《日経Robo》韓国2大電機メーカーがAI競争、独自開発のSamsung、協業活用するLG

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 2018年になり、韓国Samsung Electronics社(以下Samsung社)と韓国LG Electronics社(以下LG社)のAI競争は激しさを増している。両社は、2018年を本格的にAI搭載家電が売れ始める年と見込んでいるようだ。1月に米国ラスベガスで開催された世界最大級のエレクトロニクス展示会「CES 2018」でも、2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2018」(MWC2018)でも、ハードウエアの単純な仕様より「AI搭載でより使いやすくなった」ことを強調していた。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.3.

《日経Robo》平昌五輪は選手村や競技場に「ロボット支援団」、KAISTのOh氏が警備用など85台選定

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2018年2月9日、ついに平昌冬季五輪が開幕した。北朝鮮の参加が決まってから韓国内の関心も高まり、いろいろと冬季五輪「初」の記録を残している。米国の五輪中継権を持つ放送局NBCUniversal社は冬季五輪としては初めて、平昌大会の開幕式から主な試合を生中継し話題になっている。

  米Intel社は自社の「Intel True VR」を使って冬季五輪初の試合VR生中継を行っている。1試合当たり3~5台のカメラで撮影し、ユーザーは自分が観たい視点を選択して試合中継を楽しめる。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.2.

《日経Robo》KAISTの2足歩行ロボが五輪初の聖火ランナーに

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 この冬、韓国の地上波テレビ局はロボット開発者が主人公の連続ドラマを2本も放映している。1つは『ボーグマム』というタイトルで、主人公が子供の教育の世話をしてくれるロボットが欲しくなり亡き妻そっくりなAI搭載ヒューマノイドを開発。ヒューマノイドは教育ママ友の間でもまれながら人間の世界を学習するものの、融通が利かず嘘がつけないロボットらしさで嫌味な教育ママたちをやっつけ子供を守り、主人公とも恋に落ちるというストーリー。

 もう1つは『ロボットじゃない』というタイトルで、人間嫌いの財閥御曹司とロボット開発者、ロボット開発者の元恋人でヒューマノイドの顔のモデルになった女性が登場する。ロボット開発者は御曹司に投資してもらうため開発中のヒューマノイドを披露しようとするが直前に故障、モデルである元恋人にヒューマノイドのふりをするよう頼んだことから始まる物語である。

 ロボット開発者が見たら「あり得ない!」とつっこまずにはいられない場面だらけだが、ドラマとしては人気があるようだ。2本のドラマに共通しているのは、AIを搭載したヒューマノイドに人間の世界を学習させながら、逆に主人公が人間について考えるようになり成長するというところである。韓国では子供からシニアまでAIやロボットに興味を持つ人が多いことから、ドラマの題材になったようだ。

 韓国政府はここ数年、国をあげてロボット産業を盛り上げようとしている。2017年12月11日には、平昌冬季オリンピックの聖火リレーが大田市のKAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)校内を一周した。そのとき聖火ランナーとして参加したのが、KAIST教授のJun Ho Oh(オ・ジュンホ)氏と彼の研究室が開発した高さ1.2mで重さ55kg、41個の関節を持つ2足歩行ロボット「DRC-Hubo」と、高さ2mで重さ270kgの搭乗型2足歩行ロボット「FX-2」である(図1)。平昌冬季オリンピック・パラリンピック組織委員会によると、ロボットが聖火ランナーになったのはオリンピック史上初めてだという。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.1.

https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00150/00043/

《日経Robo》ディープラーニング権威のBengio氏と組むSamsung、9種ものロボットを開発するNAVER

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2017年10月、韓国ソウルではAIとロボットに関する国際フォーラムが盛んに開催された。

