国会は大乱闘、放送局はスト 韓国メディア法改正の行方

景気回復や雇用対策で手いっぱいのはずの韓国国会で、与野党が「メディア関連法」の改正を巡り対立を続けている。国会で乱闘が何度も発生したほどで、審議は結局仕切り直しされることになった。韓国国民が注視するなか、与野党はなぜここまでメディア関連法にこだわるのか。


 2008年12月25日、韓国のテレビ局MBCの看板ともいえる夜9時のニュースの女性アナウンサーが、ニュースの終わりに「全国言論労働組合のストライキに参加するため当分ニュースから外れる」と発言し大騒ぎになった。


 この女子アナは放送を通じて「与党ハンナラ党の放送法改正案に反対する」といった個人的立場も表明。おかげでこのニュース番組は、放送通信審議委員会から「公共の資源であるテレビの電波を利用して私的意見を述べるのは問題」と、警告を受けるはめになった。


 放送局の社員が加入している全国言論労働組合のストライキは2週間ほど続いた。人気女子アナたちも街に出て、放送法改正に反対する宣伝活動に加わった。プロデューサーやカメラマンといった多くの職種の社員がストライキに参加したため番組の制作も中断され、再放送や臨時放送に次々と切り替わった。



■新聞・放送の兼営解禁に危機感


 今回の放送法改正案には、今まで禁止されていた大手企業や新聞社による地上波放送局の株式所有を解禁する項目が含まれている。同じく、ケーブルテレビ局や衛星放送の総合チャンネルや報道チャンネル運営会社の株式所有規制も緩和される。これに対し、全国言論労働組合は「新聞社や大企業が放送を掌握するための改悪である」と反対したのである。


 特に、新聞社とは対立色を深めている。放送参入を狙う新聞社側は、「新聞・放送の兼営を禁止しているのはOECD加盟国の中で韓国だけ」「放送局が反対するのは今までの独占構造を壊したくないからではないか」と攻撃する。一方、全国言論労働組合側は、朝鮮日報、中央日報、東亜日報の3大新聞社を政権寄りと批判し、アナウンサーのほか俳優までもが改正反対を視聴者に訴えた。


 国会ではこの放送法のほかに、新聞法、情報通信網法、地上波テレビジョンのデジタル転換とデジタル放送の活性化に対する特別法(デジタルTV転換法)、インターネットマルチメディア通信法(IPTV法)、著作権法の6つのメディア関連法の改正が審議されてきた。しかし、与野党による左右対立が激化し、大乱闘が何度も繰り返される事態に陥った。





メディア関連法を巡る対立で与党が座り込みをする国会内に入り込もうとする野党の人たち=3月2日〔AP Photo〕



■100日かけて再度審議


 結局、資産規模10兆ウォンを超える大企業の地上波放送局所有については規制する方向で合意したが、サイバー侮辱罪に関しては妥協点が見つからないまま、2009年2月になり与党が奇襲的に法案の強硬処理を仕掛けた。これで国会はまた一触即発の状態となったが、今月2日に入り、「メディア発展国民委員会」を設置して100日間かけて再度議論をしたうえで6月に票決することで政治決着をみた。しかしサイバー侮辱罪に関しては6月になってもまた揉めることになるだろう。


 情報通信網法改正の最大の争点であるサイバー侮辱罪は、「情報通信網を通じて公然と他人を侮辱した場合、2年以下の懲役または禁固、1000万ウォン以下の罰金に処する」という規定である。無分別な誹謗中傷・コメントを利用した攻撃をなくすためには必要であるという与党と、第3者が侮辱であるかどうかを判断するのは表現の自由を規制することにつながるという野党の意見はどちらも納得のいく主張であるため、国民の中でも意見が分かれている。


 韓国でメディア関連法の改正が景気対策よりニュースになっているのは、与党が「法改正そのものが雇用・景気回復策ともつながっている」と主張しているからでもある。与党は「放送業界への参入企業が増えれば投資も促進され、メディア産業が発展し雇用も増える」と説明する。


 これに対して野党は、「経済的な成長や競争力強化より財閥や政治権力によって放送・報道が歪曲される危険性の方が大きい」と真っ向から反対しているが、与党は「IPTVやインターネットの動画投稿利用が盛んなデジタル時代に、そんなことはあり得ない」と反論し、議論は平行線のままだ。





■ドサクサ紛れのネット規制こそ問題


 与野党は双方の政治的立場で一歩も引こうとしないが、その主張はいずれも今ひとつ説得力に欠けるようにも思える。


 そもそも、政府と親密な新聞社や大企業が放送を兼営したとしても、この不景気の中で大規模な新規投資ができるだろうか。


 また、仮に法が改定されたとしても、大企業の放送局の株所有は地上波放送局は20%、ケーブルと衛星放送の総合チャンネルは30%、報道チャンネルは49%が上限となっている。韓国全世帯の約84%が加入するケーブルテレビの総合チャンネルや報道チャンネルに出資すれば、広告市場ではそれなりの影響力を持てるかもしれない。しかし、放送局を支配し番組やニュース内容を牛耳るほどの力を持てるとは思えない。なぜならインターネットがあるからだ。


