第39回:韓国の夏休みの過ごし方~イケメン揃いの韓国版「花より男子」が人気







第39回
韓国の夏休みの過ごし方
         イケメン揃いの韓国版「花より男子」が人気

2007年8月15日


 2007年の暑い~夏はいかがお過ごしだろうか。東京ドームでチャングムの誓いのイベントが大反響だったと、韓国でも大きく報じられた。

 私はソウルから4時間ほど離れた江原道の「束草(ソクチョ)」で夏休み中だ。束草と聞いて「もしかしてあのドラマのロケ地では!」と叫んだあなたは立派な韓流ファン! 束草は韓流の原点とも言える「秋の童話」のロケ地だ。

 秋の童話は中国語圏でもっと人気があるらしく、街のいたるところに「ここが○○場面のロケ地」と中国語と日本語で書かれた看板があった。ウンソが住んでいた街「アバイマウル」に行って北朝鮮式のスンデも食べた。スンデは豚の腸詰のことだが、ソウルで食べる屋台のスンデは皮が薄くて春雨が多いのだが、アバイスンデは野菜ともち米がたっぷり入ってサイズも大きく、一味も二味も違う。アバイマウルは1950年韓国戦争のとき、北朝鮮から逃げてきた避難民が集まってできた村なので、北朝鮮式の料理が有名だ。辛くあえたお刺身を載せた令麺もやわらかくて冷たくて、これまた美味しい。









韓流の原点とも言える「秋の童話」のロケ地(※ 画像はクリックで拡大) アバイスンデ

 ヤンヤン国際空港を利用すれば車で40分ほどで着くのだが、残念ながら日本からの直行便はないようだ。



●韓国のドラマ好きはモバイル環境まで変える

 束草といえば限りなく続く海水浴場と青い海、そして韓国を代表する山「雪嶽山(ソルアグサン)」の入口ともいえる場所だ。この夏韓国ではリゾートやホテルではなく、自前のテントと車で利用する「オートキャンプ」が大ブーム。私も早速ネットで一式買い込んで、雪嶽山国立公園でキャンプに挑戦している。

 夜テントの前でバーベーキューをしてお腹いっぱいになったところで、皆さんは何をやっているのかな~と観察したところ、ほとんどの人がDMB(digital multimedia broadcasting)受信携帯電話や車のナビゲーションを利用して8時と10時のドラマをしっかり観ていた。地下鉄の中でも携帯電話を利用してテレビを観る人が増えているが、この山奥のキャンプ場にまでDMBが届くとは驚きだ。

 DMBとは、移動しながら受信するモバイルテレビのことで、韓国では衛星DMB(日本のモバHO!と同じ衛星を使う衛星モバイル放送)と地上波DMB(日本のワンセグと同じ地上波放送をそのまま受信)があり、どちらも全国どこでも地下鉄で移動しながらもテレビを受信できる。地上波DMBは
サイマルだが、衛星DMBは有料でドラマを24時間再放送するCATVが視聴できるので、ドラマ好きにはたまらない。

●地下鉄でも携帯・モバイルTVとも利用可

 韓国では携帯電話はいつでもどこでも通話ができなければ意味がないと思われているため、地下鉄の中でも携帯電話をマナーモードに切り替えるどころか大声で話している人もよく見かける。携帯電話を利用したモバイルテレビも、全国どこでも途切れず利用できなければ意味がなく、地下鉄駅構内の片隅にはキャリア3社のロゴが入った中継器の箱と一緒に、DMBのギャップフィラー(電波の届きにくい地域や場所の受信特性を改善する装置)も設置されている。実はこのDMB、世界で初めて商用化されたモバイルテレビで、衛星DMBは2005年5月から、地上波DMBは2005年12月から放送されている。

 2007年5月末現在、衛星DMB携帯電話の加入者は113万、地上波DMB携帯電話は236台、カーナビやノートパソコン、受信機などが297万台、合計533万台にのぼる。韓国で発売される携帯電話、ナビゲーション、PMP(Portable Multimedia Player、PDAのような動画再生機)のほとんどがDMB受信対応端末で、衛星DMBと地上波DMBを同時に受信できる端末も増えている。


●韓国では予約録画はしない!?

 いつでもどこでも移動しながらでも、観たい番組を逃すことがなくなり、さらにパソコンからはVOD、テレビからはIPTVを利用すれば、見逃した番組までもが、いつでも好きな時間に再生できるようになり、韓国では「予約録画って何?」のような世界になっている。DVDレンタルも、ショップまででかけるのは面倒と、IPTVの利用者が増え、携帯電話料金またはインターネット利用料金と合算で支払うようになっている。

 IPTVは、地上波の放送を同時にIP経由で放映してはならないという放送法があるため、再放送中心となっているが、来年あたりはテレビとリモコンさえあればホームネットワークで家電を操作し、ネット検索をしながらテレビを観たり、電子申請をしたりと、今実証実験サービス中のことがすべて商用化されるため、韓国のドラマファンにとって、ますますドラマにどっぷりはまれる環境が整うことになる。

●イケメン揃いの韓国版「花より男子」が人気

 では、この頃DMBで人気のドラマは何かというと、「
コーヒープリンス1号店」だ。











コーヒープンリンスの美男子たち ユンウンへ(ウンチャン役)、コンユ(ハンギョル役) 左からイソンギュン(ハンソン役)、チェジョンアン(ユジュ役)、ユンウンへ(ウンチャン役)、コンユ(ハンギョル役)

 アイドルグループ「ベビーボックス」出身で、ドラマ「宮」「ぶどう畑のあの男」で立派に女優デビューしたユン・ウンへが今度は男装に挑戦した。コッミナム(直訳すると花美男、美少年のこと)しか雇わないコーヒーショップでバリスタとして成功するため男装して就職するが、そこで運命の人と出会う。最後まで男のふりをするのか、告白するのか!

