2007年6月7日 5月5日は子どもの日、8日はオボイ(両親)の日、14日はローズデイ、15日は先生の日とイベントが多い韓国の5月。プレゼント費用でごっそりまとまった出費をしなくてはならない月でもある。
視聴率1位のSBS「私の男の女」は、端正で淑やかな女優の代表格であるキム・ヒエが、親友の夫を奪う悪女に初挑戦ということでも話題だが、女同士で殴る蹴るの壮絶なシーンが続き視聴率が一気に上がった。 キム・ヒエは、韓国で有名なベンチャー会社の社長と結婚し2児の母でもある。そんな彼女がヌード同然の衣装を着て派手なラブシーンまでこなすという、あまりにも大胆な役に挑む理由は、夫のビジネスが上手くいかないせいではないかという憶測まで生んだ。それぐらい破格的な変身である。 このドラマでは、夫の浮気に苦しめられる、格闘技が趣味という主人公のお姉さんが裏主役で、妹の夫を奪うキム・ヒエを何度も思いっきり殴りとばす。 お金持ちのマダムなので、妹の憂さ晴らしに何でもしてあげようとするお姉さんに主婦の視線は釘付け! 「こんなお姉さんがいたらいいな~」とストーリーの展開に関係なく、お姉さん役のハ・ユミの人気は急上昇している。
●ユン・ソナの韓国復帰作もやっぱり不倫 SBS金曜ドラマでユン・ソナの韓国復帰作でもある「恋人よ」も、それぞれ結婚した元カップルが隣の家に住みながら不倫をする。 MBCの「悪女善女」では、痴呆症の祖母に姑、そして自分の初恋の女性が産んだ娘を実の子以上に大事に育ててくれた奥さんを捨て、その初恋の女性と6年もの浮気の末、家出。果ては、海外へ逃げようとする夫が登場する。
KBS「幸せな女」は、夫の成金両親が浮気を公認、「お前のような身分の合わない嫁はいらない」と離婚を催促する始末。妻は夫に知らせず離婚してから出産、いい人と出会い再婚しようとするが、そこに元夫が現れ「やっぱりお前しかいない」とすがりつくというストーリー。どのチャンネルも不倫ドラマだらけだ。 そうそう、不倫ドラマといえばこれも見逃せない。日本でもケーブルチャンネルで放映されているKBSの「夫婦クリニック-愛と戦争」は、1999年放映開始以来、金曜日の夜の時間帯では13~15%と最高視聴率を維持している。 離婚を前提に裁判所に来た夫婦の「どうして離婚したいのか」を、夫の立場、妻の立場から再現するドラマだ。韓国ドラマにしてはかなり過激なベッドシーンや暴力シーンもあり議論になったりもしたが、根強い主婦ファンのおかげで長寿番組になっている。“不倫”“経済的な問題”“夫または妻の家族のいびり”の3点セットによる離婚が多い中、これはもしかしてあの人のこと? と思わせるような「財閥の御曹司と女優の離婚」「大学教授のセクハラ騒動」「年下彼の結婚詐欺」といったエピソードも登場するから目が離せない。 ●私はもっと幸せになってやる! 韓国の視聴者は、この頃の不倫ドラマに関して以前とは違う反応を示している。「夫が家庭に戻って来るのがハッピーエンドではない。浮気をした夫を許し家庭に戻らせるというストーリは陳腐すぎる。若くて健康だったときは浮気ばかりして歳をとって病気になったら奥さんに戻ってくるという設定は気にいらない」と。ドラマの内容も「女性」を主人公にしたものが多くなったので、「夫が浮気? あ、そう。それなら私はもっと幸せになってやる!」とばかりに自分の人生をリセットする。 SBS「私の男の女」では、夫を寝取られた不幸なはずの妻も、通帳と家を慰謝料にもらい、すっきりした表情で離婚する。離婚を知らない夫の両親や知人の集まりには妻の顔をして参加し、不倫の末に男を勝ち取ったはずの親友キム・ヒエが腸を煮えくり返らせるようなこともよくする。それに離婚を待ってましたとばかりに長年自分に想いを寄せていたという男性にも出会う。離婚は不幸の始まりではなく、妻にとっても新しい恋愛の始まり、という展開になっているから面白い。「私の人生から夫を退場させ、私を好きと言ってくれる格好よく経済的余裕もある年下彼と子供と一緒に第2の人生を歩む」、これって夫婦喧嘩の後に一度は夢見る主婦のファンタジーではないだろうか。 韓国で不倫ドラマが人気なのは、このように糟糠の妻が負け犬ではなく、離婚を契機に悪戦しながらも新しい人生にチャレンジして生まれ変わるという成功ストーリーになっているからだ。 2000年に大人気だったドラマ「アジュンマ(おばちゃん)」や2004年の「2度目のプロポーズ」はまさにその典型。離婚した専業主婦の妻たちは、子供を養うために手探りでお店や会社を興し、周囲に助けられてとんとん拍子で成功していく。これはまさに現実離れしたファンタジーなのだけど、「私もそうなるかも?」と感情移入してしまうのは仕方ない。 韓国の離婚率は3組に1組というほど高い。筆者の周りも出戻り組、ドルシン(ドラオンシングル、戻ってきたシングル)が増えているし、子連れ再婚カップルも増えている。だがテレビのドキュメンタリー番組などを観ると、離婚して子供を抱え、養育費ももらえず貧困に苦しむ母子家庭は少なくない。韓国では、離婚後養育費を払うよう強制はできない。物価は日本と変わらないのにパートの時給は1時間400円~700円、失業率の高いこの国で主婦が再就職するのは至難の業だ。なので、やっぱり離婚だけは躊躇する奥さんも多い。 もっと面白いのは、SBS「私の男の女」では、不倫の末に結ばれた男女が日常を一緒に送ることにより、またお互いに飽きてしまうという内容に差し掛かっていること。女は男とままごとのような新婚生活を楽しみたかった、だが男は「蒸したじゃがいもが何でこんなにおいしくないんだ」「掃除はしないのか」と些細なことも元妻と比較し、肉体的関係以外の日常的な生活は噛み合わなくなる。