PDAやノトパソコンで利用できる。KTとSKテレコムは250億ウォンの予算で工事を急いでいる。工事はKTがすすめて費用は折半する方式だ。これまでWibroに投資された金額は5000億ウォンを超えている。



       Wibroカ
      ドが内蔵されたノトパソコンも11月に発売され、内蔵PDAも発売間直となっている。年上期までに超小型のノトパソコン(UMPC=Ultra Mobile Personal Computer)、タブレットPC、USB型端末も発売される。SKテレコムは HSDPAとWibroを一に使えるデュアルバンドデュアルモド(DBDM=Dual Band Dual Mode)方式のUSB 端末(ノトパソコン用)を年発売することにした。


       


       Wibro加入者はKTとSKテレコム社合わせて1300人余りとまだまだ少ない。社は今年年末を基点に利用スポットと利用端末がえることからWibroへの心も高まることを期待している。


      趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


       


      BCN This Week 2006年11月27日 vol.1164 載] Link 


       


       

      第9回:韓流の未来はクォン・サンウ!~『悲しき恋歌』韓国放映当時のこぼれ話~





      第9回 韓流の未来はクォン・サンウ!

      ~『悲しき恋歌』韓国放映当時のこぼれ話~

      2005年8月31日


      ●韓国では視聴率伸び悩み!? それでもクォン・サンウ人気は鰻上り







      製作発表があった2004年夏から様々な理由から話題持ち切りに
      (※ 画像はすべてクリックで拡大)
      (c)iMBC
       オーストラリアで撮影されたミュージックビデオ仕立ての予告編、ソン・スンホンの兵役問題、クォン・サンウとキム・ヒソンの1話当たりの出演料が2,000万ウォンという韓国ドラマ史上最高ギャラであったことなど、製作発表があった2004年夏から韓国でもっとも話題になった『悲しき恋歌』(悲しき恋歌公式サイト)。

       だがみんなの期待を裏切り、新鮮さがない、怒りたくなるようなありえないシチュエーションの連発など、韓国での視聴率は思うように伸びず、マスコミの評価も厳しかった。クォン・サンウは視聴率が20%を超えればスタッフ全員にご飯をおごると宣言したそうだが、結局実現できず。

       「76億ウォンの制作費を海外ロケとギャラでほとんど使い果たしてしまったため完成度が落ちた」、「視聴率30%以上取れるはずがせいぜい12%、タイトルどおり悲しい運命」などと言われたが、クォン・サンウの演技はみんなべた褒めで、ドラマが失敗すると人気も落ちるのが当たり前だが、クォン・サンウだけは悲しくやさしく自分には厳しい男性キャラクターをうまく表現したと株が上がり、CM収入もぐんぐん伸びた。







      二人は親友だったが…
      (c)iMBC
       ヘイン(キム・ヒソン)がゴンウ(ヨン・ジョンフン)の彼女になり、自分に気付かないあたりからジュンヨン(クォン・サンウ)が涙をこぼすシーンが多くなるんだけど、これが「涙の王子様」らしく、こんなのあり? というようなストーリー展開でもクォン・サンウの涙シーンだけはつい見惚れてしまうほど悲しくも美しかった。

       別荘スタジオでジュンヨンが寝ているとき、ヘインがジュンヨンかどうかを確認するために顔を触ろうとしたけれどあきらめて振り返ったとき、手で目を覆いながら涙を流したシーン、ゴンウがジュンヨンが幼い頃ヘインのために作曲した「何度別れても」を歌ったとき、ヘインが感動しているのを見て背を向けて涙を流すシーンがとても印象的だった。

       スキー場でゴンウがヘインの手を自分のポケットに入れたり、誰も邪魔できないような仲いい恋人同士になっているのを見て、気付かれないよう毛糸の帽子を深くかぶり直しながら涙を流すシーンなんて、屈指の名場面と称えられている。



      視聴!<悲しき恋歌>

       『悲しき恋歌』(放送期間:2005年1月5日~3月17日・全20話)の視聴は、MBCのドラマ視聴ページから。海外利用者用のメニューはなく、300kbpsは1話500ウォン(約55円)、1Mbpsは1,000ウォンで、決済後6時間まで見放題。
       MBCについて詳しくは
      第3回:無料で楽しむ韓国ドラマ 入門編3<有料でも見たい!MBC>を参照。



      ●東洋画専攻のクォン・サンウ~個展が開かれる日も近い!?

