第9回:韓流の未来はクォン・サンウ!~『悲しき恋歌』韓国放映当時のこぼれ話~





第9回 韓流の未来はクォン・サンウ!

~『悲しき恋歌』韓国放映当時のこぼれ話~

2005年8月31日


●韓国では視聴率伸び悩み!? それでもクォン・サンウ人気は鰻上り







製作発表があった2004年夏から様々な理由から話題持ち切りに
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(c)iMBC
 オーストラリアで撮影されたミュージックビデオ仕立ての予告編、ソン・スンホンの兵役問題、クォン・サンウとキム・ヒソンの1話当たりの出演料が2,000万ウォンという韓国ドラマ史上最高ギャラであったことなど、製作発表があった2004年夏から韓国でもっとも話題になった『悲しき恋歌』(悲しき恋歌公式サイト)。

 だがみんなの期待を裏切り、新鮮さがない、怒りたくなるようなありえないシチュエーションの連発など、韓国での視聴率は思うように伸びず、マスコミの評価も厳しかった。クォン・サンウは視聴率が20%を超えればスタッフ全員にご飯をおごると宣言したそうだが、結局実現できず。

 「76億ウォンの制作費を海外ロケとギャラでほとんど使い果たしてしまったため完成度が落ちた」、「視聴率30%以上取れるはずがせいぜい12%、タイトルどおり悲しい運命」などと言われたが、クォン・サンウの演技はみんなべた褒めで、ドラマが失敗すると人気も落ちるのが当たり前だが、クォン・サンウだけは悲しくやさしく自分には厳しい男性キャラクターをうまく表現したと株が上がり、CM収入もぐんぐん伸びた。







二人は親友だったが…
(c)iMBC
 ヘイン(キム・ヒソン)がゴンウ(ヨン・ジョンフン)の彼女になり、自分に気付かないあたりからジュンヨン(クォン・サンウ)が涙をこぼすシーンが多くなるんだけど、これが「涙の王子様」らしく、こんなのあり? というようなストーリー展開でもクォン・サンウの涙シーンだけはつい見惚れてしまうほど悲しくも美しかった。

 別荘スタジオでジュンヨンが寝ているとき、ヘインがジュンヨンかどうかを確認するために顔を触ろうとしたけれどあきらめて振り返ったとき、手で目を覆いながら涙を流したシーン、ゴンウがジュンヨンが幼い頃ヘインのために作曲した「何度別れても」を歌ったとき、ヘインが感動しているのを見て背を向けて涙を流すシーンがとても印象的だった。

 スキー場でゴンウがヘインの手を自分のポケットに入れたり、誰も邪魔できないような仲いい恋人同士になっているのを見て、気付かれないよう毛糸の帽子を深くかぶり直しながら涙を流すシーンなんて、屈指の名場面と称えられている。



視聴!<悲しき恋歌>

 『悲しき恋歌』(放送期間:2005年1月5日~3月17日・全20話)の視聴は、MBCのドラマ視聴ページから。海外利用者用のメニューはなく、300kbpsは1話500ウォン(約55円)、1Mbpsは1,000ウォンで、決済後6時間まで見放題。
 MBCについて詳しくは
第3回:無料で楽しむ韓国ドラマ 入門編3<有料でも見たい!MBC>を参照。



●東洋画専攻のクォン・サンウ~個展が開かれる日も近い!?

 がっちりした筋肉と甘いマスクで「モムチャン(モムは体、チャンは一番という意味)」としてスターになったクォン・サンウは、「天国の階段」でも映画「同い年の家庭教師」でもお坊ちゃま役で、実生活でも裕福な家庭で育った一人息子のような印象だけどそうではなかった。

 ファンなら誰もが知っているストーリーだけど、クォン・サンウは生後6か月で教師だった父を肝臓癌で亡くした。お母さんがお手伝いさんとして働いてやっと生活したほど貧しく、お弁当の代わりに水道の水を飲んでしのいだほど。中学からは父の遺産を横取りした親戚との訴訟にやっと勝ち、生活が楽になった。小学校3年になるまで父は外国にいると信じていたクォン・サンウは、安定した職業でお母さんを楽にしてあげたいと教師になった5歳上の兄に続いて自分も美術教育科で東洋画を専攻し、俳優生活の合間をぬっては兄が勤める中学で教育実習まで済ませ教師資格を取った親孝行者として有名。

 中学のころから地元では有名な美少年で、初恋は高校時代。同じ画室で美大入試準備をしたお姉さんで、初キスも入隊前そのお姉さんとしたとか。クォン・サンウは最近でも、水墨画の感覚を忘れないために俳優達の顔を描き続けているそうなので、近いうちに彼の個展が開かれるかも! ドラマ以上に期待してしまうな~。

 酒もたばこもせずサッカー好きだった父の影響から、クォン・サンウも酒とたばこがまったくだめなまじめな青年で、「同い年の家庭教師」でかっこよくたばこをくわえるために、すごく努力したそうだ。

●クォン・サンウは頂点にいながら期待株!!