まさに「ざま~みろ~」とも言うべきシーンが続く。不倫のその後を描いた物語りについては、あまりドラマの素材になることがなかったせいか、かなり新鮮だ。 ●いよいよヨン様の出番となるか!? 韓国のドラマはご存じのとおり、“通事故”“記憶喪失”“異母兄弟の恋”“アメリカ留学”“偶然の再会”という基本的なルールに沿わないと視聴率を取れない。不倫ドラマもこれに負けず「またかよ!!」という場面が多発する。でもストーリは関係ない。セカンドライフじゃないけど第2の自分というか、多くの主婦が自分の喜怒哀楽を投影できるキャラクターがいるドラマはヒットする。ドラマを観ながら、同時に視聴者掲示板に主人公になりきり意見を書き込む廃人の中に主婦が多いのも頷ける。 ヨン様の「太王四神記」が放映延期となり、その埋め合わせとしてMBCで放送されるドラマ「賢母良妻」もタイトルとは裏腹に不倫物だ。主婦向けファンタジーである不倫ドラマを観ながら本物のファンタジー大作ドラマを待つというのも悪くないね。6月こそはヨン様の出番となることを祈りたい。 By- RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情 Link |
OECD報告書の波紋、韓国の携帯電話利用料値下げ圧迫
経済協力開発機構(OECD)が会員国の情報通信政策と料金をまとめて2年に一度発表している「OECDコミュニケーションアウトルック」が韓国移動通信業界に波紋を巻き起こしている。OECDの料金比較は約款上の標準料金の比較で、通話量別料金を比較している。
韓国のGDPは会員30カ国の中で22位にすぎないが、移動通信利用料は2007年に比べ14%ほど安くなったものの、通話量が少量(月44分)だと25位、中量(月114分)で19位、多量(月246分)になると15位とかなり高いことが分った。さらに、韓国の家計支出に占める通信費の割合は5.6%で、OECD平均2.45%の2倍以上だった。
OECDの報告書が発表される直前、韓国消費者保護院も韓国の移動通信通話料は1分当たり0.1443米ドルで、移動通信利用時間や通信環境が似ている15カ国の平均は0.1024米ドルであるとし、韓国の通話料は高すぎるといった報告書を発表していた。
消費者団体や加入者の間では、標準基本料金(月1万2000ウォン)または標準通話料(10秒18ウォン)のどちらかを値下げするよう要求する動きが強まっている。消費者団体は、移動通信キャリアが料金を値下げしているといいながらも営業利益は毎年伸びていることを指摘している。OECD会員国の中で通話料が最も安い国は、フィンランド、オランダ、スウェーデンで、MVNOが盛んなヨーロッパに集中していたため、第4のキャリアを認可するか、MVNOを始めるか、政府が積極的に競争できる市場環境を作らないといけないのに、事業者の言いなりになっていると不満を持っている。
所得に比べ料金が高すぎるという論争は、移動通信サービスが始まった頃から変わっていない。何度も繰り返されてきた。ところが料金の認可を担当している政府は、料金値下げは市場に任せるとしながらも、OECD報告書の算定方式には疑問があるとして解明のためのセミナーまで開催した。
国内外から料金が高すぎると攻撃された移動通信キャリアは、早速反撃に乗り出した。
韓国は音声通話の利用時間が長いため、基本料は高く通話料は安くなるよう割引を適用しているが、OECDは標準料金だけを比較対象にしているため料金が高いように見えるだけというのだ。料金が高いのではなく、通話時間が長いので料金が高くなるのは当たり前ではないかという説明である。キャリア側は、モバイルインターネットが発達しているため音声通話をあまり使わなくなる世界的傾向とは違って、まだ音声通話が中心の韓国と海外の料金を一概に比べてはならないと主張している。韓国の月平均音声通話時間は約313分で、OECD平均をはるかに上回っている。韓国のキャリアの売上の約8割が基本料金と音声通話から生まれているほどだ。移動通信市場シェア1位のSKテレコムは標準料金に加入しているユーザーは19%にすぎないので、各国の通信環境を考慮していないこのような料金比較は信頼できないと反発している。割引制度を多様化しているので、標準料金は高くても、そこからあれこれ割引されるので合計額から利用料を割り出すと決して高くないと説明している。しかし消費者側は納得できない様子だ。
放送通信委員会は消費者団体の意見を受け入れ、ナンバーポータビリティを利用して新規加入したり、2Gから3Gへ機種変更する際にもらえる端末購入補助金制度を見直したり、端末を買い替える代わりに料金を割り引きしてもらえる制度を導入する方案を提案した。一部のユーザーが新機種を安く手に入れる方法としてナンバーポータビリティを繰り返していることから、同じ端末を長く使うユーザーにもメリットがあるようにするためである。キャリア側は端末補助金か料金割引か、どちらかしか提供できないという立場である。
高いと評価された移動通信料金とは違い、ブロードバンド料金は1秒当たりMbyteに換算するとOCED会員国の中で3番目に安かった。最も安いのは日本で0.07ドル、アメリカ0.25ドル、韓国0.34ドルの順だった。
通信設備輸出に関しては2007年基準297億8800万ドルでOECD1位、通信設備輸出入による貿易指数も247億4800万ドルで1位を占めた。GDP対比通信設備輸出割合は2.07%で、OECD平均の0.43%を大きく上回った。