       がっちりした筋肉と甘いマスクで「モムチャン(モムは体、チャンは一番という意味)」としてスターになったクォン・サンウは、「天国の階段」でも映画「同い年の家庭教師」でもお坊ちゃま役で、実生活でも裕福な家庭で育った一人息子のような印象だけどそうではなかった。

       ファンなら誰もが知っているストーリーだけど、クォン・サンウは生後6か月で教師だった父を肝臓癌で亡くした。お母さんがお手伝いさんとして働いてやっと生活したほど貧しく、お弁当の代わりに水道の水を飲んでしのいだほど。中学からは父の遺産を横取りした親戚との訴訟にやっと勝ち、生活が楽になった。小学校3年になるまで父は外国にいると信じていたクォン・サンウは、安定した職業でお母さんを楽にしてあげたいと教師になった5歳上の兄に続いて自分も美術教育科で東洋画を専攻し、俳優生活の合間をぬっては兄が勤める中学で教育実習まで済ませ教師資格を取った親孝行者として有名。

       中学のころから地元では有名な美少年で、初恋は高校時代。同じ画室で美大入試準備をしたお姉さんで、初キスも入隊前そのお姉さんとしたとか。クォン・サンウは最近でも、水墨画の感覚を忘れないために俳優達の顔を描き続けているそうなので、近いうちに彼の個展が開かれるかも! ドラマ以上に期待してしまうな~。

       酒もたばこもせずサッカー好きだった父の影響から、クォン・サンウも酒とたばこがまったくだめなまじめな青年で、「同い年の家庭教師」でかっこよくたばこをくわえるために、すごく努力したそうだ。

      ●クォン・サンウは頂点にいながら期待株!!







      かわいくも逞しいクォン・サンウは男性からも好感度No.1
      (c)iMBC
       かわいい弟のようでもあり、華麗な筋肉でセクシーな恋人にもなってくれるクォン・サンウは、徴兵まで済ませた立派な「大韓男児」として男性からも好感度No.1俳優と支持されている。あるケーブルTV局が実施した「韓流の未来を輝かせる次の男優は?」というインターネットアンケート調査では、45万人のうち21万人の支持で1位に輝いたほど、頂点にいながら期待株でもある。ちなみに、2位はソン・スンホン、3位キム・レウォン、4位カン・ドンウォン、5位パク・シンヤンだった。

       クォン・サンウといえば思い出すのが新人時代のあるエピソード。デビュー当時、彼は無口な不良少年役が多く、性格もシャイだったからマスコミから「生意気だ」と叩かれた事もあった。

       筆者も彼は結構とんとん拍子でスターになったから苦労なんて知らないんだろうな~と思っていたところ、知り合いのライターがクォン・サンウをインタビューすることになった。もうその日からクォン・サンウの大ファンになってしまった彼女。「バカな質問にもすごく真摯に答えてくれてさ~時々恥ずかしそうに笑うあの笑顔がもうかわいくって! 風呂敷に包んで持って帰りたかったわよ! 礼儀正しくてビシッとしてるんだよね。本当にこの人はまじめに生きてるんだなって、伝わってくるの。マネージャーが言うには毎晩どんなに疲れていても必ず腕立て伏せを500回しないと寝ないほど自己管理に厳しい人なんだって。話してみるとすごく負けず嫌いなところもあって努力家でもあるから、絶対大物になるよ」ともう泡を吹きながらクォン・サンウを褒めまくっていた。