かわいくも逞しいクォン・サンウは男性からも好感度No.1
(c)iMBC
 かわいい弟のようでもあり、華麗な筋肉でセクシーな恋人にもなってくれるクォン・サンウは、徴兵まで済ませた立派な「大韓男児」として男性からも好感度No.1俳優と支持されている。あるケーブルTV局が実施した「韓流の未来を輝かせる次の男優は?」というインターネットアンケート調査では、45万人のうち21万人の支持で1位に輝いたほど、頂点にいながら期待株でもある。ちなみに、2位はソン・スンホン、3位キム・レウォン、4位カン・ドンウォン、5位パク・シンヤンだった。

 クォン・サンウといえば思い出すのが新人時代のあるエピソード。デビュー当時、彼は無口な不良少年役が多く、性格もシャイだったからマスコミから「生意気だ」と叩かれた事もあった。

 筆者も彼は結構とんとん拍子でスターになったから苦労なんて知らないんだろうな~と思っていたところ、知り合いのライターがクォン・サンウをインタビューすることになった。もうその日からクォン・サンウの大ファンになってしまった彼女。「バカな質問にもすごく真摯に答えてくれてさ~時々恥ずかしそうに笑うあの笑顔がもうかわいくって! 風呂敷に包んで持って帰りたかったわよ! 礼儀正しくてビシッとしてるんだよね。本当にこの人はまじめに生きてるんだなって、伝わってくるの。マネージャーが言うには毎晩どんなに疲れていても必ず腕立て伏せを500回しないと寝ないほど自己管理に厳しい人なんだって。話してみるとすごく負けず嫌いなところもあって努力家でもあるから、絶対大物になるよ」ともう泡を吹きながらクォン・サンウを褒めまくっていた。

 この後映画「ひとまず走れ!」の試写会で会ったときは「スンホンに比べると僕の出番はほとんど編集されてしまった。もっと頑張るべきだった」と泣きそうな顔をしていたとか。でもその後すぐ「同い年の家庭教師」で大ヒットを記録したから、これは負けず嫌いだったからこそつかめた成功かも。インタビューで「同い年の家庭教師が成功してよかったのは、母と兄が喜んでくれたことかな。兄が珍しく酒を飲んで泣きながら電話してきたんです。本当に嬉しくて父の墓に行ってきたって…」。

 もっとも尊敬する人は母、肌がきれいで自分の母さんのように母を大事にしてくれるお嫁さんが欲しいんだとか。『悲しき恋歌』では母に反発するシーンがとても難しかったそう。「現実と重なりとても胸が痛んだ。5話で母が亡くなり母と息子の愛憎が短く終わってしまうのが残念」と話していたほど。

●ゴンウ役ヨン・ジョンフン人気も上昇中







ニューヨークでのゴンウとヘインのシーンも美しく印象的
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 ソン・スンホンの代わりとはいえ、自分なりの役作りでやわらかいゴンウを生み出したヨン・ジョンフンも韓国では人気が高い。ドラマ終映後の4月26日、クォン・サンウと映画「マルチュク青春通り」で共演したハン・ガインと結婚した。この二人の結婚は、“これから花咲く若手女優の結婚”ということでとても注目されたが、『悲しき恋歌』が日本でヒットし、ヨン・ジョンフンの人気も上昇気味でやっと釣り合いが取れたと噂されている。式には黒いスーツに髭を生やしたクォン・サンウも出席し、新郎新婦より注目された。「両方にお祝い金を出しちゃったから、もう金欠でどうしよう~」なんてジョークでみんなを笑わせていた。

●趙章恩の韓国旅行ガイド
 ~「悲しき恋歌&天国の階段」編~


 『悲しき恋歌』の撮影セットはピ主演のドラマ「フルハウス」と同じ仁川の矢島(シド)にある。 空港がある永宗島を中心に右は『悲しき恋歌』、左は「天国の階段」セットがある舞衣島があるので、朝から急げば両方見られる。仁川空港からバスかタクシーで「三木船着場(サンモッソンチャッジャン)」まで行き、船で10分の信島(シンド)で降りると橋でつながっている矢島に行ける。セット場は白い別荘の前に主人公らの大型看板が並んでいるのですぐわかる。中国のクォン・サンウファンには必ず訪問すべき聖地になっているとか。韓国を訪問された際には、ぜひどうぞ。