韓国ではOECDや海外シンクタンクの各国比較レポートがマスコミで大きく取り上げられ、韓国が何位に選ばれたのかとても過敏に反応する。内需が小さすぎて輸出に頼って生きていくしかない構造のせいか、海外で韓国がどのように評価されているのか神経を尖らせている。仕方ない部分もあるのだが、OECD報告書に押し倒されるような通信料金値下げはいらない。移動通信サービスは内需向けのサービス産業なのだから、外側よりも内実を充実させてほしい。問題は所得に比べて高い料金なのだから、個人的には数百円の料金の値下げより、料金が高くても文句なく払えるよう雇用安定や最低賃金についてもっと悩んでもらいたいものだ。
(趙 章恩=ITジャーナリスト)
日経パソコン
2009年8月26日
-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090826/1018101/
独創的な人材の確保がグローバルな競争力の源泉に―韓国Samsung編(最終回)―
独創的な人材の確保がグローバルな競争力の源泉に―韓国Samsung編(最終回)―
趙 章恩(チョウ・チャンウン)
ITジャーナリスト
韓国ソウル市の江南駅の近くに建てられた,韓国Samsungグループの超高層ビル群─。このビル群の一角に「未来戦略グループ(Global Strategy Group)」という極めて優秀な人たちで構成される組織がある。メンバーのほとんどが「S(Super)」クラスと呼ばれる外国人である。
世界のMBAトップ10に入る大学の出身者や博士号を持つ人ばかりで,誰もが知る世界屈指の大企業で5年以上の実績を持つ人たちだ。海外から引き抜いたこうした人材は,未来戦略グループで2年間経験を積んでから,各グループ会社に配属される。
続きは日経エレクトロニクス(2008年3月24日号)で
IT韓国の基礎を作った金大中元大統領逝去
民主化運動やノーベル平和賞受賞で知られる金大中元大統領が逝去した。1998年IMF経済危機と同時に大統領に就任し、2002年までIT韓国の基礎となるブロードバンドやモバイルインターネットといったインフラ普及のため果敢な投資を惜しまず、経済危機を早期に乗り越えられるようサポートした大統領として広く尊敬され続けた大統領であった。
金大中元大統領の逝去をトップで伝えるポータルサイト
1999年世界初のADSL商用サービスを皮切りに、韓国のブロードバンド契約数は1998年の約1万4000件から2002年は1000万件、そして2009年には1550万件を突破した。この数字はほぼ全世帯がインターネットを利用していることになる。金元大統領は就任の際、「世界でもっともコンピューターをうまく活用できる国にしたい」と発言した通り、約束を守った。
どこよりも早く韓国でブロードバンドが普及したおかげで、PCバン(ネットカフェ)を始めオンラインゲーム、VOD(ビデオオンデマンド)、インターネット新聞、インターネットショッピング、インターネットバンキングといった新しい産業が生まれた。大手企業が次々倒産する中、アイデアや技術さえあればベンチャーを立ち上げてビジネスができるよう支援してくれた。1998年から始まった韓国のオンラインゲーム産業は日本、中国、東南アジア、ロシア、ヨーロッパ、北米など世界各国に輸出され、今でも韓国IT産業を支える柱となっている。金大中元大統領の在任期間中、韓国のGDPに占めるITの割合は1997の年8.6%から2002年には14.9%へ、IT産業の生産は1998年の76兆ウォンから2002年には189兆ウォンへと大幅に成長した。
2009年5月に亡くなったが、金大中元大統領の次の大統領になった盧武鉉前大統領がインターネットユーザーに絶大な支持を集め当選したのも、この時に築かれたインフラがなければ不可能なことであった。インターネットの波及力は想像以上となり、マスコミの報道よりもネットの口コミの方が威力を持つことを見せつけてくれた。
軍事政権に対立して民主化運動を続けた政治家らしく、透明・公正・効率的な政府を作るため「電子政府」の立ち上げにも積極的だった。
2000年から具体的に始まった電子政府構築は、2001年大統領直属の電子政府特別委員会を中心に縦割りをなくした政府の情報化が一気に進められ、電子政府法も制定された。今では役所に行かなくても住民票発行(自宅でプリント可能)、税金納付、所得税申告、不動産・自動車・医療・教育関連など、もっとも利用率が高い基本的な申請は全て電子政府サイトを通して行われる。大学の成績証明書や卒業照明も電子政府サイトから申請してプリントできる。添付書類もなくなり、身分証明書だけあれば済むようになった。行政の透明化、簡素化に焦点を当てて情報化を進め、公務員の業務効率を高めることで予算を節減しようとした。さらに電子政府と同時に中小企業の情報化も進められ、国民と企業が満足する電子政府システムを目指した。
電子政府構築に参加したSI企業らは、韓国をモデルケースにしてアジア各国の電子政府構築事業を受注し売上を伸ばした。
ポータルサイトやコミュニティサイトでも哀悼の書き込みが絶えず、金大中元大統領の不屈の意志を継いで、もう一度ベンチャー精神を燃やして、頑張ってみようではないかという覚悟が書き込まれている。
KTやNHN、DAUM、Google Korea、SKテレコムなど約150社が加入している「インターネット企業協会」は「金大中元大統領は、韓国が知識情報強国に跳躍する土台を作り、ベンチャー産業育成を通じてインターネット産業が経済の一つの軸になる枠組みをされた。故人のIMF経済危機を克服されたその力とベンチャーの挑戦精神、情報社会のビジョンをこれからも継いでいくことを誓う」との声明を発表した。
