韓国公正取引委員会、ブログ利用した「広告でないような広告」を取り締まり、ソニーコリア、エバー航空などに課徴金 [2015年1月30日]

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韓国公正取引委員会は1月22日、ブログを利用して“広告ではないようにみせかけた広告”を掲載したとして、「表示・広告の公正化に関する法」を違反した20社を摘発したことを明らかにした。

 何が問題になったのか。実は摘発された20社は、訪問者数の多いブロガーが、実際にその商品を購入して使ってみたところとてもよかった、という内容のポスティング(書き込み)をさせていた。その際、ブロガーに対して金品を提供していながら、それを隠していたのだ。

 ソニーの韓国支社であるソニーコリアは、タブレットPC1モデルとノートPC5モデルを広告でないように広告するポスティング29件が摘発され、是正命令を出されたのに加えて、2700万ウォン(約290万円)の課徴金を課された。台湾企業のエバー航空は、ハローキティのラッピング飛行機や機内のサービスに関して16件のポスティングが摘発され、ソニーコリアと同じく是正命令と課徴金2700万ウォン。韓国企業のボリョン製薬は、日本から輸入販売している美白サプリや目薬など56件のポスティングが摘発され、是正命令と課徴金1300万ウォン(約140万円)の処分となった。





韓国でもっとも利用者数が多いNAVER Blogのパワーブログリスト NAVERは訪問者数が多く影響力のあるブログを選定し「パワーブログ」コーナーで紹介している。

 この他に、オンラインゲーム会社、歯科病院、成形外科、化粧品会社、家具会社、モバイル決済代行会社など17社は、是正命令または警告処分となった。20社がブロガーに渡したポスティングの対価は、1件当たり3~15万ウォン(約3300~1.6万円)だった。

 韓国公正取引委員会は、「レビューや口コミは消費者の選択に大きな影響を与えるため、対価をもらって商品の宣伝をした書き込みは広告と明記する必要がある。広告であることを隠して読む人を騙すのは、事実上の詐欺行為である」と説明した。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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サムスン電子、Tizen OS搭載「Z1」、「GALAXY A5」など低価格スマホで市場拡大狙う、インドに続き韓国でも普及型モデル発売 [2015年1月23日]

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1月14日、サムスン電子がインドで約92ドル(約1万円)の低価格スマートフォン「Samsung Z1」を発売し、大きな話題になっている。

 「Samsung Z1」はTizen OSを搭載したスマートフォンで、4インチの画面に1.2GHzデュアルコアプロセッサー、メモリー768MB、カメラは310万画素とスペックは低仕様だが、とにかく値段が安いのが売りだ。カラーは、ホワイト、ブラック、ワインレッドの3色がある。Tizen OSはアプリの実行速度が速く、インターネットのWebページを読み込む速度も速いため、データ使用量とバッテリーの消耗を極力抑えられるのも特徴だ。モバイルインターネット速度が速くないインドでも、十分コンテンツを楽しめるようにしたのだ。

インドで発売した約92ドル(約1万円)の低価格スマートフォン「Samsung Z1」

 Z1にはインドの消費者向けに音楽、ラジオ、テレビチャンネル、映画などを楽しめるコンテンツアプリも搭載してあり、初めてスマートフォンを利用するユーザーもすぐ直観的に使えるようにした。サムスン電子側の説明によると、インドでは、ユーザーはエンターテインメントを楽しむデバイスとしてスマートフォンを利用しているため、音楽やテレビチャンネルをどれだけ利用できるかもスマートフォン選びの重要なポイントになるという。人口12億の新興国インドのスマートフォンユーザーはこれから爆発的に増加すると見られるため、サムスン電子がスマートフォン世界市場シェア1位を守るためには、インド市場を確保しなければならない。

 2014年6月にサムスン電子が公開した「Samsung Z」を見る限りでは、Tizen OSを搭載したスマートフォンはハイエンド端末になるはずだった。サムスン電子が主導したOSだけに、高性能なところをアピールしたかったはず。だがサムスン電子は、新興国市場を狙うために低価格スマートフォンが必要になり、アンドロイドより安く提供できるTizen OSを搭載することにしたようだ。

