韓国 IT展示会「Korea IT Show2007」(2007年5月14日 掲載)

300社出展、最大規模で開催




 


【ソウルIT合展示KIS(Korea IT Show)2007」は、4月19日から22日まで開催された。情報通信部と産業資源部の共同主催で、世界的に有名な展示へと引き上げたいとの思惑から、存のExpocomm、KIECO、IT Koreaなど5つの展示を統合。この結果、韓最大のIT合展示となった。ソウル市三になる1万4300㎡規模のCoex展示館太平洋館ホルには三星電子、LG電子、SKテレコム、KTFなど韓を代表する企業が勢揃いし、海外18かからの加を含めると約300社が出展、かつてない賑わいとなった。



 展示
の初日には世界18かIT大臣が訪問した。KTが提供したWibro(モバイルWimax)体バスにり、高速で走る車の中でもインタネットが自由に使えるWibroを体しながらの展示場到着というイベントもあった。


 


 衛星DMB(モバイル衛星放送)事業者の「TUメディア」はインタラクティブラジオ番組「TUリクエスト」を展示場のオプンスタジオから生放送し、場者のリクエスト曲とお便り放送コを設けて話題になった。


 


 TUメディアの子社である「ハイオンコプ」は世界で初めて衛星DMBと地上波DMB(韓のワンセグ)を同時視できる統合DMBプレ「ハイオンデュオ」を展示した。地上波DMBと衛星DMBを一つの面で同時に見れるPIP(Picture In Picture)サビスも演した。


 


 展示場の中央には最もい面積(269坪)で三星電子ブが陣取った。世界最大102インチのPDPTV、2007年型デジタルLCDTV(ボルドシリズ)、ブルレイDVDプレ、世界で最も薄い携電話ウルトラエディションシリズ、UMPC Q1、デジタルPDPTV(カンヌシリズ)、世界最小型カラ複合機など多な最先端製品を展示していた。


 


 三星電子の展示のなかでも3G携電話やWibroを内蔵し、いつでもどこでも持ちきながらインタネットが使える重さ690gのモバイルPC(senseQ1ウルトラ)に注目する場者が多く、「このサイズでデスクトップと同じ性能を持っているなんて驚いた」との感想が絶え間なく聞こえてくる。


 


 一方、LG電子ブスの主人公はLG電子と海外有名ブランドの「プラダ」が一に制作した「プラダ携」だった。プラダ携はこの展示を通じて韓で初めて公開された。LCDTV、PDPTVといった映像家電も最新製品が勢揃いし、注目を集めた。


 


 「KIS2007」は第1回目にもかかわらず、4日間で10万人以上の場者と30か800人のバイヤ加するなど、大盛況のうちに閉幕した。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年5月14日 vol.1186 載] Link

韓国 ソウル市内 どこでもWibro生活圏に(2007年5月28日 掲載)

KTが対応端末を発売




 


【ソウルKTは4月3日からソウル市全域と首都地下、仁川空港道および首都主要大の構商店街などでWibro(モバイルWimax)が使えるように、サビス地域を大した。



 KTは今回のWibroサ
ビス地域大を契機に、対応PC、ノPC用カド、複合端末デラックスMITs、CDMA音通話とWibroの方が使えるスマトフォンを発売した。

WibroはHSDPA(高速パケット
送技術のひとつ)よりも速度が3倍以上速く料金も安い。カメラ付きスマトフォンで撮影した動をその場ですぐ個人のSNSやUCC(動投稿サイト)にアップロドできるという点で、移動しながらネットを使う機の多いビジネスマンや、10代の若い世代の利用もえてくると予想されている。


 


 従来KTはWibroのマケティングに積極的でなかったが、4月からはテレビ告を打ち、バスで移動しながらWibroが使える「Wibro体バス」を運行するなど、積極的な活動を開始している。年末まで加入者20万人の確保を目標としている。


 


 KTでは、「ソウルを中心に1000万ユが、移動しながら自由にインタネットを利用できるようになった。これまでのサビスは予告編に過ぎない。今度こそWibroとはどういうサビスなのか分かってもらえるはず。Wibroを今年最高のヒット商品に育てたい」としている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年5月28日 vol.1188 載] Link 


 


 


 

韓国 企業向けプリンタ、競争が激化(2007年5月28日 掲載)

発売ラッシュでシェア狙う




 


【ソウル】昨年まであまり注目されなかった企業向けプリンタの新製品ラッシュがいている。



 三星や韓
HPなどはプリント技術を前面に出した企業向けの製品を発売し、販競を繰りげている。  


 


