世界トップ級の環境先進国を目指す,新国家戦略は機能するか?


世界トップ級の環境先進を目指す,新略は機能するか?
from 韓



趙 章恩(チョウ・チャンウン)
ITジャーナリスト


 リーマン・ショックに端を発した世界同時不況が韓国経済に大きな影を落とす中,韓国のエレクトロニクス・メーカー各社は将来に向けた投資として環境対策に力を入れている。


 Samsung Electronics Co., Ltd.は2009年2月,スペインで開催された携帯機器関連の展示会「Mobile World Congress(MWC)2009」で,「環境への配慮」を前面に押し出した携帯電話機「Blue Earth」を初公開した。最大の特徴は,筐体背面に太陽電池パネルを搭載することで,電気が開通していない所でも充電できる点。「いつでもどこでも通話するのに十分な電力を太陽電池で生み出せる」(同社)という。



続きは日経エレクトロニクス(2009年3月9日号)で

<韓国リポート>インターネット映画が熱い!ストリーミングでDVD画質動画は当たり前 (過去記事)

筆者はちょくちょく仕事の合間の一休み、という時インターネットで映画を見る。ポータルサイトや映画サイトでは1本100円前後で比較的新しい映画をストリーミングサービスしている。

 だがこのインターネット映画、安いだけがとりえの(画面は小さく、バッファリングのせいでいいところで必ず中断され、きれいな女優の変な表情の停止画面のまま待たされる)、ブロードバンドでありながら「忍」ターネット映画だったのが事実だ。韓国のネットユーザーたちも「パソコンで映画を楽しもう」と言うよりは、「手軽に見られるだけでいいじゃないの」に近かった。でもこの夏以降、インターネット映画が素晴らしく変身し始めているのだ。


大手ポータルサイトが相次ぎ高画質VODサービスに乗り出す


 大手ポータルサイトは今、高画質VOD(Video On Demand)サービスに本格的に乗りだした。VODは 「注文型ビデオ」という意味で、映画館に直接行かず、オンラインで見たい映画を選び、ネット経由で好きな時間に見られるもの。テレビ局のホームページでもドラマやバラエティー番組の再放送がいつでも同じように見られる。最近デジタルTVとホームシアターが脚光を浴び始め、ポータルサイトも負けまいと相次いで各種動画を途切れることなく、DVDレベルのきれいな画質で提供しており、ネット映画の利用者数増加とともに月間売り上げも平均 2倍以上増加する等、新しい収益モデルとして立ち上がっている。


「パソコンで映画を見るなんていらいらするだけ」と思っていた映画マニアのユーザーたちも、高画質ならばと、クリックする回数が増えている。掲示板の感想欄には「これぐらいならお金を出してもいい」、「まだ十分満足とまではいかないが、すごくよくなった」と評価している。


 現在高画質 VOD サービスをネットで提供しているサイトは、ヤフーコリア、コリアドットコム、ハナロドリーム等ほとんど全ての大手ポータルサイトだ。有料だが無料体験できる映画もちゃんと用意してある。KT(旧韓国通信)は子会社である KTHとともに10月よりサイバーアパートを対象にホームVODサービスを始める。これはKTとMS(マイクロソフト)の提携によりMSが進めて来た「eHOME」プロジェクトの前身にあたるもので、世界で初めて「Windows Media Player9」が適用されるサービスでもある。ハリウッドのメジャーな映画社とコンテンツ提供のための提携を進めており、今後KTが運営するポータルサイトでも同じコンテンツを流す予定だ。







ハナロドリームの高画質映画配信サイト


 高画質映画館を 5月より運営しているコリアドットコム(http://vod.korea.com/)の場合、映画 53編、アダルト映画(あのアダルトではなく、あくまでも大人用の映画) 34編、アニメーション 26編を取りそろえている。映画1本、24時間何度も見られて70~130円。今までのネット映画(50~100円)より若干高いが、ユーザー達の反応は爆発的だ。まだコンテンツがそんなに多くないというのに、月間 700万~800万円の売り上げを記録している。1300編程の映画を取りそろえた既存のネット映画サイトの月間売り上げが1200万円程度なので、映画1本あたりの売り上げがかなり出る計算になる。


 ヤフーコリアが 8月からお披露目している、その名も分かりやすい「高画質館」(http://yahoo.cineyes.com/)も、利用者数が既存映画サービスの時より 50% 以上増え、月間売り上げも 2倍以上に成長した。 ヤフーはコミック、アクション、ドラマ、アダルトなど 5つのカテゴリーに60編ぐらいの映画を 1本当たり100~200円でサービスしている。


 このような大手ポータルサイトやネット映画専用サイトを相手に、ソリューションやコンテンツを提供する専門企業も増えている。 ウェッブデ一タバンク(http://www.wdb.co.kr/)が最近オープンした「シネイエス」(http://www.cineyes.com)では、3500編以上の映画を保有しており、現在 100編程の映画をDVD画質で上映中している。1本当たり100~150円。ヤフーコリアはここと技術提携し「高画質館」を運営している。


 セホ情報通信は「VODセンター」(http://www.vodcenter.co.kr)という独立したサイトを運営しながら、映画、アニメーション、バラエティー、文化、テレビ番組、ミュージックビデオ等いろんな動画コンテンツをデパートのように用意し、ポータルサイトを対象にコンテンツの貸し出しをしている。現在韓国最大ポータルサイトである「ダウム」、「ネイバー」にコンテンツを提供している。