金大中元大統領は日本との交流にも積極的だった。韓国で上映・放送・販売が禁止されていた日本の歌謡曲、映画、ドラマといった大衆文化を開放した。韓国の地上波では、まだ日本語歌詞のまま日本の歌謡曲を流したり、日本のドラマを放送したりはできないが、ケーブルテレビでは日本の人気ドラマが韓国語字幕で放送され、日本の映画も数多く上映されている。日本のアーティストの公演も解禁となり、来韓公演もたくさん行われた。日本の小説や漫画もベストセラーとなり、韓国の若い世代に大きな影響を与えている。韓流ブーム以上に大きな日流ブームが巻き起こったことで、韓国はコンテンツの重要さを実感した。技術があっても中身がなければ成長しない、何よりもコンテンツが大事であることに目が覚めるきっかけにもなった。
金大中元大統領の在任期間中、世界が注目したIT強国だった韓国は、サムスン電子やLG電子といった大手企業の除いては、ぱっとしない口先だけのIT強国になってしまった。もう一度韓国のIT産業が力を発揮できるよう、天国で見守ってほしい。
(趙 章恩=ITジャーナリスト)
日経パソコン
2009年8月20日
-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090819/1017903/
第36回:お姉さま達のハートに火をつけた“ワンソナム”とは? ジョン・イルウ&ユン・ゲサンを紹介
第36回お姉さま達のハートに火をつけた“ワンソナム”とは? ジョン・イルウ&ユン・ゲサンを紹介 |
2007年4月20日
この頃、韓国で流行している「ワンソナム」。韓国語で大事な男という意味の「ワンジョン・ソジュンハン・ナムジャ」の略語で、美少年系の俳優につけられる勲章のような修飾語だ。ドラマ「宮」に出演したジュ・ジフンとキム・ジョンフン、「私の名前はキム・サムスン」に出演したヒョン・ビンなどが代表的なワンソナムで、まず女性よりきれいな肌と少女漫画から飛び出たようなハンサムな顔は基本条件。さらにちょっと乱暴で無口で、でもとても奥が深く、さりげないやさしさをみせてくれて、母性本能をくすぐるお茶目でかわいいところもあるなど、3拍子も4拍子もそろった男性でないと、ワンソナムとは言えない。
雑誌やショッピングモールでも「ワンソナムになるにはこう喋れ」、「ワンソナムのファッションセンスはここが違う」なんて特集しているし、ブログやSNSでも「ワンソナム」の話題で持ちきり。少し前までは「フンナム」といって、美男子ではないけど何故か気になる男性、性格がよくて専門職で温かみのある男性が人気だったのに。フンナムの代表的な存在としてはサッカー選手の「パク・ジソン」、「頑張れグムスン」のイ・ミンギなどだ。
今回紹介する俳優はまさにのデビューから2か月で一気にお姉さま達の「ワンソナム」になった、その名は「ジョン・イルウ」。そして逞しくなって帰ってきた「ユン・ゲサン」の二人です。
●デビュー2か月で大ブレークしたジョン・イルウ
2006年11月放映開始された月~金夜8時20分からのシットコム「構わずハイキック」で、勉強はだめで不良っぽい双子の弟の高校生ユンホ役でドラマデビューしたジョン・イルウは、デビューからたった2か月で、小学生から主婦まで幅広い年齢の女性に「ジョン・イルウを見るためにハイキックを観ている」とまで言われるほど、大物に成長した。「ハイキック」の監督もオーディションでジョン・イルウを見かけた瞬間、「この子はすごいぞ!」と惚れ込み、筋肉質で無口な役だったユンホのキャラクターを、ジョン・イルウそのままのキャラクターに変えたほど。
色白で背が高く笑うと目が三日月になる甘いマスクに、いつもつんとしていて冷たく、口数は少ないけど片思いしている先生を陰で見守り、時には励ましてあげようとバカなこともしてみたり。殴り合いの喧嘩もよくするし、バイクを乗り回すワイルドな面もあるけど、欲しいものがあると「ママ! 母上! お母様!」と愛嬌を振りまく甘えん坊の面も持つユンホ=ジョン・イルウのオーラはまさにワンソナムそのもの。1987年9月9日生まれだから今年でちょうど二十歳。少年と男の両方の顔を持つところが魅力と評価されているとおり、お姉さま達の期待を裏切らないよう、ぐんぐん成長してほしい。
ジョン・イルウ(※ 画像はクリックで拡大) |
●タフな男前になって戻ってきたユン・ゲサン
もう一人紹介したいのはユン・ゲサン。アイドルグループ「GOD」(GODは歌唱力も歌もみんなよかったからアイドルと呼ぶのは申し訳ないが)出身だから新人とはいえないが、凛々しく軍を除隊して俳優として芸能界復帰。あの癒し系スマイルに、お姉さま達はほろ~りうっとりしてしまう。韓国男子は軍に行く前と後では大違いと言うが、ユン・ゲサンも例外ではなく、「GOD」時代とは全然違う、髭にタフな男前になって戻ってきた。いつの間にか筋肉もついて、大人って感じがムンムンしている。4月14日~15日は東京と大阪でファンミーティングも開催し、1,500人以上のファンが集まったと韓国のマスコミでも大きく報道された。
日本のファンも、韓国のファン以上に大事にするという意志をみせてくれたから、なおさら注目してあげないとね。復帰作に選択したのは、ドラマ「兄嫁は19歳」や映画「僕らのバレエ教室」とはかなり違う雰囲気のドラマ「愛に狂う」。これは恋人を殺した男を愛してしまう男女の運命を描いたドラマで、ユン・ゲサンが出演すると騒がれた割には、じれったいストーリーのせいか、残念ながら視聴率は低かった。ファンとしては、あの暗い惨めな役よりは「兄嫁は19歳」で見せた手を焼かせるやんちゃなお坊ちゃま役の方が見ていて楽しいのは確か。毎回泣く場面ばかりだと、観る方も心構えなしでは疲れるからね。でもユン・ゲサン本人は「もっと色んな役柄に挑戦したい。次はものすごい明るい役か悪役をやってみたい」と語っている。いよいよ演技に目覚めたのね!