 シンドリコは1分6枚をプリントコピできるSOHO向け製品のほか、1分40枚まで出力できる大企業向け機種など多な市場に対応できるカラ複合機を発売した。


 


 韓HPはレとインクジェット機能の長所を結合させた超高速プリンタ技術「エッジライン」を適用したカラ複合機を発売した。同社は4月にカラインクジェットプリンタ5種を一度に発売している。この製品はモノクロなら1分71枚、カラ50枚まで出力できる。韓HPは「エッジラインで印刷費用も30%ほど節約できる。出力の速さで三星電子に取られた企業用プリンタ市場1位の座を奪い返してみせる」と宣言した。


 


 エプソンコリアはデジタル複合機とプリンタのコピおよび出力管理出力制御、課金およびセキュリティまで管理できる企業用ソリュション門業者のアイプリントと略的に提携し、法人市場攻略を本格化した。


 


 さらにエプソンコリアは企業市場攻略に必要なソリュションパトナを確保していく計で、デジタル複合機はもちろん市場で優位な位置を占めている大型フォトプリンタ化のためにも、ソリュション企業を確保していく計だ。


 


 設立2年を迎えた韓レックスマクもMPS(Management Printing Service)略を導入するなど、企業向けプリンティング市場攻略に重点を置き、企業用プリンティングソリュション業者に身すると宣言した。


 


 エプソンコリアと韓レックスマクが企業向けプリンティング市場に加わることによって、シンドリコとキヤノン、ゼロックスのコピ3社と三星電子、韓HP、エプソン、レックスマクのプリンタ4社という陣が形成され、ますます激しいが繰りげられると予想されている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年5月28日 vol.1188 載] Link 


 


 


 

携帯電話料金は大統領選の争点にも? [2007年5月16日]

前回、携帯電話会社のサービスへの不満がネット上に吹き出していることに加え、大々的な料金値下げを求める動きが活発化していることを書いた。その根拠は、キャリア3社が政府情報通信部に提出した「原価補償率」だ。

 これは、料金と原価を比較したものだが、ここでいう原価にはサービスを提供するために投資した費用を、もし他の事業に投資した時に得られると期待できる期待収益まで含まれている。さらに、利益は通常の営業利益より高い利益が含まれている。つまり、原価補償率が100%を割ったとしても、キャリアの懐は実は痛くも痒くもないという意味になる。キャリア3社の原価補償率は2006年末現在で、SKテレコムが122.55%、KTFは105.06%、LGテレコムは102.99%だ。SKテレコムは本来あるべき、適切な料金より22%も上乗せした金額を利用者から受け取っているということになるわけだ。


 中でも携帯電話利用料金の値下げに関して特にこれだけは絶対何とかしてほしいとユーザーが要求しているのが発信者番号通知サービス(CID)料金の無料化だ。日本では当たり前のように無料で利用できる発信者番号通知が、ついこの間まで韓国では月2000ウォンの有料サービスだった。何の費用もかからないサービスを提供しながら膨大な収益を上げていたキャリアに対する国民の反発は大きく、2006年からSKテレコムは無料にしたが、KTFとLGテレコムはしぶとく月1000ウォンを取っている。KTFとLGテレコムが上げている収益はCID料金だけで2006年では2000億ウォンに上る。


 そのほかにも、原価2.5ウォンにすぎないSMS(ショート・メッセージ・サービス)の利用料金は1件30ウォン。原価の12.5倍も加入者にふっかけている。


 また小学生や軍人を対象にした公衆電話から携帯電話へのコレクトコールは90秒あたり270ウォン、市内電話同士のコレクトコールは3分85ウォンなので6倍強も高い料金をもらっている。コレクトコールは小銭を持たなくても緊急時に通話ができるという利点もあるが、問題は携帯電話に設けられている青少年向け料金定額制との関係だ。毎月一定料金以上使えない料金制度に加入していても、コレクトコールで発生した料金は別計算なので、使いすぎて月々の料金よりコレクト料金の方が多くついたという事例も少なくない。


 統計庁の発表によると2006年韓国勤労者世帯の通信費支出は月平均13万5040ウォン(1万7555円、1万ウォン=1300円として計算)、このうち、携帯電話料金の割合は80%近い。全世帯の通信費支出合計は2005年より5.46%増加した26兆6907億ウォンを記録している。これは全世帯の外食・宿泊費より多い金額だ。情報通信政策研究院の調査結果では1996年6.7%だった家計消費増加率は、2004年0.5%にまで落ちている。それでも通信費の割合は4.4%から9.2%と2倍以上増えた。