       この後映画「ひとまず走れ!」の試写会で会ったときは「スンホンに比べると僕の出番はほとんど編集されてしまった。もっと頑張るべきだった」と泣きそうな顔をしていたとか。でもその後すぐ「同い年の家庭教師」で大ヒットを記録したから、これは負けず嫌いだったからこそつかめた成功かも。インタビューで「同い年の家庭教師が成功してよかったのは、母と兄が喜んでくれたことかな。兄が珍しく酒を飲んで泣きながら電話してきたんです。本当に嬉しくて父の墓に行ってきたって…」。

       もっとも尊敬する人は母、肌がきれいで自分の母さんのように母を大事にしてくれるお嫁さんが欲しいんだとか。『悲しき恋歌』では母に反発するシーンがとても難しかったそう。「現実と重なりとても胸が痛んだ。5話で母が亡くなり母と息子の愛憎が短く終わってしまうのが残念」と話していたほど。

      ●ゴンウ役ヨン・ジョンフン人気も上昇中







      ニューヨークでのゴンウとヘインのシーンも美しく印象的
      (※ 画像はすべてクリックで拡大)
      (c)iMBC
       ソン・スンホンの代わりとはいえ、自分なりの役作りでやわらかいゴンウを生み出したヨン・ジョンフンも韓国では人気が高い。ドラマ終映後の4月26日、クォン・サンウと映画「マルチュク青春通り」で共演したハン・ガインと結婚した。この二人の結婚は、“これから花咲く若手女優の結婚”ということでとても注目されたが、『悲しき恋歌』が日本でヒットし、ヨン・ジョンフンの人気も上昇気味でやっと釣り合いが取れたと噂されている。式には黒いスーツに髭を生やしたクォン・サンウも出席し、新郎新婦より注目された。「両方にお祝い金を出しちゃったから、もう金欠でどうしよう~」なんてジョークでみんなを笑わせていた。

      ●趙章恩の韓国旅行ガイド
       ~「悲しき恋歌&天国の階段」編~


       『悲しき恋歌』の撮影セットはピ主演のドラマ「フルハウス」と同じ仁川の矢島(シド)にある。 空港がある永宗島を中心に右は『悲しき恋歌』、左は「天国の階段」セットがある舞衣島があるので、朝から急げば両方見られる。仁川空港からバスかタクシーで「三木船着場(サンモッソンチャッジャン)」まで行き、船で10分の信島(シンド)で降りると橋でつながっている矢島に行ける。セット場は白い別荘の前に主人公らの大型看板が並んでいるのですぐわかる。中国のクォン・サンウファンには必ず訪問すべき聖地になっているとか。韓国を訪問された際には、ぜひどうぞ。

      ●映画・ドラマとこの冬はクォン・サンウ尽くしに

       韓国は数え年なので、1976年生まれのクォン・サンウは今年30歳になる。「30歳初めての作品である悲しき恋歌は特別なドラマ。今までは演技よりルックスで人気を得たけど、これからは演技で評価される新しいクォン・サンウになりたい。死ぬ役もやってみたかった」と本人も演技で評価してほしいと言っていたほど、情熱を込めたドラマだった。

       韓国での評判は今ひとつだった『悲しき恋歌』だが、日本ではとても人気だと連日韓国でも報道されているので、海外市場で「冬のソナタ」のように末永く愛される作品になってほしい。ちなみにクォン・サンウは映画「野獣」の撮影が9月中旬に終わり、それから「同い年の家庭教師」でも共演したキム・ハヌルとの「青春漫画」という映画を撮影する予定。

       「青春漫画」は、ジャッキー・チェンのようなアクション俳優になりたいジファンと最高の女優を夢見るダレ、この二人の幼なじみが繰り広げるメロドラマで、来年お正月公開予定。「野獣」は12月公開予定なので、この冬はクォン・サンウ尽くしになりそう!


