会社が社員のスマートフォンを監視、セキュリティのためならいい?大手企業で労組対立も

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この頃問題になっているのが、「MDM(Mobile Device Management)」である。韓国では、社員が自分のスマートフォンを会社に持ち込み、仕事用としても使うBYOD(Bring Your Own Device)が当たり前になってきた。だが、スマートフォン経由で社内の機密情報が外に漏れることを懸念した一部大手企業が、社員にMDMアプリのインストールを強要しており、それが問題視されている。労働組合側は社員監視目的だと反発し、会社側はあくまでもセキュリティのためだと主張している。

 MDMといえば、有名なのがサムスン電子やLG電子といった韓国の大手企業の研究所や製造工場である。空港の保安検査場並みのセキュリティ装備があり、持ち物を通して中身を確認する。許可が出たノートパソコン以外は持ち込めず、スマートフォンのカメラのレンズには全てシールを貼らないと、中に入れない。社員だけでなく、外部の人も同じ扱いをする。

 社員たちは、毎朝入口に並んでカメラのシール張りと持ち物検査をする。産業スパイも多く、ちょっとした技術の漏れが大きな業績の差につながるので、会社としてもセキュリティにはピリピリしている。各社は、毎朝の手続きが面倒な社員はMDMをインストールするように、と勧めている。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.9

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予想外の大地震、通信障害でパニック、災害情報提供やトラフィック管理など見直し

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9月12日夕方、韓国南部にある慶州で、マグニチュード5.8の地震が起きた。慶州は日本でいう奈良のような古都で、遺跡が多く観光地として有名な都市である。かなり大きな地震で、だいぶ離れた釜山やソウルの高層ビルでも、揺れを感じたほどだった。韓国は今まで、地震がない国として知られていた。突然起きた地震観測史上最大規模の地震に、韓国中が大騒ぎになった。

 建物が壊れたり人が怪我したりといった被害は大きくなかったが、住民は地震が発生したらどうしたらいいのか、今まで災害教育を受けたことがない。慶州の市民は、初めての地震に動揺するしかなかった。怖くて建物の中に入れず、公園や学校の運動場で夜を明かす人達もいた。


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写真●KAKAO TALKのホームページと画面(出所:KAKAO)
9月12日韓国の慶州で震度5.8の地震が発生。地震観測開始以来最大規模の地震だった。地震がない国として知られていた韓国で起きた地震で移動通信ネットワークの障害が発生し、韓国の国民的人気アプリKAKAO TALKも2時間使えなくなる事態となった。今回の地震は、災害に備えた移動通信ネットワーク作りを考えるきっかけになった。

 全国各地の人が、家族の安否を確認しようと無料メッセンジャーに殺到した結果、国民的人気の無料メッセンジャーアプリ「KAKAO TALK」が、トラフィック急増で2時間ほど使えなくなるトラブルが発生した。キャリア3社のネットワークも、トラフィック急増で2時間ほど遅延が発生、電話がなかなかつながらない、インターネットの速度が遅い、といった障害が発生した。

 キャリア3社とKAKAOの分析によると、地震直後一瞬で移動通信ネットワークはいつもの10倍、KAKAO TALKはいつもの4倍トラフィックが増加し、サーバーが追い付かなかったという。移動通信ネットワークは、過負荷がかかると自動的に通話を制限、キャパシティーを超えないよう順に電話をつなげていくので、電話がつながらないという事態が発生した。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.9

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久々のヒットなのに無償交換に、サムスン電子のGalaxy Note7バッテリー問題

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9月2日、サムスン電子は記者会見を開き、販売済みのGalaxy Note7を交換するか、払い戻に応じると発表した。バッテリー不良のせいだ。

 9月3日から、全国186か所にあるサムスン電子のサービスセンターで、バッテリーの点検、本体の交換などの作業を行っている。新しいデバイスの準備に時間がかかるため、韓国のお盆連休明けの9月19日から、受け付け順に新しいデバイスと交換するという。