 韓国では、「スマートフォンユーザーは、自分が初めて購入したブランドのスマートフォンを使い続ける傾向がある。初めて購入したのがサムスン電子のスマートフォンなら、機種変更してもサムスン電子を選択する割合が高い」という調査結果があり、新興国でもこのルールが通用するのではないかとみている。インドでは、とにかく安く提供することを優先し、人生初のスマートフォンをサムスン電子製にする戦略だ。

 また、スマートフォンが普及して間もないインドなので、Tizen OSのスマートフォンを販売することで、Z1にプリインストールされているサムスン電子のコンテンツアプリやアプリマーケットの知名度がGooglePlay並に上がるのではないか、という期待もある。

 サムスン電子は、既にインドで「普及型スマートフォン」としてGALAXY E5/E7を発売している。E5は500万画素カメラ搭載に5.5インチディスプレイで約4万円、E7は同じく5.0インチで約3.4万円である。


次ページ: 同社は韓国内でも今までの高価格路線を覆し、値段を抑えた普及型スマートフォンを発売した。1月22日に登場したG…


趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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韓国キャリアの「脱通信」O2O市場先占競争本格化、通信費以外の収入を狙え [2015年1月20日]

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数年前から「脱通信」、「融合」、「ライフスタイル全般をサポートする」といったキャッチフレーズを掲げている韓国のキャリア3社。モバイル決済やモバイルショッピング、モバイルクーポン、モバイル動画サービスなどの競争に続いて、2015年からは本格的にO2O市場の先占を狙った競争を繰り広げている。

 O2Oは「Online to Offline」の略で、スマートフォンのアプリケーションを利用してオフライン店舗に顧客を誘導したり、オフライン店舗のユーザーをオンライン誘導したり、顧客がスマートフォンを使ってオフライン店舗をより便利に利用できるようにしたりするビジネスである。

 韓国で最も有名なオンラインとオフラインをつなげるO2Oサービスと言えば、「出前アプリ」がある。地域とジャンルを選択すると出前してくれるレストランが数十件登場し、メニューを見ながらアプリ上で注文決済すると、自宅に料理が届く。

アプリで出前が当たり前に

 韓国では、ほとんどのレストランが出前をしている。以前は電話で出前を頼んだが、メニューや値段を電話で聞きながら注文するよりアプリの方が断然便利なので、今では出前はアプリ経由でするスタイルが定着した。一部の出前アプリは、手数料さえ払えば、遠い地域からの出前や高級ホテル料理の出前にも対応している。出前アプリは、食べ物に関する便利屋の役割を担っている。

 その他に、「ソーシャルコマース」がある。オフライン店舗が、自分達のサービスを利用できる商品券を、アプリを通じて安く販売する。ネイルやマッサージ、またはレストランのセットメニューなどの商品券を、通常の半額以下で限定販売するのだ。日本にも似たようなサービスはたくさんあるが、韓国の方が社会における認知度が高く、利用者も圧倒的に多いと感じる。


SKPlanetが運営するアプリ「Syrup」(左)とネットで話題のO2Oアプリ「YAP」 


O2Oに一番力を入れているキャリアは、SKテレコムである。グループ会社のSKPlanetが運営するアプリ「Syrup」を利用すると、ユーザーの位置情報に応じてBluetoothで近くのお店のクーポンや特売情報を配信し、スマートフォンユーザーをお店に誘導する。Syrupはクレジットカードやメンバーシップカードを保存する機能もあるので、スマートフォンさえあればあれこれカードを持ち歩かなくても、クーポンを使い割引された金額で決済してスタンプも貯められる。明洞や新村などソウル市内の主な繁華街にある店は、Syrupに対応している。




趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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「韓国スマートヘルスケア最前線」患者データ25億件が漏洩か、製薬会社に販売の疑い [2015年04月17日]