ダウムの高画質映画配信サイト


高画質動画サービスを支えるDivXとCDN


 このような高画質インターネット動画サービスの登場は、ネットワークと動画圧縮技術の発展のおかげである。DVD画質に準するMPEG4基盤デジタル圧縮技術「DivX」と、大容量動画コンテンツの安定的な送信を保障する「コンテンツ送信ネットワーク(CDN)」がその主人公。「DivX」は容量を大幅に減らしてくれながらも画質損傷は最小化にとどめることで、リアルタイム送信であるストリーミングサービスでも、DVDのような高画質を維持できるようにしてくれる。特に 「CDN」はインターネット網接続サービスを提供する主なISPにキャッシュサーバーを置き、ここにインターネット映画館が保有している動画コンテンツを分散保存し、振り分けて利用者に送ることで、データ送信の渋滞を画期的に改善したものだ。


 既存の動画データ伝送速度は300-500Kbps(秒当たり50万個のデータ送信)なのに比べ、高画質VOD サービスは 20倍も早い1Mbpsに達する。このデータがブロードバンド網を通じて加入者の PCにたどり着き、動画として再現されるのだ。既存の動画は画面の大きさもまともに見るには手のひらの半分が精一杯だったが、高画質動画はモニターにフル画面で表示してもむらなく楽しむことができる。


 高画質VODサービスを利用するためには、ぺンティアムⅢ、128MBメモリー、16MBグラフィックメモリーレベルのパソコンにADSLやCATV回線レベルのブロードバンドも必要。これぐらいの仕様でないと途切れやすいので、高画質の意味がないのが残念。


 韓国ではもちろん映画館もあればレンタルビデオ店もたくさんあり、ビデオの方がネットより3週程先に登場するので、ネット映画がはやっているからと言って客が物凄く減るなんてことはない。映画館でも新作を3編まとめて見られるオールナイト上映が大人気で、大型PCバンと手を結び24時間繁盛している。ポータルサイトたちは激しいVOD競争の中、KHTは映画会社と契約を結び、映画館の後ビデオではなく自社のサイトに先に載せる方策を打診している。KHTは、「インターネットに先に登場することにより広告効果が上がるので、レンタルビデオ店も喜ぶだろう」と言っているが、韓国はとにかく何でも「まずやってみよう!」主義なので、もうすぐそうなる可能性が高い。


 この間 SF映画、スターウォーズシリーズの最新作「クローンの襲撃」が封切り前からインターネットファイル共有サイト経由で広がり、問題になったことがあった。新作のブロックバスター映画のファイルが封切り前にネットで流れるようなことは、インターネットの登場以来、全世界的規模で日常茶飯事的な事件だが、今回の場合は深刻だった。映画館で隠し撮りしたようなチープな画像ではなく、モニターにフル画像にしても全く遜色のないきれいなDVD画質で、ストリーミングでありながら途切れることもなかった。これを見た製作者のジョージルーカスでさえ驚きを隠せなかったという噂もネットで流れた。これからはやっぱり「ネットで映画を楽しむ」べきなのかも知れない。


 このようにインターネットを利用した高画質映画サービスが続々と登場することにより、インターネットで動画を見せる商売であるインターネット教育サイトやテレビ局のドラマ再放送サービスも影響を受けている。ネットスポーツ生中継や、選挙、教育系動画の品質もどんどんアップグレードされるだろう。


 情報通信部も公共機関が利用する超高速情報通信網(ATM網)の品質を大幅に引き上げるという計画を立ており、ブロードバンド普及だけでなくインターネット高画質動画サービスでも韓国が世界をリードして行くだろうと期待される。


by- 趙 章恩


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<韓国リポート>ブロードバンド先進国の悩み(下) 陽気で礼儀正しいインターネット中毒者達 (過去記事)

インターネット中毒、というと青白い顔に、暗く引きこもりがちな性格を思い浮かべる人が多いと思う。だが最近、韓国のインターネット中毒者達はとにかく明るいのが特徴だ。OFF状態ではごく普通の学生だったり、物静かな会社員だったりする人達が、ONになった途端ハイテンションで個人の意見を強く主張しながらもネチケットを守り、顔の見えない相手のこともちゃんと尊重する、選挙は面倒くさくてしないが政治に詳しく好き嫌いがはっきりしていて、テキストよりは画像を好み意思疎通も簡単明瞭、敵を攻撃する時はハッキングはせず、面白い合成写真を作りネットにばらまき精神的な被害を与える……。このような新しいネティズン集団を韓国では (A HEH HEH) と呼んでいる。 達は自らを「廃人」と呼んでいるが、オフ会に参加した人によるとスーツ姿のサラリーマンが多くてびっくりしたそうだ。

■どんどん意味が広がった


 、この単語はハングルの組み合わせではあり得ない、間違った意味のない言葉になる。韓国人でさえこれをどう読めばいいのか分からないが、笑い声のようだと答える人がほとんどだ。 はデジカメ情報サイトである、DCINSIDEのサイトから始まった新造語だ。このサイトにはユーザーが自分のデジカメで撮った画像を載せられる「ユーザーギャラリー」があるが、ここから  という単語が誕生した。あるユーザーが間違って  と打ったのを他のユーザー達も面白がって使い始め、瞬く間にネットの世界へ広まった。 の使い方は何か返事をしてあげるべきだけと特に言いたいことがない場合、「^^」ぐらいの意味で使われていたが、どんどん意味が広がり、ついにどんな時でも  としか言わなくなったユーザーが激増している。 文字入りのTシャツも大人気で、ワールドカップの赤いTシャツに「BE THE REDS」ではなく、 とプリントされたのをネットで売っている。 