 韓国Samsung Electronics社は著名なAI分野の教授を招待したフォーラムを開催して産学連携を強調、LINEの親会社である韓国NAVER社は開発者向けフォーラムで同社の生活ロボットプロジェクトを公開した。韓国の毎日経済新聞社が主催する「世界知識フォーラム」では中国Baidu(百度)社のPresidentであるZhang Ya-Qin氏が登壇し、「これからAIの研究と技術は中国が米国をリードするだろう」と語った。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2017.11.

https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00150/00039/

書籍案内 : HDR制作解説書Ver.2 

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HDR制作解説書Ver.2 
世界の映像クリエーター、技術者による解説
HDR制作解説書Ver.2

 

<ハリウッドのHDRカラーグレーディングから>
●米映画スタジオ技術部門から見たHDR制作とテレビ画質/米ソニー・ピクチャーズエンタテイメント 高島芳和
●Netflixオリジナル作品『Marvel アイアン・フィスト』/EncoreシニアカラリストTony D’Amor
●ドルビーのHDRコンテンツ制作/Dolby Lab.ディレクターThaddeus Beier

<HDRの運用と課題>
●HDR運用の基本と概況/ソニービジュアルプロダクツ 小倉敏之
●ドルビービジョンのライブ放送サービスへの適用/ドルビージャパン 真野克己
●大相撲8K/SHV・HDR(HLG方式)生中継/NHK 藤井達也

<HDR制作に挑む>
●HDR・SDR一体化制作の取り組み~NHK土曜時代ドラマ/NHK 前田貢作
●4K制作、2K/SDR変換・放送とHDR編集の取り組み~メーテレドラマ/神道俊浩・江口聡・田中博昭
●WOWOWの4KとHDR制作経験/WOWOW岡野真紀子・篠田成彦
●カンテレ初の8K/HDRオリジナル作品/関西テレビ放送 矢野数馬
●フルスペック8Kの技術特性とコンテンツ制作/NHK技研 瀧口吉郎
●フルスペック8Kが切り拓く新しい映像の世界/ロボット 諸石治之

<特別報告>
●大分朝日放送の4Kへの挑戦~経営と制作現場の視点/OAB上野輝幸・塩川秀明
●4K/HDR制作による地域のデジタルアーカイブと新たな創生の提案/凸版印刷 高橋隼人
●世界初 韓国の地上波による4K放送とHDR制作/ITジャーナリスト 趙章恩

 

140ページ 定価1,500円(本体価格1,389円/送料別)

詳細



韓国最大のネット企業NAVER、ユーザーとの会話から学習してAIを高度化

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 LINEの親会社で韓国最大のインターネット事業者であるNAVER社は、2018年3月23日に開催した株主総会で2018年は2つのキーワード、「AIビジネス」と「グローバル市場拡大」のために、投資を拡大する方針だと明かした。同社CEOの韓聖淑(ハン・ソンスク)氏はこの場で、「これまでAIとコンテンツに多大な費用を使ってきたが、今年もAIと欧州市場開拓への投資を計画している。

 AIに関しては有能な人材確保のための投資もする計画だ」、「新しいことを始めないと3年後(NAVER社が)どうなるかわからない」と述べた。韓国金融監督院が公開している企業の資産データによると、同社は3兆ウォン(約2900億円)を超える現金を保有しているので、大規模投資やM&Aの余力は十分あるといえる。同社は2017年7月にもAIを中心とした新技術に今後5年間で5000億ウォン(約490億円)投資すると発表している。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.4.

 

-Original column

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/rob/18/00006/00002/

韓国2大電機メーカーがAI競争、独自開発のSamsung、協業活用するLG

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2018年になり、韓国Samsung Electronics社(以下Samsung社)と韓国LG Electronics社(以下LG社)のAI競争は激しさを増している。両社は、2018年を本格的にAI搭載家電が売れ始める年と見込んでいるようだ。1月に米国ラスベガスで開催された世界最大級のエレクトロニクス展示会「CES 2018」でも、2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2018」(MWC2018)でも、ハードウエアの単純な仕様より「AI搭載でより使いやすくなった」ことを強調していた。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo》

2018.3.