写真●サムスン電子ホームページ(サムスン電子提供)
サムスン電子はGalaxynote7のバッテリー不良を認め、新しいデバイスとの交換、払い戻しを案内している。
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 19日まで待てない人のために、Galaxy S7を貸し出している。払い戻しも可能で、Galaxy Note7を購入したキャリアの代理店で受け付けている。

 デバイス交換は2017年3月まで行われるが、サムスン電子は状況を見て期間を延長するとしている。サムスン電子は「バッテリー不良により怪我をした人はいないが、万が一という可能性があるのですべて交換することにした」と説明した。

 Galaxy Note7のバッテリーが爆発した、というニュースが報じられてからサムスン電子はすぐ不良を認め、交換を決定した。8月の発売直後から、韓国のSNSには充電中に爆発した、充電中にデバイスが燃えた、として写真が投稿され、メディアも盛んに取り上げていた。

 バッテリー不良の届け出は、9月2日の段階で35件あるという。サムスン電子によると、韓国をはじめ世界各国でGalaxy Note7はすでに250万台ほど生産済みで、100万台ほど販売されている。それをすべて交換するとなれば、莫大な費用がかかるのは間違いない。サムスン電子の久々のヒット作だっただけに、ブランドイメージへの打撃は、交換にかかる費用以上に大きい。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.9

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有料くじ「ガチャ」の規制が進まない、消費者保護か営業権か、いよいよ国会で討論会

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 スマートフォンでプレイするソーシャルゲームでよく見かけるゲーム内課金の一つに、有料くじの「ガチャ」がある。

 課金してくじをひくと、ゲームに有利になるアイテムが当たる。だが、ゲーマーが欲しいアイテムはなかなか当たらず、当たるまで課金してしまい何十万円も使ってしまった、なんていう話は日韓共通にある。


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写真●ガチャを楽しめるソーシャルゲームNEXONの「英雄の軍団」
ゲーム内課金で、くじでランダムにアイテムが当たる「ガチャ」をめぐり、8月30日韓国の国会で議論が行われた。自主規制でアイテム種別に当たる確率を公開するようにしたがうまくいかず、法律で公開を義務付けるべきかという内容である(出所:NEXON)。

 8月30日、韓国の国会で「確率型アイテム情報公開法(ゲーム産業振興に関する法律一部改定案)」に関する立法討論会が開催された。国会の教育文化体育慣行委員会に所属する議員らが主催した討論会で、ゲーム業界、学会、政府関係者が参加し、ガチャを規制すべきかどうかについて話し合った。

ガチャを規制すべきか、国会で討論

 日本の場合、業界団体である「日本オンラインゲーム協会」が、2016年4月から課金上限額を5万円とし、アイテム種別に当たりの確率を明示する、といった内容を柱とした自主規制を行っている。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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2016.9

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中国人観光客の「Alipay」決済増加、利益半減に見舞われる外貨両替店も

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ソウル市内で両替するなら、銀行の他に公認両替所がある。銀行よりレートがいいので、外国人観光客だけでなく海外に出かける韓国人も公認両替所で円やドルに両替する。金券ショップでも、外貨両替ができる。外国人観光客が集まる繁華街ミョンドン(明洞)は、金券ショップも両替所もありすぎるというほどたくさんある激戦区なので、銀行で両替するよりもかなりお得なレートになる。

 ところが、明洞で両替を利用する観光客が減少しているという。韓国メディアの記事によると、明洞に中国人観光客があふれているのに、人が来なくなって利益が半減した両替所が続出しているとか。どうやらその理由は、韓国でも中国のモバイルペイメントを利用できる加盟店が増えたことにあるようだ。


写真●Alipayの画面(サムスン電子提供)
サムスン電子が提供するSamsungPayとAlipayが提携、SamsungPayにAlipayのアカウントを登録して韓国でも中国でも楽に利用できる。ワンタイムバーコードを表示して決済するので、クレジットカード情報を盗み取られる心配もない。韓国ではモバイルペイメントで支払う中国人観光客が増えたことで、韓国では両替の需要が減少したほどである。
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 明洞といえば、韓国の中の中国というほど中国語の看板が増え、韓国語が通じない中国人店員ばかりいるお店もあるほど。中国人観光客が売り上げを支えていると言っても過言ではない。