 DCINSIDEのユーザーギャラリーは色々なカテゴリーに分けられていて、その中で一番人気なのが「猟奇」と「合成」だ。(猟奇という言葉は韓国では2000年以降、面白い、斬新、びっくり、という肯定的な意味で使われている。これもネットが生み出した現象。  は猟奇のような意味合いでも使われている。)合成写真はここに集められている。








 


デジカメに凝ったユーザーが普通の画像では満足できず、小便禁止と書いてハサミも描いてある面白い看板を撮ってみたり、自分でコスプレして撮ってみたり、女の人の銅像を抱いて幸せな顔をした演出写真を撮ってみたり、色んなことをやっているうちに合成写真の面白さに目が覚めてしまったのがここの猟奇コーナーの始まりだ。DCINSIDEは他の韓国のウェップサイトとは違い、とにかく写真が好きな人が集まるので、どんな画像を載せてもまじめにコメントしてくれることが多かった。写真に関心のある分、画像に関するあらゆるソフトウェア-を操れる人も多く、一人二人画像に手を加えどんどん新しいものを載せ反応を伺っているうち、猟奇な画像がどんどん増えてきた。


■あやふやな特徴


 ここで芸能人、政治家、映画のポスターに混じって登場回数が多いのが、SMAPのメンバーで韓国でも歌手デビューした「チョナンガン」だった。


 韓国の映画やスターウォーズのポスターにチョナンガンの顔を合成させたり、チョナンガン・ファミリーを作ったり、 達は愛情を込めてチョナンガンを登場させていた。何を言いたいのかよく分からない愛の歌を歌う、真っ赤な頬のやせた男、チョナンガン程韓国でいう猟奇の意味にぴったりな存在はない。 達が狂喜するのも無理はない。


 ポータルサイトDAUMの  特集でも、 のキーワードとしてチョナンガンを取り上げていた。少なくない歳、アイドル、赤いほっぺた、日本人、韓国を愛してる、このように似合わない組み合わせを全て揃えた、ビビンバッ(韓国の混ぜご飯)のようなチョナンガンから漂うあやふやなイメージ、男なのか女なのか、日本なのか韓国なのか、ボーダーラインのない奇妙な魅力が  達に楽しみを与えているのではないだろうか。


  の特徴もこのあやふやなところにある。前のPC通信世代とは違い論争を嫌う。意味のない  のような言葉で掲示板を埋め尽くし、それで終わる。何を意味するのか分からない単語をどんどん作り出す。だが政治や社会的問題にも興味がないわけではなく、合成写真で論評する。


  達がチョナンガンに好感を持つのは、日本の漫画を見て育ち、日本の電化製品も大好き、でも日本は韓国を植民地支配し悲しい歴史を残した国、どう接したらいいのか分からないとういう韓国の若い世代なら誰もが抱える悩みを、「サラウルへヨ~(愛をしてる)」と文法が合ってないような歌を歌いながら登場したチョナンガンほど、好き嫌い論争を飛び越え日本は日本、チョナンガンはチョナンガン、 は 、とあやふやにしてしまう存在もないからだと思う。


■どんどん広がるインターネット中毒の輪


 日本だと合成写真は名誉毀損、肖像権侵害にあたるとして絶対許さないだろう。だが韓国では、悪意のこもった明白な名誉毀損と判断しにくい合成写真がほとんどなので、取り締まる場合、韓国全土が熱くなるだろう。走る政府の上に飛ぶ「ネティズン」と言われている。P2P音楽ファイル共有サイト「ソリバダ」の閉鎖が決まった途端、猛烈な反対運動と共に、止めるどころか外国にサーバーのある他のP2Pサイトにそっくり移ってしまった。「情報の海」を法律で取り締まり、「ネティズン」を刺激するより徐々に有料化やコピー防止をするべきという意見と、取り締まらない限りなくならないという意見が激しくぶつかっている。


 インターネット中毒までいかなくても、ネット利用時間がどんどん増えるに連れ韓国の「ネティズン」、インターネットユーザーは新しいパワー集団として韓国はもちろん全世界を驚かせている。ハッキングではなく、何百万人ものネティズンが同時接続したり、抗議のメールを送ったりすることで意思を表す。インターネット文化を作り出し、支配する主体として、韓国のネティズンは誰一人例外ではないのだ。創造的で他人を楽しませる、絶対引き込まない愉快なインターネット中毒の輪はどんどん広がっている。  の次はどんな「廃人」達が出番を待っているのか、インターネットは奥が深い。






[関連サイト]
http://www.ahehheh.com/

DCINSIDE http://www.dcinside.co.kr/


ユーザーギャラリー http://www.dcinside.com/gallery/usergallery.htm マシマロ(うさぎ)の人形のあるメニューが猟奇、その下が合成。




by- 趙 章恩


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<韓国リポート>ブロードバンド先進国の悩み(上)-家庭でも会社でもインターネット中毒が問題 (過去記事)

韓国のIT業界は日本のモバイル市場を大変羨ましがる。韓国では携帯やモバイルのインターネットユーザーがなかなか伸びない。携帯では電話かそれより安いショートメッセージサービス(SMS)だけを使い、メールやインターネットはそこら中にある無料PCで済ましてしまうからだ。明洞から江南あたりまで人が集まるところには必ず、ハナロ通信やKT、移動通信会社やポータルサイトが運営するプロモーションセンターがあり、無料でインターネット検索はもちろん、映画、ゲーム等のコンテンツも楽しめる。空港から市内どこでも置いてある、モニター付きの公衆電話「IP電話」も10円で5分間、タッチパネルのモニターを利用しインターネットが使え、機種によってはプリンター機能もついており、この上なく便利だ。

