CES 2025で韓国企業はスタートアップを含め1031社が出展し、過去最多を更新した。CES 2025の「Innovation Award」は458の製品・サービスが受賞し、その中から「Best of Innovation」として選出された34の内、15が韓国企業の出展だった。その多くがAI関連で、CES 2025のテーマである「Connect.Solve.Discover.DIVE IN.」の通り、韓国企業はホーム、教育、モビリティ、ヘルスケアなど幅広い分野で、既存のサービスをAIでより簡単かつ短時間、低費用でできるソリューションを出展した。
韓国の京畿道(道は日本でいう都道府県)で2024年10月下旬、「AI and Humanomics」をテーマとしたフォーラムと生成AIで制作した映像コンテンツの国際映画祭「KOREA INTERNATIONAL AI FILM FESTIVAL (K-AIFF)」が開催された。ソウルを囲い込むような形をしている京畿道は韓国で最も人口が多い自治体である。Samsung Electronics(サムスン電子)やSK Hynix(SKハイニックス)、インターネットサービス会社のNAVER、通信キャリアのKTなどの大手とAI関連会社2万社以上が京畿道に本社を置いている。韓国内で京畿道は首都ソウルに続くAI産業の中心地の位置づけであり、AIサービスのために必要なデータセンターも積極的に誘致している。韓国政府が指定したAI専門大学院19校の中で3校が京畿道にあり、ソウルの次に多い。AI人材の育成にも熱心な自治体である。
韓国でもSKグループが、米Amazon Web Services(AWS)と2025年6月にパートナーシップを結び、蔚山(うるさん)市に2027年11月まで40万MW規模、2029年2月まで103万MW規模を目標にした、AI特化型のデータセンターを建設する。ここにAWSが入居して「AWS AI Zone」を構築し、アジア太平洋地域のAIハブにする。
また韓国メディアはエヌビディアが中国向けにRTX Pro 6000 Blackwellをベースにした低価格GPUであるRTX PRO 6000D(B40)を発売しようとしており、その価格を抑えるためHBMではなくサムスン電子のGDDR7(Graphics Double Data Rate)DRAMを搭載するとも報じた。