 2006年の都市勤労者家計平均所得は月330万ウォンほどだが、上位20%は月640万ウォンほど、下位20%は月120万ウォンほどと格差が大きい。月120万ウォンの所得で4人家族が生活し、13万5040ウォンの通信費まで負担するとなれば家計負担はかなり重い。だからといってインターネットや携帯電話を使わないわけにもいかない。家計負担を減らすため情報通信部も積極的に通信費値下げを勧告している。国会議員と市民団体も加入費免除、SMS料金と通話料の20%引き下げをキャリアに要求し、今年12月に行われる大統領選挙の公約に携帯電話料金値下げを含めるよう依頼する方針でもある。


 2006年末現在、携帯電話加入者4019万7115人の約7.6%が料金を滞納しているという報道もあったが、キャリアのサービスに不満でわざと払わない人も多いのではないかと思えてしょうがない。


 所得は減っても固定支出の通信費は値上がりするばかり、奨励金の自由化で携帯電話が安くなるといっても3G加入者がターゲットなので、普通に通話とSMSを利用するだけの顧客にはあまりメリットがない。韓米自由貿易協定(FTA)交渉で通信市場開放が騒がれているが、早く海外キャリアが韓国に進出して仮想移動通信事業者(MVNO)サービスをしてくれれば、韓国キャリアも気を引き締めなおしてサービスと料金改善に乗り出すかもしれない。


【お知らせ】本コラム筆者の趙章恩さんが東京で講演を行います。
「世界に先駆ける韓国のWeb2.0ビジネスモデル」
5月21日(月)18:30~20:30 東京・大崎
■ テーマ
世界に先駆ける韓国のWeb2.0ビジネスモデル
– UCCって何?
– 動画投稿からCyworld2までどうやって儲けているの?
– インターネット実名制や著作権の影響は?
■実施要綱
主催:特定非営利活動法人(NPO法人) アジアITビジネス研究会
参加費:1,000円(当日、会場受付にてお支払いください)
定 員:80名(申込先着順)
※申し込み/問い合わせ先
氏名と所属先、部署/役職、ご連絡先を明記の上、下記までメールにてご連絡ください。
NPO法人アジアITビジネス研究会
事務局・田所 tadokoro@asia-itbiz.com
http://www.asia-itbiz.com/
※事前申込必須。定員になり次第、締め切り。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070510/270440/

韓国ゲーム市場 マイクロソフトが支援(2007年6月4日 掲載)

市場活性化に向けて3400万ドル




 


【ソウルマイクロソフトは、韓電子通信究所(ETRI)とゲム技術開協力の書(MOU)を結び、「オンラインゲイノベションセンタ」に3400万ドルを支援することになった。



 今回のMOUの主な
容は、ETRIとマイクロソフトは①共同で「オンラインゲイノベションセンタ」を開設し、②オンラインゲR&Dセンタとしての役割を支援、③ETRIの育成プログラムのオンラインゲムテストベッド(OGTB)事業にマイクロソフトのソフトウェアライセンス技術支援・教育支援の提供などだ。ETRIは支援象として中小規模の200余りのオンラインゲム開発会社を選定、共同育成することになる。


 


 ゲム業界では、今回のマイクロソフトのオンラインゲムセンタ設立が、韓に利益をもたらすと予想している。 投資金額も大きいが、ソフトウェア開のノウハウも授される基盤も組みまれているからだ。Xbox360用ゲムソフトをはじめ、モバイルや用ゲムの共同究を推進し、韓ムの海外進出とマケティングを支援する略となるからだ。


 


 マイクロソフトのオンラインゲムセンタは中小企業にする投資という意味合いがある。だが一部ではマイクロソフトが今後センタを通して、自社ゲムへの投資をやすだろうとみている。


 


 またETRIは政府系の技術開センタなので技術力が業界の最新レベルには至らず、マイクロソフトと技術開をするどころか、逆に韓の最新オンラインゲム技術だけが海外に持っていかれるのではないかと懸念されている。


 


 「オンラインゲイノベションセンタ」支援は昨年から施行されているマイクロソフトの韓ソフトウェア企業支援プログラムである「韓ソフトウェア生態系プロジェクト」の一環で、オンラインゲム分野にも適用されるようになった。韓ム産業開院によると韓ムソフトの市場規模は、2006年は前年比で26%8兆8663億ウォンで、直接事者は6万人に及ぶ。輸出68億ドル(ロイヤリティ含む)にして、輸入は28億ドルで、40億ドルの字を記している。