 もう一人の主人公コンユも今まではちょっと油っぽい役柄が多く、あまり好印象ではなかったが、ここではもう~男の魅力を精一杯出し切っている。コンユ、イ・ソンギュンを始め、あちこちのドラマで「この人カッコいい~」と印象に残っていた美男子が勢揃い! ストーリーはまったく違うが、韓国版「花より男子じゃない?」と噂されているほど、目を喜ばせてくれるドラマだ。また、日本から彼女を探しにやってきたという設定のコーヒープリンスの美男子の一人であるキム・ジェウクにも注目だ。

 実際にコーヒープリンスは、ソウル弘益大前の「オーチャード」というカフェを貸切で撮影中。連日、韓国はもちろん、日本や中国、台湾からもファンが駆けつけ、コンユの姿を一目見ようと大騒ぎだ。コーヒープリンスは、ラブストーリーに限らず韓国人のカフェ好きぶりものぞけるので面白さが倍増。日本でもすでに口コミで火が付いたと聞く。コンユの日本ファンミーティングも近々開催される予定だ。

 今回は、“韓国のドラマ好きはモバイル環境まで変える!”ということで、DMBとコーヒープリンスを紹介した。韓国ではソウル新村にある三星電子のANYCALLスタジオでDMBを体験できるので、韓国旅行の際にはぜひ立ち寄ってほしい。新村駅4番出口からすぐだ。



By-
RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情  
Link

生き残りを「創造経営」に懸ける後継者人事に注目 ―韓国Samsung編―

生き残りを「創造経営」に懸ける後継者人事に注目 ―韓国Samsung編―




趙 章恩(チョウ・チャンウン)
ITジャーナリスト


 「2010年からは予測し難い急速な変化が起こるだろう。ここからさらに飛躍して世界の一流企業になるためには,すべてを原点から見直し,伸び伸びと人とは違う発想をする必要がある。ただし,その発想は収益につながるもので,かつ持続可能なものでなければならない」。


 2007年,Samsung Electronics Co., Ltd. 会長の李健煕(イ・ゴンヒ)氏は,「創造経営」と呼ばれる新たな経営スローガンを発表した。単に「良い製品を作る」というレベルを超え,マーケティング,研究開発,デザインのすべてにおいて独創的なアイデアがないと,いずれは競争に負けてしまうというのが同氏からのメッセージである。


続きは日経エレクトロニクス(2007年10月22日号)で

オンライン学習で子どもの教育環境は改善できるか?

IP放送(IPTV)で教育環境の改善を目指すプロジェクトが韓国で始まった。自治体とIPTV事業者が提携し、経済的に貧しく両親が共働きで放課後一人ぼっちで留守番をしている小・中学生を対象に、IPTVのVODや双方向放送を使って無料で課外授業をするというものだ。

 図書館や児童会館の中に「IPTV勉強部屋」を作り、英語・数学・アニメ・映画などのコンテンツを利用できるようにした。ボランティアの先生が機器の操作と子供達に見せる番組を選択する。


 韓国デジタルメディア産業協会がLCDテレビを、IPTV事業者のKTは1年間IPTVを無料で提供し、学習書出版社が教材を提供する。


 韓国の教育熱の高さは海外でもよく知られている。名門大学を卒業しても正社員になるのは一握りしかいないといわれるほどの不況の中、韓国ではますます学閥が重要となっている。


 子供の未来のため、幼児の頃から英才教育をさせ小学校から各種塾に通わせる。しかしそのためにはかなりのお金が必要となる。1980年代までも貧しい田舎の出身の学生が独学でソウル大に主席合格したという感動物語がよくテレビに放映されたものだが、今は教育もお金がないとできない。「私教育」といって学校の教育よりも塾や家庭教師を頼る傾向が強くなったからだ。大学受験のための「私教育」費用は家計負債を増やす深刻な問題となっている。

教育の差は所得の差につながるが、その教育をさせるためにはまたお金がかかる。自然と名門大学に進学する学生は中産層以上の所得がある家庭で育った子供達で、貧困家庭の子供は大人になっても貧困から抜け出せないという悪循環を、IPTVの教育放送を利用して改善してみようとする試しである。

 放送通信委員会の関係者は、「デジタルメディアを活用した教育福祉を実現させ、インターネットで経済的弱者を保護する社会安全ネットワークにしたい」と述べた。自治体は「IPTV勉強部屋によって、優秀な教育コンテンツを利用できる機会がなかった貧しい子供たちの学習能力を高められる」と期待していた。


 「IPTV勉強部屋」は全国300カ所の地域児童センター、情報化村(2001年から推進されている地方の情報化事業で、地域特産品のオンラインショッピングや観光予約などのサービスで地方の所得増進を目指している)にも設置される。


 一方では、義務教育のためではなくIPTV塾のために国の予算を使うことに対する反発もある。学校教育で学習能力を高めるべきなのに、塾に行かないと勉強についていけないということを政府が認め、「私教育」を煽っているという批判もある。さらに、IPTV勉強部屋事業のために国家予算450億ウォン(約37億円)が使われることから、特定事業者のサービスを利用した福祉事業に予算を使いすぎているという批判もある。


 それでも、いつも一人ぼっちで学習意欲がない貧困層の子供達にとって、誰かが自分たちに関心を持っていて、勉強を教えてくれて、他の子供達と同じように最新映画やアニメも見られるようにしてくれるIPTV勉強部屋の存在は、人生を変えられるきっかけになるかもしれない。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年9月2日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090902/1018324/

サムギョプサルの値段急騰で泣いてます!

 
手前がデジコプテキ、奥がサムギョプサルです。デジコプテキのお店に行くと、こんなステンレスで焼くことが多いですね。













  •  
    真ん中が盛り上がった、釜の蓋のような黒い鉄板で焼くのが正統派サムギョプサルです。キムチやナムルなど、おいしい脂で一緒に焼いて食べると、もっとおいしくなります!