 韓国ではインターネットのブログやポータルサイトのニュース記事の下に書き込むコメントが世論となり、数十万人の人をオフラインの集会に集結させるほどの力を持っている。李明博(イ・ミョンバク)政権に対するのと同様、放送局に対しても目を光らせ、報道を歪曲するような動きをみせれば、ネットの動画投稿やコメントを駆使して自由にはさせないだろう。


 しかし、やっと日の目を見るようになった草の根の自由が、サイバー侮辱罪によって消されるかもしれない。権力を持つ人たちは、普通の人がネットに一切何も書かなくなることを望んでいるように見える。放送局の株を誰がいくら持つのかが問題なのではなく、6つもの法を改正するというどさくさに紛れて、サイバー侮辱罪が新設されようとしていることの方が問題ではないだろうか。


 – 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  


[2009年3月18日]


韓国の中央選管 ネット選挙ガイドライン発表(2006年5月1日 掲載)

 PCバンを利用した匿名誹謗もIP追跡


 


 


 


【ソウル発】5月31日地方自治選挙を控え、韓国中央選挙管理委員会が4月14日、「インターネット選挙ガイドライン」を発表した。


 ガイドラインによれば、立候補予定者は選挙運動期間の前からホームページでPRをしてもよいことになっている。しかし選挙運動情報という内容に限られ、受信拒否を簡単にできる仕組みでなければならない。


 


 一般ネチズン(選挙区民)の場合は、選挙運動期間中に特定政党や立候補予定者を支持・反対する内容や公約に関する書き込みが許される。選挙運動情報をポータルサイトや機関・団体施設ホームページ、掲示板・チャットルームなど書き込んだり、電子メールで送ることもできる。しかし選挙管理委員会は「ポータルサイト、インターネット新聞の掲示板・チャットルームは実名認証を得た人だけが選挙運動情報を掲示できる」と明らかにした。


 


 選挙を前に韓国警察は全国のPCバン(ネットカフェ)のIPアドレスと所在地、連絡先をいっせいにデータベース化した。この資料は17都市の警察署の中にある選挙取締りセンターが共有し、匿名を悪用した誹謗の書き込みを残せないようにするためである。誹謗文が発見され次第、巡察中の警察官に通報され、被疑者を検挙するシステムとなっている。サイバー上の不法選挙運動を遮断し、正々堂々と選挙が行われるよう監視を一層強化する計画だ。


趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)


  


 


BCN This Week 2006年5月1日 vol.1136 掲載]   Link


 

マイクロソフト 韓国でのWindows98のサポート中止を決定(2006年5月1日 掲載)

 



 


 


350万台のパソコンが影響受ける


 


 


 


【ソウル発】マイクロソフト(MS)が、7月から韓国でのWindows98に対するセキュリティパッチサービスを含むすべてのテクニカルサポートを中断すると発表した。韓国内PCの20%以上、350万台ほどがハッキングなどサイバーテロにさらされるのではないかと憂慮されている。


 


このたび発表されたサポート中断の対象となる350万台のユーザーなかには、政府機関や企業も含まれている。「WindowsMe」のほか「Windows98セカンド・エディション」もサポートが受けられなくなる。


 


 MSがWindows98のテクニカルサポートを中断したのは、WindowsXPなど後継OSを拡販するためであり、同時にWindows98系列製品に対する技術サービスサポート費用を節減する効果も狙ってのことだ。


 


 リナックスのようなOSを使えば、MSの一方的な決定に振り回されずに済む。しかし政府機関のホームページでさえWindowsに最適化されているため、今からいっせいにリナックスに代えるのも難しい。仕方なく最新バージョンのWindowsXPを購入するしかない。選択の余地がない状況だ。


 


 国家情報院はMSのテクニカルサポート中断方針を国民に知らせ、多角的なサイバーセキュリティ対策を立てるよう誘導する方針だ。国家情報院はハッキング遮断対策に関する「Windows98用セキュリティ勧告文」を製作し、5月から国家サイバー安全センター(韓国の基幹通信網と電算システムの安全を管轄する機関)を通じて提供する予定だ。


 


 MSは昨年からサポートを中断しようとしたが、利用者の反発により延期された。MSは「現在Windows2000、WindowsXPも登場し、Windows98はすで販売も中止されている。利用者が少ないOSのテクニカルサポートを中断し、他のサポートをさらに充実させる決断をした。セキュリティサービス中断被害を最小化するため、情報通信部と協力している」とコメントしている。


 


 MSのWindowsは使用中に問題が発生してもユーザーが手を出すことができない。著作権法によってプログラム内部を見ることもいじることも禁止されている。したがって、MSがテクニカルサポートを中断すれば他に助けを求めるところがない。


 


 韓国の国家情報化はMSのソフトウェアに依存する傾向が強く、複数の社会団体はオープンソースのソフトウェアに変えないと、後でMSに振り回され大変なことになると、何度も警告していた。


趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)


 


BCN This Week 2006年5月1日 vol.1136 掲載]   Link 


 

第17回:ヨン様の2006年はドラマに始まりドラマで終わる?~済州道でヨン様に会える!? 「太王四神記」撮影開始







第17回
ヨン様の2006年はドラマに始まりドラマで終わる?