 


 マイクロソフトのケビンCOOは「韓はデジタルコンテンツとゲム分野で技術的、文化的底力を持っている」とし、「マイクロソフトの技術とノウハウを接させ、オンラインゲム開発会社がデジタルエンタテインメント分野で世界市場をリドする良い機になるだろう」との見方を示した。


 


 ETRIのチェムンギ院長は、「韓の成長を促す原動力としてオンラインゲムとデジタルコンテンツの産業育成政策にマイクロソフトが協力してくれれば、グロバル競力が一層高まると期待される。特にオンラインゲイノベションセンタを通じて韓ム産業のR&Dが化されるだろう」と期待をにじませながら展望を語った。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


 BCN This Week 2007年6月4日 vol.1189 載] Link


 


 


 


 

韓国 三星とLGが対立から連合へ(2007年6月4日 掲載)

ディスプレイ産業協を設立


知財共有や下請け共同活用も



 


【ソウル】三星とLGグルプに分かれ、海外から輸入してもお互いのパネルは購入しないなど係にあった社が、世界シェア1位を守リくための競ではなく、「相生(共生)経営」で連合することに合意した。三星電子、LGフィリップスLCD、LG電子、三星SDIなど韓ディスプレイ市場をリドする企業は5月14日、ソウルで200人余りが加して「韓ディスプレイ産業協設立」の記念式典を開催した。


 


 韓ディスプレイ産業協の初代長にはイサンワン三星電子LCD括社長が就任した。長の座を巡り、三星とLGが水面下で熾烈な主導権争いをけたが、三星が3年任期の2年だけを務め、次の長はLGにバトンをわたすことで合意した。


 


 総会では員各社が協を中心に液晶(LCD)とプラズマ(PDP)、有機光ダイオド(OLED)など主なディスプレイ産業分野で協力体制を築き、産化の割合が低い材料の共同究開、知的財産の共有、韓業製品の相互購入、下請け社の共同活用などを推進することにした。


 


 韓ディスプレイ産業は2004年に日本を追い越して、06年にはLCD36.3%、PDP52.7%、OLED39.9%のシェアを獲得。ディスプレイ分野で世界シェア1位の座を維持しているが、日本と台、中などの追により危機を感じている。07年1─3月も三星電子のLCD部門だけが小幅な字を記しただけで、LG電子のディスプレイ部門、LGフィリップスLCD、三星SDIは赤字を避けられなかった。


 


 韓が恐れているのは技術競力を持った日本と生産能力を持つ台略的提携を通じて韓抗している点だ。際、LCD部門では台と韓のシェアは0.1%の差にすぎず、り上げ額でなく出荷量を基準にすると、すでに韓が台れている。


 


 韓企業同士で消耗をしていては共倒れになってしまうことから、業界大手の三星とLGは、迅速な技術略の共有などを理由にすべての部品下請け社を系列化させた。例えば三星と取引する社はLGとは取り引きできないよう事上遮され、そのため新技術開の重複投資、装備材料業界の縮小などの問題点が指摘されてきた。


 


 韓のディスプレイ業界は三星とLGが手をつなぐことで過による無駄を削減、競力を高められるのではないかとみている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


 BCN This Week 2007年6月4日 vol.1189 載]Link

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>21.今回のテーマ■ブランド戦略


サムスンの中国戦


ブランド1位をキ


 


 


 中サムスンが「中消費財企業象ブランド値評」で4年連1位に選ばれた。中北京大経営院、「光華管理學院」傘下の案例究中心(案例究センタ)が表した「2007年中消費財企業大賞ブランド値評」で、中サムスンは05年から4年連1位に輝いた。中サムスンのブランド値は06年よりも7.9%加した560億元と評されている。2位は中Haier(472億元)、3位はNOKIA(411億元)、4位は上海Volkswagen(302億元)と、北京オリンピックのスポンサとなったブランドの値が高く評された。日本企業は9位にホンダがランクインしている。 



 評
象になったのは中企業61社とグロバル企業39社である。評方法は、消費者へのアンケト調査とマスコミに報道された企業の社活動を合的に評した順位であり、05年から表されている。


 


 「光華管理學院」は、中サムスンが北京パラリンピックのサポトをはじめ、中国内での社活動に非常に積極的であることを高く評しているという。添付画像


 


