サムスンとLGの関心は「IoT」と「車」?韓国メディアが見たCES2016 [2016年1月15日]

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 毎年新年早々IT・家電業界を賑わす米ラスベガスの家電展示会CESは、韓国でも大きな話題になる。韓国メディアはCES2016の中で、サムスン電子とLG電子の「IoT」に注目した。両者がIoTをベースに家電・スマートフォンだけでなく、車にも関心を持っているという報道が続いた。

 2016年1月6~9日、CESの会場でサムスン電子は高画質テレビ、IoTでつながる家電、スマートフォンやウェアラブルといったモバイルデバイスを展示した。ユーザーの生活を楽にする、家族をつなげる、といったところに焦点を当てた展示だった。サムスン電子側は「リアルライフに溶け込んだIoT」であると強調した。


LG電子のCES2016ブース(LG電子提供)
LG電子はOLEDテレビ112台で夜空の星を再現した。LG電子側は、LGの新しいテレビは映像だけに集中できるようディスプレイの本質にこだわり、最高の性能を提供していると宣伝した。CES2016ではLG電子の家電だけでなく、フォルクスワーゲンとのスマートカー開発も注目を浴びた。

 サムスン電子は「Quantum Dot Display」(量子ドットディスプレイ)の65型と78型4Kテレビも展示した。「Quantum Dot Display」はもっとも最近開発されたディスプレイ技術で、ナノ単位(10億分の1)の微細な粒子がどのディスプレイよりも純粋なカラーと明るさを表現するとして注目されている。

 このテレビには、太陽の光や稲妻の光といった自然界の光をディスプレイで再現する「High Dynamic Range」技術や、視聴のじゃまになる反射光を吸収し見やすくする「Ultra Black」という技術を搭載している。部屋が明るくても暗くても、それに合わせて最適で最高の画質で映像を見せるディスプレイ、とサムスン電子は紹介した。

 デザインにも気を使っており、テレビの縁(ベゼル)がほとんど見えない曲面ディスプレイになっている。映像だけが空中に浮かんでいるように見えて、とても面白い。

 サムスン電子はIoTでテレビの使いやすさも強化した。テレビのリモコン一つで複数のサービス事業者のVODを検索して視聴したり、家の中の家電を動かしたりできる。冷蔵庫の中にカメラを、冷蔵庫のドアには21.5型の高画質タッチスクリーンを搭載して、中身を一目で把握できるようにした。冷蔵庫内の温度や稼働状況も、タッチスクリーンから確認できる。冷蔵庫のカメラの映像は、スマートフォンでも確認できる。

 中身を見て足りない食品を近くのスーパーやインターネットショッピングに注文したり、冷蔵庫のディスプレイに写真やメッセージを映したり、音楽を流したり、ラジオを聴いたりできる。冷蔵庫のドアには、スピーカーも付属。タッチパネルから家の中の照明、空調を制御したり、他の家電を操作したりもできる。


次ページ: また、スマートウォッチの「GEAR S2」を使ってマンションの玄関ドアや車のドアを開けたり、ヘルスデータを記…



趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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郵便局が主導するMVNO料金競争、ついに「基本料金0ウォンで音声通話50分無料」 [2016年1月8日]

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 韓国でも日本と同様、全国どこでも郵便局がある。韓国の郵便局は、日本の総務省にあたる未来創造科学部(部は省)が運営する政府機関である。韓国の郵便局は郵便の他に預金、保険、地域特産品の販売など、日本の郵便局と変わらない事業をしている。インターネットの普及で郵便を送る人が減少している中、韓国の郵便局は一つ新規事業を手掛けることにした。全国の郵便局が、MVNOの販売窓口になったのだ。これで、全国どこでも手軽に購入できるようになった。


写真●韓国郵便局のMVNO販売サイト
韓国ではMVNOの加入を手軽にできるよう、全国の郵便局が販売窓口になっている。MVNO加入は、郵便局窓口でも郵便局のサイトからも申し込める。キャリア3社より断然料金が安く、月々の料金が0ウォンで音声通話は50分無料で使えるプランもあるため、加入者が増えている(出所:韓国インターネット郵便局)。