ユン・ゲサン(※ 画像はクリックで拡大) |
そういえば「兄嫁は19歳」のスンジェと「ハイキック」のユンホって似てませんか? 韓国の女性が好きなワンソナムは、はやり不良だけど実はやさしいキャラ。やさしいだけじゃだめということですね。
次回はゴールデンウィーク特集として、若手ワンソナム達のドラマを一挙ご紹介。乞うご期待!
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RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情 Link
主婦にはきつい5月! 腰が曲がりますわ~
韓国の5月は出費が重なります! 5日は「こどもの日」、5月8日は「両親の日(オボイナル)」、5月14日は「ローズデー」、5月15日は「先生の日」、3週目の月曜日は「成人の日」、21日は「夫婦の日」……。子どもに両親に先生に夫に! プレゼントを渡す記念日が重なっているのが5月で、もう腰が曲がりそう~(韓国では経済的に負担が大きすぎることを「ホリガフィンダ」=「腰が曲がる」と表現します。お金を稼ぐため働きすぎて腰が曲がっちゃうのかな?)。
日本と同じく韓国もバレンタインデーとホワイトデーがあります。しかし、韓国ではさらに! 4月14日には恋人のいない者同士で黒いジャージャー麺(チャジャンミョン)を食べる「ブラックデー」、5月の14日はバラを贈り合う「ローズデー」、6月14日は「キスデー」、7月14日は「シルバーデー(恋人同士で銀の指輪を交換するのだとか)」などなど、毎月14日に「○○デー」としてなにかしらのお祝いをするんです。ちなみに、11月11日は「ペペロデー」といって、ロッテのペペロをプレゼントし合う記念日です。
5月の数々の記念日の中でも、主婦として気を遣うのはやっぱり「両親の日(オボイナル)」。赤いカーネーションは韓国でもマストですが、お花だけで済ませるなんてことはできないんです。自分の両親よりも、旦那の両親に何を贈ればいいのか、みんな悩みます!! 日本では母の日、父の日が別々で、お花やちょっとしたプレゼントを贈る人が多いようですが、韓国の「両親の日」は、お誕生日以上にガッツリとプレゼントを贈っておかないと、1年中ほかの家の嫁と比べられ、肩身の狭い思いをしなければならなくなるんですよね~。
テレビの情報番組でやっていた「オボイナルにもらいたいもの」のアンケートを見ると、1位はやっぱり現金・商品券、2位は健康食品、3位は旅行、4位はファッション・雑貨・化粧品、5位はディナーショー・コンサートなどのイベント。
日本でもシニア向けのバスツアーや日帰りツアーが人気ですが、韓国でも「ヒョドクァングァン」(親孝行観光)といってシニア向けの団体ツアーが人気です。バスツアーのバスの中でカラオケ大会を開催し、ノリノリで立ち上がって踊り出すおばさまが続出! その重さでバスがずんずん揺れるんですよ~。バスの中で踊るのは事故防止のため禁止されていますが、止められな~い! 運転手さんにまで「一曲歌ってよ~」とマイクを差し出す人がいますが、これは危ない! 韓国に交通事故が多いのは、もしかしてこんなこともあるから?
さて、私は毎年リクエストに応じて旦那の両親には「現金」を贈り、うちの両親とは「家族みんなで外食」をしています。それでもなんだか物足りないかな~と思ったときは、美容液とかクリームとか、化粧品のプレゼントを追加して、ついでに自分用にも買っちゃったりします。5月になると、コスメブランドはこぞって「企画セット」(キフェクセット)という期間限定のお買い得セットを発売するからなんです。
日本でよくクリスマスやホワイトデーに発売されるコフレ、キットのことを韓国では「企画セット」と言います。ロッテ百貨店やロッテマート、ロッテ免税店には4月末ぐらいから一斉に企画セットが並びます。カウンターの真ん中にどんと箱入りのセットとハンドバッグなどが一緒に飾られているのを見たことありません?
日本でも試供品がオマケでついているセットはありますが、韓国の場合は、これでもか~~というくらいコンチャ(無料)のおまけがついてくるんです。金額に応じてブランドもののハンドバッグやパスポートケース、旅行用バッグ、機内持ち込みサイズのトランク、大きな鏡などがもらえる絶好のチャンスなんです。
化粧水と乳液のセットを買っただけで美容液やクリームのミニチュアがついているのはもちろん、さらにオマケとして数々の試供品セットをどんどん出してくれるので、「こんなにもらっていいの?」と怖くなるほどです。プレゼントを買って、オマケはちゃっかり自分が使う、それでもいいですよね。だって、そんな楽しみもなかったら5月は乗り越えられませんもの~。
また、成人式を迎える女性にはバラと香水をプレゼントする慣わしがあるので(といってもここ15年ぐらいのことですが)、香水の企画セットもいっぱい登場します。いつも使っている香水のお得なセットが見つかるかもしれません。香水の企画セットは特にロッテ免税店がおすすめ! 日本で買うより30~40%は安いのに、さらにボディーローションやミニチュアのオマケ付きセットがいっぱい揃っているし、新作もいち早く手に入るし、要チェックです。
「先生の日」にも悩みます。そんなことはないだろうと思いながらも、「ほかのお母さんたちは立派なプレゼントを渡しているのでは?」と考えてしまい、やっぱり贈り物をせずにはいられません。韓国は3月が新学期なので、5月はまだまだ学年が始まって間もないし、「うちの子をよろしくお願いします」という意味でもいいものを贈らなくては~と悩んでしまうんですよね。
韓国ではお母さん達の負担をなくすために、「先生の日」を冬休みにして、1年間の感謝を込めて挨拶に行く日にするべき、という声も広がっています。それにしてもなんで5月はこんなに記念日が集中しているんでしょうか~。ショッピングを楽しくしてくれるオマケだけが救いです。
次回は韓国の人情あふれるコンチャの世界について、もっともっと詳しくご紹介します!