 

-Original column

http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00150/00047/

平昌五輪で活躍したドローン、ショーや警備・聖火リレーにも登場

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  振り返ると平昌五輪の開会式といえば人面鳥、ではなく1218台のドローンが作った五輪マークだった。開会式は毎回、五輪マークをどれだけ斬新な方法で登場させるかが成功の決め手と言われてきた。

 開会式では、地域住民1000人がLEDで平和を象徴する鳩を作った後、白い風船を飛ばした。白い風船は1218台のドローンに変わり、スノーボーダーの形を作った。その後、五輪マークを作った。五輪公式スポンサーであるインテルのドローンショーだ。

添付画像
開会式でのドローンショー
(出所:インテル)
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 ただし、これは現場で行ったパフォーマンスではなく、事前に録画した映像である。開会式場が狭く、風も強かったため、墜落する危険があったからだ。インテルによるとNGはなく、五輪マークは一発で成功したという。ギネス世界記録登載を狙い、ギネスの担当者も撮影現場で見守った。

 韓国で話題になったのは、1218台のドローンを1台のパソコンと一人の操縦士が操作したことである。インテルによると、ドローンをコントロールする自動化プログラムがあるので、ドローンの数は1万台に増えても問題なく操作できるという。

ドローンに期待する韓国

 韓国では農作業や国有地の山林管理、災害予防など、幅広くドローンを使っている。国土交通部(部は省)の統計によると、届け出られた商業用ドローンは2013年の193台から2017年は3735台へと増えている。国土交通部は韓国内ドローン市場規模を2017年の700億ウォン規模から2027年は2兆5000億ウォンに拡大させる目標を掲げるほど、ドローン産業に期待している。

 韓国にはドローン操縦資格試験もあり、地方大学にはドローン学科までできたほどだ。ドローン操縦資格取得者数は2013年の52人から2017年は3736人に増加した。雨後のタケノコのように増えたドローン塾では、ドローン操縦資格さえあれば、農村で仕事がもらえ年俸1億ウォンも夢ではないと宣伝している。

 しかしインテルのドローンショーの技術からすると、ドローンの使用用途に合わせた操縦プログラムさえあればいいので、特別な操縦資格はもういらないかもしれない。それよりも、人が関与しなくてもドローンを操縦できる人工知能のアルゴリズムを考えられる専門家を育てる必要があるだろう。また韓国メディアは、インテルのドローンショーのようにドローンを使って美しい演出ができる芸術家を育てる必要があると強調していた。

五輪の警備でもドローンが活躍

 ドローンは開会式のショーだけでなく、五輪の警備にも使われている。韓国軍と駐韓米軍が協力してドローンで五輪競技場を航空偵察し、映像をセキュリティ管制センターに送信するものだ。警備やテロ防止に役立てており、HD映像のカメラや熱感知カメラを搭載したドローンが平昌を訪問した外国首脳の警護にも使われていた。

 聖火リレーでも5Gネットワークで制御するドローンが登場し、短い距離だが聖火を運ぶパフォーマンスを行った。聖火リレーでは人が乗って操縦する大型ロボットも走者として参加した。

添付画像
聖火リレーに登場したドローン
(出所:KT)
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章恩(ITジャナリスト)

 

NIKKEI X TECH

2018.2.

