2025年3月3日から6日までスペイン・バルセロナで世界最大級のモバイル関連見本市「MWC Barcelona 2025」が開催された。韓国からはキャリア3社とSamsung Electronics(サムスン電子)、SK hynix(SKハイニックス)、スタートアップなど187社が出展した。出展数はスペイン、米国、中国、韓国の順に多かった。
韓国の放送コンテンツは「Kコンテンツ」と呼ばれ、NetflixやDisney+などグローバルOTTが世界で配信し、ヒットを続けている。2024年はテレビドラマ『ソンジェ背負って走れ』がOTTで配信され、視聴者数のランキング(毎週公開)が世界133カ国で1位となり、その後もランキング上位をキープした。同じくテレビドラマ『私の夫と結婚して』はAmazon Prime Videoで配信され57カ国で1位になり27週間連続でグローバルトップ10に入った。テレビドラマではないが、Netflixオリジナル『イカゲームシーズン2』は2024年12月に公開され非英語TVショー部門年間1位になった。
CES 2025ではKBSのほかにも韓国からコンテンツ制作向けAIスタートアップが多数展示に参加し、革新的な商品や製品に贈られるイノベーションアワードを受賞した。受賞の事例、展示された主な事例は下表のとおり。
CES 2025ではサムスン電子とLG電子の「超個人化」テレビも、テレビ離れ時代の新しいテレビとして注目された。テレビに話かけて他の家電を操作したり、ドラマを見ながらリモコンをクリックすると出演者や画面に映っている商品を検索したり、テレビに旅行の計画や料理レシピについて相談するとぴったりの映像を検索して見せながら情報を提供したり、字幕がない海外ドラマの映像をテレビのAIがリアルタイムで翻訳して字幕を付けてくれたり、音が聞こえないとテレビに話かけると俳優の声だけクリアに聞こえるよう調整してくれたり、テレビを見ない時間はデジタル額縁として名画を鑑賞できるようにしてくれたり、テレビにAI機能がどんどん追加されていた。LG電子もテレビが家族の声を聞き分けて、テレビに「今日の試合どうなった?」と話しかけると、声の持ち主が応援しているチームの結果を教えるという面白い機能を追加していた。またサムスン電子とLG電子は無料ストリーミングサービスであるFASTにも力を入れていた。
韓国内では、「毎年過去最多を更新しながら、なぜ韓国政府や自治体がスタートアップのCES出展を支援するのか」「税金の無駄使いではないか」という疑問の声も出ていた。しかし、中小ベンチャー企業部の説明によると、CESはスタートアップにとってグローバル投資家に出会う重要なチャンスだという。「Best of Innovation Award」を受賞すると技術力が認められた証拠になり、米国で営業しやすくなるだけでなく韓国内でも売り上げが一気に増える。スタートアップの利益が増えることは国の経済にとってもプラスであるため、支援を続けるという。