 1月4日、MVNOのエネクステレコムは、月々の基本料金0ウォンで音声通話を50分無料で使える新しい料金プランに、郵便局で加入できると発表した。端末代は別途支払わないといけないが、自分の端末を持っていれば実質無料で携帯電話が使える。携帯電話からは音声通話しか利用しない、ネットはタブレットやPCで利用する、という人には嬉しいプランである。


次ページ: 音声通話50分を使い終わった場合は、音声通話は10秒18ウォン(約2円)、SMS1件20ウォン(約2.2円)…


趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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テレビが売れない時代でも大丈夫?IPTVやケーブルTVでは4K放送が人気 [2016年1月4日]

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 韓国では、米の調査会社IHS iSuppliが発表した2015年の世界のテレビ出荷台数が話題になっている。HISは、2015年の出荷台数を、2014年の2億3492万台より700万台以上減の2億2700万台と推測した。なんでもスマートフォンで済ませることができる時代なので、もうテレビは売れないのだろうか。薄々と感じてはいたが、数字で見るとインパクトが違う。

 特に、テレビとスマートフォンはサムスン電子とLG電子を支える製品であるだけに、これから韓国企業は大丈夫なのか、と懸念する声もある。サムスングループによると、2014年まで10年連続サムスン電子が世界のテレビシェア(売り上げベース29.2%)で1位を占めている。2位はLG電子(同16.7%)である。2015年もサムスン電子とLG電子が1、2位をキープはしているが、シェアは減少している。ソニーと中国ハイセンスやTCLのテレビが、急速に売り上げを伸ばしているからだ。サムスン電子とLG電子は、UHD(Ultra High Definition、4K・8K)など画質勝負で、価格競争ではなくプレミアム競争で生き残る戦略だという。

 LG電子は、LCDではなくOLEDでUHD画質を提供して差をつけようとしている。サムスン電子は、SUHDといってサムスン電子独自の技術を搭載したUHDテレビに集中している。SUHDは既存のサムスン電子テレビよりも2.5倍明るく、明暗がくっきりしているので、3Dテレビに近い立体感がある。


写真●サムスン電子のSUHDテレビ(サムスン電子提供)
韓国では4K・8KのことをUHD(Ultra High Definition)という。サムスン電子は独自技術のUHDテレビであるSUHDテレビを販売している。同社の既存のテレビよりも2.5倍明るく、明暗がくっきりしていて立体感が出るのが特徴だ。

 しかし、韓国の地上波放送局側は、UHDにあまり乗り気ではないように見える。UHDを受信できるテレビがそれほど普及していないのに、莫大な製作費をかけてUHDでドラマやバラエティを制作する気にならない、というのだ。サムスン電子やLG電子は、UHDコンテンツが増えればUHDテレビを購入する人も増え、UHDを中心に映像産業が活性化すると関連省庁に訴えている。コンテンツが先か、テレビの普及が先か、まさに卵が先か鶏が先かの論争である。

 それでは視聴者の反応はどうかというと、IPTVやケーブルテレビ、衛星放送など、有料放送加入者を中心にUHDチャンネルを受信できる付加サービスに加入する人が増えている。





趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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サムスンどうする?韓国に中国産激安スマートフォンがやって来た [2015年12月18日]

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 2015年12月16日、韓国のキャリアでシェア3位のLGU+が、中国ファーウェイのスマートフォン「Y6」の販売を開始した。Y6の定価は15万4000ウォン(約1万7000円)、今まで韓国で販売されたスマートフォンでは最も安い。

 サムスン電子やLG電子のスマートフォンは、約定割引してもらっても端末価格が7万円以上はするので、破格的な安さといえる。ソニーのXperiaが在庫処分のため古い機種を2万円以下で販売したことはあるが、定価が2万円しないスマートフォンは初めてである。韓国産では、LG電子のシニア向けスマートフォン「ワイン」シリーズが最も安く定価が約2万6000円する。しかし安いからといって話題になることはなかった。安いスマートフォンは使い物にならない、という先入観があるからだ。