  •  
    豚肉にはやっぱりキムチが一番! サムギョプサルと焼いたキムチを食べている途中で、キムチ冷蔵庫から取り出したばかりのサクサクした歯ごたえのある冷たいキムチで口直し。韓国のキムチは最初は辛いけれど、あとでジュワッと塩辛の風味と白菜の甘みがやってくるので、病みつきになります。



    体内の老廃物を排出して血管をきれいにすると言われているので、黄砂がひどい日やほこりっぽいところに長時間いた日などに必ず食べる
    サムギョプサル。疲れたお父さんの栄養補給たのために、サムゲタンと並んで家庭でよく食べるごちそうのひとつです。韓国では、豚の脂は消化されやすくビタミンBが豊富なので疲労回復にもよく、コレステロールの活動を抑制すると言われていて、牛より豚肉を食べることのほうが多いんです。

  • サムギョプサルとは直訳すると「三重肉」、「三段肉」。よくメニューに「三段バラ肉」なんて書いてありましたね。今は「三枚肉」、あるいはサムギョプサルで日本でも通じてしまうほどポピュラーな韓国料理になりました。


    お肉を焼いて、にんにくやキムチ、サムジャン(韓国味噌とコチュジャン、ごま油、唐辛子、ねぎ、にんにく、ごまなどを混ぜたもの)と一緒にサンチュに包んで食べるだけなので、お母さんの手間も省けます。夏休みにはみんなでキャンプに出かけ、よくサムギョプサルパーティーをやったりもします。お肉をごまの葉に包んで食べると、独特の風味があってとってもおいしいんですよね。野外で食べると、さらにおいしく感じるんです。木の枝や松ぼっくりを拾ってきてバーベキューのように焼いたり、川では拾ってきた平たい大きな石をホイルに巻いて熱し、その上でお肉を焼いたりと、焼き方もいろいろです。私はちょっと厚めの肉とキムチを一緒に並べて焼いて食べるのが一番好きです!


    ところが、サムギョプサルに関してここ数ヵ月間ショックなことが……。お手頃な値段で、庶民のごちそうとして愛されてきたサムギョプサルが! 骨付きカルビよりも愛されていたサムギョプサルが! 今じゃビーフより高い!! 霜降サーロインと変わらない値段にまで高騰してしまいました。豚肉は高級食材になってしまったのです! 「金ギョプサル」と呼ばれるほどですから、もう泣きたいです……。


    もちろん、国産豚を使うサムギョプサルに対して、牛はオーストラリアからの輸入が増えて安くなったという事情はあります。しかし! スーパーで100gのものが1300Wぐらいだったサムギョプサルが、今じゃ2500Wぐらいしますからね。お店で食べると1人前8000Wだったのが、1万Wから1万2000Wぐらいはするし。うちなんてふたりで4人前は軽く食べるから……。韓国の物価から考えると、おサイフに負担をかけることなく気軽に食べられるメニューとは言えなくなりました。


    「豚肉のほかの部位だっておいしいのに、なぜサムギョプサルにこだわるの?」と聞かれそうですが、やっぱり、脂と肉の絶妙なバランスが魅力なのでしょう。焼く前のあの肉を見るかぎり、白い脂だらけに見えますが、サムギョプサル専用の鉄板(釜の蓋のような真ん中が盛り上がっているあれです)で脂を落としながら焼くと、お肉のすみずみまでジューシーな脂がしみこみ、やわらかくて香ばしくて! キムチと一緒に食べて冷たいチャミスル(緑色の瓶の韓国の焼酎)を1杯のどに流し込めば、もうパラダイス! きゃ~なんて、叫んでしまうほど幸せになるんです(と、夫が熱っぽく語ってくれました)。


    そして、サムギョプサル価格急騰の影響で私が最近目覚めた、それはそれはおいしいあるものがあります。辛口醤油に漬け込んで下味を整え、練炭でじっくりパリッとなるまで焼いた「デジコプテキ」(豚の皮)です!! 最初は「うひょ~、こんなに毛穴が丸見えの皮なんて食べれないよ~~」とベソをかいてしまったのですが、「コラーゲンたっぷりでお肌ぷるぷるになりますよ。うちに来る芸能人の方はみんな必ずデジコプテキを注文します」とお店の人に励まされ、レッツチャレンジ!


    うっすら茶色で乾燥こんにゃくのような感じもするデジコプテキを口に入れると、パリッと醤油味スナック菓子のような歯ごたえがあって、次はもっちりとした少し固めのゼリーのような食感が続き、ほんのり甘いお肉の味がきた~と思ったら、もう口の中で溶けてなくなりました。え~~これがデジコプテキですか! 私今までこの味を知らずに生きてきたなんて、損しました。もっと若い頃から食べていれば、おいしくコラーゲンを補えたのに。この口周りのほうれいせんも、いじわるそうにみえる垂れた頬肉も、カラスの足跡のような目尻のしわも、私とは縁のないものにできたはず! これからは、値段が急騰したお高いサムギョプサルよりも、デジコプテキを愛してあげるつもりです。


    でもひとつ難点なのは、デジコプテキは下準備が大変なので、家庭でこの味を再現するのは難しく、専門店に行かないとおいしくいただけないことです。


    新しくオープンした「ロッテシティホテル」がある地下鉄「麻浦(マポ)」駅周辺は、40年も前からデジコプテキで名声の高いお店が集まっているので、おすすめしたいです! デジコプテキがおいしいお店は豚肉を熟知しているということなので、サムギョプサルも豚カルビも、なんでもおいしいんですよ。


    麻浦(マポ)に行けば、お店の外に置かれたステンレス製の丸い練炭用のテーブルに座り、「うぎゅ~」、「ぱうぱう」、「ミチゲッソヨ~(頭がおかしくなりそう~)」なんて、わけのわからないことを叫びながら肉にむさぼりついている私に出会えるかもしれませんよ。


    by: 趙章恩

    2009年07月17日

    「ニッコリア」: ダイナマイト・コリア 今日もドキドキ探検に出かけよう!

    デジタルサイネージ都市をめざすソウルの実験

    薄型ディスプレーと通信ネットワークを使った新しい屋外広告メディアとして注目される「デジタルサイネージ」。韓国でも2006年ごろから「DID(Digital Infomation Device)」と呼ばれ、成長を続けている。今回は首都ソウルでの動向を紹介しよう。(趙章恩)

     ソウル南部にある江南(カンナム)駅前。東京でいえば渋谷のように若者でにぎわう繁華街の約760メートルの大通りに2009年3月、「メディアポール(Media Pole)」と名付けられた多機能型のデジタルサイネージが22本設置された。



    ■情報検索やメール、無線LAN機能も


     高さ約12.4メートル、幅1.4メートルのメディアポールは、車道に向いている面はLED、歩道に向いている面は液晶パネルになっている。パネルの上部はメディアアートの展示や広告用ディスプレー、下部はタッチパネル式で歩行者向けコンテンツを提供する。メディアポールの最上部には照明と防犯カメラもついていて、安全な街づくりの役割も果たす。ソウル市はここを「U-street」と名付けている。