 サムスンは中で自社の携電話ブランドである「Anycall」の名前をつけた開眼手術支援「愛之光行動」、聴覚サポト犬訓練センタの設立、希望小校の設立、中国内の法人1社が一つの村を支援する「一心一村行動」を行っている。希望小校は中の山間地域に45校設立していて、2010年まで100校の小校を建てる計を持っている。


 


 中でサムスンはコカコラと並び、中に最も貢する多籍企業といわれている。「社国内外もない。みんなが幸せになる経営を目指している」と同社はコメントする。中に貢する企業というブランドイメジを持つことは、マケティング的にも重要なことである。


 


 中サムスンは08年、前年比25%331億米ドルの上高を見んでいる。だが、金融危機は中をも襲っていて、同社の09年の上高は15%程度しか成長しないだろうと予測されている。


 


 とはいえ、不景こそ企業ブランド値が評されるチャンスである。サムスンが中施してきた社がどれほどの値を揮するのか、09年はその力が測られることになりそうだ。

(趙
章恩●取材/文)


 


BCN This Week 2008年12月1日 vol.1262 載]  Link


  


 

韓国IT業界は東ヨーロッパに注目 [2007年6月6日]

韓国の情報通信部が毎年やっている独特な事業の一つに海外インターネット青年奉仕団(Korea Internet Volunteers、通称IT奉仕団)という制度がある。大学生、教師、大学教員などが対象で今年は5月20日までに320人を募集した。

 このIT奉仕団は世界の情報化途上国に韓国の先進IT文化と技術を分け合うボランティア活動で、現地での情報化教育、UKorea(ユビキタスコリア、韓国がユビキタス国家へとが発展している様子を指す)広報などが主な活動だ。期間は1カ月から4カ月まで、UN、アジア、東ヨーロッパ、中南米、中近東、アフリカなど35カ国に派遣する。2001年の開始以来、2001年20カ国175人、2002年27カ国206人、2003年42カ国345人、2004年32カ国300人、2005年33カ国320人など毎年大規模なボランティアを派遣している。そもそもは、2001年11月シンガポールで開かれたASEAN+3の首脳会談で韓国が開発途上国のデジタルデバイド解消のためにボランティア活動をしましょうと提案したのがきっかけになった。


 4人チームでないといけないのが厄介なので社会人よりは大学生が中心だが、外国人でも志願できる。学生の間ではただで海外旅行ができるぞ~ぐらいののりで応募する人も少なくないようだが、面倒な応募用書類の作成から始まり、面接を経て、教育までみっちり受けると、みんな使命感に燃えて熱心にボランティア活動をしてくるそうだ。航空券と1カ月の滞在費として約10万円ほどの費用しか支払われないため、団体生活を通して生活を切り盛りすることも貴重な体験だ。IT奉仕団は着実にアジアや中近東、アフリカといった遥か遠い途上国にも韓国はIT先進国というイメージを広げ、2003年からはトルコ、チェコ、ポーランド、ルーマニア、ブルガリアといった東ヨーロッパにも派遣している。


 IT奉仕団の活動には、通信業界を中心としたビジネスへの貢献も期待されている。飽和状態の通信インフラや無線LAN、韓国のKTとサムスン電子が開発した移動しながら高速無線LANが使えるWibroなどを海外に販売するためKT、SKテレコム、KTFといった韓国の通信業者はCEOが直接各国を飛び回り営業している。中国、ロシア、中央アジア、東南アジア、中近東など多くの国が電子政府や都市のインフラ構築を韓国企業に任せているが、東ヨーロッパはまだ未知の世界に近い。だからこそ、ここを商圏に加えることで更なる成長の足がかりをつかみたいというわけだ。ボランティアの派遣を通じて民間での印象をよくし、「ITといえば韓国」というイメージを作る。その結果、韓国企業がビジネスしやすくなるというわけだ。


 東ヨーロッパといえば、この頃の財テクブームにのり「ファンド」も注目されている。去年10月からちらほら販売されるようになったロシア、チェコ、ポーランド、トルコ、ハンガリー5カ国に投資する「東ヨーロッパファンド」にじわじわ資金が集まっていて、中国ファンドの次は東ヨーロッパだ、と騒がれている。5月に入ってからロシアの影響でファンドの収益率はマイナスになってしまったが、年間10%ほどの安定的な収益が見込め、分散投資にいい商品として銀行でよく勧められる。勧められたからとそう簡単に手を出せるものではないが、耳が薄い(韓国では他人の話にすぐ飛びつく、主観のない人を耳が薄いという)筆者は「じゃ、月々10万ウォンで」と加入し、加入した時点からマイナス収益が続いている。やっぱり。韓国の株好景気が続いている今年だって筆者が購入したファンドだけはマイナス収益が続いている。周囲からは「マイナスの手」と呼ばれているのにまたやってしまった。でもファンドを買ったおかげで東ヨーロッパの経済情報とかが目に付くようになったから、授業料と考えようと思う。


