韓国CM REPORT – ロッテ – キム・ソンス


キム・ソンス プロフィール


1968年10月3日生まれ。


1994年に、男性2人、女性2人の元祖「COOL」のメンバーとしてデビュー、1995年には男性2人、女性1人に再編。2003年第18回ゴールデンディスク賞受賞。2005年の「COOL」解散後はタレントとしてお笑い番組やドラマに出演。2004年に結婚し、2006年に娘が生まれる。キム・ソンスの奥さんは俳優コン・ヒョンジンの奥さんの妹であるため、「コン・ヒョンジンとは同じ芸能界にいても微妙な関係」と言っているとか。





ロッテリア



出演




キム・ソンス

放映日




2002年4月

夏の風物詩のように、毎年夏になると新曲を発表してヒットを飛ばした3人グループ「COOL」のメンバーだったキム・ソンスの登場です。「COOL」は1995年から11年間で17枚ものアルバムをリリースして、そのすべてをヒットさせました。


「ノレバン」と呼ばれる韓国のカラオケに登録された曲の多さでは、ナ・フナという韓国で超有名なトロット(日本で言うところの演歌)歌手に続いての2位。なんと、110曲が収められています。国民的歌手のチョ・ヨンピルよりも多いというから、驚いてしまいますね。それほど「COOL」の曲は、歌いやすく盛り上がりやすいということなんでしょうか。聴けばすぐに「COOL」の曲だとわかるほど決まったパターンがあるためか、韓国の歌謡曲には「COOLの歌のようなダンス曲」というジャンルまであるそうですよ。


ヒット曲は数知れませんが、その中でもノレバンでもっともよく歌われるのは「へビョネヨイン(浜辺の彼女)」、「ウンミョン(運命)」、「スルポジリョハギジョネ(悲しくなる前に)」といったダンス曲です。


「COOL」は残念ながら2005年に解散してしまいましたが、3人のメンバーはソロで活躍しています。歌番組で、コミカルなトークで視聴者を楽しませてくれたキム・ソンスはタレントとして活動を再開、2004年には結婚して女の子が生まれました。この娘さんは赤ちゃんモデルとして雑誌で活躍しています。「COOL」ファンのあいだでは、「パパより大物芸能人になるんじゃない?」などと言われていて、たくさんの声援を受けているそうです。


さて、このCMは「値下げしました!」ということを強調するためのもので、徴兵で軍に入った彼氏の面会に来た彼女が登場します。その彼女が食べているチキンバーガーを見て、軍人達の列が崩れてしまいます。


カギョギワルルルル、チキンバーガーチョノン(価格があらららら、チキンバーガー1000ウォン)


「ワルル」という言葉は、何かが崩れ落ちる様子を表わすときに使います。たとえば「サニワルルルルムノジョッソ(山がどっと崩れちゃった)」という感じでしょうか。日本で100円メニューがあるように、韓国のファストフード店にも1000ウォンのニューがあります。ちょっとしたおやつや飲み物もあるので、ぜひ利用してみましょう。


– BY  趙章恩


ニッコリア  韓国CM動画「ニッコリアCM」
Link

http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200204_2&dr=food

国中がiPhoneに夢中! スマートフォンの料金値下げ競争が勃発

ついに2009年11月28日、韓国でもiPhoneが発売された。韓国最大の通信会社KTから発売されただけにインパクトは大きい。

 予約販売初日だけで2万人が殺到し、1週間もしないうちに6万5000人がiPhoneを予約した。11月28日には予約者1000人を招待したイベントが開催された。


 韓国で最初にiPhoneを手に入れたのは26歳の男性で、27日から27時間待って第1号になった。KT社長とおそろいのiPhone Tシャツを着て、仲良く手をつないでイベント会場に入場。時の人となった。1年間の無料通話と約1万5000円のiPhone専用スピーカーが贈られた。




KTのキム・ウシク社長(左)と韓国iPhone第1号を手に入れたホ・ジンソクさん


 会場では待ちに待ったiPhoneを受け取り感激するユーザーで奇声歓声の大騒ぎとなった。地上波DMB(韓国のワンセグ)が利用できない、ユーザーがバッテリーを交換できないといったことが指摘されたが、そんなのは全然問題にならない様子だ。日本とは違い、タッチ式でメールを打ち込むのが不便というユーザーはいなかった。


 ブログなどに書き込まれたiPhone自慢をみると、「とにかく大満足!」といったユーザーばかりだった。会社で机の上にiPhoneを置いたら通りがかる人みんなに「どこで買って、いくらだったのか」と質問攻めにされた、女性社員らに囲まれ「見せて! 見せて!」とねだられたなどなど、iPhoneを手に入れてからの急モテぶりを伝えている。


 iPhoneが韓国でここまで注目される理由はやはり豊富なアプリと、2年約定のスマートフォン定額制に加入すると、料金の高いデータ通信ではなく無料でKTの無線LANを利用できるからだ。スマートフォン定額制は月3万5000ウォン(約2600円)から9万5000ウォン(約7200円)で、料金に応じて3GS 16GBまたは3G 8GBの端末を無料でもらえる。