 毎月約3300円以上の料金プランを選択すれば、約定割引が適用され実質無料になる。韓国でスマートフォン端末が実質タダになるのは今までなかったことなので、韓国では「Y6」は一体どんな端末なのかと騒ぎになっているほどだ。


 Y6は5インチのHDディスプレイに、800万画素カメラ、重さ155グラム、1GBのRAM、8GBの保存容量、2200mAhのバッテリーを備えている。自分撮りが大好きな韓国人にとって、最も重要なのはカメラである。Y6のカメラは360度パノラマ撮影、顔認識機能、写真を撮りながら音声を録画できる機能、写真加工機能などの付加機能もある。

 Y6の特徴は、インターネット接続なしで利用できるFMラジオを内蔵していることと、通常の音声電話だけでなくインターネット電話(VoIP)が使えるデュアル通話機能があることだ。

 LGU+のインターネット電話料金プランに加入すると、携帯電話番号に加えて070で始まるインターネット電話専用の番号がもらえる。インターネット電話のいいところは、自宅にある電話の子機のようにスマートフォンを使えることや、インターネットさえつながれば通話ができるので、ユーザーが海外にいても韓国の電話番号にかける通話に国内電話料金が適用されることである。LGU+は、海外に行くことが多い人や、業務用にスマートフォンから通話をたくさんするビジネスマンにお勧めの端末、と宣伝している。


次ページ: 韓国では、低価格スマートフォンのラインアップが増えている。シェア1位のキャリアであるSKテレコムは2015年…




趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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韓国のWeb広告はPCよりモバイル中心、コンテンツと広告の区分があいまいな時代に [2015年12月11日]

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 韓国では、ビジネスでもKAKA TALK、LINEといった無料メッセージアプリを積極的に使う。IDを教えていないのに、取引先の人が突然KAKAO TALKで話しかけてきたことが何度もあった。相手からは「電話代もかからないし、メールより早く用事が伝わるし、KAKAO TALKを使った方が効率的でしょう?」と言われた。仕事相手とはメールか電話、家族や友達とはメッセージアプリ、という具合に使い分けていた筆者は、もう時代から遅れつつあるのかもしれない。

 韓国では、毎日起きている間ずっとスマートフォンを握り、メッセージアプリで検索し買い物し、仕事も片付ける人が増えているせいか、モバイル広告市場もぐんぐん伸びている。KAKAO TALKの親会社KAKAOとLINEの親会社NAVERは、モバイル広告の収入が順調に増え、売り上げも好調に伸びている。

 KAKAOの場合、ポータルサイトDAUMにPCからアクセスする割合は減少傾向にあるが、モバイル広告収入が2015年7~9月の間29%も増加したことで持ちこたえた。NAVERの場合、今年初めて広告の割合がPC向け6割、モバイル向け4割になった。これまでは、PC向けが8割を占めていた。NAVERの2015年7~9月広告全体の売り上げは5870億ウォン(約650億円)で、前年同期比17.9%増加した。

 キャリアのKTが運営する研究所の予測によると、韓国の広告市場はモバイルの割合が急増していて、2019年にはモバイル広告がPC向け広告を上回りそうだ。

 KTの研究所が発表したデータによると、韓国のモバイル広告は2015年末時点で約9000億ウォン(約990億円)、2019年末には3兆3000億ウォン(約3600億円)にのぼる見込みである。この調子でいけば、2019年にはオンライ広告の52%がモバイル広告、48%がPC向け広告(2019年推定3兆1000億ウォン、約3400億円)と、割合が逆転するとみられている。

 もう何年も前から「韓国は不景気」だと言われるが、モバイル広告を含めオンライン広告はそれほど影響を受けていない。スマートフォンからシニア層もゲーム、動画、漫画、音楽などを利用し始めているので、スマートフォンが全世代の生活に根付けば根付くほど、モバイル広告も拡大していく。


画像●スマートフォンの急増に伴いモバイル広告市場も拡大している
韓国ではスマートフォンの待ち受け画面に広告を受信するアプリも流行っている。広告を見た回数に応じてポイントをもらい、提携したお店で使える(出所:キャッシュスライド)。