 韓国観光公社によると、韓国を訪問する中国人観光客は2014年613万人、2015年598万人、2016年は800万人を超える見込みである。その内7割は団体ツアーではなく、個別に韓国を訪問する20~30代の旅行客だった。明洞一帯の主な顧客だった中国人観光客の年齢層は、だんだん若くなっている。実際に明洞に行くと、お店で現金でもクレジットカードでもなく、モバイルペイメントを利用する中国人観光客を頻繁に見かける。

 最近はスマートフォン一つあれば、ガイド本も、お金も、カメラもいらない。予めクレジットカードや口座情報をモバイルペイメントアプリに登録し、お店ではパスワードを入力してスマホの画面にワンタイムバーコードを表示。それをレジのPOSにかざすだけで、決済が終了する。バーコードは毎回変わるので、カード情報を抜き取られる心配もない。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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2016.8.

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閉会式のPR映像は韓国SNSでも絶賛、日本のゲーム・キャラクター産業の強さを実感

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 ブラジルのリオデジャネイロで開かれた、2016年夏季オリンピックの閉会式で披露された東京オリンピックPR映像は、韓国のコミュニティサイトやSNSでも大絶賛された。

 キャプテン翼、ドラえもん、ハローキティ、スーパーマリオなど、日本が誇るアニメとゲームのキャラクターが登場するPR映像に対して、コメントが数多く書き込まれた。

 「ドラえもんの四次元ポケットからドリル付き土管が登場して、地球の裏側にあるリオに行くというストーリーはさすが日本だと思った」、「東京に行けば何か楽しいことが起きそうな予感がする映像」、「日本は年齢を気にすることなくゲームやマンガを楽しみ、オリンピックのPR映像にキャラクターが登場するほど自由で開放的な国、韓国もそうなるといいな」などだ。


写真●韓国ニンテンドーサイト(出所:韓国ニンテンドー)
スーパーマリオブラザーズは韓国でも販売されていて、とても人気のゲーム&キャラクターである。韓国のネットユーザーは、スーパーマリオやドラえもんが登場する東京オリンピックPR映像を大絶賛した。
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 PR映像に登場したキャラクターは、全て韓国でもアニメが放映され、キャラクターグッズが販売されているので、有名である。

ポケモンGOとマリオが話題さらう

 韓国メディアはさっそく「リオオリンピックの最初と最後を日本のゲームが制した」と紹介した。リオオリンピック開会前後は、現地入りして「ポケモンGO」に夢中になった世界各国の選手らのことが話題になり、ポケモンGOにはまりすぎて競技に支障を与えるのではないかとまで言われた。


趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.8.26

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世界初のドローン専用室内飛行場がソウル郊外に、世界一のドローンメーカーがオープン

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世界商用ドローンの市場シェア7割を占めているという、中国のDJI社(大疆創新科技有限公司)。日本の首相官邸に落下したドローンとして有名なPhantomシリーズを、世界で製造販売しているメーカーである。

 DJI社はドローンを製造しているだけではなく、世界中でいろいろな実証実験に参加している。宅配にドローンを使う実験、食料不足を解決するために農業にドローンを使う実験など、世界中で企画されている「ドローンを使って何かやってみる実証実験」には、必ずといっていいほどDJI社が加わっている。


写真●DJIアレーナ
世界初となるドローンの室内飛行場が韓国にオープンする。世界商業ドローンシェア7割占める中国のDJI社は、室内飛行場を開設する場所として、ドローンの愛好家が多いことからテストベッドにしている韓国を選んだ(DJI社提供)
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 そのDJI社が、8月中旬韓国に世界初となるドローンの室内飛行場をオープンする。DJIアレーナと名付けられた室内飛行場は、ソウルから車で1時間ほど離れたヨンイン市にあり、面積は1395平方メートル。照明がついたサーキット、飛行に集中できるようにドローンを映すLCDTV、充電機能がついて整備室などがある。