 公式サイトしか利用できずデータ通信料金も高かったため、モバイルインターネットがなかなか普及しなかった韓国。使い放題のパケット定額制はLGテレコムにしかなく、他のキャリアは従量制だったためデータ通信料金のトラブルが絶えず、携帯電話からネットにアクセスするのが怖かったのもある。


これでやっと本当の意味でのスマートフォン生活が始まる。KTの無線LANは全国に1万3000のアクセスポイントがあり、その他にフリースポットもあるので、主な都市ではどこにいてもネットにつながる。iPhone向けのスマートフォン定額制も安くはないが、その代わり無線LANでメッセンジャーやSkypeを使えば携帯電話の通話料を低く抑えられる。


 既にiPodを使って無線LAN経由でメッセンジャーやモバイルVoIPを利用しているユーザーも多い。iPodの便利さに慣れてしまった人達はさらに進化したiPhoneが待ち遠しかったようだ。iPhoneの登場で24時間オンライン状態にしてつぶやきまくる、TwitterのようなモバイルSNSの利用も急増するだろう。


 この夏からキャリアとベンダーが力を入れているアプリ配信サイトのアクセスも急激に伸びた。実際にアプリを購入するユーザーはまだ少ないが、関心は高い。個人もアプリを制作して販売できるマーケットができたことで、キャリアごとに、さらにカテゴリー別にあったマスターCPを通さないと携帯電話向けにモバイルコンテンツをサービスできなかった閉鎖的構造を脱皮し、パソコン向けデジタルコンテンツ市場の10分の1に過ぎなかったモバイルコンテンツ市場も大きな成長が予想される。


 KTはiPhoneを無料で提供するため一人当たり約7万円の端末購入補助金を支給している。その他キャリアは市場シェアを守るため通常新規加入に限って一人当たり2万~3万円ほど支払われていた補助金を同じく7万円以上に増やし、データ通信や基本料も値下げしている。既存加入者の離脱を防ぐため、懸賞イベントや長期加入割引、加入者同士の無料通話時間も増やしている。


 安く買えるのは嬉しいが、iPhoneが販売される直前にサムスン電子や他のメーカーのスマートフォンを購入したユーザーはがっかり。補助金をもらっても3万円はした端末が、数日の差で無料になったからだ。


 一部では、iPhoneの端末そのものの性能は韓国産のスマートフォンより劣る、カメラの画素数も低い、画像も荒い、それなのに何故ここまでiPhoneを持ち上げて騒ぐのかと批判する意見もある。しかしiPhoneは韓国移動通信業界を変えるシンボルのような存在であると評価してもいいだろう。iPhone販売をきっかけに、韓国の移動通信産はネットワーク、コンテンツ、プラットフォーム、デバイス、料金競争、全てにおいて「開放」がテーマとなっている。MVNOで金融、医療、物流など、色んな産業の事業者らが移動通信を利用したサービスを準備している。


 今のところは、ネットブックを持ち歩かなくても自由にインターネットが使えるという解放感だけでもiPhone売れる理由は十分といえそうだ。




(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年12月3日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091203/1020927/

韓国CM REPORT – ロッテ – シン・グ


シン・グ プロフィール


1936年8月13日生まれ。


本名シン・スンギ。デビューは1962年の演劇『牛』、2007年SBS演技大賞功労賞受賞。出演作はドラマ『19の純情』、『ありがとうございます』、『王と私』、『キムチチーズスマイル』、『ごめん、愛してる』、『サンドゥ、学校へ行こう!』、『勝手にしやがれ』など。人生の半分以上を俳優として歩んできただけに、どんな役も貫禄たっぷりに演じる名俳優として数々のドラマに出演した。韓国の代表的な父親像とよく言われている。





ロッテリア



出演




シン・グ

放映日




2002年7月

韓国人なら誰もが「あ~このCMね!」と思い出す、超有名なCMをご紹介します。このCMは「老人と海」を連想させる、見事なパロディーとなっています。そして2002年に韓国を揺るがした流行語、このセリフが登場します。


ケダ! ケガワッタ (カニだ! カニが来た!)


ニドゥリ ケマスル アロ? (お前たちにカニの味がわかるのか?)


ゲロマンドゥンクラップバーガー (カニで作ったクラップバーガー)


「ニドゥリ ケマスル アロ?」というなんともおかしなセリフで有名になったロッテリアのCMはこの年、「お前たちに●●がわかるのか?」という流行語を生みました。それにファストフードのCMは、若いアイドルが登場するものだという常識を破って、60代の俳優を登場させたのも印象的でした。シン・グさんの「わかってたまるか」というような満面の笑顔で「お前たちにカニの味がわかるのか?」と言い放つ場面は、ちょっと不気味でもあり妙な感じですよね。


確かにカニの味って、知っているようで表現しづらい部分もありますからね。「このハンバーガーは、カニが入っていておいしいよ~」と言うより、「カニの味って知ってる?」と聞かれると、逆にどんな味なんだろうと気になります。本物のカニを入れたんですよ~というアピールとしては、とても効果的でした。そのせいかロッテリアでは、「クラップバーガーください」ではなく「カニ味ください」とオーダーするお客さんもかなりいたといいます。