      By-
      RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情」 Link

      第2のITベンチャーブームを巻き起こせ!(過去記事)

      日本でも報道された芸能Xファイルの波紋がまだ静まらない。ポータルやコミュニティーサイトにはXファイルを掲載したりその内容について書いたりすると、刑事処罰の対象はもちろん損害賠償の対象になりかねないので注意するようにと警告が書かれてある。

       友達にちょっとだけ見せてあげるつもりが、P2Pとメッセンジャー利用率が高かったのが災いし、たった3日で4800万全国民に知れ渡ってしまったというのもすごい。だが爆弾テロ並みに怖いのが、このような好奇心から生まれたサイバーテロだということも再三実感した。


       ところが、芸能界以上にIT業界も今そわそわしている。


      ■韓国経済にはやっぱりITベンチャーが薬?


       日本と世界初というタイトルをおいて競い合った、携帯電話で移動中も放送が見られる衛星DMBと地上波DMB、移動通信網とホットスポット両方を使い時速60Km以上で移動しながらも携帯電話から1Mbpsの超高速インターネットが月3000円程度で使い放題のWiBRO(ワイブロ;携帯インターネット)など、IT839政策の主な課題で4~5年前から準備して来た新しいサービスがいよいよ上半期どっと披露される。


       昨年末には政府が立て続けに大胆なIT支援策を発表している。2004年11月、財政経済部長官が「2005年をベンチャー復活元年とする。梅雨に濡れた木に石油を撒いてでも火を付けてみせる」と特別な処置を考えている筋を発表してから、2004年12月24日クリスマスプレゼントのように「ベンチャー企業活性化対策」が発表された。ベンチャー対策の前にはIT839戦略、ITニューディール政策と大規模予算のIT支援策が発表されている。そこにまたベンチャーを持ってくるとは、韓国政府がITにかける意気込みのすごさが伝わってくるようである。 


       ここには


      △政府主導で2008年まで1兆ウォン規模の投資ファンド造成


      △ベンチャー企業の税制及び金融支援


      △コスダック市場の中小・ベンチャー企業専用市場化及び活性化


      △ベンチャー企業M&A活性化


      △ベンチャーキャピタルの安定的財源確保及び投資資金回収支援


      △ベンチャー敗者復活プログラム導入


      △ベンチャークラスタ形成


      △新技術製品及びSW需要基盤拡大


      △部品・素材市場活性化


      △大手企業とベンチャー間の公正取引確立


      などベンチャー業界が要求していた政策の大部分が反影されている。


       ベンチャーへの投資を増やすため一般投資家が参加できるコスダック新規登録企業の公募株の配当量を20%から40%へ、コスダック市場の1日価格制限幅を12%から15%に拡大させた。機関投資家らの投資も増やそうと、持株を手放す際に譲渡所得税が免除される小口株主の範囲も発行株主全体の3%未満から5%未満へ拡大させた。コスダック新規登録企業の初期損失リスクが高いことを踏まえ、所得金額の30%は事業損失準備金として積み立て、損失が発生すれば積み立てられた準備金で相殺するようにした。国の基金でベンチャー専用のファンドも作る。


       不正とモラルハザードのないベンチャー企業家に技術信用保証基金などの支援でもう一度チャンスを与える「敗者復活戦」の導入には賛否両論が熱い。元々失敗してもちょっと休んでからまたどこかでベンチャーを立ち上げる企業家の多い国ではあるが、人のモラルを誰が評価できるのか、本当に客観的に評価できるのかと、不透明な審査によりまたベンチャーバブル時代のような投資詐欺事件が増えるのではないかと心配されている。


       今回の支援策は以前のように現金をばら撒くような支援ではなく、


      △躍動


      △多産多死


      △高危険-高収益(High Risk High Return)


      などベンチャーの本質を上手く生かすことができる土壌を作るために、創業・成長・成熟というベンチャーの成長段階に合わせ、その時必要となるインフラと資本を投入できる政策と評価が高いが、一度当たると大きいからベンチャーに頼るのかとの批判も多い。