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ソウル放送(SBS)をはじめとする複数の韓国メディアは2015年4月8日、医療情報コンサルティングのグローバル企業である米IMS Health社の韓国法人IMS Health Koreaが、2008年以降に韓国人の診療記録と処方箋、計25億件を1件当たり1ウォン(約0.1円)で購入し、米国本社にわたす個人情報侵害を犯した疑いがあると報じた。韓国検察の個人情報犯罪政府合同捜査団が公表した捜査内容を基にした報道である。

 検察によれば、IMS Health Koreaの米国本社はこの情報を加工し、どの病院がどの疾患にどの薬をよく処方するのか、年齢別・地域別にどの薬がよく処方されたのか、といった統計資料にまとめて韓国の製薬会社に高い値段で販売していたという。

電算化代行業者などが横流し

 診療記録と処方箋は、重要な個人情報だ。ある患者がいつどのような疾患でどの薬を処方されたのかといった内容が、名前や国民ID(住民登録番号)とともに記載されている。日本のケースに置き換えれば、2015年秋に始まるマイナンバーと名前入りの電子カルテ、電子レセプトを多国籍企業が安く買い取り、米国にある本社がその情報を使って日本人の年代別・性別の病歴や主に使う薬などを分析。その情報を日本の製薬会社に高い値段で売っていたことに相当する。

 韓国メディアによれば、診療記録と処方箋をIMS Health Koreaに販売したのは、韓国5000カ所以上の病院の診療記録を電算化(電子医務記録)して健康保険審査評価院に送信する代行業者と、全国の薬局に電子処方箋関連プログラムを納品している大韓薬師会傘下の財団法人である薬学情報院だという。ここで健康保険審査評価院は、日本における診療報酬支払基金のような役割をする機関で、医療機関などから届いた医療費の請求が適正かどうかを審査し、医療費を支給する。

 この代行業者は2015年1月に、検察の取り調べを受けた。その結果、この代行業者は、患者の電子医務記録を健康保険審査評価院に送信する過程で、診療記録を外部サーバーにも同時に保存するようにしていたことが明らかになった。この手法で数億件に及ぶ電子医務記録を無断で手に入れ、IMS Health Koreaに販売していたという。

「個人は特定できないデータ」と反論

 病院側は、患者の電子医務記録が外部サーバーにも保存されていたことをまったく知らなかったとしている。薬学情報院も同じく、電子処方箋を無断収集した疑いで検察が2013年12月に取り調べを行い、2014年7月には役員らを起訴している。その際、薬学情報院が無断で収集した個人情報を購入したとしてIMS Health Koreaも捜査の対象になったが、当時は証拠不十分でIMS Health Koreaの関係者が起訴されることはなかった。

 韓国の医療法は「誰であろうと正当な事由なく電子医務記録に保存した個人情報を探知、漏えい、変造、棄損してはらない」、さらには「患者の診療記録と個人情報を他の医療機関と共有する必要がある場合は患者の同意を得ること」と規定している。個人情報保護法でも「健康などに関する情報、その他情報主体の私生活を顕著に侵害する恐れがある敏感情報に関しては、情報主体の同意なくこれを収集・利用・提供してはならない」と規定している。

 IMS Health Koreaは2015年4月13日、検察の捜査に反論する声明を出した。「ビジネス相手の国の法律は守っている。診療記録や処方箋などは暗号化して個人を特定できない状態で買い取り、製薬会社に販売したレポートも統計資料であり個人情報は含まれていない。60年以上、100カ国を超える国で保健医療の市場調査サービスを提供してきた。統計データには匿名を保証する情報を利用しており、患者個人を識別する情報はまったく使っていない」という立場を示した。

 「誰がいつどのような病気でどのような治療をしてどのような薬を飲んだのか、個人を識別できるデータを購入して米国本社にわたした」と主張する検察と、それを否定するIMS Health Koreaの攻防が続いている。