CMに登場したシン・グさんは、この時ちょうどコメディータッチのドラマで、わがままでやりたい放題のおじいちゃん役を演じていたので、それとオーバーラップしたこのCMは、さらに笑いを誘うものになりました。



– BY  趙章恩


ニッコリア 
韓国CM動画「ニッコリアCM」
Link
http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200207&dr=food

アダルト番組に転落したネットの個人放送局、原因は仮想貨幣

韓国では2007年にUCC(User Created Contents)といって動画投稿サイトの大ブームが巻き起こった。著作権侵害問題や動画を保存するためのサーバー投資額は膨大なのに広告以外に収益モデルがないといったことから、動画投稿サイトは減り、ポータルサイトのBlogに動画を載せる方法が増えた。その方が検索結果にも反映されやすいし、観てくれる人も多いからだ。

 韓国ではVOD方式の動画投稿だけでなく、超高速ネットワークインフラを活かしたサービスとして、リアルタイム放送であるインターネット個人放送局もかなり人気を集めている。


 インターネット個人放送局ではBJ(Broadcasting Jockey)と呼ばれる人が自分のホームページを持ち、その中に放送、チャット、掲示板などのメニューがある。配信は生放送で、自分のパソコンにWEBカメラをつけて放送する。


 個人放送はいわゆる“見えるラジオ”。BJがパーソナリティになり、音楽を流し、おしゃべりをする。BJの放送を観ながらチャットでリクエストをしたり、自分のエピソードを語ったりして盛り上がる。ドラマの時間になるとカメラで自分のテレビに映るドラマの画面を流しながら放送する人もいる。友達と一緒に家でドラマを観ながら盛り上がる感覚で個人放送を視聴しながら、チャットをする。BJはまとめ役といった役割だ。


 個人放送局の中でも人気なのは野球の中継。野球チームごとにチャンネルがある。テレビやラジオの中継をそのままネットに流すのではなく、BJたちはそれぞれの個人ページから趣向を凝らした放送をする。手書きの図で試合の解説をしたり、方言で中継したり、野球場から無線LANをつかって中継したり、個性を競い合う。同じチームを応援する友達と一緒に野球中継を観ながら盛り上がりたい人にはぴったりのコンテンツである。

個人放送局のBJは、初期の頃は男性が多く、ニュース番組を流したり、受験勉強のための数学を教えたり、自分の才能を活かした放送をすることで、有名になるための足がかりをつかもうとした人が集まった。

 サイトの会員になれば誰でもBJになれるが、放送を見てくれるファンの人数によってベストBJに昇格し、ファンからサイバーマネーをプレゼントされそれを現金に換金できるようになる。


 この換金制度が個人放送局を大きく変えた。今はBJのほとんどが20歳代の女性で、セクシーな服を着てカメラの前に座っている。カメラの前で歌に合わせて踊ったり、食事を取ったり、自分の日常を公開するような感じの放送をしている。視聴者は30~40歳代の男性が多いという。



若い女性の顔が並ぶ、インターネット個人放送局「Afreeca」のToday`s BJ人気ランキング

インターネット新聞が導入した投げ銭方式の原稿料と同じように、ユーザーがユーザーへサイバーマネーをプレゼントできるようになってから、個人放送を利用して男性からサイバーマネーをもらい、お小遣いを稼ぎたい女性がどんどん集まるようになったからだ。今では本業よりも個人放送のサイバーマネーの収入の方が多いBJが登場している。

 個人放送は最大で500人しか同時接続できないが、累積視聴者数450万人を超えた人気BJも登場した。このBJは年収が数千万円にも上るほどの人気ぶりで、個人放送局サイト側がマネージャーになって特別管理をしているほど(BJが儲かれば20%の手数料を取るサイト側も潤うから)。

「Afreeca」というインターネット個人放送局では、ユーザーがBJへ「ビョルプンソン(星風船)」という名前のサイバーマネーをプレゼントできる。買うときは1個100ウォンで、BJが換金するときは1個80ウォンになる。サイト側は1個20ウォンを手数料として徴収するのだ。1回の換金額が25万ウォン(約1万8000円)を超えると、所得税と住民税で4.4%が徴収される。

 ビョルプンソンを送るファンにも特典はある。TOP5になると入場人数が制限されている場合でもいつもで該当放送が観られて、BJとより親密な会話ができる専用掲示板を利用できる。


 ところが、ビョルプンソンは最低500個以上から換金できて、ベストBJとしてある程度ファンを抱えた人でないと換金してもらえない仕組みになっている。さらにビョルプンソンの有効期間は受け取った日から3年。3年以内に500個集められないと、全額サイト側のものになる。つねに新しい個人放送局が生まれては消えていくので、換金されないままのビョルプンソンも膨大な額になるはずだ。


 中にはビョルプンソン500個くれたら服を脱ぐ、というように露骨にサイバーマネーを要求するケースもあり、素人のアダルト放送になりかけている。2008年7月にはBJの女性が素っ裸になるという騒動もあった。運営者側は厳しく取り締まっているというが、サイバーマネーの20%は会社の手数料になるだけに、厳しく取り締まらない方が儲かる。