       でもベンチャーを支援しなくてはならなくなった理由は色々ある。


      ■ベンチャー活性化方案にITニューディール政策、IT839政策も軌道


       韓国経済は長期化しそうな不況の中、三星、KT、SKテレコムなどの大手IT企業数社が国を動かすほどの力を持ち始めた。ベンチャーバブルで生き残ったところもほとんどが大手企業の子会社化している。その影響で逆に大手企業の一つでも危うくなると韓国経済全般が傾いてしまうほど偏った産業構造になってしまった。バブルといわれながらも1999年から2001年までベンチャーのお陰で韓国はIMF経済危機を克服し、韓国が進むべき道はITであるという成長動力を見付ける事ができた。


       だが今は先端技術を持つ収益性の高いベンチャーが一時的な資金難を克服できずどんどん外資系にM&Aされている。去年だけでも30社以上が外資系企業へ買収された。日本からの輸入に依存しない源泉技術確保が重要と言いながらも技術を守れない実態である。またベンチャーを下請けのまた下請けにしか見ない大手企業の悪態もベンチャー業界を潰している。国の力でベンチャーを保護しなくてはならないほどベンチャーは死にかけている。


       韓国で最も尊敬されるCEOでベンチャー第1世代のアン・チョルス社長(アンラボ)は、オーマイニュースとのインタビューで「今度こそは目に見える効果を狙った企業に対する支援ではなく、ベンチャーがベンチャーらしく生き残れる公正で透明な市場を作ってほしい」と強調した。この記事の下には延々と「もっともである」とネティズンの意見が並んでいる。


       政策とは裏腹にベンチャーの製品を買ってくれない公共機関がまだ多い。政府の対策は歓迎するが、その恩恵が本当のベンチャーではないところへ流れるような何かがあってはいけないだろう。一般市民らも「大手企業だけがもっと大きくなる産業構造はおかしい。企業も個人も貧富の差がありすぎる。ベンチャー対策でがんばれば成功できるというモデルを見せてほしい」と言っている。


       11月発表された「ITニューディール政策」もベンチャー活性化に大きく影響を与えている。


      △知能型交通情報システム(ITS)、災難管理システム、DB統合標準研究などの各種情報化プロジェクト


      △先端ITコンプレックス造成事業


      △ホームネットワークインフラ構築事業


      など「デジタル国力」をアップグレードさせるべく大型基幹事業に投資し、先端技術を持っているベンチャーが活躍できる場、市場を作ってあげようとしている。


      ■IT予算急遽増額、77%を上半期早期執行


       支援の決定も早かったが、執行も早い。情報通信部の予算は年末に集中したITニューディールとベンチャー活性化のため急遽1180億ウォン増額し、全体77%が上半期の内に早期執行されることになった。政府全体の予算も景気回復のため66%にあたる史上最高額の130兆ウォンが上半期執行される。関連規定の改定も上半期に全て終了させる。


       IT予算はベンチャー以外にも4171億ウォンが就職難解消のため22の行政DB構築、国家主要知識情報3千万件のデジタル化、ITSのための主要国道と4大都市の交通情報収集インフラ構築、47の中央行政機関が個別運営している電算センターを統合し政府統合電算センターを構築する事業に支援される。


       韓国ではこれを「デジタル国力強化対策」と命名している。支援策が重なる部分もあるため、省庁間の緊密な協力のためにも推進体制を確保しようと、情報通信部を中心に財政経済部、行政自治部、企画予算処が「デジタル国力強化対策推進班」を構成している。


       ベンチャー活性化対策が発表されてからインキュベーションセンターの入居が活気を帯び、ベンチャー認証申請件数も2001年バブルの頃に戻り始めている。コスダック市場は連日上昇気味、不動産屋の話しでは空きオフィスが多かった元祖ベンチャーバレーの江南テヘランバレーにも人が戻り始めているそうだ。