■「PCがないといらいらする」が66%


 無線LAN付きのモバイルパソコンを持ち歩いたり、携帯等でわざわざ自分のお金を出してネットを使う必要がない。インターネットに関してはとことん太っ腹なのが、韓国だ。もちろん家庭でもPCとインターネット機能だけは惜しまない。


 韓国統計庁が7月末発表した「2002情報化実態」によると、2002年PC保有世帯比率は60.1%、2台以上保有世帯は5.2%だった。PC利用者は63.0%、前年比4.3%増加した。高速インターネット利用率も76.6%と前年比3倍以上跳ね上がった。だが、実際肌で感じる韓国のPC、高速インターネット利用率はこの程度ではない。子供のいるほとんどの家庭が子供用と親用に2台購入するし、もちろんADSL等の高速通信だ。サイバーアパートでなくても、電話1本で翌日には設置完了。迷う理由がない。会社でも、学校でも、家でも、道端でも気が付けば、だらだらとネットにつながりっぱなしの人が自然と多くなった。この手軽さが韓国の全世代をインターネット中毒に追い込んでいるのかも知れない。








 


三星電子が自社の消費者モニターである「PC品質評価団」を対象に調査した結果、1世帯平均2台のPCを保有し、4分の1以上が一日10時間以上PCを使用していると答えた。また57%がPCを長時間使用することで家族ともめたことがあると答え、63%がPCを使い始め体が弱くなった、66%がPCがないといらいらする、9%以上が自らPCやインターネット中毒と答えた。


 10時間以上も何をやっているのかといえば、10~20代の学生はネットワークゲーム、社会人はメッセンジャーでチャットをしたり、ファイルを交換したり、株の取引をしたり、正直に言って勉強や業務とはあまり関係ないことのためにPCやインターネットを使っているのが事実だ。


■ついに出た「メッセンジャー使用禁止令」


 韓国の企業は今まで社内でのプライベート用のメールやインターネット利用に寛大だった。IT企業では、インセンティブ制度やアイデア提案等を重視していたので、それがいつかは業務につながるだろうと見ていたからだ。でも今は「度を越えた」との意見が多い。IT企業の管理職ほとんどが、「社内インターネット利用の80%が業務と関係ないことに使われていると把握しているが、何度注意しても全く聞かないので、何らかの処置を取るしかない」と嘆いている。社員達がメッセンジャーで頻繁に映画等のファイル交換をやっていたせいでサーバーに負荷がかかり、問題になったという話しは、もうどこの会社も経験済みのトラブルだ。












 また面白いことに、オンラインショッピングモールは月曜日が一番忙しいという。インターパーク、ロッテ、三星の大手3社が発表した資料によると、全体の売上げの約四分の一が月曜に発生する。その理由を、週末デパートやディスカウントショップで実物を見て、月曜日自由にインターネットが使える会社で値段を比べネットで注文をするから、と業界は見ている。


 大手企業ではついに、業務と関係のない株取引やメッセンジャー、チャットを長時間利用した場合、その名簿を公開すると警告したり、「メッセンジャー使用禁止令」、「メール抜き打ち検査」、「模擬ハッキングで保安状態を検査」する等の手を使い始めた。インターネット利用者が増え、オンラインショッピングやコンテンツの有料利用者率も増えているが、それを全部会社で、勤務時間中にやっている人も増えているから困る。


 このような症状を起こさないため、子供の時からPCの使い方だけでまく、道具として上手く使う方法を教育させるべきとの意見も多い。そのせいかこの夏休みには、ソウル警察庁や心理相談室、マスコミが一体となり、小学生を対象とした「インターネット中毒予防&ネチケット教室」、中高校生を対象とした「インターネット中毒治療キャンプ」を開催している。


by- 趙 章恩


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著作権法違反をネタにした「謝罪金請求」が多発、告訴爆弾に歯止めをかけろ!

この頃、著作権保持者と法律事務所が手を結び、ブログやカフェ(同好会サイト)などに音楽ファイルを掲載したネットユーザーを手当たりしだい告訴している。有料で購入した音楽ファイルであっても、ブログのBGM用に販売されているファイル以外の音楽ファイルを添付したり、リンクしたりしていると告訴の対象になる。ちょっとしたことでもすぐ告訴されてしまうので、社会問題にまでなっている。

 作品を批評するため漫画の半ページ分を掲載したのに、ある法律事務所から著作権違反で告訴されたユーザーは、100万ウォンの謝罪金を払わないと告訴は取り下げられといわれ、漫画の作者に事情を説明して告訴を取り下げてもらったという。


 権利を委任されているとはいえ、このケースのように、作者ですらあっさり取り下げに合意するような著作権法違反告訴を法律事務所が実行しているのは、著作権法を守らせるためというより「謝罪金ビジネス」に過ぎないとの批判の声が上がっている。謝罪金をたくさん集めるほど法律事務所がもらえる手数料も増えるからだ。


 すでに、未成年に対する高額な「謝罪金」請求は看過できない状況だ。著作権とは直接の関係はないが、2009年1月には、オンラインゲームをしながらチャットで相手に悪口を言ったとして高校生が告訴された。悪口を言った相手のゲーマーが弁護士だったのだ。この弁護士は高校生を相手に罰金100万ウォン(約6万5000円)と謝罪金として2000万ウォン(約130万円)ほどを要求する損害賠償訴訟を起こした。高校生は裁判に出席した後、貧しい家計で苦労するお母さんに謝罪金まで払ってもらえないと悩んだ末に自殺した。