 日本では女の子のキャラクターと恋愛ごっこができるシミュレーションゲームが人気を集めているようだが、韓国の個人放送はそれを生身の人間とできるのに近い感覚かもしれない。


 サイバーマネーを稼ぐためにどんどん過激化している個人放送。やっぱりお金になるのはアダルトしかないという定説を証明する事例になってしまうのかと思うと残念である。




(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年11月25日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091124/1020682/

韓国CM REPORT – ロッテ – チャ・テヒョン


チャ・テヒョン プロフィール


1976年3月25日生まれ。


175cm、65kg。1995年、KBSスーパータレント大会で入賞しデビュー。童顔でやんちゃな甘えん坊の役がよく似合う俳優として20代でも高校生を演じることが多いが、初恋だった同級生と結婚し一児のパパとなった。脇役ではドラマや映画に数多く出演していたが、映画『猟奇的な彼女』で彼女に振り回されながらも一途に想いを寄せる彼氏役が、ドラマ『ひまわり』では、おっちょこちょいだけど憎めない医者役がヒットしてから主演クラスとなる。ドラマ『初恋』、『パパ』、『Happy Together』、『ジュリエットの男』、『いつか楽園で(皇太子の初恋)』などに出演。映画は『ハレルヤ』、『永遠の片想い』、『君に捧げる初恋』、『僕の彼女を紹介します』、『オッケドンム』、『サッド・ムービー』、『僕の、世界の中心は、君だ。』、『覆面ダルホ』、『バボ』などに出演。2008年には声優の母と一緒にアニメ映画『ホートン』の吹き替えに挑戦。





ロッテサンド



出演




チャ・テヒョン

放映日




2001年11月

映画『猟奇的な彼女』で日本でもおなじみのチャ・テヒョンが、彼独特のコミカルな演技を生かし、パイナップル、ピーナッツ、ブラック、そしてミニという4つの味の「ロッテサンド」で恋のキューピットになりました。


かなり童顔のチャ・テヒョンですが、すでに一児のパパになっているんですよ。高校生のころから芸能界で活躍しているせいか、「あのやんちゃな少年だったチャ・テヒョンが、もうパパになったの?」と、みんなビックリしています。2008年は子供が生まれたほか、数年前に撮影した漫画が原作の映画『バボ』がやっと公開されてヒットし、アニメの声優にもチャレンジ、さらに東京と大阪でファンミーティングを開催したりと、いろんなことが立て続けに起きているハッピーな1年となっています。


特に2008年3月、3年ぶりとなったファンミーティングでは、25日のチャ・テヒョンの誕生日を祝うために、日本のファンが韓国語でハッピーバースデーを歌ってくれて大感動したと話してました。映画『覆面ダルホ』では、ロック歌手を目指していたのになぜか演歌を歌うことになってしまった新人歌手の役を演じましたが、その映画の主題歌も、ファンミーティングではロックバージョン、演歌バージョンなどに分けて色々披露してくれましたね。


チャ・テヒョンのお母さんは有名な声優さんなのですが、2008年の春には親子でアニメーション『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』の収録に参加し、初共演も果たしました。アメリカではジム・キャリーが演じた象のホートンの吹き替えをチャ・テヒョンが演じ、ホートンを毛嫌いするカンガルーの母親役をチャ・テヒョンの母が演じています。家族でひとつの作品に参加するのは、韓国では初めてのことだそうですよ。


チャ・テヒョンの奥さんは、彼の初恋の人。13年間交際して結ばれた恋人同士のような夫婦としても有名で、結婚する直前に撮影して子供が生まれてから公開された映画『バボ』のプロモーションでは、「結婚してからメロドラマに出演するのを敬遠するようになりました。観るほうも共感できないと思ったから、できるだけ家族で楽しめる映画を選択するようになってしまいましたね」、「奥さんにはキスシーンまではいいけど、ベッドシーンを撮ったらぶっ殺す! と言われました」なんてノロケる場面もありました。映画『バボ』は、ポータルサイトに連載された漫画を原作にした愛と涙と幸せの感動物語で、原作者もチャ・テヒョンの演技に大満足! 街でトーストを焼いて売りながら妹と暮らし、初恋の女の子をいつまでも見守る青年役は、チャ・テヒョンのハマり役でした。ファンとしては絶対見逃せない映画ですよ!




– BY  趙章恩


ニッコリア 
韓国CM動画「ニッコリアCM」
Link
http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200111&dr=food

「雪花秀スパ」に足を運んでみませんか?

 
ロッテ百貨店ワールド店2階にある雪花秀スパの内部は撮影禁止のため、入口の写真をどうぞ。ここで韓方茶を飲みながらプログラムを選択します。











  •  
    雪花秀スパの第2号店は香港にオープンしました。香港の上流マダムのあいだで大変な人気を誇っています。











  •  
    言葉が通じないときは、韓国観光公社が運営する無料通訳・観光案内1330番へ電話しましょう! 公衆電話からも、携帯電話からも利用できます。











    最近韓国で密かに話題の「オヒョルダイエット」、聞いたことはありますか?