済州道でヨン様に会える!? 「太王四神記」撮影開始

2006年1月11日


●ヨン様4年ぶりのドラマは90か国で同時放送

 ヨン様に会いたいなら済州道に行け! ペ・ヨンジュン4年ぶりのドラマ復帰作「太王四神記」(テワンサシンギ)がついに済州道オールロケーションで事前制作される。

 撮影は、北済州郡猫山峰(プクチェジュグン・ミョサンボン)観光地に野外セットが完成する2月以降になる予定で、2006年12月までほぼ丸1年済州道(チェジュド)で撮影される。正式に海外のマスコミを招待した制作発表会を行い、3月以降に本格的な撮影を始めるそうだが、済州道はすでに「“ヨン様アイランド”と名前を変えた方がいいんじゃないか?」というぐらい、盛り上がっている。

 どこよりも道庁がはりきっちゃって「何でも協力させていただきます!」と報道資料を出したり、野外セット工事の進行やドラマ撮影関連情報をリアルタイムでマスコミに流してくれる。撮影後は宿泊施設を増強し、韓流観光地として公開するそうだが、今まで「オールイン」を始め数々のドラマが済州道で撮影されたなか、自治体の道庁がここまで騒ぐのは珍しい。やっぱりヨン様だからでしょうね。

 「太王四神記」は制作費300億ウォン(約35億円、発表の度に金額がつり上がっていく)、全24話で90か国で同時放送される予定だが、韓国での放映時期やどの放送局から放映するかについてはまだ調整中。最初はSBSと言われていたが、現在ではMBC10月または11月放映説がもっとも有力視されている。

●相手役の有力候補は「天国の階段」のキム・テヒ!?

 公開募集中の、ヨン様に愛されヨン様を守る四神の一人であり、重要な役のスジニがまだ決まらないなか、ヨン様演じる広開土大王(グァンゲトデワン、この王様の名前がダムドク談徳)を愛しながらも対立するしかない野心家のソギハ役にはムン・ソリが選ばれ、スジニ役もいよいよか~と盛り上がり始めた。ムン・ソリは映画「オアシス」で障害を持つ女性の役を鳥肌が立つほどリアルに演じきり、ベニス映画祭で新人女優賞を受賞した大物女優。これが初のドラマ出演となる。

 スジニ役として噂があったのは、今やCMクィーンで、韓国でもっともきれいな女優と称えられているキム・テヒ。「天国の階段」でジウ姫をとことんいじめる悪役で、驚いたように目をパッチリ見開いた表情が印象的だったソウル大出身(韓国の東大)。その後「ラブストーリーインハーバード」では、「キム・レウォンとプライベートでも付き合っているのでは?」と疑われるほどの息がぴったりのラブシーンで、1話当たり最低15回はため息が出るほど素敵だった! キム・テヒがヨン様の相手役になってくれたらいいのに、と個人的に祈っています。

 そのほか「茶母」、「バリでの出来事」、クォン・サンウ主演映画「恋する神父」でどんな役柄も繊細に演じきり、ワイヤーアクションも代役なしでやってのけ、根性ある女優と評判の高いハ・ジウォンも候補だったそう。スジニ役を決めないままで撮影開始とはいかないので、急いでいる様子だけど、どうなることやら。









韓国でもっともきれいな女優と称えられているキム・テヒは、ヨン様相手役の有力候補
(c)SBS
※ クリックで拡大
「茶母」「バリでの出来事」「恋する神父」のハ・ジウォンも候補に
(c)iMBC



●今度のヨン様は一味違う。一人3役にも注目

 冬ソナ以降、甘い笑顔がトレードマークのヨン様だが、 「太王四神記」は1,600年も前の古代を背景とする時代劇だし、満州まで領土を広げたカリスマの戦略家、広開土大王の役なので、今までとはかなり違う顔を見せてくれるはず。

 しかも今回のヨン様は、第1話と第2話では、天帝の息子であり太陽の力を持つヘモス(解慕漱)から、ヘモスの息子で卵から生まれたという伝説のある高句麗(コウクリ)の始祖東明王となるジュモン(朱蒙)へ生まれ変わり、第5話からは高句麗19代目の王「広開土大王」として一人3役の大活躍なので期待しないわけにはいかない。