 もう一つ、日本ではあまり聞いたことのないフィンランドにあるヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ芸術デザイン大学も韓国では馴染み深い有名大学だ。サムスン電子のライバル、ノキアを育てた国として韓国ではフィンランドを分析した関連本も多数出版されている。ヘルシンキ経済大学のMBAはEビジネスやデザインマネージメント、海外マーケティング分野に特化していて、LG電子の海外MBA指定校にもなっている。ソウル科学情報大学院と提携し、デザイン経営専門MBA課程も運営している。MBA課程の一環で夏休みを利用してフィンランドに行って授業に参加するというのが独特であると人気の秘訣にもなっている。既に12年も前から運営されていて1700人がこのMBAを取得した。


 ヘルシンキ芸術デザイン大学はマスコミやIT業界の専門家を目指す大学院生らに人気の留学先でもある。なぜ芸術デザインなんだ?と疑問が沸くが、実際留学を体験した人に聞いてみると、「フィンランドは世界でも実用的なデザインと経営が有名だよ。それに夫婦であっても1セントまできっちりワリカンする文化や、税金大国らしく福祉は国がするもので個人がするものではないとい一切恵まない実用主義はいい体験になったね」とのこと。何を学んだのかはよく分らなかったけど、韓国とは正反対の国ということだけははっきり分かった。


 ハンガリーやチェコには韓国の自動車や製造業も工場を移転し始めている。EUに加入しているためここで生産した製品は関税なしでヨーロッパに輸出できるだけでなく、EUなのに賃金は安い。ポーランドにはグーグルやIBM、モトローラのR&Dセンターが建てられた。韓国のソフトウエア業界やハードウェア業界もインドよりは東ヨーロッパへの関心を寄せている。今年は当分、東ヨーロッパがキーワードになりそうだ。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070530/273045/

韓国で「セカンドライフ」が盛り上がらないわけ [2007年5月23日]

日本のマスコミに頻繁に登場する「セカンドライフ」。これがそんなに新しいのか?楽しいのか?と思ってしまうのは私だけだろうか。米国や韓国では90年代「SIMCITY」といって、仮想社会の中で神様になった気分で家、病院や施設をどれぐらい建てるかなどを設計し、市民を増やしていくというパソコンゲームが流行った時期があった。このゲームも面白いのはユーザーがゲームの中に登場するアイテムを自分で作れるところだった。

 またブロードバンドが普及してから根強い人気のMMORPG(Massive Multiplayer Online Role Playing Game、多数のユーザーが同時に参加するロールプレイングゲーム)だって、ネットワーク上で色んなユーザーに出会い、ゲームの中のモンスターをやっつけたりミッションを解決したりしながら自分のキャラクターやアバタをカッコよくさせ仮想社会をうろうろする、または次々別の世界へ移動していく。「どうぶつの森」だって仮想社会の中でユーザー同士が出会い、一緒に遊べるし仕事もできるではないか。


 土地を売買するとか、アバターのための髪型や衣装を作って売買できるといったところがすごいというが、MMORPGの世界でもアイテム売買はされているし、アバターをカッコよくするためにお金を使うのは一緒だ。ただこれまでは、売買が会社とユーザー間で行われていて、自分で作るというよりは完成品の中から選択するものだった。セカンドライフはユーザー同士で売買できるし、それで得たゲームマネーを現金のドルに換金するのが合法であるというところは確かに新しい。また、グローバルサーバーなので世界中のユーザーとも出会えるところがいいというが、英語を見ただけで酔ってしまう筆者にはそれがいやでセカンドライフをしてみる気になれない。それって私だけ?