 2007年11月には著作権法違反で警察への出頭要求を受けた高校生が、貧しくて謝罪金を払えないと悩み、飛び降り自殺をした。


 チャットで人を中傷することは確かに「悪いこと」だし、著作権法を違反してもいいということではない。しかし、法を盾に、著作権法の過度な適用、そしてそれに基づく謝罪金請求によって、貧しい学生たちが自殺を選択するとは悲しいことである。あたかも、謝罪金ビジネスが未成年者を殺しているようにも捉えられる。

ポータルサイトの知識検索(ユーザー同士で質問と答えを書き込む検索)には小学生までも告訴され、保護者に謝罪金を払えと要求しているという。謝罪金の相場も小学生30万ウォン、中学生50万ウォン、高校生60万ウォン、大学生80万ウォン、社会人100万ウォンと決まっているほどで、著作権とは何か、どんなことをすると法律違反になるのかを説明するより、お金さえ払えば告訴しないという態度では、著作権を侵すような行為も見つかりさえしなければいいという認識を植えつけるのではないかという点も心配だ。


 一般市民が投稿するブロガーニュースには小学生の子供がP2Pでダウンロードした小説を他のP2Pサイトに載せてしまい、著作権法違反で出頭要求を受け取ったという主婦の体験記が投稿された。


 「警察から電話があり、ある法律事務所がうちの子供を著作権法違反で告訴したので、和解した方がいいのではないか言われた。告訴を取り下げてもらわないと子供が学校にも行けず警察で調査を受け、裁判所にも出席しないといけないという。警察は小学生なので謝罪金はないだろうと話していたが、法律事務所はうちの謝罪金は小学生であっても70万ウォンだと繰り返すばかり。子供が警察に裁判所に連れまわされ、一生忘れられない恐怖を感じるより謝罪金を払った方がマシだと思った。子供のためには何でもしてしまう親の立場を利用して謝罪金をかき集めている」と憤慨していた。


 警察のサイバー捜査隊の説明によると、著作権法違反で告訴されるネットユーザーのほとんどが未成年者だという。未成年者なので保護者に出頭要求書が届けられるが、子供を守るためほとんどのケースで親が30万~80万ウォンの謝罪金を払って和解する。未成年者に著作権法とは何かを教育し、再発を防止するより、警告もなく謝罪金さえ払えば罪がなくなるとする法律事務所のビジネスには問題があるのではないだろうか。


 著作権を担当する省庁の文化観光体育部と法務部は、著作権とは何かを解説するキャンペーン「Let’s Clean UP!」を開始し、違法ファイルを掲載できないようP2Pやポータルサイトに対する取り締まりも強化している。未成年者が著作権法を初めて違反した際には起訴する代わりに8時間関連教育を受けさせ処罰を免除する「教育条件付起訴猶予制度」を2008年8月にソウル地域に限定して導入。現在は、この制度を全国へ展開すべく、推進している。


 間違いだとは知らず、好きな漫画だから、好きな音楽だからみんなに教えてあげたいとファイルを載せる子供は少なからずいる。未成年者への無差別的な告訴を防止するためにも起訴猶予制は必要だ。


 ポータルサイト側も違法ファイルを摘発して削除するモニタリングを強化している。自主的に表現の自由は最大限保護し、一方でユーザーも自分がしていることに責任を持ってもらうため、「韓国インターネット自律政策機構」も設立した。


 未成年者だから著作権法を違反してもいいということではない。しかし無差別告訴は法律を利用したお金儲けに過ぎない。処罰よりは再発防止を目的にした著作権保護が望ましいのではないだろうか。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年3月6日

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090306/1012908/

韓国で全国軍中隊に有料PCバン設置(2006年6月26日 掲載)

PC5万台、サ1600台と最大規模


  


 


【ソウル】韓人男性なら必ず経験しなくてはならない兵期間中にも、社との絶がないよう全の中隊に有料のPCバン(インタネットカフェ)をオプンし、メルのやりとりや語各種資格証取得のためのeラニングが受けられるようになった。またポタルサイトDAUMに部隊別コミュニティもつくられ軍生活も公開される。


 有料PCバン事業は、防政策の先進兵文化改善作業として軍人共済会DACOMがそれぞれ事業者と基幹通信事業者に選定された。


 


 防部は軍PCバンである「サイバ知識情報バン」のため今年から2008年までに、3062か所にPCバンを設置し、PC5万1125台、サ 1600台を注する予定だ。PCバン事業は防部、育人的資源部など11の中央省が支援する軍の人的資源開発総合事業の一環として進められている。


 


 納品業者に選定されれば、市場シェアを一に高められることは間違いない。第1回目の納品として、PC4万台は02年に倒産した財閥系のデウ電子のモニタ事業部だった「デウルコムズ」が、サは「韓IBM」が選定された。1件の契約でこれだけの規模を納品するのは韓でも初めてのことだ。PCバンにはインタネット電話も1万3810台設置される。


 


 陸軍係者は「入隊兵士の96%以上がインタネット世代のため、入隊後経験する最も難しいのがまさに社との絶感」とし、「家族、友達と自由な意思疎通が可能なサイバ空間を公式につくるということに意味がある」と話している。


 


 防部は04年7月、75の部隊でPCバンを実験した結果、ネットを短い時間でも利用できるだけで新兵たちの部隊生活適の助けになり、休暇中の兵にも告知事項を提供できるため、指揮官を中心にした意思疎通も活になっていることが明らかになった。


 


 しかし、PCバン事業は運用予算が過多になることや設置環境などの問題により、05年3月から事業を防部から民間主導の民間資本投資事業に換した。インタネット網とPC部門は昨年9月に1600億ウォン規模の民間投資方式に代え、事業施行者が施設設置後10年間、運管理しながら資金を回する方式だ。電施設と電代、インタネット回線料金は防部が負担するが、民間事業者の益のため軍のPCバンは無料から有料にわったことが問題となっている。