     メディアポールはコンテンツを一方的に配信するだけでなく、情報検索や画像の送受信、公衆無線LAN通信などの様々な機能を持つ。グルメ情報や交通情報を検索したり、自分の写真を転送して大画面で表示したり、内蔵カメラで写真を撮って友人にメール送信したりと、いろいろな使い方、遊び方ができる。映画の予告編を見てその場でチケットを予約できるサービスもある。




    ■サムスン電子が世界シェアトップ


     調査会社ディスプレイサーチによると、2009年1~3月のデジタルサイネージ向けの薄型パネル世界シェアは、韓国サムスン電子が26型以上で11.2%と首位。パナソニックをわずかな差で押さえ、3位がNEC、4位が韓国LG電子という順だ。サムスン電子は「モニター、テレビに続いてデジタルサイネージでも世界1位になった。映像ディスプレー分野で最高のブランドになる」と意気込んでいる。


     サムスン電子やLG電子のように韓国を代表する電子企業がデジタルサイネージに積極的になっていることもあるが、韓国では都市計画の1つとしてデジタルサイネージの導入が注目されている。



    ■ソウルの都市景観づくりの一環


     メディアポールは、ソウル市が08年に「デザイン・ソウル」をキャッチフレーズに始めた都市景観計画の一環だ。「自然と環境」「歴史と文化」「ITと産業」「人間と健康」をテーマに、歩きやすい歩道、自然環境を生かした生態公園づくり、ITインフラを生かした街ナビの整備などを進め、より美しい街づくりに精を出している。


     ソウルの中心である景福宮前の光化門(クァンファムン)には、16車線あった道路を10車線に減らして広場がつくられた。光化門広場は清渓川復元、ソウルの森造成に続く都市再生プロジェクトとして市民を喜ばせている。韓国は60~80年代、「漢江の奇跡」と呼ばれるほどの高度成長を成し遂げたが、一方で首都ソウルは高層マンションだらけの味気ない再開発都市になってしまった。それをITと文化とデザインが中心の知識基盤世界都市にするというのが、デザイン・ソウルの目標である。



    ■広告から楽しめるコンテンツへ


     メディアポールが登場する数年前から、ディスプレーを利用した広告、デジタルサイネージは存在した。タッチパネル式ディスプレーを使って、ユーザーが自分で触って音を出すという広告、床に企業のロゴ入りサッカーボールの映像を映し、それを蹴って遊べるようにした広告など、ソウル市内では映像技術を駆使したデジタルサイネージが身近になっている。


     メディアポールのプロジェクトはそれらを一歩前進させたものといえる。広告方式を競うハードウエアの競争から、「広告だけど広告に見えない」楽しいコンテンツを流す競争になってきた。


     地下鉄運営会社ソウルメトロは、地下鉄1~4号線の全駅にデジタルサイネージとIP電話を組み合わせた公衆電話を導入する計画を発表している。デザイン・ソウル計画の一環で、タッチパネルの画面から広告・情報検索・メール送信・チケット購入(電子マネーやクレジットカード決済可能)などの機能を利用できる。


     双方向メディアとしてのデジタルサイネージは韓国でも注目度が高く、10~20代をターゲットにしたピザ、製菓、ファミリーレストランなどは、ブランドと顧客をより親密につなげる方法としてデジタルサイネージを利用している。ブランドの歴史やブランドロゴを使ったゲーム・メニュー提案といったイベントも開催している。ビルの外側一面をLEDにしてメディアアートとコラボした広告を流す「パサードギャラリー」も流行っている。





    ■情報提供料など課題


     一方、こうした取り組みを通じて、デジタルサイネージのビジネスモデルを確立するうえでの課題も浮かび上がってきた。コンテンツ配信をより発展・向上させるソリューションが整っていなければ長続きしないということだ。


     メディアポールのテスト期間であった3~6月は、ニュースや交通情報、グルメガイドなど多彩なコンテンツが提供されていたが、運営が民間会社に委託されてからはいくつかのコンテンツが利用できなくなった。サービスを中断した新聞社やコンテンツ事業者らは、「ソウル市や江南区役所は世界でも珍しい施設をつくったことだけに満足し、コンテンツ使用料のことまでは考えていなかったようだ」と残念そうに語る。


     デジタルサイネージ広告管理ソフトウエア会社であるScalaのアジア総括支社長ギヨム・プル氏は「デジタルサイネージは多様なコンテンツを自由に表現できるのが長所で、動画、写真、テキストなど表現の制限がない。韓国には世界有数のディスプレーメーカーがあり、有無線ブロードバンドインフラが優れている。デジタルサイネージの大きな市場を形成すると確信している」と述べる。


    ■都市計画とのシナジーが重要


     広告と情報端末兼用の大型デジタルサイネージはソウル各地で見つけられるようになった。日本人観光客が集まる明洞には韓国語・日本語・英語で検索できる観光ガイドと周辺レストランやエステの広告が登場している。


     デパートや大手企業もデザイン・ソウル計画に合わせてITを利用した都市づくりに参加している。屋外広告の標準化と規格化で都市の環境を整備する政策といかにシナジー(相乗効果)を出していくか。美しく、そしてより安全で快適なユビキタス都市を目指して、ソウルは今日も工事中である。



    観光ガイドなどを日本語でも表示するデジタルサイネージ



    – 趙 章恩  

    NIKKEI NET  
    インターネット:連載・コラム  
    [2009年9月2日]
    Original Source (NIKKEI NET)
    http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx?n=MMIT13000001092009


    光明見えてきた韓国版WiMAX,大学生中心に2008年末に40万会員へ

    光明見えてきた韓国版WiMAX,大学生中心に2008年末に40万会員へ

    from 韓国

    趙 章恩(チョウ・チャンウン)
    ITジャーナリスト

     最近,韓国ソウル市では「デジタル遊牧民」をよく見掛ける。カフェや公園,電車やバスの中でもノート・パソコンの画面を夢中で見て,インターネットにアクセスしている人たちだ。街中でインターネットというと,日本では携帯電話機が主流だが,韓国ではノート・パソコンやPMP(portable multimedia player)と呼ばれる小型端末が定番になっている。自宅や図書館,オフィスよりも自分の好きな場所で仕事をしたい,宿題をしたいというデジタル遊牧民が街中にあふれている。