 セカンドライフは韓国語でもサービスされているが、まだパッとしない。欧米ユーザー向けに韓国の企業がセカンドライフの中に支店を作るといったことは報道されているが、「セカンドライフって楽しいよね~」という話はまだ聞こえてこない。オンラインゲーム慣れした韓国では「何をしても自由というのは逆に面白くない。ミッションがあって達成感のあるMMORPGの方が楽しい」といった反応が多い。またアバターで遊ぶネットワークコミュニティーやゲームが下火になり、これらのポジションが女子小学生向けのサイバーままごとに転落したことも影響があるかもしれない。


 もしくは、当時のコミュニティーやゲームでは、アバターの飾るためにはいくつかのパターンの中から選択するしかなかったので、気に入るアバターが作れないといったこともあった。完全に自分が作りたいように作れて、現実の自分より美男美女のアバターを使えるようになればまたブームになるかもしれない。


 しかし、セカンドライフのあのアバターはひどすぎないか?ひと昔前、韓国のアバターサービスがお金を使わせるためにデフォルトは裸や下着だけにしたのもひどかったが、セカンドライフのあのアバターじゃ他のユーザーと出会いたくなくなる。セカンドライフ関連の記事の下に付けられたユーザーのコメントも「いかにもアメリカ的なグラフィックのアバターは怖い」、「韓国人や日本人のアバターなのにどうみても黒人か東南アジア系」などアバターの出来の悪さを指摘する意見が多かった。変なアバターをまともにさせることからセカンドライフが始まるというのは、やはりお金を使わせるための戦略なんだろうか。


 セカンドライフが韓国で人気がないもう一つの理由は法律とも関係がある。2007年5月14日から施行された「改定ゲーム産業振興法」はゲームマネーの現金化やアイテム売買、売買の斡旋行為を禁じている。韓国に会社をおいて正式サービスを準備しているセカンドライフもこの法律が適用され、リンデンドルの換金、セカンドライフの中でのカジノやヌードビーチ、アダルト行為ができなくなる。リンデンラボ側は「韓国のユーザーを対象に本人認証をしてセカンドライフの中にあるセックスショップやカジノの利用を統制する」と発表しているが、どこまで取り締まれるだろうか。セカンドライフはユーザーが好きなように遊べ、あれこれ創作意欲をかきたてられるサービスであるというところに意味があるはずだ。すぐ取り締まることから考えずにもう少しユーザーの判断を尊重してもいいような気がする。その結果、セカンドライフに人気が出るかどうかはわからないが。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070523/271935/

私も訴訟に参加した 韓国で絶えない個人情報流出事件の深層

 私は今、生まれて初めて訴訟というものに参加している。韓国の大手ガソリンスタンドGS caltexのメンバーズカードに加入した1100万人の個人情報が流出した事件で集団訴訟の原告に加わったのである。私の氏名、住民登録番号、住所、電話番号もしっかり漏れていた。(趙章恩)

 この事件は、GS caltexの子会社の社員が金銭目当てで個人情報をDVDにコピーして持ち出したのが発端で、社員が容易に会員の個人情報にアクセスしDVDに記録できるほど管理を疎かにしたとして、GSを相手に4万1000人が集団訴訟を起こした。その1人が私である。



■繰り返し起きる情報流出事件

 集団訴訟については、原告には何の利益もなく弁護士の懐ばかり温めると批判する声も聞こえてくる。しかし、腹に据えかねて黙っているわけにはいかないと思い、訴訟参加を決心した。GSだけでなく韓国のほとんどの企業はマーケティングのために個人情報を過剰に収集しながらもしっかり管理せず、このような事件が繰り返し起きているからだ。


 しかも、流出事件が発生しても、「被害は出ておらず、すでに回収したから問題ない」などと開き直ってしまうところも少なくない。韓国で顧客の個人情報が外へ漏れてしまうことは日常茶飯事、何をそんなことぐらいで騒ぐの?――こういった姿勢を企業が二度ととれないように正したいと思う。


 これまで韓国の裁判では、個人情報の流出に対して企業側に補償を命じる判決がいくつも下されている。ホームページがハッキングされ履歴書がネットに出回ってしまった事件では被害者に70万ウォンを補償する判決、インターネット宝くじの購入案内メールに3万人の個人情報を添付して送信した銀行に対しては原告に20万ウォンずつ補償する判決が下っている。個人情報流出は損害賠償を請求できるれっきとした事件なのだ。


 それにもかかわらず、企業の個人情報流出事件はなくならない。それどころか、被害規模が3万人、100万人、1100万人と、どんどん大きくなっている。



■「国民背番号」の登録が当たり前に


 韓国では、無料ウェブメールのようなちょっとした会員登録でも当たり前のように、住民登録番号を入力させるようになっている。住民登録番号は、出生届けと同時に与えられる韓国の「国民背番号」だ。同時に、企業にとってはマーケティングデータベース(DB)に欠かせない基本データなっている。


 この人はどこに住んでいて何歳で、家族は誰で、どのキャリアの携帯電話を使っていて、車はどんな種類で、保険は何に加入していて、クレジットカードは何枚持っていて、どのブランドが好きで……。こうしたこともすべて、住民登録番号で管理すればとても簡単だ。それを組み合わせて一人一人に合わせたマーケティングを行うことになる。