 


 防部はこのほかにも情報通信部と協力し、RFID、テレマティックス、遠隔診療、知能型ロボットなどを導入する計で、08年まで家通信網高度化のために4000億ウォン、11年までに24のIT力課題推進のため8000億ウォンの予算を執行すると表した。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2006年6月26日 vol.1143 載]  Link


 


 

韓国 Windows98サポート中止で、国家がユーザー保護を担う(2006年6月26日 掲載)


XPのアップグレ動も


 


 


 


【ソウル】マイクロソフト(MS)は今年7月から、Windows98のセキュリティパッチを含むすべてのサポトをすると表した(5月18日Vol.1136で報)。この措置を受けて韓では、家情報院の家サイバ安全センタNCSC)がユ保護のためその役割を担することになった。


 


 NCSCは今年5月に「Windows98セキュリティガイドライン」を表したのにき、6月14日からはWindows98用のセキュリティ脆弱点自動点ル「Win98 PC checker」をネット上で配布している。


 


 このプログラムはパソコン初心者でも簡に活用できるよう項目ごとにセキュリティ設定方法を明したセキュリティガイドラインが含まれている。またWindows98の21の脆弱項目を自動点し、9つの重要脆弱点は自動削除する。


 


 NCSC側はWindows98ユに自分のPC環境を安全に守るためには今回配布された「Win98 PC checker」でセキュリティ設定をもう一度確認し、セキュリティ脆弱点を確かめなければならないと注意している。


 


 MSがテクニカルサポトを中する製品はWindows98、98SE、Meの3種。中に伴い、新しいコンピュタウイルスからOSを守るために供給されるセキュリティパッチサビスもこれ以上提供されなくなってしまう。


 


 NCSCによると韓のパソコンの20%以上(約350万台)がWindows98を使っているため、7月1日からサポトが中されるとハッキングやウイルス感染などサイバテロの被害が後を絶たないのではないかと懸念する。


 


 もちろんWindowsXPやリナックスのような他のOSを使えばいい。しかし韓の政府機MS依存度が高く、Windows98に限らずWindowsの他のバジョンについてもサポトが中されるようなことがあれば、家的なぎになることは間違いない。


 


 MSはさらにWindowsXPのSP1も10月からサポトを中すると表、SP2へのアップグレ動も起きている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2006年6月26日 vol.1143 載]  Link 


 

大統領の一言で着手?韓国版ニンテンドーDS Liteを作れ!

2008年末から韓国のIT業界では「韓国版ニンテンドーDS Lite」が台風の目になっている。大統領が非常経済対策会議で「オンラインゲームは韓国がうまくやっているが、ソフトウエアやハードウエアが一緒に開発されたクリエイティブな製品はソニー、ニンテンドーが先を走っているのが現実だ。

 ニンテンドーのゲーム機を小学生達がよく持っているが、我々は何でこういうのを開発できないのか」と話したことをきっかけに、韓国のゲーム、ソフトウエアをはじめ、IT業界が早速「ゲーム機開発」を目標に大騒ぎしている。ブロガーも巻き込んで「この際にオンラインゲームばかり開発しないでゲーム機にも力を入れてみてはどうか」という意見と、「韓国にニンテンドーDS Liteなんて作れるはずがない」という意見がぶつかり論争を巻き起こしている。


 ニンテンドーDS Liteは2007年1月から韓国で正式に販売され、オンラインゲーム一色の韓国で200万台以上も売れた。韓国ではこの不景気の中、ゲーム機が好調で記録的な売上を達成したニンテンドーを見習えと、マスコミも政府も熱心に取材し、ニンテンドーの関係者を招いて講演会を開いたりもしている。


 しかし、韓国の悪いくせは結果しか目に入らないこと。ニンテンドーがどうやってゲーム機を販売するようになったのか、DS Liteがヒットするまでどれだけ苦労したのかといった話には興味がない。韓国の企業だってニンテンドーのように売れるゲーム機を作れるはずという過剰な自信ばかり渦巻いている。

韓国のゲーム企業だってニンテンドーのように成功したい。でもなかなかできない。ゲーム機より大事なのはゲームソフトだからだ。韓国は日本より違法コピーの取り締まりに甘いし、ソフトウエア業界の給与水準は安すぎる。売れるゲームソフトの裏には漫画やアニメやキャラクターといった色んなコンテンツとそれを楽しむ文化、生活環境などが混ざり合っている。韓国のように表現の自由もなく、漫画・アニメ・ゲームは子供の敵と考える国で、アジアでヒットしたオンラインゲームが生まれたことだけでも奇跡に近い。ニンテンドーDS Liteのような世界で売れるゲーム機は作れるかもしれないが、売れるソフトを作るのは大変なことだ。そこへ大統領の「何で日本にはできて韓国にはできないの?」という発言は、IT業界を苛立たせた。


 韓国政府は「韓国版ニンテンドーDS Lite」を作るための支援策をいくつか発表した。しかし韓国の問題は政府の支援が多すぎることかもしれない。ソフトやコンテンツをじっくり時間をかけて作り上げる会社は少なく、政府からお金がもらえそうなコンテンツばかり手を出し、支援が切れると廃業してしまう会社が目立つということが「韓国版ニンテンドーDS Lite」が生まれない原因ではないだろうか。


 今回もご多分に漏れず、大統領の発言に対して、韓国のゲーム業界は「政府の支援がないからゲーム機が作れない」と反発した。おかしな話だ。日本のニンテンドーは日本の政府が支援したから成長したわけではない。なのに韓国のIT業界は新しいことをやるとなるとすぐ「政府の支援がないからできない」、「政府が投資してくれないから困る」と騒ぎ出す。自分の力でできることをこつこつやるという計画を持っている企業ならば、大統領の一言に過敏に反応して怒ったり、忠誠を示すために無理なことに手を出したりもしないだろう。