    続きは日経エレクトロニクス(2008年6月2日号)で

    第38回:カンヌ映画祭主演女優賞おめでとう! チョン・ドヨンのドラマを見直そう







    第38回
    カンヌ映画祭主演女優賞おめでとう!
                   チョン・ドヨンのドラマを見直そう

    2007年7月3日


     先日、韓国のメディアには「招かれざる客」というタイトルの記事が掲載され、韓流を悪用する商魂の批判が続いた。5月31日、「4月の雪」「8月のクリスマス」を演出したホ・ジンホ監督の結婚式での出来事。

     非公開結婚式にもかかわらず式場の周辺には記者団より多い50人あまりの日本人女性が集まり、監督の結婚式にヨン様が来るのではないかと待ち構え、芸能人が来るたびに写真を撮るため大騒ぎ。ホ監督は不快な様子で「招待していない観光客が結婚式場に現れ驚いた。大事な日なので抗議はしなかったが、神聖な結婚式がこんな風に利用されるなんて怒りを感じる」と話していたという(
    関連記事:ハングル)。

     これが実は韓流ツアーの日程の一部で、ホ監督に何の相談もなく、「ヨン様が来るかもしれない」と旅行代理店が結婚式場にツアー客を送り込んだせいだというのがわかった。本人の知らない間に、自分の結婚式が芸能人に会える観光商品になっていたと聞いたら、最悪な気分だろうな。

     それに芸能人が見られるからって高い費用を払ってツアーに参加し、招かれざる客扱いされる韓流ファンも決していい気分ではなかっただろう。「破廉恥な韓流ツアーが韓流を滅ぼす」と旅行業界も目の前の利益にとらわれず、息の長い韓流を守っていこうと自粛の動きをみせている。韓流ツアーに参加して逆に韓国が嫌いになったという方がいらっしゃるのではないかと心配だ。悪徳な韓流ツアーの見分け方があるといいけど、それも難しい。この際、韓ドラファンの一人として「まともな韓ドラツアー」を企画してみようかしら。







    密陽(公式サイト)
    ※ 画像はクリックで拡大
     ところで、ホ監督の結婚式で新郎より注目されていた人がいる。主人公は第60回カンヌ映画祭主演女優賞を授賞したチョン・ドヨン。韓国ですら「まさか!」と思われていた授賞だけに、国をあげての大騒ぎとなった。でも“海外映画祭で賞をとる映画はみんな面白くない”という伝説があるんだよね。例にもれず、主演女優賞を授賞するきっかけとなった映画「密陽(ミルヤン)」(密陽の公式サイト)もカンヌ効果で興行成績は伸びたものの、「パイレーツ・オブ・カリビアン」と「シュレック3」には負けている。

     この映画のイ・チャンドン監督は、文化観光部長官を務めた大物監督。しかし「密陽」に限っては、イ・チャンドンの映画ではなくチョン・ドヨンの映画というほど、彼女の卓越した演技力で支えられた映画と評価されている。

     チョン・ドヨンは、韓国でも特別な女優として扱われている。それは、ヨン様主演の「太王四神記」に出演する(でも撮影は中断されたし、どうなることやら~)ムン・ソリとも共通している部分だけど、どんな役柄も恐れないタフな俳優魂を持つ女優だからだ。HIVに感染したホステス役、全裸の後ろ姿を公開した不倫に落ちる主婦役、先生を好きになる知能障害の17歳の役など、ほかの女優が断った難しい役柄に好んで挑戦している。そのせいか、チョン・ドヨンには広告が入ってこない。

     イ・ヨンエ、キム・テヒ、キム・ジョンウン、コ・ソヨンといった女優は正直、映画やドラマに出るより広告で生き延びているのに、チョン・ドヨンは当たり前といえば当たり前だが、女優業一つで勝負している。「それがついに、カンヌ映画祭主演女優賞として実ったのではないか」と、韓国の映画ファン達は大絶賛している。

     チョン・ドヨンは高校時代、ジョンソン&ジョンソンベビーライトスキンの広告モデルとしてデビューし、雑誌モデルとして活躍した。あの広告写真を今でもBLOGでみかけたりするが、顔がそのまま! あの童顔、素肌美人の秘訣は、緑茶をコットンに浸してパックしたり、きゅうりを顔にはる天然パックの効果だそう。今日から早速きゅうりパックを始めなきゃ! 話がそれたが、その後チョン・ドヨンはトレンディードラマの主人公の親友役といったチョイ役を経て、ヨン様も出演した「若者のひなた」で演技ができる新人として知名度を高めた。

     私の記憶の中のチョン・ドヨンは、ヨン様と縁が深い女優だった。ドラマ「若者のひなた」、「別れの6つの段階」、映画「スキャンダル」で共演しているし、そのほかでも、90年代中盤までヨン様とお似合いといえばチョン・ドヨン、と名前が挙がっていたのをよく覚えている。「若者のひなた」では貧しい炭鉱村の次女で、初恋のために自分を犠牲にする姉とは正反対の現実主義、小説家を目指す強気の役柄だった。ヨン様の演じるハ・ソクジュがその堂々たる態度に惹かれていく数々の場面が、まるで昨日観たドラマのように鮮明に残っている。もちろん、あのショートカットのかつらがあまり似合わなかったのも記憶に残っているけど。

     チョン・ドヨンが出演したドラマと映画は数が多すぎて、何から紹介したらいいのやら迷ってしまうが、特にお勧めしたいのは、この90年代初期のドラマ3作品と韓国で大ヒットした映画4作品だ。日本ではDVDまたはインターネットで公開されているので、ぜひ楽しんでいただきたい。







    ●お勧めドラマ

    ◆われらの天国

     チョン・ドヨンのドラマデビュー作。この作品で彼女は、かなりのチョイ役なので、彼女がどの場面に出ているかを探すのも大変だが、90年代前半、韓国がまだかなりダサかった頃の、大学生の恋と悩みを描く青春物語なので、韓国の大学文化を含め楽しめる要素が満載。ドラマのストーリーより、92年、93年頃の古き良きソウルの街並みや文化に触れられるところに注目して観ると、面白さが倍増する。韓国って、この15年でまったく違う国になってしまったことがよくわかる。

    別れる6つの階段

     漢江の夕焼けを背景に、黄色いワンピースを着てはしゃぐチョン・ドヨンの姿が印象に残る作品。それは下着が透けて見えたから……、という理由もあるが、ヨン様の温かい微笑みとチョン・ドヨンの初々しい姿が重なり「私もあんなデートしてみたいな~」と空想したものだ。








    若者のひなた
    若者のひなた

     個人的に大好きなドラマの上位にランクされているので、RBB読者の皆さまにもぜひご覧いただきたい作品。全56話とかなり長いが、一度見始めるとドラマ「初恋」のようにどんどんはまっていく。視聴率58%を記録したドラマ史に残る作品なのは確かだ。




    By-
    RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情  
    Link

    コンチャの国、ドムの国、韓国! その1

    写真
    仁寺洞でのランチ。オーダーしたチゲがまだ出ていないのに、すでにテーブルはこんな状態に(これでふたり分)! このあともチゲと焼き魚とキムチが3種類ほど追加され、デザート代わりに冷たい梅茶まで並びました~。これでひとり8000Wでしたよ。











  • 写真
    書店の雑誌コーナー。雑誌のオビには付録の案内が。どれどれ~?