 DJI社によると、室内飛行場はドローン初心者が気軽に安全に飛行を楽しめ、熟練者はより凝った飛行を楽しめる施設にするという。DJIのNPE(New Pilot Experience)と呼ばれる初心者向けの教育施設として使う計画で、個人や団体が予約して貸し切りで独自のプログラムを運営してもいいようにする。

 ドローン愛好家の間では、すでに話題沸騰。風や雨といった天候に左右されないので、ドローンレーシングやダイナミックな飛行にチャレンジしてみたいと盛り上がっている。

モールごとにドローン売り場があるほど過熱

 韓国ではショッピングモールごとにドローン売り場があるほど、ユーザーが急増している。実は北朝鮮と休戦状態という理由から、ソウル市内のほとんどが飛行規制区域になっている。6月になってやっと、ソウル市内の真ん中を流れる川沿いにある漢江公園の一部が「ドローン公園」に指定され、そこでは自由に飛ばせるようになった。

 ドローンが落下して人が怪我したらどうするのか、空中撮影はプライバシー侵害ではないのかといった議論もあり、ドローンに対する規制は厳しくなるばかりである。室内飛行場があれば、思いっきりドローンの飛行を楽しめること間違いない。


趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.8.5

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サムスン電子は5位に下落、中国スマートフォン市場で苦戦する韓国メーカー

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7月26日、韓国のネットでは中国スマートフォンOPPOとVIVOが話題になった。韓国の大手新聞が一斉に「中国スマートフォン市場シェアでOPPOが1位、サムスン電子は5位に下落」と報じたからである。

 香港の市場調査会社カウンターポイントのデータによると、2016年6月末時点で中国スマートフォン市場シェア1位は、22.9%を占めたOPPOだった。2位は17.4%のファーウェイ、3位は12%のVIVO、4位は9%のアップル、5は6.8%のサムスン電子とシャオミだった。


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VIVOのホームページ
中国スマートフォン市場シェア3位のVIVOは、韓国の俳優で中国で人気の高いソン・ジュンギをモデルに起用した。中国では若者をターゲットしたスマートフォンOPPOとVIVOのシェアが急増していて、2016年6月に二つのブランド合わせてシェア34.9%を達成した。OPPOとVIVOは、中国のスマートフォン製造メーカーBBKのブランドである。

 サムスン電子は2014年6月まで中国市場シェア1位だったが、2015年6月には4位に落ち、今年はさらに順位が下落して5位になった。

 中国では、ファーウェイはアップル並みのプレミアムブランド、OPPOとVIVOはお手頃端末のイメージが強い。しかし中国には50社以上の中小スマートフォンメーカーがあるので、来年にはOPPOとVIVOが消えて新しいブランドがその座にいるかもしれない。そう思えるほどの激戦が続いている。

 1位になったOPPOは、中国のスマートフォン製造メーカーBBKのブランドで、市場シェア3位のVIVOも同社のブランドである。OPPOとVIVOのシェアを合わせると34.9%になる。BBKのシェアは2014年には6%、2015年には13%に過ぎなかっただけに、この1年の成長ぶりは目を見張るものがある。

趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.7.29

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正式サービスはまだなのにどうして?国中が「ポケモンGO」で大騒ぎ 自治体の素早い対応もブームを後押し

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 欧米で大騒ぎの「ポケモンGO」が韓国にも“上陸”した。欧米や他のアジア諸国では、ポケモンGOに夢中になって他人の家や軍事施設に不法侵入するケースが増えて問題になっているそうだ。

 インドネシアでは、ポケモンGOによる不法侵入、交通事故を市民が起こすケースが増えている。せめて警察だけでもというわけか、警察官はプレーしてはダメというポケモンGO禁止令が出たと言う。さらには、軍事スパイに悪用される可能性もあるとして、市民のプレイも禁止するかどうかを決めるために、国家情報庁がポケモンGOを分析しているという。どれほど人気なのかがよくわかる。