 今回の騒動で気になったのは、韓国版ニンテンドーDS Liteを開発できる技術力のあるなしではなく、韓国企業の意気込みというか、情熱と信念を持って自分の力で突き進む企業は本当に少ないということ。今のところまだ競争力のあるオンラインゲームでさえ中国や台湾の追跡で危ないというのに、「韓国版ニンテンドーDS Lite」に気をとられてどっちも逃してしまわないといいのだが。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年2月25日

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090225/1012592/

<韓国リポート>PCバンとPS2、仲良く同居でシナジー効果大(下) (過去記事)

メガウェップステーションはソウル市内で一番ホットな場所である三成洞COEX地下モールにある。約3600㎡、1日平均8000人が訪れる大人気スポットで、映画館、移動通信社の会員専用ネットカフェ、PCバンが一つになった複合施設だ。派手なインテリア、タバコの煙の無いきれいな空気、カップル席、会場貸し出し、ネットワークゲーム対戦生中継のためのスタジオ、新ゲームテストプレイ・ショールーム等、韓国を代表する「ゲーム」の最新基地的な役割をしている。ここのスタジオで繰り広げられる有名ゲーマーの対戦は毎週「オンネットゲーム」というゲーム専用インターネット放送局で中継され、当日は足の踏み場がないほど若者が集まる。







オンラインゲーム生中継に使われるスタジオ


デジタルテーマパーク目指す


 メガウェップはデジタルテーマパークを目指し上海にPCバン支店を持ち、2003年には東京にもオープンする予定。PCバン業界のリーダー「メガウェップ」は今年生き残りをかけて大変身した。PCバンスペースの3分の1はKT広報館(韓国通信)に、また3分の1はPS2ショールームとして貸し出し、PCバンの機能は縮小した。メガウェップの中にオープンしたこのPS2ショールームはこの秋オープンしたばかり、韓国初のゲームショールムだ。








メガウェップステーションの中にあるPS2ショールーム、いつも満員
 韓国には元々「TVゲーム機」というのは存在しない。80年代からゲームはパソコンでするものか、ゲームセンターのアーケードゲームか、そのどっちかだった。パソコンを買う理由もゲーム、インターネット、TV、ラジオと色々な機能が使えるからだ。新婚家庭ではTVやビデオといった家電よりはパソコンとADSLをどこのものにしようかをもっと悩む。思い切ってAV系の家電はパソコンだけにしてしまう家庭も(筆者のように)珍しくない。PCバンはインターネットよりはネットワークゲームのための場所だった。


 韓国で正式販売されたPS2がその人気に比べ売れ行きはあまり芳しくないらしい。すでにゲーム好きな人たちは日本での発売と同時にソウルの龍山(ヨンサン)電気街で個人輸入された物を買ってしまっているからだ。他のゲーム機も同じような状況だ。メガウェップはPS2の楽しさを知ってもらうため、無料で色んなソフトを直接試せてその場で買える「プレイステーション・バン」なるものを考え、ソニーにアプローチしたという。


 韓国のPCバンの文化は日本のインターネットカフェや漫画喫茶とは全然違う。始発待ちや仕事のためではなく、本当にゲームを楽しんだり、友達とのコミュニケーション、外の世界とのコミュニケーションのために行く。PCバンとオンラインゲームが切っても切れない関係なのは日本でもよく知られている。でもゲーマーたちは消耗的にPCバン通いをしているわけではないのだ。ゲームを楽しむだけでなく、ゲーム機能や素材を提案したり、バグやエラーを探し出したり、消費者でありながら生産もするプロシューマー(Prosumer)になっている。


PCバンで人気高まるPS2


 PCバンはゲームプロシューマーのたまり場、自然と集まる場所になり始めた。そこに入り込み始めたのがPS2ということになる。韓国ではだめ、と言われたコンソールゲーム、特にPS2がPCバン化しながらゲーマーとの距離が縮まっている。PCバン化することで、98年PCバンブーム、ADSLブームを起こしたPCゲームのような存在になろうとしている。


 COEX1階太平洋ホールで12月12日~15日、韓国唯一のゲームショー「大韓民国ゲーム大展2002」 (KoreaAmuseWorldGameExpo2002、以下KAMEX)が「ダイナミック・コリア!ワンダフル・ゲーム!」をモットーに開かれた。


 世界3大ゲーム市場、米国のE3、日本の東京ゲームショウ、イギリスのECTSと共に世界4大ゲームショーとの広報にもかかわらず、PS2やXBOXのようなコンソールゲームは参加しなかった。主催側の韓国ゲーム製作協会は「PS2は参加すると言っていたのに、最後の最後で突然ショールームを理由に不参加発表した」と不満そうだった。


 PS2側はKAMEX開催中、先着順にカレンダーを配ったり、抽選で記念品をあげたりと、展示は参加しないものの、その観客を確実に吸い寄せていた。何もしなくても人の多いメガウェップの中がKAMEX帰りのPS2観客でごった返し、KAMEXより込んでいたのは言うまでも無い。


 どんなに個人のIT化が進み家庭で色んなコンテンツが楽しめても、誰かと一緒が好きな韓国人の性格が変わらない限り、まだまだPCバンは健在だろう。オンラインゲームからPS2のようなTVゲーム(コンソールゲーム)へとすぐ流れが変わるとは思えないが、大衆文化開放と共に韓国ゲーム文化の産室PCバンは、2003年日本のゲームにその場を譲ろうとしている。PCバンの再起とPS2の市場拡大を目指すメガウェップには、今日もゲーマーたちでごった返している。

by- 趙 章恩


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<韓国リポート>PCバンとPS2、仲良く同居でシナジー効果大(上) (過去記事)