  • 写真
    「リビングセンス」という主婦向け雑誌の5月号の付録は、メンソレータムの日焼け止めとラッピング解説書! メンソレータムの日焼け止めは、日本のドラッグストアで売っているものと同じです。6月号は国産ブランドのマッサージクリーム300MLと洗濯洗剤250gでした。雑誌が7800Wなので、これはお得!











  • 写真
    おしゃれな主婦に人気のインテリア雑誌「CASA」は、ラベンダーのアロマキャンドルが付録でした。雑誌のテーマに合う付録ですね。



    韓国を初めて訪問したとき、レストランで席に着くやいなや、注文もしていないのにテーブルにどどっと小皿料理が並べられ、戸惑ったことはありませんか?

  • 豆もやし、ほうれんそう、ねぎなどをごま油であえたナムル、白菜キムチカットゥギ(サイコロのように切った大根のキムチ)、練りもの(韓国では「おでん」といいます)の炒め物など、小皿に盛り付けられたものはすべて基本のおかずでコンチャ(無料、タダ)です!


    もちろんおかわりだってコンチャ! いくらでも食べていいんですよ。


    お店によってはカンジャンケジャン(カニのしょうゆ漬け)ケランチム(韓国式茶碗蒸し)なんていう立派な料理までドム(おまけ)で出してくれます。


    韓国ではいつも、どれがオーダーした料理で、どれがコンチャでドムなのかまったく区別がつかないような状況になってしまいます。日本の方は「食べきれない~!」と驚かれるようですが、これが韓国式の食事です。逆に韓国人が日本に来ると、すべてが有料であることに驚きます。「日本人はたったふた切れのたくあんまでお金をとる! 薄情だ!」とびっくりしてしまうんです。韓国ではラーメンやうどんなどについてくるキムチ、たくあんなどの漬物は無料が当たり前ですからね。


    サムギョプサルをオーダーすれば、野菜におかずはドム、お刺身をオーダーすれば天ぷらに手巻き寿司に焼き魚など、15~20種類近い料理がドム、うどんやトッポッキなど安いファストフードを頼んでも、たくあんやキムチにスープがドム、なのです。オーダーした料理だけ出される、なんてことはまず考えられません。ファミリーレストランやファストフード店でも、パンが食べ放題、飲み物もおかわり自由のところがほとんどです。


    仁寺洞や明洞などにあるカフェのコーヒーもおかわり無料です。スターバックスやコーヒービーンズなどのチェーン店はやっていませんが、普通の喫茶店のようなカフェはどこも、注文した飲み物を飲んだあと、コーヒーを無料で注いでくれます。明洞のコスメショップ「TODACOSA」がある通りには小さいカフェがずらっと並んでいますが、どのカフェもケーキが無料なんです! 何を頼んでもひとりひとつずつ生クリームケーキか、シロップをたっぷりかけたホットケーキがドムとしてサービスされます。仁寺洞ではドリンクだけオーダーしても、お餅や韓菓を出してくれるところが多いですよね。


    韓国のおもてなしとは、「テーブルの足が折れるほど」、「食べきれないほど」料理を出すことだと言われてきました。


    もてなされる側も少し残して、「お腹いっぱいでもうこれ以上は入りません! 大満足です!」という感謝の気持ちを伝えます。昔は、きれいさっぱり食べてしまうと「足りない」という意味になり、お客様に大変失礼なことをしてしまったと考えられていましたが、この頃は食べ物があふれ肥満が心配な時代ですし、エコが大事ですからね。残飯を減らすために、残さずきれいに食べるのがマナーと言われるようになりました。おかわりは自由ですが、残さないようにしましょうね。


    韓国のコンチャやドムは食事だけではありませんよ。ニッコリア読者のみなさんなら、もう体験済みかもしれませんね?


    コスメショップでは決まった金額以上を買うと、試供品とは思えない箱入りのセットをくれたり、1個でも商品を買うとあれこれ試供品を一緒に入れてくれたりします。以前、日本のテレビ番組で、「センプルジュセヨ~(サンプルください)」と悲しそうな表情で言えば試供品がたくさんもらえるなんてことを教えていましたが、そんな恥ずかしいことをしなくても、たっぷりもらえますから心配ご無用!


    また、コンチャの総集編ともいうべきものが、雑誌の付録です。


    日本でも女性ファッション雑誌に付録がつくようになりましたが、韓国では1995年頃からファッション雑誌にボディーローションやグロス、美容液、アイシャドー、ファンデーションといったコスメやハンドバッグが付録でつくようになりました。試供品ではなく、正規の商品が丸ごとついていたりもします。新発売のお醤油やソースを1本、オリーブオイルなどがどん! とついていたり(迫力満点!)、Tシャツやアロマキャンドルが付録になっていたこともあります。


    本屋さんの入口にはその月の付録が展示されていて、みんな雑誌の中身より付録で選んでいますね。法律によって雑誌の値段より高い付録をつけてはいけないのですが、企業から試供品として提供してもらったものは無料のため雑誌の値段を超えることはないので、付録競争はどんどんエスカレートしています。さらに鐘路にある大手書店では、その書店オリジナルの特別付録があるんです! 5月にも、7800Wの雑誌に、スペイン産オリーブオイル700ML、新発売のお醤油1L、中小メーカーのBBクリーム30ML、保湿成分入りウェットティッシュ1箱、消臭スプレー2本、シートマスク5枚、手で回して使うジューサーまで! スーパーで買うと2万Wは下らないほどの付録がついていました(重かった・・・)。韓国旅行の記念に雑誌を買ってみるのもおすすめです。


    さらに驚くべきコンチャ、ドムの世界はロッテ百貨店にあります! 次回はロッテマートや百貨店で出会ったコンチャの世界をご紹介します!



    by: 趙章恩

    2009年06月09日

    「ニッコリア」: ダイナマイト・コリア 今日もドキドキ探検に出かけよう!