 ニュース検索で金鍾学監督のインタビューを読んでいたら、「日本でヨン様の筋肉もりもりの写真集が20万部も売れたそうだが、『残念ながら彼の筋肉をさらすような場面はないでしょう』」と言っていた。ヨン様ファンを何だと思ってるのさ~。

 映画「ロードオブザリング」の特殊効果を担当したWETAのスタッフがコンピュータグラフィックとセットのミニチュア制作に参加し、第1話と第2話の韓国建国神話をドラマ史上最高の技術でファンタジー風に仕上げるというから、私なんて「HDテレビを買って放映を待つしかない!」と早速旦那を説得している始末です。

●2006年の韓国ドラマは時代劇が目白押し

 2006年の韓国ドラマの特徴は、「太王四神記」を始め高句麗が背景の時代劇が多いということ。SBS、KBS、MBC3社ともに2005年の視聴率を時代劇が引き上げたこともあり、今年も莫大な制作費をかけた時代劇もしくは時代劇風のトレンディードラマをあれこれ準備している。

 ネットユーザの投票で2006年の期待作に選ばれたドラマはMBCの「宮」。漫画が原作で、もし今の時代まで朝鮮王朝が続いていたら、という仮説の基に、高校生で庶民の娘が妃に選ばれ、あれこれ問題を起こしながらも立派な王妃として成長するというストーリーの中に、王位継承をめぐる暗闘や三角関係、出生の秘密などを盛り込んだ。撮影は順調に続いていて、ついに1月11日よりMBC水木ドラマとして放映が始まる。「宮」については次回詳しく報告しますね。


<おまけ>

 ヨン様がイメージキャラクターの建築会社のサイトから、あれこれ画像をダウンロードできます。


By-
RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情」 
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韓国市場 円安効果で日本製品の販売が好調(2006年5月29日 掲載)

80万ウォン台の廉なノPCも登場


製品は国内外で危機感


 


 


【ソウル】長引く円安の影響から韓市場では日本ブランドの家電PCり上げが大幅に加している。円レトの調整から4%ほど値下げ果が出ているため、東芝や富士通のノPCが韓製より安くなっているからだ。日本ブランドのノPCは韓や米製に比べてデザインが優れ量で人はあったが、同じスペックで値段が2030%ほど高いのがネックだった。東芝や富士通から100万ウォンを切ったノPCが昨年発売されていたが、ついに80万ウォン台のノPCが登場した。消費者の立場からすると「いつの間にこんなに安くなったの?」という感じである。


 量販店ハイマトの表によると、ソニのバイオノPCVGNFJ65L/W)は1099000ウォン、三星のノPCNTP29/14C)は 115万ウォンで販されている。韓市場でソニまでも低型ノPC発売したのは異例といわれている。32インチLCDTVの場合、ソニKDLV32A10)が昨年末より100万ウォンも安くなり240万ウォン、三星電子(LN32M61BD)も240万ウォンだ。シャプの45インチLCDTV750万ウォンから500万ウォン以下に下げている。ソニTVは値下げ果から今年に入り2倍以上のれ行きをみせている。


 


 一方、量販店テクノマトの日本ブランドに限った電子製品上高は、今年の第1四半期は前年同期比50%以上加した。デジタルカメラと電子MP3プレなど小型家電の販20%、デジタルTVとホムシアタ、ビデオカメラなど映像家電は80%以上もえた。家電に限らず車、食品なども日本製品の人が高まっている。


 


 円ウォンのレトは2004年末18.5%05年末4.07%円安となっている。ここ6年ほど100円=1000ウォン以上という10倍前後のレトがいていたが、04年から徐に落ち始め今では8倍すれすれのところまで下がっている。これは97年のIMF危機以後最も低いレトだ。


 


 円安の影響は韓市場に限らず、米市場でも値下げ果として現れている。日本企業とは逆に韓企業はドル安円安のなか、10%ほどの格引き上げを余儀なくされているが、円安を背景にさらに値下げを行し迫してくる日本企業と競するためにはどうすることもできない況である。


 


 家電は同じ格なら世界的に認められている日本製を買いたいと思う消費者が多いため、門家らは100円=800ウォンの線まで崩れてしまうと韓電化製品業界は深刻な危機にると警告している。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2006529 vol.1139 載] Link

携帯電話のLGテレコム 新サービス開始でKTと一触即発(2006年5月22日 掲載)

 


【ソウル】 LGテレコムは425日から家庭やオフィスで携電話を特定ゾンの中では固定電話とわらない料金で使える「キブンゾン」(Zone持ちいいの意味もある)サビスを開始した。このサビスはBluetooth機能が搭載されたプラグ型の小型機器「キブンゾンアリミ」を電コンセントに差しめば、半30mでは携電話を使っても固定電話程度の料金しか課金されないように設計されている。