 

-Original column

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00167/022100003/

平昌五輪の裏で目立った、AIやARの案内技術

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韓国で大きなスポーツ大会があると、必ずといっていいほど盛大なパブリックビューイング、いわゆる街角応援が繰り広げられる。しかしこの冬のソウルは連日氷点下10~15度の大寒波に襲われたため、寒すぎて街角応援ができなかった。

 その代わり、駅構内や特設イベント会場など、室内に大型テレビを置いて2017年5月から始まった4K地上波本放送を流し、応援できるようにした。地上波放送局3社とLG電子が提携し、LG電子の4Kテレビを購入して地上波4K放送を受信している世帯限定で、3月まで無料で「TIVIVA」というテレビ向け4K放送アプリを使えるようにした。テレビのメニューからTIVIVAを選択すると、全ての五輪競技を4Kで視聴できる。時間の関係上、地上波放送局が中継しなかった競技も見られるので、スポーツファンには嬉しいサービスである。

添付画像
4K地上波放送を楽しめるTIVIVA
(出所:LG電子)
[画像のクリックで拡大表示]

 仁川空港第1ターミナルの地下には横15メートル、縦3.8メートルの曲面パノラマ大画面Ultra Wide Visionがあり、五輪競技の中継を行っている。

 この他にも空港内に平昌五輪会場で使われている5Gメディアサービス「シンクビュー」や「オムニポイントビュー」などの体験や、VR(仮想現実)でスキージャンプやボブスレーを楽しめるコーナーがあった。

AIチャットボットによる案内が登場

 仁川空港第2ターミナルの出発ロビーではロボットがコーヒーを入れて無料でふるまってくれる。出発ロビーと到着ロビーには案内ロボットと掃除ロボットがいる。案内ロボットはAI(人工知能)チャットボットのように利用者の言葉を理解して道案内をしたりゲートを案内したり、目的の場所までエスコートしたりする。掃除ロボットは人や物がある場所をよけ、後で掃除をしに戻ってくる空間認識機能を搭載した。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

NIKKEI X TECH

2018.2.

 

-Original column

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00167/021900002/

平昌五輪の最新IT、5Gで実現する面白い視聴体験

 2018年2月9~25日の日程で、平昌五輪が開催されている。平昌は2010年冬季五輪の開催誘致から始まり、3度目の正直で2018年の冬季五輪開催地に選ばれた。それだけに、韓国人にとって平昌五輪は「ついにこの日が来たか!」というぐらい開催が待ち遠しかった。

 平昌に行ってみると、寒い。全ての川がカチカチに凍っている。韓国のテレビでレポーターが「脳が凍るほど寒い」と言っていたのが印象的だったが、それは大げさではなかった。オリンピックスタジアムに近づくほど風が強く、今までに体験したことがない強風で体が勝手に動いてしまうほどだった。

 平昌では五輪競技を観戦するのも楽しいが、平昌が目指したITオリンピックを体験できる場所もたくさんあるため、展示場を回るだけでも楽しかった。平昌五輪の競技場は雪の上で行う種目は平昌市、氷の上で行う種目は江陵市、と車で50分ほど離れている。平昌市と江陵市にはそれぞれ、韓国のロボットや地上波4K放送、5Gテストサービス、VR(仮想現実)、AI(人工知能)通訳といったITサービスを体験できる。

 特に興味深いのは五輪期間中しか体験できない、5Gテストサービスだった。5Gは超高速、超連結、超低遅延が特徴の新しい通信ネットワークである。現在のLTEよりも20倍以上速く、より大量のデータを送受信できるため、韓国のキャリアは「データがガソリンの役割をするインダストリー4.0の時代には欠かせないインフラ、通信の高速道路」と宣伝している。

5Gは何がすごいのか?

 5Gで何ができるのか。分かりやすく面白いのは、競技を中継する「インタラクティブ・タイムスライス」「オムニポイントビュー」「シンクビュー」「360度VRライブ」といったサービスだった。

添付画像
インタラクティブ・タイムスライスを体験している様子
(出所:KT)
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 テスト用の端末にはサムスン電子のタブレットPCを使っていた。5Gテストサービスのため、臨時の電波承認をもらったタブレットを手作業で100台ほど作り、それをソウル、平昌、江陵に置いた。試作品だからかとても重かった。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

NIKKEI X TECH

2018.2.

 

-Original column

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00167/021600001/