患者や医師が6億円超の損害賠償請求

 今回のケースでは、個人の医療情報が患者も病院も知らないうちに収集され、海外に売られていたことは確かだ。韓国内では、医療分野の個人情報管理に大きな欠陥があるのではないかと不安が広がっている。検察はIMS Health Koreaの代表に対し、違法に収集した個人情報を利用して得た不当利益の規模を調べる予定だと通達している。

 IMS Health Koreaと、同社に患者の診療記録を販売した薬学情報院は、既に患者と医師合わせて2193人から個人情報侵害で訴えられた。2014年の夏から現在に至るまで、約6億2000万円規模の賠償金をめぐる損害賠償訴訟が続いている。

 原告の患者と医師は、次のように主張している。「薬学情報院からIMS Health Koreaにわたったデータには、患者の住民登録番号から抽出した生年月日が記載してある。情報主体の同意なく無断で個人情報を収集したわけだ。さらに『住民登録番号や医師免許番号などは暗号化して販売した』との主張は、『1はA、2はB』といった具合に数字を特定の文字に入れ替えただけにすぎず、意味がない」。医療データの売買や暗号化をめぐって原告と被告の主張がぶつかり合う中、検察のIMS Health Koreaに対する捜査再開は、損害賠償訴訟に影響に与える可能性がある。


By 趙章恩の「韓国スマートヘルスケア最前線」
日経デジタルヘルス
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CES2015でサムスンの「Tizen OS」搭載スマートテレビが話題に、何が違う? [2015年1月9日]

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2015年1月6日、米国ラスベガスで世界最大の家電見本市、CES(Consumer Electronics Show)が幕を開けた。CESでは毎回サムスン電子とLGエレクトロニクスがテレビや冷蔵庫、洗濯機などの新商品を公開しているので、2015年はどんな製品が登場するのか韓国でも大きな話題になった。

 CES2015関連で韓国メディアが最も大きく取り上げたのは、サムスン電子の「SUHD TV」である。SHUD TVはサムスン電子が主導して開発した「Tizen OS」と、量子ドット(Quantum dots)ディスプレイを搭載した次世代スマートテレビである。サムスン電子の説明によると、SUHDのSはSmart、Stylish、Spectacular(圧倒的な)といった意味が込められている。UHDとはUltra High Definitionの略で、日本で言う4Kや8Kを意味する。

サムスン電子はCES2015で、サムスンが主導して開発したTizen OSを搭載したスマートテレビ「SUHDTV」を公開した

 SUHD TVは、4Kは65型、78型、88型と、ボタン一つで平面ディスプレイになったり曲面ディスプレイになったりするベンダブル105型がある。テレビのデザインも工夫し、映像に集中できるよう縁を最大限薄く、シンプルにしてある。このほか、サムスン電子はSUHD TVの一つとしてメガネなしで3D映像が観られる110型8Kテレビも公開した。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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原発管理会社へのサイバー攻撃で韓国は緊張状態、韓国軍は「サイバー作戦課」を新設 [2014年12月26日]

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 北朝鮮の公式ドメイン「.kp」を使うWebサイトが2014年12月22日の夜から23日午前にかけて、10時間ほどアクセスできなくなる事態が発生した。

 韓国政府は北朝鮮のWebサイトを不法・有害情報サイトに指定し、韓国のIPアドレスからはアクセスできないようにしている。IPを迂回して(韓国以外の国からアクセスしているように見せかけて)接続する方法もある。数年前、好奇心からか北朝鮮サイトを閲覧して会員登録までした韓国人がいたことが発覚し、問題になったこともある。

 しかし、マスコミや研究機関は北朝鮮の動向をモニタリングするために、アクセスできるようにしている。そのマスコミや研究機関でも、22日の夜から23日午前にかけてはアクセスできなくなったのだ。

 韓国と米国メディアは、北朝鮮のWebサイトにアクセスできなくなったのは、米ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)に対するサイバー攻撃事件と関連があると見ている。