趙 章恩=(ITジャーナリスト)

日経パソコン
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韓国初、店舗なし、ビッグデータで金利決めるモバイル銀行誕生 [2015年12月4日]

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 11月30日、ソウル市内でモバイル銀行「韓国カカオ銀行」と「Kバンク銀行」の事業説明会が行われた。日本や米国では、既に店舗なしでインターネットとATMだけを利用するインターネット銀行が存在するが、韓国ではこれが初めての店舗なし銀行となる。いずれも出資企業のサービスをうまく活用し、サービス開始から3年内に黒字化することを目標にしている。

 韓国カカオ銀行は韓国投資金融持株会社、Kakao Talk、国民銀行が主な株主となり、資本金3000億ウォンで設立した。Kバンク銀行はウリ銀行、GSリテール(スーパーマーケット・コンビニ)、韓化生命保険、DANAL(モバイルペイメントソリューション)、KT(通信)が主な株主となり資本金2500億ウォンで設立した。両方とも金融委員会より予備認可をもらった段階で、2016年上半期中に正式認可をもらい、認可日から6カ月以内に営業を開始する。本格的なサービス開始は、2016年秋になりそうだ。

 無店舗モバイル銀行の特徴は、自分が登録したIDが口座番号になり、モバイルメッセンジャーアプリを経由してお金を振り込んだり、光熱費を支払ったり、貯金口座を作ったりできること。現金やクレジットカードを持っていなくても、スマートフォンさえ持っていればお店などで口座にあるお金から支払える決済サービスも提供する。振り込みやATM手数料などは、原則として無料で利用できる。

 モバイル銀行は24時間いつでも利用できる銀行なので、電話相談、ネット相談も24時間稼働する。面白いのは、人が答えるのではなく、人工知能が対応するという点である。人工知能が処理できなかった複雑な質問にだけ、人が対応する。

 さらに、ビッグデータ分析で貸出金利を決める。店舗を持たないので運営費があまりかからないことから、一般的な銀行よりは高い貯金金利を提供する計画である。貸出金利も、お金を借りたい人・預けたい人のバランスを常に分析して金利を決めるという。個人向け担保なし貸出の場合、信用金庫などは20%以上の金利を取る。だが、モバイル銀行は支店運営費用、営業費用などがかからないので、その半分の10%台。敷金など引っ越しのための少額貸出にも応じるという。


次ページ: 韓国カカオ銀行は、韓国人の8割が利用する国民的人気アプリ「カカオトーク」を基盤に、Kバンク銀行はコンビニ、公…



趙 章恩=(ITジャーナリスト)

日経パソコン
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50代もスマートフォンのコアユーザーに、98.4%がモバイルメッセンジャー利用 [2015年11月27日]

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 韓国インターネット振興院は11月22日、「2015年モバイルインターネット利用実態」の調査結果を公開した。12歳から59歳まで、2500人を対象に訪問調査を行った結果である。

 主に「モバイルインターネットで何を利用しているか」を把握する調査であるが、今年は50代の変化が目立った。韓国の50代の携帯電話保有率は2014年末時点で97.5%、そのうち83%がスマートフォンを使っている。

 50代の場合、モバイルSNSの利用率は2014年36.7%から2015年60.5%に、無料モバイルメッセンジャーアプリの利用率は92.0%から98.4%に、モバイルショッピングの利用率は19.0%から23.4%に、モバイルバンキングの利用率は27.4%から38.7%に伸びた。モバイルメッセンジャーの場合、全世代の平均利用率が99.1%なので、50代の利用率は20~40代とあまり変わりないことになる。

写真●Kakao Storyアプリのキャプチャー画面
韓国の50代にもっとも人気のアプリケーションは無料メッセンジャーだった。利用率は約98%と、20~30代と変わらない数字である(出所:Kakao Story)