 家庭では固定電話として、 外では携電話として使えるKTの「ワンフォン」サビスに似ている。だが「ワンフォン」はハンドオフができず、通話の途中BluetoothAP地域から離してしまうと通話が切れてしまう問題があった。「キブンゾン」サビスはハンドオフ克服はもちろん安定的な音質と最大7人と同時に通話できるのも特長だ。


 


 通話料は固定電話にかける場合は市市外係なく339ウォン(約5円)、携電話にかける場合は1014.5ウォン(約1.8円)が課金される。基本料金が3万ウォンのプレミアム料金に加入すれば携電話同士の通話料は109ウォンとさらに安くなる。


 


 KTはただでさえ固定電話加入者が減っているのに、移動通信キャリアのLGテレコムが固定電話市場を取りするような似をするのは法律違反であると猛反している。KTは公正取引委員や通信委員に提訴する動きを見せており、情報通信部に異議を申し立て今すぐ「キブンゾン」のサビスを中させるように訴えている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2006522 vol.1138 載] Link

韓国におけるVoIP番号移動制度導入

2000年から始まった韓国のVoIPサービスは、当初のパソコンを使ったソフトフォンで、その品質が悪かったためにVoIP離れを定着させてしまった。しかし、2004年になって品質基準や事業者許可基準、接続料問題、緊急電話や位置追跡問題、セキュリティなどの議論が始まり、VoIPは加入電話と変わらない通話品質で安心して使える電話であるという認識改善と2008年10月31日から始まったVoIPの番号移動制度、不況による通信費節約のニーズから、韓国では2009年人気を集めるサービスとしてVoIPが注目され . . .


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<韓国リポート>ITワールドカップ、サッカーも経済効果も大成功 (過去記事)

◆モバイル・着メロ大人気

 携帯電話着メロもワールドカップ特需で売上げがぐんぐん伸びている。ヤッホーコミュニケーションの発表によるとワールドカップ応援歌メロディーは全部で13種類あり、5月以降1日平均5万件以上ダウンロードされているそうだ。この他の着メロサイトでもダウンロード順位5位までが応援歌となっており、韓国のベスト16入りと共にこの人気は当分続くと予想している。


◆ソフトウェアとオンラインゲーム、臨時休業


 ソフトウェア企業の半数以上が、ワールドカップが始まってから事実上営業・マーケティング活動を中断した。国全土がワールドカップで揺れる中、ソフトウェアには誰も興味を持たないからだ。社員の業務効率も落ちる一方で、一部の企業ではワールドカップ期間中、勤務時間を弾力的に運営したり、新製品も7月以降に延期している。主要顧客が10~20代のオンラインゲームやエンターテインメント関連サイトはコミュニティーサイトやワールドカップ応援で利用数者が30%近く減り、顧客対応時間が減った分下半期営業戦略のための会議時間に使っている。


◆政府も黙っていられない


 ワールドカップはIT強国「eコリア」を全世界に広告出来る絶好の機会と、政府機関は海外から集まった記者を対象にしたイベントを大々的に広げている。開催地都市別「ITテーマツアー」や「PCバン巡り」が一番人気で、ワールドカップ以降もツアーを継続する方針を検討中。情報通信部はワールドカップ期間中、外国人観光客用に韓国の情報通信施設を探訪出来るよう英文「IT韓国ガイド」を発刊した。空港やホテルで無料で配っており、カラー94ページの分量で韓国IT事情をIT韓国、インターネット韓国、モバイル韓国、デジタル韓国と4つの分野に分けて写真と統計を添え詳しく説明している。IT体験施設、インターネットサイトリンク集、PCバン案内等韓国だけの独特なIT文化を楽しめる方法も付け加えた。


 郵便局ではアバタを取り入れた「私だけのアバタ切手」も発行している。写真やアバタの画像を切手に作ってもらえるサービスだ。家電企業、放送局と一緒に「デジタル放送館」を運営し、選手団、大会関係者らが集まる空港とホテルにHDTVやを設置したりIMT2000携帯の貸し出し、デジタルTVとモバイル技術の優秀性もアピールしている。産業資源部は、駐韓外国企業と多国籍企業のアジア地域最高経営者を含めた外国企業関係者30人を25日ワールドカップ準決勝戦に招待した。ワールドカップを投資誘致のチャンスにするために、すでに5月開幕式に全世界の有名CEO50人を招請したこともある。今回は韓国でビジネスを広げている外国企業が対象となる。


◆一方、選挙は


 6月13日に行われた同時地方選挙は史上最悪の投票率48.9%を記録した。政治不信、投票したい候補がいない、関心がない等理由は色々だが、最大の原因はやっぱりワールドカップ。オンライン上のユーモア掲示板では、ヒディンク監督と代表選手達を選挙法違反の罪で「無期国家代表にさせるべき」との主張も登場する程、ワールドカップが国を揺るがしている。