 SPEは、北朝鮮のキム・ジョンウン第一書記の暗殺シーンを含んだコメディ映画、「ザ・インタビュー」を12月25日に全米で公開する予定だった。ところが、「Guardians of Peace」と名乗る者がザ・インタビューの公開中止を求めて11月末、SPEに対してサイバー攻撃を仕掛け、封切前の映画ファイルや役員らの電子メール内容などを盗み取り、インターネット上に公開した。

 この事件を捜査している米FBI(米連邦捜査局)は12月19日、「SPEをサイバー攻撃した勢力は北朝鮮政府と関連があると判断するに十分な情報を集めた」と発表した。これを受けて米オバマ大統領は、「北朝鮮をテロ支援国家に再指定するかどうか検討している」「(北朝鮮側のサイバー攻撃に対して)相応の対応をする」と語った。

 その後、冒頭で述べたように、北朝鮮の新聞社や航空会社といった主なサイトにアクセスできなくなる事態が発生した。そのため韓国や米国メディアは、「もしかして米国の政府機関、あるいは米国のハッカーが北朝鮮をサイバー攻撃したのではないか」と推測する報道をした。しかしどちらの場合も、誰が攻撃したのかを明確にするのは難しいそうだ。

 韓国メディアは、「国家間のサイバー攻撃は秘密裏にかなりの頻度で起きているため、北朝鮮の国家機関がSPEをサイバー攻撃し、米国が仕返しに北朝鮮をサイバー攻撃したとしてもおかしくない。国ごとにサイバー攻撃を仕掛けたり防衛したりする組織もある」と報道している。サイバー攻撃は米国や北朝鮮だけの問題ではないのだ。

 米国は2009年、戦略司令部傘下にネットワーク、ソフトウエア、暗号の専門家を集めた「米合衆国サイバー司令部」を設立し、米軍内にあるサイバー部隊の司令塔の役割を担っている。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
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スマートフォンシェアが落ち続けるサムスン電子、2015年の戦略は? [2014年12月19日]

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韓国サムスングル―プは、2014年12月17日よりサムスン電子をはじめとする全系列会社の経営戦略会議を始めると発表した。何よりもサムスン電子のスマートフォンシェアがどんどん落ちている中、世界市場での競争力強化をどうするのかに焦点を当てると見られる。

 リサーチ会社の米ガートナーが発表した2014年7~9月期の世界携帯電話市場動向によると、スマートフォンの販売台数は前年同期比20.3%増の3億100万台に達し、シェア1位はサムスン電子だった(ITproの関連記事:[データは語る]2014年Q3の世界スマホ販売ランキング、上位5社に中国メーカーが3社)。

 ただし、サムスン電子のシェアは2013年7~9月期が32.1%だったのに対し、2014年7~9月期は24.4%に落ち込んだ。サムスン電子のスマートフォンは、世界で最も売れているスマートフォンであることに変わりないが、シェアが減少し、2014年第3四半期の中国市場ではシェア1位の座を中国シャオミ(小米科技)に譲ることになった。

 この1年で躍進したのはシャオミ、ファーウェイといった中国勢である。中国やインドといった新興国で好調なシャオミの世界市場シェアは、2013年7~9月期はわずか1.51%だったのが、2014年7~9月期には5.2%に成長した。サムスン電子が世界市場シェアを守るためには、ハイエンド端末だけでなく新興国向けの低価格端末にも力を入れないといけない。

 ガートナーによると、サムスン電子のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)とスマートフォン両方の販売台数が減少していて、西欧、アジア市場で特に減少しているという。

 米アップルのシェアは増加しており、iPhone 6と同Plusが好調なことから、2014年10~12月期には史上最大の販売台数を記録すると展望している。アップルと中国勢がサムスン電子のシェアを奪い続ける中、サムスン電子もスマートフォンの実績を立て直す戦略を発表している。