 業界では、着実に利用が増えている50代をターゲットにした新規サービスを展開している。ほとんどのモバイルショッピングサイトが、2015年から産地直送の新鮮食品カテゴリーを追加した。モバイルショッピングサイトの「ティモン」の場合、2015年の50代以上ユーザーの新鮮食品注文件数は前年比1.7倍に、注文金額は20倍に増えたという。

 若い世代はセール品や特価品だけ購入するケースが多いが、50代以上は高級米やプレミアム牛肉セットなど、価格が高くても信頼できて気に入ったものを注文する。50代のモバイルショッピング利用率はまだ低いが、モバイルショッピング業界にとって大事な顧客になりつつある。


次ページ: さらに、「有線インターネットよりモバイルインタネーネットをよく使う」、「モバイルインターネットのおかげで生活…



趙 章恩=(ITジャーナリスト)

日経パソコン
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日本のVRゲームにくぎ付け!韓国オンラインゲーム展示会「GSTAR」開催、 [2015年11月20日]

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 2015年11月12日から15日まで、釜山のBEXCO展示場で韓国インターネットデジタルエンターテインメント協会が主催する、韓国最大規模のオンラインゲーム展示会「G-STAR(Game Show and Trade All Round)」が開催された。GSTARは今年で11年目を迎える。2015年のGSTARは、35カ国633社、展示ブースの数は2636、訪問者数21万人と歴代最高記録を更新した。

 11月12日は、韓国の大学受験日であった。遅刻しそうになった受験生を、警察がパトカーや白バイに乗せて試験会場まで走る、日本でもお馴染みのあの場面が、全国で繰り広げられる日でもある。受験が終わった開放感からか、受験のためにできなかったゲームの世界が気になってか、GSTARは受験を終えた高校生らが遊びに行く場としても非常に人気がある。

 とにかく人気の展示会だっただけに、どのブースも入口は長蛇の列。2時間待ちは基本、ゲームは5分ぐらいしか体験できないという状況が続いた。

 2015年の目玉は、モバイルゲームが充実していたNEXON、イベントで当選した人しか入れなかった秘密基地のような4:33(モバイルゲーム流通会社)、美少女VRで韓国のゲーマーを興奮させたソニー・コンピュータエンタテインメントコリア(SCEK)、セクシーな受付嬢がいたTwitch.tvだった。NEXONは300ブース規模でオンライン・モバイルゲームを展示し、ひと際目立っていた。Twitch.tvはAmazon.com が提供するゲーム専門ライブ配信サイトで、G-STAR会場の様子をライブ配信した。

 参加者の間でもプレスの間でも人気だったのは、なんといってもSCEKが展示した美少女VR(仮想現実)ゲーム「サマーレッスン」だった。体験するためには4時間待ち。先着で配ったQパス(ファストパス)は、5分で配布完了するほど大盛況だった。プレーステーションVRは、他のVRデバイスより軽くて着用感もよく、長く被っていても問題なさそうだった。


写真●G-STARのLG電子ブース
11月12日~15日、韓国のオンラインゲーム展示会「G-STAR」でLG電子は34型モニターやゲーマー向けノートパソコンを展示、韓国でも正式サービスが始まったファイナルファンタジーXIVを実演した(出所:LG電子)。

 プレスに対しては、特別に開場前に体験できるようブースを公開してくれたが、ここでも記者達が「サマーレッスンをするためだけにソウルから釜山まで来た!」と大騒ぎしながら並んで待っていた。他のブースの社員らも並んで待つほど「サマーレッスン」の威力はすごかった。体験した人は、みんな「リアルすぎてドキドキ」と赤ら顔で満足そうだった。SCEKによると、プレーステーションVRは2016年に正式発売されるという。


次ページ: 韓国のゲーム市場規模はオンラインゲーム7対モバイルゲーム3の割合で、まだオンラインゲームの人気が根強く残って…



趙 章恩=(ITジャーナリスト)

日経パソコン
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ネットスーパーの黒船到来!日本でも話題のコストコ、アジア初のオンラインモールを韓国でオープン [2015年11月13日]

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日本でもバラエティー番組によく登場する、米国生まれの大型会員制倉庫型店コストコが、11月10日、アジア初で世界でも5番目となるオンラインモールを韓国でオープンした。正式なサービス名は「コストコホールセールコリア オンラインモール」。配送は韓国内限定で、韓国の消費者を対象にしている。