 IP履歴を使った行動ターゲティングよりはるかに正確な情報と、プライバシーに踏み込んだマーケティングができる。しかし、民間企業が住民登録番号を要求するのは本当は違法なのだそうだ。それを承知で住民登録番号を収集しているのは、その分マーケティング効果が高いからだろう。


 韓国で最も会員の多いマイレージカードサービスを運営している会社は、そうやって集めた個人情報を販売して収益を上げている。クレジットカード会社は、「テレマーケティングや提携者に個人情報を提供してもいい」という欄に同意しなければ、カードを発行しない。


添付画像


韓国ポータルサイトNAVERで会員登録するには個人情報収集などに関する4つの項目に同意しなければならない







次に住民登録番号を入力させる画面が現れる。韓国のネット企業は実名確認のためだけでなくマーケティングのためにも住民登録番号で個人を管理している




個人的には、韓国は住民登録番号があるせいで、逆に個人情報保護がゆるくなってしまったように思う。何をするにも要求され教えるしかない番号なので、大事な個人情報という意識がどんどん薄れてしまうのだ。


 しかし、GS Caltexは、ガソリンスタンドのメンバーズカードのために住民登録番号まで本当に必要だったのだろうか。誕生日を書かせるぐらいで十分だったはず。マーケティングDBとして価値があるからと集めるだけ集めた個人情報は、結局社員によって外へ持ち出され、集団訴訟を招いただけではないか。




■ようやく制定される個人情報保護法


 一連の個人情報流出事件から、個人情報保護法をもっと厳しくし、処罰も強化するべきという声が高まったのは言うまでもない。


 韓国では個人情報保護法という統一的な法律がなく「情報通信網利用促進および情報保護等に関する法律」「公共部分の個人情報保護に関する法律」に分かれていた。そのため、個人情報保護に絞った一つの法律を制定する必要があるといわれ続け、やっと2008年中に制定されることになったのだ。


 11月に国務会議で議決された個人情報保護法案によると、2009年上半期から個人情報を同意なく本来の目的以外に使えなくする。ごく当たり前なことなのだが、今までのように通信会社がネットサービスの契約で集めた個人情報を子会社に回して新規サービスや保険の勧誘に使うなどということはできなくなる。


 個人情報の使用に関する同意についても、必要最小限以上の項目まで個人情報を収集しようとし、それに同意しないとの理由でサービス提供を拒否することを禁止する項目が盛り込まれた。これからは子会社とはいえ、同意なしに個人情報を共有すると5年以下の懲役や5000万ウォン以下の罰金となる。


 住民登録番号のような個人固有の識別番号によるDB管理も禁止され、番号の暗号化が義務化される。国務総理の傘下に個人情報保護委員会が設置され、個人情報保護基本計画と施行計画を立てること、個人情報紛争保護調整委員会を置いて情報流出事件などに対応することも法律も盛り込まれた。



■政府に身元を暴かれた「ミネルバ」


 しかし、法律が強化されれば、これで安心なのだろうか。個人情報保護を強化するという政府自ら、これに反するような出来事もあったからだ。


 「ミネルバ」というIDで韓国経済に苦言を惜しまなかったあるブロガーがいる。韓国政府はその身元を法律的な手続きを経ずに割り出したのだ。報道によると、「ミネルバは50代の男性で海外滞在経験がある元証券マン」で、これを漏らした政府関係者は「間違った情報を広め国民を不安がらせているため、正しい情報を渡すため身元を調べた」という筋の話をしたという。


 誹謗中傷のブログを書いたわけではない。韓国の経済が悪化している、国の経済政策は間違っていると指摘しただけで政府の管理対象になるなど考えられない。


 株価が暴落しウォン安記録が連日更新されるなか、韓国経済は7%も成長すると主張した大統領の言葉は何の問題もなく、韓国経済の危機を予測したミネルバはプライバシーを侵害された。これでは、かつての軍事政権と何が違うのかよくわからなくなった。


 政府に情報を流したポータルは、「約款には、犯罪捜査のため令状がある場合にだけに個人情報を提供する」としながらも、「政府の要求に応じないわけにはいかない」と言い訳に終始している。それを見ていると、この国で個人情報保護などというものは最初からなかったようなものと思わずにはいられない。個人情報保護法ができて罰則が強化されても、あまり変わることはないのかもしれない。


– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  


2008年11月28日