 サムスン電子はまず、2015年にリリースするスマートフォンのモデル数を2014年に比べて25~30%ほど減らし、価格競争力を向上させるという。モデル数が多すぎると研究開発費やマーケティング費用、流通費用も相当かかるからだ。モデルを絞り、大量生産で価格競争力を改善する狙いだ。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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韓国で補助金規制の隙間を狙う日中のスマホ、ソニーXperiaがMVNO向けに初登場 [2014年12月15日]

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ソニーの「Xperia Z3 Compact」が、韓国のMVNO(仮想移動体通信事業者)向け端末として登場した。韓国のMVNOがXperiaを販売するのはこれが初めて。韓国の最大手MVNOであるCJハローモバイルは、2014年12月9日よりXperia Z3 Compactを補助金付きで販売している。CJハローモバイルは、韓国の財閥であるCJグループの総合有線放送事業者、CJハロービジョンが運営するMVNOである。

ソニーコリアのWebサイト
Xperia Z3 Compactが韓国MVNO向けに初登場。端末流通法の隙間を狙うプレミアムスマートフォンとして注目されている。

 端末流通法により韓国では、キャリア3社の補助金が規制され、端末価格が実質値上がりしている。こうした状況の中、端末流通法の対象でないMVNOは補助金を増やしてユーザー獲得に乗り出した。

 CJハロービジョンは月々約7000円の料金制度で24カ月間の契約をすると、補助金で端末価格から約3万3000円を割り引き、Xperia Z3 Compactを約2万7000円で購入できるようにした。Xperia Z3 Compactをキャリアの1社であるKTで購入・加入すると、補助金が少ないのでユーザーが負担する端末価格はMVNOよりも高い。

 キャリア3社から加入者を奪うMVNO目玉端末としてXperia Z3 Compactが選ばれた、というわけだ。もっと安い料金制度を選択すると補助金が減るので端末価格が高くなるが、それでもサムスン電子やLGエレクトロニクスのスマートフォンに比べると3分の2程度の価格で手に入る。

 Xperia Z3 CompactはLTE端末である。しかしMVNOは、料金が安い代わりに音声通話とインスタントメッセンジャーアプリしか使わない子供とシニア層が多く加入している。2014年10月時点でMVNO加入件数は430万件を突破し、全携帯電話加入件数の8%を占めているが、このうちLTE加入件数は31万件程度にすぎない。LTEで高速モバイル通信を使いたい人は、通常のキャリアを選択する。

 そのためCJハローモバイルは、Xperia Z3 Compactを先着100台だけ売ることにした。100台の売れ行きを見て台数を追加するという。MVNOもLTEでプレミアムスマートフォンのラインアップを増やすのか、それとも今まで通り激安端末と中古端末中心に低価格で勝負するのか、外国メーカーの端末を増やすのか、サムスン電子・LGエレクトロニクスだけにするのか、こうした戦略はXperia Z3 Compactの売れ行き次第というわけだ。

 ソニーは韓国ではキャリアと組まず、XperiaをSIMフリー端末としてソニーストアで販売していた。韓国でXperiaは防埃防水効果とカメラ機能が優れたプレミアムスマートフォンという位置付けである(関連記事:韓国メーカーより安いのにカメラがすごい! ソニーの「Xperia Z2」イベント)。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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動画を視聴不可に!地上波放送局とYouTubeの駆け引きにいら立つ韓国ネットユーザー [2014年12月5日]

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韓国の地上波放送局は、放送局ごとにYouTubeに公式チャンネルを持つ。歌番組やバラエティー番組のハイライト場面などを、短い動画クリップにしてYouTubeに提供している。韓国内はもちろん、海外からもYouTube経由で韓国のテレビ番組を楽しめるようにしている。

 「好きな歌手のライブ映像だけ観たい」「バラエティ番組の爆笑場面だけ観たい」といった視聴者も多く、高画質の暇つぶしコンテンツとしてMBCとSBSのYouTubeのチャンネルは非常に人気が高い。YouTubeを観て気に入った番組の全編を観たくなったら、放送局のホームページから有料でダウンロードするか有料のビデオオンデマンドを利用できる。