       もちろん、他の理由もある。マイナス金利で貯金よりは投資を考える人が増えたのと、不動産の下落で賃貸がかなり安くなったことなどだ。こうやって理由をつけるのは第2のベンチャーブームを期待しながらもまだ不安が残るからかも知れない。韓国政府の2005年目標はIT輸出850億ドル、経済成長率5%、40万人雇用。このままいけば目標達成はもちろん、韓国IT業界の歴史に残る1年になりそうな気がする。

      by – 趙 章恩


      デジタルコア連載     Link

      ユビキタスコリアへの跳躍――「IT839戦略」とは (過去記事)

      韓国電算院が発刊した2004年版国家情報化白書によると95年以降国家別「情報化の経済成長寄与度」は日本が33.3%で1位、オーストラリア26.5%、アメリカ25%、イギリス19.4%、フランス13.6%、韓国10.3%の順となっている。

       先進国の場合、90年代前から情報化投資を続け人材養成、情報化に適合した業務方式の変化などを成し遂げたが、韓国は98年IMF経済危機克服のため急いで情報化を進めたため、経済成長に及ぼす効果はまだそれほど大きくないそうだ。なのに、韓国といえばITである。韓国とITの特徴がうまく合致していて自然にそうなったのか、それとも残された選択はITしかないからなのか、何だかよく分からなくなってきた。


       韓国では今「どうもこの不況、あと何年で終わりそうにない」という意識が広がり始めている。不景気にもかかわらず不動産バブルやインフレがすごく、「値上がりしないのは私の給料だけ」というTVCMが人気を集めている。IMF以上と言われるこの異常な状態を乗り越えるため、源泉技術確保によるIT強国としてのステップアップと国民所得2万ドル達成という大きな2つの課題が打ち出された。そして、このための戦略として「IT839」が7月幕を開けた。



      <IT839とは>


      8大成長産業


      ▲高速無線アクセスサービス(携帯インターネット)WiBro、▲デジタルマルチメディア放送DMB、▲広帯域コード分割多重接続W-CDMA、▲インターネット電話VoIP、▲ホームネットワーク、▲テレマティックス、▲RFID、▲地上波DTV


      これを裏付ける3大インフラ


      ▲広帯域統合網BcN(Broadband Convergence Network)、▲Uセンサーネットワーク、▲次世代インターネットIPv6


      9大IT成長動力


      ▲次世代移動通信、▲デジタルTV、▲IT SoC、▲ホームネットワーク、▲インベデッドSW、▲次世代PC、▲デジタルコンテンツ、▲テレマティックス、▲知能型ロボット


      2010年までに2兆ウォン投資


       韓国のIT支援政策の流れは本当に目まぐるしい。94年情報通信部設立、1995年8月「情報化促進基本法」と1996年6月「情報化促進基本計画」、1999年3月本格的な国家IT戦略「Cyber Korea 21」により95年から2002年までのブロードバンド普及計画が実行され、2年早い2000年12月全国普及の目標を達成しブロードバンド普及率世界1位という記録を達成する。


       IMF経済危機克服、インターネット普及でデジタル経済確立、本格的な知識情報強国設立という目標を早期達成した韓国政府は政策を修正し、政府・企業・個人の情報力を強化させるため2002年4月「e-Korea Vision 2006」を発表し電子政府、デジタルデバイド、スパムメール・ウィルスの最小化、個人情報保護問題に取り組む。


       そして政権が変わり2003年12月「Broadband IT Korea 2007」では開かれた電子政府(2002.10~)、国際競争力、グローバル情報社会、北東アジアITハブ国構想、デジタル福祉社会などが謳われ、2004年7月「IT839戦略」により具体的なユビキタス化と経済発展方案として、8大サービス、3大インフラ、9大成長動力に全力を注ぐ格好となった。IT839戦略には2010年まで政府予算1兆2000億ウォンと民間投資8000億ウォン、合計2兆ウォンが投入され、111兆ウォンの生産誘発效果が期待されている。