 ワールドカップに気を取られ自分を知らせるチャンスがなかなかない候補者達はオンラインへ向かった。80%以上の候補者がホームページを制作し、検索サイトに登録した。また、地域別にプロサッカーチームを創設し支援するだの、自治区ごとに競技場を作るだのサッカーに絡んだ公約も主張した。政治家のインターネット活用はもうホームページ制作だけでなく、インターネットマーケティングへと一段階進化している。


 開票も「電子開票機」が導入され、投票紙スキャニング技術で投票用紙分類と開票作業を完全自動化した。電子開票システムは投票紙処理速度が1時間当たり約1万3200枚。手作業とは比べものにならない。16の広域市では259の地方選挙管理委員会と279の開票所を専用線とインターネット網で結んだVPN(仮想私設網)ソリューションを活かし、集計結果をリアルタイムで発表した。韓国選挙史上投票結果を自動集計処理したのは今回が初めてで、電子投票及び電子政府システム具現のための一歩として評価されている。投票終了後2~3時間で選挙当落の輪郭がほとんど表れた。技術的に投票結果をリアルタイムで集計するシステムはそう難しいものではなかったが、投票結果を伝える全過程の保安性を確保するのが集計システムの前提条件として指摘されて来た。今回の電子開票・集計ともに完璧ではなかったが成功的で、今年の12月に行われる大統領選挙でもこのシステムが使われる予定だ。


◆ポスト・ワールドカップ


 現代経済研究院は先日韓国のワールドカップ経済的效果は18兆240億ウォン(推定)に及ぶと言う報告書を発表した。韓国のワールドカップ組織委員会が予測した8兆8000億ウォンを遥かに超えるこの数字は、韓国がワールドカップ出場48年ぶりにベスト16に進出したため。国民1人当り平均1日消費額規模が1兆5040億ウォン、国家のブランドイメージ上昇による広報效果が1兆7600億ウォン、企業イメージ上昇による韓国産製品の輸出競争力アップによる間接效果が14兆7600億ウォンと推定している。ベスト8に入ったため、この数字はさらに30兆ウォンに昇ると予想している。


 韓国の国家イメージと韓国企業のブランドイメージが一層高まる「ワールドカップ效果」がすでに表れているのがIT業界。「ITワールドカップ」の主役である企業に全世界から事業協力を提案する「ラブコール」が続き、国際信用評価機関と海外マスコミもワールドカップをきっかけに第2の跳躍を夢見る韓国経済と企業にいい点数をつけている。三星電子は最近アメリカ経済週刊誌ビジネスウィークが選定したIT100代企業の中、堂々と1位にランクされた。KTFは4位、SKテレコムは去年160位から一気に9位まで跳躍した。三星電子は「ビジネスウィークの発表で韓国がデジタル・IT強国であることが立証された」とし、今後海外マーケティングをより強める方針だ。


 ワールドカップでヒートアップされたオンラインでも、この勢いでショッピングや有料ゲーム等消費は当分続きそうだ。



by- 趙 章恩


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<韓国リポート>ITワールドカップ、サッカーも経済効果も大成功 (過去記事)

5月、三星経済研究所がインターネット会員5690人を対象に実施したインターネットアンケート「ワールドカップ期間中一番重要なこと」で、50.4%が韓国代表チームの成績より「国家広報・イメージ向上」がもっと重要だと答えた。でも韓国の4700万の韓国国民が熱血サポーターになり、代表選手やヒディンク監督のストーカーになりかけているのが現実だ。韓国のIT業界も「ワールドカップ特需」のお陰でみんな大騒ぎ。一体何が起きているのだろうか。

◆地下鉄でもワールドカップ試合が見れる







 地下鉄移動放送企業のエムチューブは、ワールドカップ期間中文化放送(MBC)が生中継する46試合を同時に地下鉄の車両でも見れるようサービスしている。地下鉄3号線の車両48台中17台にLCDモニターが設置されており、試合のない時間帯には伝統文化シリーズと観光情報を英語と中国語字幕で放送する。地下鉄ワールドカップ移動放送はエムチューブとLG CNSが開発したリアルタイム移動放送システムを通じて、放送官制センターより無線LANで移動する列車の中にあるサーバーにデータを送る一種のIP-TV方式だ。


◆赤いTシャツとオンラインショッピング


 この頃韓国では赤い服さえ見れば興奮する「ワールドカップ症候群」が急激に増えている。公式サポーターである「レッドデビル(ブルグンアンマ)を象徴する赤いTシャツを着た人を見ると、訳もなく胸がどきどきする症状は老若男女構わず発生している。レッドデビルの赤いTシャツは、オンラインショッピングモールだけで約300万枚が売れ、オフラインのお店や露店での売上げは700万枚近く、とても把握しきれないと言う。レッドデビルの赤いTシャツだけで300億ウォン程の市場規模になっているとも言われる。