    「オヒョル」とは、どろどろになった血液や血の塊のこと。いつもだるい、寝ても寝ても疲れがとれない、手足が冷たくてよくしびれる、お腹の周りがほかのところより冷たく感じる、生理痛がひどい、頻繁に頭痛がするなどの症状がある人は、オヒョルを改善させると症状がよくなるのだとか。


    しかも、オヒョルをなくして血流をよくすると、贅肉まで落ちるんですって! 血液がどろどろしていると、体内に摂取されたビタミンや栄養素が隅々まで行き届きにくくなるといいます。そうなると基礎代謝が落ちて、「気」が詰まることで太るだけでなく性格も変わるという説もあるから怖いですね。体内の毒を排出して血液の巡りをよくすると痩せる、つまり韓方でもデトックスが基本というわけです。


    韓国でオヒョルを緩和する療法といえば、韓国のエステでよくみかける「あれ」! ブハン(附缸)です。きれいなドレスを着ているというのに、背中には丸く血が滲んだような跡がついている女優さんの写真、見たことありません? あれがブハンの印です。


    壺のようなカップを肩や背中、お腹の上に乗せて真空状態にすることで、毛細血管が広がり血流をよくする効果があります。血液の流れが詰まったところに針で微細な穴を開けてからブハンを始めると、あれよあれよというあいだにすごいことになるんです。あの目に見えないほど小さな針の穴から、血の塊や泡が出てくる光景にはびっくり!!


    うひょ~、ホラー映画のようですが、一度やってみると「最初はチクッとするけど気持ちいいよ~やってごらん~」と、ほかの人にも悪魔のように囁きかけ、おすすめしたくなるブハン。そのパワーは一度は体験する価値ありです。試してみるなら、韓方病院で診脈をしてからをおすすめします。


    手軽に韓国らしいデトックスを体験したいという方におすすめしたいのは、蚕室のロッテ百貨店ワールド店の「雪花秀(ソラス)スパ」です。韓国でもっとも売れている韓方化粧品「雪花秀」が運営する高級エステで、2008年11月にオープンしました。


    雪花秀スパのメニューは、まず、体を温める韓方茶を飲みながらプログラムを選ぶことから始まります。それから高麗人参の種を使ったスクラブと紅参水で足を洗ってもらいます。そのあいだに韓方アロマの中から好きな香りを選択し、その日の体調に合わせてマッサージに使う薬草を選びます。アロマと薬草は麻の布に包み、全身を優しくマッサージするために使われます。これは朝鮮王室から伝わる秘法で、王様は毎朝このようにして少しずつ体を温めてから起床することで、体調を整えたそうです。


    それからやっとプログラムが始まります。適度に力が入ったマッサージで夢心地になること間違いなし! 最後の仕上げは冷やした白磁を使ったマッサージで肌の循環を促進し、手作りの特殊な韓紙に韓方薬剤エキスをたっぷり染み込ませたシートマスクで肌に気を吹き込みます。帰りには麻の布に包んだ薬草を入浴剤として使えるようにラッピングしてくれます。さらに、マッサージの効果を長持ちさせる呼吸法も教えてくれるんですよ。


    プログラムはフェイシャルトリートメントが12種類(1回60~110分)、ボディートリートメントが11種類(1回50~80分)、オプションの部位別ケアが8種類(1回20~30分)と、どんなニーズにも対応してくれます。一番人気なのは敏感肌向けのフェイシャルコース! フェイシャルコースなのに顔だけではなく首、背中、脚など、全身をマッサージして毒素を排出してくれ、肌を清らかにしてくれます。全身ポカポカ、肩こりまで吹っ飛ぶので、生活費を削ってでも定期的に通いたくなります。営業時間は百貨店と同じで10時30分~20時です。ショッピングのついでに利用してみるのはいかがですか?


    韓国のエステやスパで困るのは、言葉が通じない場合があること! 明洞のあるエステで、片言の日本語で「痛かった言ってください」と言われた日本の友人が、「痛くはないけど、くすぐったいです」と言ったのに全然通じなくて、1時間30分のあいだ、「疲れが取れるどころか拷問だったわ!」と泣いていたことがありました。他人にとっては笑い話ですが、本人にとってはつらい思い出(ちなみに、「くすぐったい」は韓国語では「ガンジロウォヨ」)です。


    しかし今はもうそんな心配はいりません。韓国政府が運営する観光案内電話「1330」を利用してみましょう。局番なしで1330に電話をかけると、ボランティアの方が無料で通訳をしてくれます。


    これで言葉の問題はクリア! 韓国でどんどん新しいことにチャレンジしてみましょう!

    by: 趙章恩

    2009年09月20日

    「ニッコリア」: ダイナマイト・コリア 今日もドキドキ探検に出かけよう!