 ポケモンGOは、位置情報とAR(Augmented Reality、拡張現実)を組み合わせたモバイルゲーム。スマートフォンのカメラをかざすとポケモンのキャラクターが登場し、それをスマートフォンの画面に表示されるボールを使って捕まえる。


ポケモンGOコリアのフェイスブック
韓国ではまだ正式サービスされていないが、東海岸の一部地域ではプレイできることから、その地域に韓国中から人が集まり大騒ぎになっている。ポケモンGOはポケモンを知らない世代にも人気が高い。

 実は、韓国はまだ正式なサービスエリアになっていない。しかしどういうわけか、韓国の東海岸にある束草市(ソクチョ)周辺では、ポケモンGOをプレイできる。他の地域でポケモンGOを立ち上げても何も反応がないが、東海岸の一部地域はサービスエリアと認識するようだ。このことが知られてから、今韓国中のゲームファンが続々と束草市に集まっている。

 韓国は正式サービス前なので、ポケモンGOをダウンロード・インストールするには、まずGoogle playやアップルのアプリストアの国設定を米国にして会員登録しないといけない。それでも韓国内で7月7日から15日の8日間で、100万ダウンロードを突破した。

カーシェアでポケモンGOをしに行こう
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.7.20

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http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/549762/072000100/

サムスンでもLGでもない携帯会社が再起を図る、お手頃価格スマホIM-100でよみがえるか


サムスン電子、LG電子よりも一歩先をいく斬新な機能とデザインで人気を集めた携帯電話メーカーのパンテック(PANTECH)。日本ではKDDI向け端末を販売し、韓国では安くて面白い機能がたくさんある携帯電話として人気を集めていた。

 パンテックは1991年に設立。携帯電話メーカーとして順調に成長するが、2005年中小携帯電話メーカーを買収して大きく育てるはずがうまくいかず、「すぐ故障する」「アフターサービスがよくない」といった顧客の不満が出始め、2007年には上場廃止となった。


パンテックの新機種IM-100(出所:パンテック)
韓国の携帯電話メーカー「パンテック」が破産直前で生き返り、2年ぶりに新機種を発売した。IM-100は、1万円ちょっとのお手頃価格で、購入時にワイヤレス充電器兼Bluetoothスピーカーまでもらえる。音楽再生機能に特化していて、背面のフィールを動かせば音量を100段階調整できる。

 2010年にはスマートフォンVEGAを発売して、150万台を販売するほど人気を得るが、デザインはいいのにアフターサービスがよくない、という不満が再び顧客に蔓延した。挽回するために、端末購入補助金を出して安く端末を買えるようにした。だが、これが裏目に出て赤字が積み上がり、パンテックの経営状況は悪化してしまう。

サムスンでもLGでもない携帯会社

 ここから、さらなるパンテックの苦戦が続く。どんなに最悪な状況でも、諦めず再起しようと奮闘するパンテック社員の物語がドキュメンタリー番組で放送されたのが2014年。それから韓国内では「サムスン電子とLG電子しか選択の余地がないなんていやだ。パンテックもがんばってほしい」と応援する人が増えた。

 ただしそれでは業績悪化に歯止めはかからず、2015年いよいよ残された道は破産しかなくなったところに、パンテックを買収したいという会社が現れた。

 生き残ったパンテックは2016年6月30日、ほぼ2年ぶりに新機種を発売した。機種名は「IM-100」で、韓国語読みするとアイアムバック「戻ってきた」とも読める。KTとSKテレコムの代理店で販売している。発売から10日ほどで3万台が売れ、全国の代理店からIM-100の注文が殺到しているという。稼働中止状態だったパンテックの工場は、IM-100生産のためフル稼働して、毎日3000台を製造している。

3万台というのは、大きな数字ではない。ただし、サ…
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

日経パソコン

2016.7.15

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