韓国の街並みを象徴するもの、それは「PCバン」ではないだろうか。街の至る所にPCバンの看板が目立ち、ど田舎の駅前にもコンビニは無くても必ずあったのが「PCバン」だった。つい先日もPCバンで3日も眠らずオンラインゲームに没頭した無職の20代青年が過労で亡くなった。99~2000年あたりならみんな他人事ではないと一騒ぎなっただろうが、今は、「まだそんな人がいたのか、珍しい」に変わっている。

PCバンブーム 


 PCバンはインターネットカフェとも言える場所で、「バン」は「房」、韓国語で部屋を意味する。PCがたくさん並び、超高速インターネットを利用しオンラインゲームや多様なコンテンツを楽しめる部屋と言える。韓国で生まれ、日本、中国、米国、東南アジア等、全世界に広がっている。








ゲームを楽しむ人々。PCバンはゲームの世界を現したインテリアが多く、大体このような雰囲気
 PCバンは97年年末韓国を襲ったIMF経済危機以降、韓国経済再生を語るに欠かせない存在である。名誉退職の名前で働き盛りの30~40代の若さで職を失ったサラリーマンたちが家族に言えず、スーツ姿で時間つぶしに山に登ったり公園で日なたぼっこしたりする様子がよくニュースに出ていたものだ。そのサラリーマンたちは当時荒れ吹く「IT」の風に乗り「PCバン」創業で家計を支え、就職口のない若い世代は連日PCバンでオンライン・ネットワークゲームに没頭し「プロゲーマー」という職業が芸能人並みの人気を誇ったりもした。1時間150円~200円と、カフェで待ち合わせするよりお得だったし、自分より断然うまい上級ゲーマーの手さばきを眺めたい、プロゲーマーと対戦してみたい、といったこともPCバンに集まる理由になった。


「スター」にはまり3、4時間


 「PCバン」と言えば筆者に思い出がたくさんある。連日友達と、会社仲間とPCバンに寄りネットワークゲームの火付け役である米国ブリザード社の「STARCRAFT」に夢中になったものだ。スターと呼ばれるこのゲームは3種類の部族から自分に合ったものを選び、最大4対4でネットワークでつなぎ、勝つまで延々とやる戦争ゲームの一種で、徴兵制の残る韓国では自分の軍隊経験を自慢したいサラリーマンたちに大いに受け、200勝180敗とか、ついに400勝を達成したとか、物すごい成績を誇る友達がまわりに結構いた。








大型PCバンの場合、コーナーによってインテリアが違う
 筆者も当時は毎日3~4時間スターにはまり、かなりの上級者としていつもPCバンで1戦頼まれたりしたものだ。ゲームの中に登場する種族に追いかけられたりする夢もよく見た。どこのPCバンの回線がよくてサービスがいいのか教え合ったり、プロのゲーマーになってみようかと冗談交じりに言う友達等、色んな場面があったものだ。今でも当時のスター仲間が集まれば、「あの時あの情熱とPCバンに注ぎ込んだお金をビジネスに向けてれば、今頃は億万長者になったかもね」等と昔話(!)に花を咲かせたりもする。それぐらいスターに注いだ時間や情熱は普通じゃなかったかもしれない。


 韓国でPCバンを含めネットがはやっているのは娯楽が少ないせいかもしれない。TVは平日昼間は放送なし、週末だけ朝6時頃から夜1時頃までやっている。雑誌や漫画も少なく、特に主婦や学生の友はラジオ番組しかないようなものだった。暇つぶしの娯楽がないため、とりあえずインターネットでもやるか、のような雰囲気があるのも事実だ。今でもその状況は変わらない。


 なのに、この頃「PCバン」の人気が今ひとつだ。


ブロードバンド普及で人気にかげり


 去年までPCバン専用ADSLやLAN、PCバン仕様パソコンの広告で埋め尽くされていたIT雑誌には「PCバンのパソコン買い取ります」、「PCバン廃業処理専門」とかの広告の方が目立つようになってしまった。



 PCバンの人気が下り坂なのはやっぱりブロードバンド普及率にある。2002年9月末現在、人口4700万、ブロードバンド契約数は1004万、1430万世帯の70%に達する。1000万世帯を超えた記念式典は大統領まで出席し生中継される等、大騒ぎだった。ブロードバンド普及率は全国98%をカバーし、99~2002年の4年間ブロードバンドインフラに投資された金額は約11兆ウォン(約1兆1000億円)、これを元に23兆ウォン(2兆3000円)の生産効果や付加価値が生まれた。


 2003年情報通信部傘下機関が主導し、光ファイバーを導入したデジタルTV、ホームネットワーク実験サービスが開始され、実速度20MBの光ファイバーを2005年まで1350万加入者が利用できるようにする計画を発表した。このための予算は2002~2005年の4年間約13兆3000億ウォン(約1兆3300億円)とみている。家庭内での光ファイバーとなれば、PCバンは早い回線や高級仕様のパソコンだけではもう顧客を集められない。


 このような環境の変化の中、PCバンもどんどん変わり始めた。韓国全土に2万店以上あったPCバンが1万店以下に減っている。もうPCバンはだめなのか、この疑問に韓国最大PCバンフランチャイズであり、上海にも支店を持つ「メガウェップステーション」が答える。

by- 趙 章恩


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