最近はこんなのが流行ってます! パート2
今年の春夏は、BBクリームを超えたHDファンデーションというのが流行っているんですよ。2009年の春夏はファッションもメイクもビビッドで、フラワーガーデンのようにやわらかくカラフルなのが特徴。肌をきれいに仕上げないとトレンドのメイクも映えないことから、肌を圧迫しない軽いつけ心地なのにカバー力はすごい、なんていう商品がどんどん出てきました。
HDファンデーションは、BBクリームよりもさらにスキンケア効果が高く、カバー力も優れているのが特徴です。日本でもハイビジョンファンデーションや女優ファンデーションというものがありますが、それよりは軽いつけ心地で、ファンデーションを塗ったという感覚が全然しません。ジェルとクリームを混ぜたような感触なんです。BBクリームと同じように、少量を手にとって乳液を塗るように適当に両手で塗ってもよれたりしないから、楽チン!
私のお気に入りは韓国全国のロッテ百貨店の1階、一番いいところに陣取っている、「HERA(ヘラ)」というブランドの「HDファンデーション」です(HERAはロッテ免税店にも入店しています)。春夏になると毛穴が開いて肌がくすんで見えたり、シミが目立ったりしますよね。その悩みを解決してくれたのがHDファンデーションでした。夜クレンジングすると、一日中パックをしていたかのように肌がしっとりしているのでびっくり! 韓国女性が理想とする「白磁のような肌」に一歩近づけたかも!
私はHERAのモデルのキム・テヒさん(ドラマ『天国の階段』でジウ姫をいじめる義理の妹を演じましたね)があまりにもきれいで、「私も一度でいいからあんなメイクしてみたいわ~」と、ぽ~っと舞い上がってまたまた衝動買いしたのがきっかけだったのですが、買ってよかった!
私は敏感肌ではないのですが、ファンデーションをつけると肌が痒くて痒くてしょうがないんです。それが、HERAのこのHDファンデーションは全然痒くならなかったんです。夏のあいだ、BBクリームよりサラッとしていて、スキンケア効果とカバー力がより高いものを使いたいならHDファンデーションをお試しあれ!
百貨店価格で4万2000Wなので、今なら日本円で3000円ほどとBBクリームよりは高めですが、「韓国のコスメもここまできたか!」と、プロの方々からも大絶賛されているんです。店員さんの話だと、発売してすぐに2万個が売れたそうで、これは韓国で記録的な数字なのだとか。
HERAは韓国でもっとも売上の多い化粧品メーカー、アモーレパシフィックのブランドなので安心して使っています。韓国人に60年以上も愛され続けたメーカーですが、日本ではIKKOさんお墨付きメーカーとして有名ですよね。ロッテ百貨店のHERAカウンターの隣は、韓国でもっとも売上の多いコスメブランド「雪花秀(ソラス)」があります。
シャネル、クリスチャンディオール、ランコム、エスティローダーといった欧米ブランドを押しのけ、ロッテ百貨店売上1位を記録したのが雪花秀なんです。雪花秀のあの香りだけで、肌ストレスがなくなり透明になっていくような気分~。35歳以上の女性をターゲットにしたブランドなのに、20代の人までもが手を出すほど国民的ブランドになりました。
ロッテ免税店で雪花秀のクリームを買って帰る日本や東南アジアのキャビンアテンダントさんをよく見かけるほど、口コミでアジア中に広がったブランドでもあります。これもまたいつかご紹介しますね。
韓国コスメを紹介しながら残念に思うことは、日本の女性は「IKKOさんおすすめ」とか、「ガイドブックに載った」とか、「テレビで紹介された」という商品しか買わないこと! せっかく美容大国の韓国に来たんだから、もっと冒険して、いろんなコスメを試してみなくっちゃ損ですよ! 大手メーカーのコスメには英語や日本語の説明書が同封されているので、成分もしっかりチェックできます。どんどん新製品にチャレンジして、思わぬ絶品を見つけましょう! 韓国で見つけたとてもよかった商品があったら教えてくさい!
第35回:面白キャラ大集合の『ダルジャの春』はヒューマン・コミック・メロドラマ
第35回 面白キャラ大集合の『ダルジャの春』は ヒューマン・コミック・メロドラマ |
2007年3月14日
日本と同じく韓国も大暖冬だったこの冬。1月も2月もコートいらないんじゃない? というほど暖かくて地球の温暖化が本気で心配になったけど、3月に入ってから急に雪は降り出すわ、氷点下になるわ、コッセムチュイ(花が咲くのを妬む寒さ、春になる直前にやってくる寒さのこと)がすごかった。
韓国は3月が新学期なので、寒くても「春=3月」というイメージが強く、各メーカーのテレビ広告も春っぽくなってきた。その中でも大のお勧めはこのCM! チョ・インソンが登場するホワイトデーケーキのCMなのだけど、このびっくりしてぼーっとした表情から恥ずかしそうな笑顔に変わる微妙な表情が、もうたまらなく大好き!