       経済的に厳しい状況に置かれていてもIT部門の輸出はそこそこ好調である。だが、韓国を支えている「IT」輸出のほとんどが半導体、移動通信端末、LCDモニター3品目に集中している(2002年66.2%)国全体の不況からR&Dが落ち込み、先進国との差と追い上げる中国の間で輸出も揺れ始めている。


       3~5年以内IT製造業は中国に追い抜かれると噂される中、IT輸出戦略は転機を迎えている。韓国ITを代表する親孝行種目「携帯電話」の場合、主な源泉技術を日本やアメリカに依存しているため、成長に限界があるという認識も広まっている。韓国が得意とする「走りながら考える」、「新しいものが大好き」な国民性を生かし、IT強国の座を守るためには源泉技術開発、先進インフラ、成長エンジンとなる製品やサービスを探し出さなくてはならない。


      国民所得2万ドル時代へと移行できるエンジン


       また、韓国の国民所得は10年近く1万ドル止まりである。いつまでも「途上国以上先進国未満」の状態に留まるわけには行かない。国民所得2万ドル時代へと移行できるエンジンをIT産業から探し出そうというのだ。その具体的な実行方法がIT839戦略である。8+3+9=20という公式は、国民所得2万ドルという意味にもつながる。


       IT839の中でも今のところ目立って支援が集中しているのはデジタルTVとデジタル放送である。もめにもめ今年7月やっとLG電子がいくつか特許を持っているATSC方式に決定し、2010年アナログ放送を中止することになった。2010年までデジタル放送へかける予算は420兆ウォン、2008年まで生産誘発効果229兆ウォン、雇用126万人、放送機器輸出563億ドル、貿易黒字149億ドルが見込まれるにしてもかなりの予算である。デジタルTVをはじめ高価家電製品に賦課されていた特別消費税を値下げし、ついに「IT839積立」という怪しげな郵便貯金まで登場させた。


       韓国の郵便局には98年から「国民PC積立貯金」というものがある。政府が認定した最新仕様のPCを積立貯金に加入する条件で先にもらい、代金は毎月貯金で返済する制度だ。この積立は大当たりし、大勢の人々がまとまったお金がなくてもPCを購入できたので、ブロードバンドの全国普及に大きな役割を果たすことになった。栄光の神話をもう一度と、9月から情報通信部はデジタルTVが買える「IT839積立」を始めたのだ。


       PC同様、政府指定モデルのデジタルTV購入資金として最高5百万ウォンまで郵便局から貸してもらえ、貯金で返済する。郵便局は情報通信部の傘下機関なので、デジタルTVを活性化させ何とか内需を回復させてみようというのが政府の狙いである。政府が借金の保証人となりテレビを買わせる。家電メーカーは大喜びだけど、PCと違いデジタルTVは子供の教育に絶対必要だとか、持っていないと恥ずかしいとまでにはいかないので、まだこれといった動きはない。


      政府10大次世代成長動力推進計画


       景気回復のための成長動力戦略はIT839だけでない。科学技術部、産業資源部、情報通信部が共同で打ち出した「政府10大次世代成長動力推進計画」というものもある。これは2003年から2007年まで4049億ウォンの予算でデジタルTV/放送、ディスプレイ、知能型ロボット、未来型自動車、次世代電池、バイオ・新薬などの10大事業とこれに関する141の研究課題と48の次世代製品開発を集中支援し、産業の発展と輸出を活性化させるというもの。


       既に2003年末あたりに決まった計画なのに、省庁の利害葛藤からか情報通信部は独自に「IT839」を打ち出した。日本でも総務省と経済産業省の支援分野をはっきり区別し難い場合が多いと思うが、科学技術部、産業資源部、情報通信部の予算確保のための支援産業奪い合いにうんざりしてしまう。


       情報通信部の陳大濟長官は車のナンバーまで8390に変え、TVでも新聞でも「IT839」という文字を目にしない日はない。IT839で韓国経済がどう変わっていくのか、注目していきたい。


      by- 趙 章恩


       


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