 ポータルサイトのダウムはこのTシャツを9800ウォンで販売、1ヶ月もしないうちに3万枚が売れ、2600万円の売上げを記録した。6月に入り一日平均1300枚も売れ、この勢いを生かしサッカー関連用品やスポーツ用品のオンライン販売を拡大する予定だ。他のサイトも5~6月のスポーツ、レジャー用品売上げは平均70%近く増えた。団体応援やワールドカップ関連イベントに家族単位で参加する人が増えたからだ。幼児用シートベルト、サングラス、景気観戦用双眼鏡、紫外線防止用化粧品、帽子等、野外活動に必要な商品の売上げも伸びている。オンラインショッピング業界は赤いTシャツを機に顧客を確保し、夏に向けアウトドアやレジャー用品の販売につなげていく計画だ。


◆太っ腹オンライン懸賞イベント


 ワールドカップ初の予選通過を記念し、オンラインでは数千億ウォン単位の景品が配られている。SKテレコムと三星電子は、自社携帯利用者1万人に韓国チームがゴールを入れる度に10万ウォンを、KTFは1万人にベスト16を記念し16万ウォンを、LG電子は4~5月にカラー携帯電話を買った顧客3万人にゴールを入れる度に1万ウォンずつ支払う。現代ホームショッピングでは、韓国が予選で勝つ度その日の購入者全員50%割引、LGホームショッピングでも勝つ度に160人に大型TVをプレゼントするイベントを開催し、利用者が2倍以上増えた。


◆勤務中韓国戦観覧、見るならみんなで一緒に







 「ワールドカップ福祉政策」も積極的に行われており、勤務中韓国戦観覧を許可する企業がほとんどだった。銀行やIT企業は赤いTシャツを着て勤務し、そのまま競技場へ向かったりもした。ワールドカップのためだけに大型TVを買ったり、レストランや劇場を貸しきり、全社員の団結の場に活用した企業も多い。アメリカ戦が行われた10日は90%以上の会社と学校が午前勤務、全国各地で街角応援のため雨の中200万人が集まった。14日のポルトガル戦では300万人に増え、市街、住宅街構わず赤いTシャツを着た人々が集まり明け方まで大騒ぎだった。ITベンチャー街であるテヘランバレーも、会社で応援した後、勝利を祝うため3万人近くが路上に集まり物凄い渋滞だったがみんな笑顔だった。


 これにより去る10日、電力需要も560万kW(-13.9%)減った。TV視聴のための需要は27万kW増えたが、工場稼動及びオフィス勤務の一時中断により産業用と一般用需要が各240万kW、350万kW減ったからだ。


◆ワールドカップ関連コミュニティは6月9日現在1万突破


 ワールドカップ関連オンラインコミュニティは6月9日現在、すでに1万以上、一日数十個ずつオープンされている。ダウムのユーザーなら誰でも作れるオンライン「カフェ」(同好会)でもワールドカップをキーワードにしたものは4700あまり、掲示板には一日5万件以上の書き込みが集まり韓国戦試合終了後一時サーバーがダウンする程だった。チャットサイトのセイクラブでも3000以上のワールドカップ同好会が生まれ、全ての掲示板やチャットがワールドカップの話しで埋め尽くされている。ヤフーコリアが去年オープンした「ワールドカップ特集」のページビューは一日平均100~200万からフランスとの評価戦以後900万を記録している。ワールドカップ掲示板には一日数万件の書き込みがあり、ポーランド戦のあった4日は午前中だけですでに3万件以上の書き込みが集まった。


<コミュニティサイト>


http://www.reddevil.or.kr/(公式サポーター)


http://www.i-soccer.co.kr/ 


http://www.worldcup.co.kr 


<ヒディンク監督ファンサイト>


http://www.2002hiddink.com/ 


http://www.commany.com/hiddink/


◆アバタの世界も同じ


 ポータルサイトやチャット、アバタ(仮想空間での分身)専用サイトでは次々に肖像権を利用した代表選手のアバタや赤いTシャツ、応援道具、国旗を売り出している。好きな選手のアバタを購入し自分のアバタと一緒にメールに添付したり、掲示板にレッドデビルの姿で登場したり、ワールドカップを思う存分楽しめる。


 セイクラブはアバタのワールドカップ応援アイテムの販売だけで一日1億ウォンの売上げを記録する等、アバタ関連サイト全体の5~6月売上げは20%程増えた。コミュニティーサイトのFreechalは赤いTシャツ、手拭、国旗の応援道具3点セットをアバタ利用者全員に無料でプレゼントした。初日だけで3万5千人以上がダウンロードし、掲示板やチャット部屋等アバタの登場するページはどこも真っ赤に染まった。