 韓国では、11月9日からポータルサイトの検索キーワードランキング上位に「コストコ」が登場。10日はずっと「コストコオンラインモール」が検索キーワードランキング1位を占めたほど、大きな話題になった。「やっと私もコストコで買い物ができる」と歓喜の声があふれた。

 日本では、コストコに入場して買い物ができる「1日特別招待券」がついたムック本が80万部も売れたと聞いた。韓国にはこのようなムック本はないので、お金を払って会員登録をするか、それとも手数料を払ってインターネット購入代行(会員登録している人に買ってきてもらう代行サービス)を利用するか、どちらかの選択しかない。韓国のオークションサイトやショッピングサイトには、「コストコ購入代行業者」が数え切れないほど入店している。

 日本のコストコは郊外にあるが、韓国の場合はソウル市内やプサン市内の住宅街にあるので、交通の便はいい。しかしコストコは店舗数が少なく、韓国全土に12店舗しかない。コストコがない地域に住む人も、購入代行業者を利用していた。韓国内では、購入代行業者を量産するほど人気なのだから、コストコが直接オンラインモールを運営してほしいというリクエストが多かったという。


写真 コストコのオンラインモール
日本でもテレビで話題の会員制倉庫型スーパー「コストコ」が、アジア初となるオンラインモール(ネットスーパー)を韓国でオープンした。韓国ではネットスーパーの黒船到来として話題になっている。

タダほど怖いものはない、韓国で無料Wi-Fiハッキング増加、スマホを守る方法は? [2015年11月6日]

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韓国ではソウル市内はもちろん、都市部のどのカフェに行ってもWi-Fiと電源は無料で利用できる。最近は食堂やスーパー、ショッピングセンターなど、どこにいってもタダで当たり前。ソウル市内では、市が提供する無料Wi-Fiもあり、地下鉄の駅中と車両の中では、キャリアのLGU+が提供する無料Wi-Fiを利用できる。

 韓国のキャリアは、音声通話は無料、データ通信は従量制で課金するので、データ通信費を節約したい人は無料のWi-Fiをよく使う。日本では電車に乗ると、スマートフォンを手にしている人のほとんどがゲームをしているが、韓国ではほとんどが動画を見ている。最近は地下鉄の中でも高速ネットワークが届くので、ストリーミングでも途切れることなく高画質動画を楽しめる。ドラマやバラエティー番組の再放送を無料で提供するテレビ局のアプリもたくさんあるので、観るものには困らない。

 電車の中でイヤホンなしでドラマを観る強者もいて、音が響いてラジオドラマを聞く気分になってしまうこともよくある。電車の中には「動画を見るときはイヤホンをしましょう」とマナーキャンペーンのポスターが貼ってあるほどだ。日本ではイヤホンの音漏れでトラブルになることがあるようだが、韓国ではイヤホンをしないで動画を見る人のせいでトラブルになる、という違いがある。

 Wi-Fiの話に戻ると、問題はカフェや食堂など個人営業主が提供する無料Wi-Fiの場合、パスワードもかけずセキュリティ対策は何もされていない点である。顧客のためにWi-Fiルーターは置いたものの、管理者用のパスワードも初期出荷状態のまま置きっぱなし。ネットがつながればいいじゃないか、と放置するお店がほとんどなのだ。

 その結果、複数のカフェのWi-Fiルーターがハッキングされ、そのWi-Fiにアクセスした人も被害にあう事件が増えている。

 こういうケースがある。顧客がWi-Fiに接続したところ、「chromeの最新バージョンにアップデートしてから利用してください」というメッセージが登場した。OKをタッチしたところ、スマートフォンにハッキングプログラムがインストールされて、スマートフォンに保存してあったIDと暗証番号などを盗まれた。いつも利用しているWebサイトにアクセスすると画面が見えず、何かプログラムをインストールしろというメッセージが登場したら、ハッキング被害にあう寸前までいっていると考えてほぼ間違いない。