  • 韓国CM REPORT – ロッテ – カン・スジョン


    カン・スジョン プロフィール


    1977年6月29日生まれ。


    168cm、体重は秘密。名門私立大学の延世大学、同大学院言論広報大学院を卒業。2002年KBSアナウンサー局入社。よく食べ、よく笑う幸せキャラ。決して体格が太めなわけではないのに、ほかの芸能人と一緒に並ぶと余計に太って見えるのが不満で悩み。「40Kg台の痩せた女性なんて嫌いだ~」としばしば口にするほど。





    ロッテホームショッピング



    出演




    カン・スジョン

    放映日




    2007年5月

    「ロッテが家にやってきます。
    ロッテでもっといいものを期待してください。
    ホームショッピングもロッテホームショッピング」


    女子アナ出身の人気タレント、カン・スジョンです。女子アナになるために3浪し、公営放送KBSのアナウンサーになりました。その後、アナウンサーは活躍できる幅が狭すぎるという理由で、フリー宣言します。


    ふっくらした頬としっかりした体格から、いつも「力持ち」とからかわれ、歌も踊りもダメで芸がないと突っ込まれ、ボケ役になることが多い彼女ですが、その親しみやすい一般人のようなところが人気です。「食べるために働く」と公言しているほどおいしいものには目がない超グルメで、グルメ番組の司会をさせたら右に出るものはいないほど。なんでもおいしくペロリと食べ、よく笑って場を盛り上げます。以前リュ・シウォンと一緒に『味対味』の司会を務めたこともあります。


    カン・スジョンがフリー宣言して初めて出演したCMが、この「ロッテホームショッピング」です。当時、ロッテでは百貨店、免税店、マート、スーパー、インターネットショッピングモールに続いてホームショッピング、日本で言うところのテレホンショッピングチャンネルを新しく始めることになりました。「初めて」という言葉にマッチする、誰もが知っているキャラクターを探したところ、カン・スジョンが抜擢されたというわけです。ホームショッピングのメインターゲットである主婦層に好かれる、お茶目で憎めないカン・スジョンは、何に対してもせっかちで「考える前に行動してしまい後悔しては、もっとがんばらなくては! と思う」ことの繰り返しだそう。その情熱と勢いでここまで来れたと話していましたが、これからの彼女の活躍に期待しましょう!

    – BY  趙章恩


    ニッコリア 
    韓国CM動画「ニッコリアCM」
    Link
    http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200705&dr=other

    Googleでさえも苦戦、米国発ネットサービスが普及しない理由

    またもや海外の有名サイトが韓国市場に定着できず撤退することになった。

     3Dバーチャルリアリティのコミュニティサービスとしてアメリカや日本で話題を集めた「Second Life」。日本では関連本もたくさん出版され、企業のSecond Lifeの中に店舗を作ったりしているようだが、韓国では話題にはなったものの、反応はよくなかった。どうしても利用したい気持ちになれない顔が怖すぎるアバター、スムーズに動かない3Dなど、一体Second Lifeのどこがいいのかよく分からないという反応がほとんどだった。


     Second Lifeの韓国撤退記事のコメント欄には、「Second Lifeって何ですか?」、「この記事を見て初めて韓国語サービスをしていることに気付きました」、「まだ潰れてなかったんですね」といった書き込みがあり、韓国内でどんな状況だったのかを物語っている。


     それでも運営会社リンデンラボは、2007年10月韓国のゲーム会社と会社を設立して韓国語サービスを始めた。結局ユーザーは増えず、韓国のパートナーだったゲーム会社も再契約しない方針を決めた。現在Second Lifeの韓国語サービスを担当した「セラコリア」社は宙に浮いた状態で、独自で3Dバーチャルリアリティサービスを展開するとしている。


     米国を中心にヒットしたインターネットサービスのうち韓国で失敗したのは、「My Space」の方が先立った。My Spaceなんて世界で2億人のユーザーがいるのに、韓国では2400万人の会員を保有した韓国産SNS「Cyworld」には勝てず、たった3カ月でサービスを中断し撤退してしまった。世界検索市場の6割を占めているというGoogleも韓国ではNAVER、DAUM、NATEの3大検索ポータルサイトを相手に苦戦している。韓国のネットユーザーは独特だから、ブランドパワーだけを信じて韓国のネットユーザーの好みを反映しなかったから、などなどの理由が挙げられている。

    しかし、それは韓国だけが特別だから、というより、やっぱり他の国でサービスをすること自体とても難しいことなのだ。インターネットは国境がない、市場はグローバル化している、といわれても、やっぱりそれぞれ国民性があり、趣向があり、その国の人同士でしか分かち合えない何かがあるのだ。

     韓国のインターネットサービス韓国では大人気の「Cyworld」だって米国や台湾では失敗し、帰ってきた。ポータルサイトのNAVERも日本に進出してみたけどぱっとしないまま撤退し、2009年夏に改めて日本に再進出している。


     海外サービスはみんな韓国で失敗しているのかというとそうでもなく、YouTubeだけは健在だ。Twitterのユーザーも増えている。韓国の実名制度に反対し、匿名で利用できるからだ。またTwitterの場合は、つぶやきというサービスがまだなかった時に入ってきたので、市場独占効果があった。