    [エンタメコラム] 韓国ドラマ史に残る「愛の群像」 その3

    「若者のひなた」のあらすじをご紹介します!



    「若者のひなた」は韓国の定番のメロドラマで、主人公の裏切りと破滅を描いた単純明快なものです。


     


    炭鉱村で育った貧乏な青年が成功を夢見て超難関の国立ソウル大に進学→自分の出世を願い貯金をはたいてくれた恋人を裏切り、金持ちのお坊ちゃまに近づいて親友となり、その双子の妹と婚約→3年後、婚約者の父に会社経営の跡取りとして認められるほどになり、留学までさせてもらう→彼の出世を願う献身的な元恋人は彼の子供を産みひとりで育てている→4年後、結局すべてがばれて婚約解消、破滅へ……。


     


    しかし、もうちょっと踏み込んで詳しく話そうとした瞬間、「このドラマってこんなに生き生きした内容だったんだ~」と感心せずにはいられなくなります。炭鉱村からソウルに出てきた若者の暮らし、ソクジュのようなお金持ちの暮らし、周辺人物のもろもろのエピソード、お金がある人もない人もみんなそれぞれ悩みがあり、「成功」の基準もそれぞれ違うため、それぞれの葛藤があり……このような細かいパズルのピースがひとつになることで、単純なメロドラマが不滅の名作へと生まれ変わっていきました。どんな苦しみも、温かく包み込んでくれる家族や友人のおかげで克服できるというエピソードがあちこちに散りばめられていて、「ドラマ」というより、身近な人の話かと思えるほど親近感が沸いてきます。


     


    改めてあらすじを紹介しましょう。ソウルオリンピックで国中が騒然としていた1988年、ある炭鉱村で国立ソウル大学に合格したインボムのお祝いパーティーが開かれます。若いころに夫を亡くし、喫茶店(といってもいわゆるスナック)を営む母にとって秀才のインボムは自慢の宝であり、プライドでもあります。水商売と陰で軽蔑されながらも、インボムがいるからこそチャヒの家族にも大きな顔をしていられるからです。


     


    彼の恋人のチャヒは、彼が合格したことをインボム本人ではなく、インボムの母が営む喫茶店の貼紙で知ってがっかりします。一方、インボムの弟インホがチンピラと喫茶店で働く女の子と三角関係になり、チンピラを刺して逃げたため、パーティーは台無しになります。


     


    その時ソウルでは、ソクジュの合格祝いパーティーが盛大に開かれます。ソクジュは進学を望んでいた映画学校ではなく、化粧品会社を経営する父のすすめで経営学を受験するしかなかったので、ソウル大学に合格したものの嬉しく思ってはいません。


     


    さて、男装した女スリのヒョンジは、警察から逃げるためソウルにやってきたインホのサイフを盗み、それが原因となってインホは逮捕されます。インボムの大学入学金はインホの釈放のための和解金に消えてしまい、インボムは途方に暮れます。


     


    チャヒは知能が7歳のまま大人になってしまった弟のために、母が貯めていた貯金を持ち出し、インボムに渡します。そのお金を持ってインボムは始発の汽車に乗り、ソウルへ向かいます。


     


    インボムは教室で出会った御曹司のソクジュに近づき、親友になります。ソクジュの双子の妹ソクランは田舎者のインボムを無視し、インボムもわざとソクランに冷たく当たります。が、インボムとソクランのあいだには少しずつ微妙な感情が芽生え始めます。


     


    インホの和解金のために全財産をはたいてしまったインボムの母は、喫茶店があるビルの大家に面倒を見てもらう代わりに不倫関係となります。釈放されたインホはその現場を目撃し、大暴れしたあと、ソウルへ逃げます。インホは自分のサイフを盗んだスリ団を見つけ出し、ヒョンジと再会。ヒョンジにスリの仕方を教えてもらい、自分もスリ団の一員としてソウルで生活を始めます。インホは、男だと思い込んでいたヒョンジが実は女性だったことを知り、驚きます。


     


    家族を養うため炭鉱で経理事務員として働くチャヒは、インボムの手紙だけが楽しみです。小説家を夢見る文学少女の妹ジョンヒは、チャヒの名前でエッセイを応募し当選、チャヒは代わりに原稿料を受け取るためソウルへ行くことになります。インボムに会えると胸をときめかせるチャヒの姿に、チャヒに想いを寄せるユンベは胸が痛みます。ユンベは炭鉱で働きながらボクシングの世界チャンピオンを夢見る誠実な青年で、インボムの親友でもあります。


     


    インボムを訪ねてソウル大学まで行ったチャヒはやっとの思いでインボムと再会しますが、教授のアシスタントとしてソクジュの会社の研究員になったインボムは、ゆっくりしていられませんでした。インボムに会えると張り切っていたチャヒは落ち込み、終電の汽車に乗り込みます。そこへインボムが現れ、出発直前の汽車の中でふたりは再会し、インボムの部屋で一夜をともにします。


     


    インボムは、ソクジュの父の前で研究員として働きながら得た化粧品の知識を披露します。これはすべて計算された行動でした。ジンミ化粧品の会長であるソクジュの父はインボムを気に入り、ソクランもインボムを見直します。


     


    ヒョンジは、入院している母の病院代をかせぐためにスリをしていました。彼女と母を捨てた男は、今はソクジュの父です。死にかけている母のために、最後に一度でも会ってくれるよう頼みますが断られ、ヒョンジはジンミ化粧品一家への復讐を誓います。そのためスリ団と決別し、暴力団に身を置きます。それはインホにとっても不幸の始まりでした。


     


    一方、ユンベのところに、昔ボクサーの夢を与えてくれたコーチがやってきます。ソウルで一緒に再起してみないかと誘われたものの、コーチに全財産を詐欺で奪われてしまいます。それでもコーチを信じて、ユンベは世界チャンピオンに向けて走り出します。


     