 ところが、韓国の地上波放送局のMBCとSBSは2014年12月1日より、YouTubeに動画クリップを提供しないことにした。正確に言うと、YouTubeの国・地域設定が韓国になっている場合だけ、MBCとSBSのチャンネルに登録された動画クリップを再生できないようにした。MBCとSBSは、韓国のネットユーザーはポータルサイト「NAVER」と「Daum Kakao」から放送局の動画クリップを利用するよう告知している。



YouTubeの国・地域設定を韓国にして地上波放送局のMBCがアップロードした動画クリップを再生しようとすると、12月1日からはYouTubeでは見られないという告知が出るようになった

 その理由は、YouTubeとの広告収入の配分にある。YouTubeの広告収入配分はYouTubeが45%、放送局が55%だ。これに対して放送局側は、コンテンツを提供する放送局がもっと広告収入を得られるようにすべきだとしてYouTubeと交渉した。しかし、その交渉はうまくいかなかった。

 そこに韓国のポータルサイトNAVERとDaum Kakaoが、破格の提案をした。広告収入の配分を放送局90%、ポータルサイト10%にするので、YouTubeではなくNAVERとDaum Kakaoに動画クリップを提供してほしいという提案だ。放送局側はYouTubeではなく、広告収入の配分が大きい両ポータルサイトを選択した。

 ポータルサイトは、地上波放送局の番組動画クリップを確保することで訪問者数が増え、全体の広告収入が増えることを期待する。一方、地上波放送局は一つの動画クリップを海外向けはYouTube、韓国向けはポータルサイトと分けて使うことで、広告収入が増えると期待している。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
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TIMEが2014年ベストイノベーションに選んだ自分撮り用スティック、韓国では取り締まりを強化 [2014年11月28日]

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日本を訪れる韓国人や中国人の観光客が、必ずといっていいほど手に持っているのが自分撮り用のスティックである。スティックの先にスマートフォンをセットし、取っ手にあるボタンを親指で押してシャッターを切る。スティックとスマートフォンは、Bluetooth通信でつながっているものが多い。

 従来は思いっきり腕を伸ばして自分撮りをしていたが、どんなにがんばっても顔だけドアップで、背景がまったく映らないのが悩みだった。三脚を持ち歩くのは重くて不便だし、人に撮ってもらうのもなんだか恥ずかしい。

 そんなときにスティックを使えば、自分がきれいに映る角度やズームを好きなように調整できる。より遠くから自分撮りできるので、誰かに撮ってもらったかのように背景も入り、顔だけ大きく映ることもない。集合写真も楽しくラクに撮れる。

 韓国では自分撮り用スティックを「セルフカメラ棒」、略して「セルカボン」と呼ぶ。ネットショップで検索すると数百件以上の商品が登録されてあり、値段も機能も豊富すぎて選ぶのが大変だ。日本でもAmazonで検索すると、スマホ自撮り棒、セルフィースティックという名前で販売していた。




韓国の大手ショッピングサイト「Gマーケット」で販売されている自分撮り用スティック(セルカボン)

 米TIMEは2014年11月20日、「The 25 Best Inventions of 2014」の一つに、この自分撮り用スティックを選定した。米国ではこのスティックのことを「The Selfie Stick」と言うそうだ。

 SNSが流行ると、欧米でも「Selfie(自分撮り)」が人気となり、自分撮りに必要な道具もヒットしているようだ。SNSに実物よりきれいな自分撮り写真を載せたがるのは、韓国も米国も変わらないのだろう。韓国の方が、自分撮りした写真だけ別人のようにきれいな自分撮り名人が多い気がするが、「自分撮り」を取り巻く市場が拡大していることは世界共通と言える。

 韓国のスマートフォンアクセサリー市場では、裏にクレジットカードを差し込んでおサイフケータイぽっく使えるスマホカバー以来のヒット商品で、中国産も数多く輸入されている。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
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