     韓国ユーザーがほしがっているサービスとは何かを把握した結果成功した、とまでいうのは大げさであるが、進出したい国の実情を細かく把握したサービス設計をしているサイトは失敗しない。最初から無理に海外進出なんてしないのが、安全なのかもしれない。


     一方では、こんな心配もある。中国や日本のように人口の数が多いところでは無理をしてでもサービスを続けながら、人口が少ない韓国はだめならすぐパスしてしまう、あまり重要でない市場として見られているのではないかということだ。全てのインターネットサービスに義務付けられている実名制度もやっかいだし。


     韓国から次々に消えていく海外インターネットサービス。韓国のユーザーはレベルが高くて特別だから~なんて思わず、もっと世界と関わり合うことを考えた方がいいのではないだろうか。その方が韓国企業の海外進出にも役立つはずだ。


    (趙 章恩=ITジャーナリスト)

    日経パソコン
    2009年11月18日

    -Original column
    http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091118/1020514/

    韓国CM REPORT – ロッテ – パク・へジン


    パク・へジン プロフィール


    1983年5月1日生まれ。


    185cm、72kg。出演作はドラマ『天まで地まで』、『噂のチル姫』の2作品(2008年3月現在)。2007年第43回百想芸術大賞TV部門男子新人演技賞受賞。ソウル地方警察庁の「青少年禁煙禁酒広報大使」でもある。





    ソルレイム



    出演




    パク・へジン

    放映日




    2007年5月

    (男の子が女の子に「ソルレイム」をそっと渡したあとの字幕)


    ソルレイムのエチケット
    好きな人にはソルレイムをそっと溶かしてから渡す
    口の中に雪が降る
    心の中にはソルレイムが降ります


    「ソルレイム」はパウチに入ったアイスの商品名でもあり、「ワクワク」、「ドキドキ」という意味も持っています。初めてのデートらしきふたり。男の子が女の子のためにソルレイムを手のひらで溶かして、シェイクのように飲みやすくしてから渡します。女の子の口の中にはバニラ味のアイスが雪のように降り、男の子は胸がドキドキ、心の中にソルレイムが降るというわけです。ソルレイムは名詞形なので「ワクワクします!」と言いたいときは「ソルレイムニダ」、「ソルレヨ」と言いましょう。韓国へ遊びに行く日は、みなさん「ソルレイムニダ」ですよね。


    この男の子は、2006年のドラマ『チルゴンジュ』で4人姉妹の次女を追いかける年下の彼氏を演じて大好評! そのデビュー作が出世作になったパク・へジンです。「ペット男(エワンナム)」(ペットのように可愛がられる年下の男性)という言葉を流行らせたほどの人気ぶりで、お姉さん達をテレビの前でときめかせました。彼の存在そのものが「ソルレイム」だけに、CMの反響も大きかったようですね。


    パク・へジンは高校卒業後、地元の釜山で、自分が気に入ったデザインの服を販売するショップを経営していたそうです。ソウルの取引先を訪問した際に芸能マネージメント会社の人にスカウトされ、2年近く演技トレーニングを積んでからオーディションに挑戦しました。デビュー作が出世作となった幸運の持ち主ですが、俳優になるためには正式に演技を勉強しなくてはならないとソウル総合芸術学校に入学、毎日ドラマを撮影しながらも授業にはしっかり出席していたところをみると、幸運に恵まれただけではなく、努力家のようですね。パク・へジンは2008年2月の卒業と同時に、学校から功労賞を授けられました。

    – BY  趙章恩


    ニッコリア 
    韓国CM動画「ニッコリアCM」
    Link
    http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200705&dr=food

    韓国でもようやく発売 iPhoneが火を付けた端末値引き競争

    11月28日、ついに韓国通信最大手のKTが「iPhone」を発売する。すでに予約受付初日だけで2万5000件を超える申し込みが殺到し、KTは発売当日、予約購入者1000人を招待した大々的なショーを開催する。(趙章恩)

     世界中で話題になっていたiPhoneをようやく手に入れることができるという興奮からか、韓国では学校でも会社でもiPhoneのことしか話題にならないほどだ。ベンチャー企業の社長や著名人らも自分のブログにiPhoneを予約したと書き込み、「絶対手に入れるべきだ」と盛り上げている。


     KTのiPhone予約サイトには、日本のiPhoneを使ったことがあるというユーザーらが期待のコメントを寄せている。熱しやすく冷めやすい国民性はまだ健在で、「iPhoneバブル」が懸念されているほどである。


     もっともこれには韓国特有の事情もある。韓国のモバイルインターネットは閉鎖的で料金も高かった。世界の流れに逆行してデータ通信の利用はあまり伸びず、ARPU(一人当たり利用料)の8割が音声通話とIT強国とはとても呼べない環境にある。そこにいつでもどこでもネットにアクセスできてアプリケーションも豊富なiPhoneが登場すれば、モバイルインターネットの普及に火を付ける可能性があるからだ。