    故郷にひとり残されたチャヒは、インボムが自分の母の誕生日には炭鉱村に戻ってくるだろうと期待しています。インホもインボムを訪ね、母に渡してほしいとお金を預けます。しかしインボムは、葛藤しながらもソクジュ、ソクランと一緒にヨット旅行へ出かけます。インボムはヨットの上でソクランに無理やりキスし、彼女との距離を縮めることに成功します。


     


    ユンベに会ったインホはインボムが故郷に帰らなかったことを知り、自分だけでも母の誕生日を祝ってあげようと炭鉱村に行きますが、目に入ったのは酔っ払って寝ている母と不倫相手の姿でした。インホは、ユンベのコーチが博打をやめてボクシングに戻るためにお金が必要だと言っていた話を思い出し、アルバイトのつもりで炭鉱村のチンピラに力を貸します。


     


    ヨット旅行から戻ったインボムは、里帰りするつもりで買っておいたチャヒと母へのプレゼントを持って衝動的に夜行列車に乗ります。インボムから指輪を贈られたチャヒは感動の涙を流します。そのとき、インボムが突然故郷に戻ったという話を聞いたソクジュは、インボムを追いかけます。炭鉱村でソクジュは、インボムが自分の生い立ちなどについてずいぶんとウソをついていたことを知ります。インボムは母と不倫相手の妻が罵りあいながら喧嘩をしている場面を目撃し、もうここには戻らないことを決意します。


     


    インボムがソウルに行ってしまってから、チャヒはつわりを経験します。ソクジュに自分のウソがばれてしまったのではないかと気を揉んでいたインボムは過労で入院し、チャヒはその報せを聞いてソウルへやってきます。妊娠を疑うインボムにチャヒはウソをつきます。それでも隠しているのはいけないと思い戻ってきたチャヒは、インボムとソクランが車の中で抱き合っているところを目撃します。愛するインボムの出世のために、チャヒは身を引くことを決意します。一方、闇の世界に身を置くようになったインホは、対抗する組織にいるヒョンジの手助けをするため、炭鉱村のチンピラ達を裏切り暴力を受けます。


     


    それから3年が経ち、インボムは徴兵を終えてソクラン、ソクジュと一緒にアメリカ留学の準備を始めます。家族にも知らせず子供を産んだチャヒはシングルマザーとなり、ホテルの電話交換手として働いています。


     


    インホはチンピラに暴力を振るわれたことがきっかけで記憶喪失になりますが、再び事件を起こして刑務所に入り、ヒョンジは彼を待つことになります。アジアチャンピオンになったユンベはチャヒを探し出し、一度告白しますが、チャヒにその気がないことを知ると兄として見守ることを誓います。チャヒは父の臨終にも立ち会うことができず、ジョンヒはそんな姉を憎みます。


     


    インボムが留学を終えて戻ってきた4年後、ソクランとインボムは婚約し、結婚の準備を急いでいます。ソクジュはこっそり映画監督になるための勉強をしてましたが、映画賞を受賞したことで父が知るところとなり、勘当されてしまいます。チャヒは小さなお店を営み、ヒョンジは化粧品の流通を牛耳るようになり、ジンミ化粧品の営業を妨害することで復讐を始めます。ヒョンジを愛する暴力団のボスは、ヒョンジがインホに想いを寄せていることを知り、インホを殺そうとします。それをかばおうとしたヒョンジは頭を殴られ、脳に損傷を受けて車椅子の生活を余儀なくされ、インホはヒョンジに一度も愛していると伝えることができないまま死んでしまいます。


     


    小説の公募で入選し小説家として注目されるようになったジョンヒは、雑誌の仕事で新人監督のソクジュをインタビューしてきてほしいと頼まれ、ふたりは再会します。実は高校生のとき、インボムを訪ねてきたソクジュを見てジョンヒは胸がときめいたことがあったのでした。また、ジョンヒが通信制の大学に通っていたころ、ハキハキと自分の意見を言うジョンヒの姿にソクジュは胸がときめいたことがありました。そして3度目の出会い。ソクジュはジョンヒの小説「鉱夫の娘」の映画化を提案します。そしてジョンヒからこの小説は姉の話であると聞かされ、インボムが従妹だといっていたチャヒが実は恋人で、子供までいることを知ります。


     


    インボムもチャヒに子供がいることを知りますが、いまさらあとには戻れないとソクランとの結婚を強行しようとします。そのころソクランは、インボムの母に会い失望します。育ちが違いすぎることから、結婚に不安を感じ始めるのです。そこへインボムに隠し子がいることがばれ、ソクランは婚約を破棄してインボムを忘れるために留学を選びます。


     


    ソクジュは映画の撮影のために炭鉱村へ行き、タイトルを「若者のひなた」に変えたとジョンヒに伝えます。ふたりはなんだか恋人になりそうなムードです。ソクランにも捨てられ、ソクランを踏み台に手に入れた地位も失ったインボムが、ソウル大学でソクランやソクジュと出会ったころの野望に燃えていた自分を思い出しているところでドラマは終わります。


     


    以上が「若者のひなた」のストーリーです。次回は、さらにこのドラマの魅力に迫ります!


    ニッコリア
    Cho!エンタメコラム
    http://ni-korea.jp/cho/index.php?id=090727#leftblock

    新政権のエレクトロニクス政策発展政策担う「知識経済部」に期待

    新政権のエレクトロニクス政策発展政策担う「知識経済部」に期待


    from 韓国




    趙 章恩(チョウ・チャンウン)
    ITジャーナリスト

     2008年6月17~18日,韓国ソウル市で「OECD(経済協力開発機構) IT大臣会議」が開催された。韓国の政府機関は,アジアでは初開催となる同会議を招致したこと,そして韓国がITやエレクトロニクスの強国としてイニシアチブを取り続ける意思があることを内外に示す絶好の機会であるため,会議の準備を優先的に進めてきた。これにより,IT技術や製品の世界での販売力の強化につなげる狙いがあった。


     例えば,韓国で年に数回開催されるIT関連展示会を同会議の付帯イベントとして前倒し,「World IT Show 2008」として同時開催したほどである。


     OECD IT大臣会議には世界42カ国の大臣や政府代表,民間企業の代表者など3000人以上が参加した。韓国Samsung Electronics Co., Ltd.や韓国LG Electronics, Inc.の最新の携帯電話機,韓国KT社のIPTV用セットトップ・ボックスなどが展示され,合計で20万人以上の来場者が訪れた。


    続きは日経エレクトロニクス(2008年7月14日号)で