チョ・インソンのCMで春が来たな~と感じるのもなんですが、「白い巨塔」のチャン・ジュンヒョクの魅力から抜け出すためにも、別のターゲットを探さなくてはならない。「白い巨塔」で最後にチャン・ジュンヒョクが自分の手術シーンを思い出しながら死んでいく場面では涙が止まらなくなって、来週から私は何を楽しみに生きればいいのかを考えたらまた涙が止まらなくなった。だが、すぐに思い出した。このドラマがあったじゃな~い。『ダルジャの春』です。
●契約恋愛から始まる本当の恋
男運に恵まれず、いつの間にか仕事一筋になるしかなかった33歳キャリアウーマンが、家出して弁当屋を目指す年下のエリート弁護士(だけど今は仕事をやめて貧しい)と契約恋愛をきっかけに本当の恋に落ちて同棲する(ほとんど飼っている)……。これだけ聞くと「君はペット」と「アネゴ」をごっちゃ混ぜにしたようなストーリ? と思ってしまいがちだが、それがチェリムという女優のお茶目な演技力のおかげで、とてもかわいく素晴らしいドラマに仕上がっている。
ダルジャ役のチェリム、今までのお嬢様スタイルから二皮ほど向けたような変身ぶり (c) KBS ※ クリックで拡大 | 転がり込んできたテボンと同棲するようになったダルジャのマンションに母と祖母がやってきた (c) KBS |
とにかく面白いドラマにするのが目標という『ダルジャの春』は、製作発表会からとても興味深かった。メロでもなくラブコメでもなく、「ヒューマン・コミック・メロドラマ」というその路線がすごく気になり、同時間帯の「外科医ボンダルヒ」、セブンが主人公の「宮S」をあきらめ「ダルジャ」を選択した。正直、心臓病を克服する痩せすぎ女医よりも、何を言いたいのかさっぱりわからない皇室の三角関係よりも、わかりやすく笑えるダルジャのほうが個人的には好みということもある。
●多彩なキャラが魅力
このドラマの見どころは、「そうそう、こんな人私の周りにもいる!」と共感をもてる人間味のあるキャラクターがたくさん登場することだ。
典型的な三角関係としてチェリムが演じる主人公のダルジャの母と、年下彼テボンの父親は、初恋の仲で今でもお互いを意識している。独特なキャラクターであるテボンの母は未だにパパっ子で、何でも「パパ~」と暴力団風のパパに泣きつくおばさんで、年上彼女のダルジャからもダルジャの母からも嫌われている。
ソンジュとセドの駆け引きやセドの告白イベントは韓国ならではのこと? (c) KBS |
毎回、夢シーン、想像シーンという設定で、さまざまなドラマの名場面をパロっているのも爆笑もの。ダルジャを観て面白いと思ったあなたは、かなりの韓国通であること間違いなし!
●お姉さまをリードしてくれる頼れる年下の彼
テボン役のイ・ミンギ、最初はあまりカッコいいと思わなかったけど、男前です (c) KBS |
「がんばれグムスン」でグムスンの義理の兄を演じたイ・ミンギが男性主人公のガン・テボン役を演じているが、サムスンの年下彼ヒョン・ビンとは正反対の、恋愛にうといシャイなお姉さまをリードしてくれる頼れる年下彼。私はテボンの方が好きだな~。
暖かい家庭に憧れてお弁当屋さんになるのが夢で、好きな女性に何も望むものはない、ただ自分といると気が楽になる、落ち着くと言われたいテボン。現実ではあり得ない反抗的な若手エリート弁護士だけど、似合っている。無駄に年だけとってしまったドジな子供ダルジャを、「まったく~」って感じでフォローしてくれるところがいい。
●波乱万丈のイ・へヨンと役柄が重なり共感
ソンジュ役のイ・へヨン。本当に美しい (c) KBS |
韓国の女性たちは、イ・へヨンが演じる脇役のソンジュにもすごく共感している。テレホンショッピングのトップショーホスト(商品の紹介をするアナウンサーのような売子のような役割をする人)という韓国で流行の仕事に就き、どんなハプニングにもあわてず、テキパキと生放送をこなすしっかりものだけど、実は離婚した夫の借金を背負ってしまうほど情が深く、恋人が負担を感じるのではないかと心配して妊娠を打ち明けられない気弱な面ももっている。
この役のイ・へヨンは、現実でも離婚を経験している。10年来の大恋愛の末結婚したが1年ちょっとで離婚、自分名義になっている夫の借金返済を無効にするために前夫を詐欺で訴えた。だが仕事の面では離婚後テレビ出演も増え、テレホンショッピングで自分がデザインしたファッションブランド「Missing Dorothy」を売り出したところ大当たり。今年の3月から梨花女子大学デザイン学部で「Missing Dorothy」の成功談がカリキュラムに加えられ、CEOとして特別講義もする予定だ。アイドル歌手でデビューし女優に転換、韓国女優にしては珍しくヌード写真集も出したほど波乱万丈の彼女とソンジュを重ねてみる視聴者も多い。だからソンジュもイ・へヨンもがんばってほしい! と応援せずにはいられない。
チェリムも子役出身だから演技には定評があるが、離婚後の復帰作としてこの役を選んだのは正解。ダルジャってチェリムそのままじゃないの? というほど似合っている。
●韓国女性の日常に興味のある人は必見です!
映画「プラダを着た悪魔」まではいかないけれど、『ダルジャの春』にはこの冬と春の人気ファッションも勢揃いしている。大暖冬だっただけに袖がちょっと短めでちょうちんのようになっているふわふわコート、フェミニンなシフォンブラウスにハードなブーツなど、あまり決めすぎないお仕事ルックで、明日からでも真似できそうなファッションばかり。ソンジュのボブとミニワンピース、カラー原石のジュエリー、そしてダルジャのスモーキーメイクは20~30代に支持され、雑誌や新聞にも特集で紹介されたほど。番組のホームページでは、ダルジャに似合いそうなコーディネートを視聴者が選ぶイベントも開催されている。
また、毎回ドラマのタイトルにはダルジャの心理を代弁するイラストが使われていて、これもまたおしゃれなイラストでロマンチックな雰囲気を盛り上げてくれる。仕事も恋も家族も大事な韓国女性の日常に興味のある人にはぴったりの『ダルジャの春』。見逃さないでくださいね!