◆オンライン書店もワールドカップ


 インターネット書店「イエス24」によると、ワールドカップで小説等はあまり売れなくなったが、サッカー代表選手関連の本は飛ぶように売れ、全体の売上げは変わらないそうだ。特に代表チームのヒディンク監督のリーダーシップが新しい経営戦略として高く評価され始め、早くも関連本が出版されており、代表選手の自伝小説、写真集も相次いで出版された。「イエス24」の場合サッカー関連書71冊の中27冊に当たる38%が今年出刊されたものだった。去年4月出刊された「ヒディンクのリーダーシップ」という本は1年間たった30冊しか売れなかったのに、5月以降監督の人気と共に一日60~70冊は売れている。ポーランド戦直後は一日500冊以上も注文が入りベストセラーに仲間入りした。


by- 趙 章恩


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韓国版モバイルWiMAX、携帯でのVoIP利用や搭載自動車開発へと用途広がる

日本では2月から始まったモバイルWiMAXサービスがちょっとした話題のようだが、韓国では、同様のサービス「WiBro」が2006年に商用化された。当初は高速で移動しながらもブロードバンドが使える「携帯インターネット」として注目されたが、注目度のわりにエリアがなかなか広がらなかった。いまや、都心よりも無線インターネットを必要としているのは、地方居住のユーザーなのだが、そういった人々には使いたくても使えないサービスという位置付けだ。

 また、使い方もUSB型のモデムをノートパソコンに差し込んで使うのがメインだったため、WiBroが持つもっとも魅力的な要素である「高速で移動しながらも使える値段の安いモバイルインターネット」というメリットが活かされなかった。


 WiBroのショールームを作り体験イベントを開催しても、アクセスポイントがあるソウルの都心に住む人や首都圏大学に通う大学生、記者を除いては、WiBroを利用するべき理由が見つからなかった。KTも年々WiBroに力を入れなくなっているようにも見えるし、SKテレコムも政府に催促されてUSB型モデムは発売したもののそのまま放置しているという印象が強かった。


 ところが、そのWiBroが2009年に入ってから再び注目の的になっている。3月11日に行われた現代自動車の新車発表会では、WiBroをサービスしているKTと現代自動車が提携し、世界で初めてWiBroを搭載した自動車を開発することが発表された。


 2009年内に現代自動車からWiBroモデムを搭載した新車を発売し、車の中で移動しながらブロードバンドを使えるようにするため協議を進めているという。現代自動車は賢い車(Smart Car)という特別なイメージカテゴリーをカバーする車種を持てるし、KTは世界に輸出される現代自動車と一緒に世界市場へ進出できる基盤を作れる。いわゆる「Win-Win」の関係として評価している。

さらに、KTは子会社KTFの3G携帯電話にWiBroを搭載して音声通話もできる企業向けモバイルVoIPサービスも始める。KTは「3GとWiBroの融合でより魅力的な端末を登場させ新しい市場を開拓し、海外にも進出したい」としている。


 通信政策を担当する省庁の放送通信委員会は3月中にWiBro携帯電話に010局番を与えた。KTはWiBroに音声を搭載するからといってユーザー獲得のために移動通信と熾烈な競争をするつもりはないようだ。むしろ、機能の融合で斬新なサービスを提供し、新しい顧客層を狙うため、ブラックベリーで成功したカナダのRIMをモデルに企業向けにターゲットを絞ったVoIPサービスにするという。


 端末の開発やネットワーク連動などの作業があるため、WiBroを使ったモバイルVoIPが始まるのは早くても10月。筆者としては、WiBroのサービスエリアがまだ全国をカバーしていないため、携帯電話端末を使って料金の安いVoIPを利用できるとうたったところで、使いたくても使えない「絵に描いた餅」になるのではないかと少々心配だ。


 放送通信委員会も同じ懸念を持ったのだろうか。WiBroのエリア拡大を支援するとしている。2013年までにモバイルコンテンツの市場規模を1兆ウォンから3兆ウォン規模にまで成長させるための「モバイルインターネット活性化計画」を発表し、キャリアのモバイルコンテンツ料金回収手数料値下げ、多様なパケット定額導入と並んでWiBroのエリア拡大を推進する方針である。


 さらにWiBroを海外輸出戦略品目に選定し、総力支援するともしている。WiBro、DMB(モバイル放送)、IPTV、放送コンテンツを海外輸出4大品目に指定し、海外でのマーケティング費用として2009年だけで66億ウォン(約4.4億円)を支援する。ターゲットはブロードバンドの普及が遅れている南米、ロシア、アジア、東ヨーロッパ。WiBroモデム装備の輸出も順調に増加すると見込んでいる。


 韓国が開発した技術として自慢しながらもここ1年ほど目立った話題のなかったWiBroだけに、次々に新しい計画が発表されるのは嬉しい。これが計画で終わらずちゃんと製品化され通話品質も問題なくカバレッジも全国へ広がれば、携帯電話と同じ番号で安いWiBro電話を使わない手はない。2009年は韓国でも日本でもWiBro、モバイルWiMAXそれぞれにおいて、メルクマールとなる年になりそうだ。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年3月12日

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090312/1013066/