    「iPhone」発売を告知するKTのサイト画面


    ■2年契約で16GBモデルが無料に


     KTのiPhoneは3GS32GB、3GS16GB、3G8GBの3種類で、端末の出荷価格は32GBが94万6000ウォン(約7万5600円)、16GBが81万4000ウォン、8GBが68万2000ウォン。ただし、iPhone用に新設した2年契約のスマートフォン料金プランに加入すると、端末購入補助金で安く買える。


     KTがユーザーへ支給する端末購入補助金は「i-スリム」というプランが41万8000ウォン、「i-ライト」が55万ウォン、「i-ミディアム」が68万2000ウォン、「i-プレミアム」が81万4000ウォンとなっている。最も高い料金プランであるi-プレミアムは端末補助金と3GS16GBの端末価格が同額となっており、これに2年契約で加入すれば端末が無料で手に入る計算だ。


     ちなみに、端末購入補助金はキャリアが加入者へ端末を安く購入できるように支給する補助金のことで、これとは別に販売店向けの販売奨励金がある。2Gの端末であれば、代理店が販売奨励金を原資に端末価格を割り引くため、100ウォン端末(約8円)、1000ウォン端末といった安い端末が出回っている。
     
    KTのスマートフォン料金プランでは、毎月の無料通話分や無料データ通信のほかに、KTが全国1万3000カ所に展開する公衆無線LANスポット「NESPOTZONE」からiPhoneを使ってインターネットにアクセスできるようになっている(無線LANゾーンから離れると3 Gのデータ通信に自動で切り替わるとKTは注意を呼びかけている)。



    KTのiPhone向けスマートフォン料金プラン(付加価値税10%を除く)





    ■サムスン「OMNIA2」を対抗値下げ


     当然のことながら、このiPhone人気は他の携帯キャリアの大きな脅威となっている。携帯キャリア最大手のSKテレコムはさっそく、サムスン電子の最新スマートフォン「OMNIA2」をiPhoneと同じ料金設定で販売することにした。


     サムスン電子のOMNIA2は10月から販売されており、端末価格は8GBが 96万8000ウォン。SKテレコムの2年契約のスマートフォン料金プランに加入すると計70万ウォンほどの端末補助金が適用になり22万4000ウォンで買うことができた。これを一気に値下げしてiPhoneと同じく端末を実質ゼロウォンにする料金プランに改めるという。



    高い料金プランほど端末購入補助金が多く支給される(KTのサイト画面)


    ■政府の意向に反する補助金競争が過熱


     しかし、端末購入補助金によるこうした値引き競争は、韓国政府がもともと望んでいた方向ではない。政府は補助金を減らす代わりにデータ通信や基本料を値下げして、より多くの加入者がメリットを感じられる料金制度をめざしてきた。例えば、LGテレコムは端末補助金の代わりに、18カ月以上の長期契約ユーザーの月額利用料金を11~25%割引する制度を導入している。


     キャリアは1年以上の長期契約を対象に約定期間に応じて補助金を支給することができるが、代わりにすべての端末とすべての加入者に同一金額を適用しなければならない。特定の端末だけとか、新規加入に限定するといった方法では、同じキャリアに長期間加入しているユーザーにメリットがないからだ。長期加入者もメリットを感じられる平等な補助金であれば制限しないというのが政府のこのところの方針である。


     その結果、キャリア同士の補助金競争も下火となっていたのだが、iPhone発売ですっかり台なしになった。モバイルインターネットの利用増加でコンテンツ産業を活性化するといったビジョンはどこへやら、目先の販売競争のための補助金がiPhoneによって以前より過激になった。スマートフォン競争をしているKTとSKテレコムはもちろん、LGテレコムも参戦して端末補助金を吊り上げている。





    ■アプリストアやSNSは置き去り?


     KTはiPhoneの補助金に相当する金額を他の端末購入者にも同じように支給し、既存加入者の端末買い替え時にも割引をしなければならない。KTとSKテレコムだけで4000万人近い加入者に1人40万~80万ウォンを支援するという計算になる。


     KTは携帯キャリア2位のKTFと今年合併し、有無線ともにシェア1位をめざしている。一方、携帯シェア1位のSKテレコムは有線ブロードバンドでシェア2位のSKブロードバンドを抱えており、ここでiPhoneに押されてしまっては4Gとスマートフォン時代のリーダーになれないと踏ん張っている。


     しかし、このまま補助金競争が続けば、売り上げは伸びても販売費用がかさんで利益に響くのは明らかだ。補助金競争に終止符を打たないと、アプリケーション開発や新規サービスへの投資を削るしかなく、長期計画による持続可能な成長は難しくなるだろう。


     KTもSKテレコムも、グーグルの携帯OS「Android(アンドロイド)」を搭載した端末を年内に発売すべく開発を急いでいる。Android端末も同じように補助金で無料となる見込みだ。質の高い端末を安く買えるのはいいことだが、モバイルインターネットの利用を支えるアプリストアやモバイルSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の強化を忘れると、また世界に置き去りにされることになる。




    – 趙 章恩  

    NIKKEI NET  
    インターネット:連載・コラム  
    [2009年11月27日]
    Original Source (NIKKEI NET)
    http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx?n=MMIT13000026112009