ドラマのタイトルは毎回イラストで制作される (c) KBS |
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RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情 Link
[ソウルの街角から] 29 (最終回)まだまだ遠いマイホーム(2004年4月26日 掲載)
韓国ではみんなマンションに住みたがる。一戸建てというと100坪以上の広い庭に警備員付き豪邸か、今にでも崩れ落ちそうな古い家を想像してしまう。防犯と手入れが大変ということで、庭付きよりは広く情報化の整ったマンションが好きなのだ。
ソウルを訪れた人なら立ち並ぶ高層マンションを目にしたはずだが、そういうマンションに自分の家を持ってこそ、やっと落ち着いた家庭を築いたと認められる。
毎月家賃を払う概念は韓国にはあまりなく、売値の60-80%ほどを保証金として大家に渡し、その利子を家賃にして家を出る際に保証金をそのまま返してもらう「チョンセ(傳貰)」という制度がある。ハングル辞書にも「外国では類を見ない韓国固有の方式」と記載されているほど珍しい制度だ。
日本のゼロ金利から考えるとただ当然ではないかとびっくりされそうだが、韓国の利子は低くなってもまだ4%台を維持している。1998年IMF危機の際には20%、99年までも10%近かったので、利子で十分生活できたのだ。
大家さんは、まとまったお金を貯金するなり、株に投資するなり資産を増やし、その代わりに家を貸してあげるようなものだ。
韓国は、まだ不動産が値上がりを続けているので投資目的に家を買う人も多く、そのため頻繁に引っ越す。「チョンセ」は2年契約が多いので、持ち家でない限り最低2年に1度は引っ越しを経験する。だから、主婦はみんな早く自分の家を持ちたい!と願うのだ。
ソウルの江南地区のマンションは、33坪で6億ウォン(約6000万円)を超える物件がほとんどで、サラリーマンの正直な給料では何十年貯金しても買えない。それじゃどうするのか。不動産の値上がりのタイミングに合わせ、引っ越しながら少しずつ広いマンションに移動していくのだ。
新規分譲も必ず値上がりするので確実に金を産む卵として人気が高い。申請日にはモデルハウス周辺の交通が麻痺するほどの長蛇の列。1日20万ウォンで代わりに並んであげるアルバイトまで登場している。今では、いくつかのマンションはインターネットからも分譲申請できるようになった。
そして、私もついに三星建設の新規分譲を申請してみた。2年間積み立てるとソウル市が管理する新規分譲マンションを申請できる権利が与えられる「住宅請約預金」が満期になり、優先順位になったのでやってみたが倍率は427:1。発表は4月22日。気になる方はメールください(笑)。
コラムは今回で終わりですが、いつかまたお会いできる日まで、ごきげんよう!(メールはkjibc@kjibc.org)。
[趙 章恩 CHO CHANG EUN]
最近こんなのが流行ってます! その1
アメリカと日本で流行ったミネラルファンデーションも韓国で流行りましたが、やっぱり主流はまだまだBBクリーム。今やBBクリームも進化に進化を重ね、勢力争いも第3ラウンドといったところです。
BBクリームが韓国で流行り始めたのは2006年。「センオル」ブームの影響でした。「センオル」は、直訳すれば「生顔」。ノーメイクでもきれいな女優と、メイクを落とすと別人になる女優のことがインターネットで話題になったのです。
実はセンオルを自慢していた女優も、「何も塗ってないんですよ~」なんて言いながら、こっそりあるクリームを塗ってごまかしていたんです。それがBBクリームです。
BBクリームは、美容皮膚科でピーリングのあとに、最後の仕上げとして塗ってくれたものでした。赤く敏感になった肌の「再生を促進」させ、「保護」する効果があるのが特徴だといわれています。ファンデーションのように肌の色ムラやシミをカバーしてくれるのに、塗ったまま寝ても美容液のように肌のトラブルを抑えてくれると口コミで話題になり、人気が広がりました。
BBクリームはの「BB」は「BLEMISH BALM」。生まれたのはドイツだそうですが、韓国ブランドのHANSKINから一般向けに発売されたのをきっかけに、瞬く間にETUDE HOUSE、THE FACE SHOP、MISSHA、SKIN FOODなど、いろんなブランドからBBクリームが出揃いました。
そして、BBクリームは進化に進化を重ねています。
BBクリームなんてみんな似たようなものと思っていたら大間違い! 美白効果が高いものもあれば、水分補給が強化されているもの、毛穴引き締め効果のあるものなど、いろいろな機能がてんこ盛り状態! 種類があまりにも増えすぎてしまって、何を買ったらいいのやら迷っちゃう~~という人、続出です。
成分もアロエにきゅうりに韓方にキャビアにプラチナに真珠~! 値段もHANSKINのはちょっと高めだけど、ETUDE HOUSEのは安いし、どれを選ぶべき?? なんて困っちゃいますよね。
IKKOさんおすすめブランドとして知られるようになり、明洞のショップに行けば大混雑のETUDE HOUSEには、夏向けのムースタイプBBクリームもあるのでぜひ試してみてくださいね。
そのETUDE HOUSEから、この春、BBクリーム専用コンパクトが新発売されました。「せっかく肌にやさしいBBクリームを塗ったのに、その上に普通のパウダーじゃ、メイクが厚ぼったくなってもったいない!」という韓国女性のリクエストに応えて登場したのが、真珠BBコンパクトだそうです。オイルフリー、ワックスフリー、ラベンダーウォーターに真珠パウダーが入っているので、つけ心地抜群でお肌もつるつる! 口コミサイトでも大評判で、すごいことになっていました。
肌に密着する真珠パウダーなので、肌をより明るく見せる効果もあるとか。本来BBクリームは、肌の赤みを抑える目的で作られているので、BBクリームだけだとちょっと顔が暗く見えるという方や、オイリー肌なのでBBクリームだけだとテカってしまう、オフィスの中は乾燥しているのでパウダーをつけるのは怖い、という方はぜひ使ってみる価値ありです。
韓国のBBクリームは、これが最終形ではありません。まだまだ進化しています。続きはパート2で!