●映画・ドラマとこの冬はクォン・サンウ尽くしに

 韓国は数え年なので、1976年生まれのクォン・サンウは今年30歳になる。「30歳初めての作品である悲しき恋歌は特別なドラマ。今までは演技よりルックスで人気を得たけど、これからは演技で評価される新しいクォン・サンウになりたい。死ぬ役もやってみたかった」と本人も演技で評価してほしいと言っていたほど、情熱を込めたドラマだった。

 韓国での評判は今ひとつだった『悲しき恋歌』だが、日本ではとても人気だと連日韓国でも報道されているので、海外市場で「冬のソナタ」のように末永く愛される作品になってほしい。ちなみにクォン・サンウは映画「野獣」の撮影が9月中旬に終わり、それから「同い年の家庭教師」でも共演したキム・ハヌルとの「青春漫画」という映画を撮影する予定。

 「青春漫画」は、ジャッキー・チェンのようなアクション俳優になりたいジファンと最高の女優を夢見るダレ、この二人の幼なじみが繰り広げるメロドラマで、来年お正月公開予定。「野獣」は12月公開予定なので、この冬はクォン・サンウ尽くしになりそう!


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RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情」 Link

第2のITベンチャーブームを巻き起こせ!(過去記事)

日本でも報道された芸能Xファイルの波紋がまだ静まらない。ポータルやコミュニティーサイトにはXファイルを掲載したりその内容について書いたりすると、刑事処罰の対象はもちろん損害賠償の対象になりかねないので注意するようにと警告が書かれてある。

 友達にちょっとだけ見せてあげるつもりが、P2Pとメッセンジャー利用率が高かったのが災いし、たった3日で4800万全国民に知れ渡ってしまったというのもすごい。だが爆弾テロ並みに怖いのが、このような好奇心から生まれたサイバーテロだということも再三実感した。


 ところが、芸能界以上にIT業界も今そわそわしている。


■韓国経済にはやっぱりITベンチャーが薬?


 日本と世界初というタイトルをおいて競い合った、携帯電話で移動中も放送が見られる衛星DMBと地上波DMB、移動通信網とホットスポット両方を使い時速60Km以上で移動しながらも携帯電話から1Mbpsの超高速インターネットが月3000円程度で使い放題のWiBRO(ワイブロ;携帯インターネット)など、IT839政策の主な課題で4~5年前から準備して来た新しいサービスがいよいよ上半期どっと披露される。


 昨年末には政府が立て続けに大胆なIT支援策を発表している。2004年11月、財政経済部長官が「2005年をベンチャー復活元年とする。梅雨に濡れた木に石油を撒いてでも火を付けてみせる」と特別な処置を考えている筋を発表してから、2004年12月24日クリスマスプレゼントのように「ベンチャー企業活性化対策」が発表された。ベンチャー対策の前にはIT839戦略、ITニューディール政策と大規模予算のIT支援策が発表されている。そこにまたベンチャーを持ってくるとは、韓国政府がITにかける意気込みのすごさが伝わってくるようである。 


 ここには


△政府主導で2008年まで1兆ウォン規模の投資ファンド造成


△ベンチャー企業の税制及び金融支援


△コスダック市場の中小・ベンチャー企業専用市場化及び活性化


△ベンチャー企業M&A活性化


△ベンチャーキャピタルの安定的財源確保及び投資資金回収支援


△ベンチャー敗者復活プログラム導入


△ベンチャークラスタ形成


△新技術製品及びSW需要基盤拡大


△部品・素材市場活性化


△大手企業とベンチャー間の公正取引確立


などベンチャー業界が要求していた政策の大部分が反影されている。


 ベンチャーへの投資を増やすため一般投資家が参加できるコスダック新規登録企業の公募株の配当量を20%から40%へ、コスダック市場の1日価格制限幅を12%から15%に拡大させた。機関投資家らの投資も増やそうと、持株を手放す際に譲渡所得税が免除される小口株主の範囲も発行株主全体の3%未満から5%未満へ拡大させた。コスダック新規登録企業の初期損失リスクが高いことを踏まえ、所得金額の30%は事業損失準備金として積み立て、損失が発生すれば積み立てられた準備金で相殺するようにした。国の基金でベンチャー専用のファンドも作る。


 不正とモラルハザードのないベンチャー企業家に技術信用保証基金などの支援でもう一度チャンスを与える「敗者復活戦」の導入には賛否両論が熱い。元々失敗してもちょっと休んでからまたどこかでベンチャーを立ち上げる企業家の多い国ではあるが、人のモラルを誰が評価できるのか、本当に客観的に評価できるのかと、不透明な審査によりまたベンチャーバブル時代のような投資詐欺事件が増えるのではないかと心配されている。


 今回の支援策は以前のように現金をばら撒くような支援ではなく、


△躍動


△多産多死


△高危険-高収益(High Risk High Return)


などベンチャーの本質を上手く生かすことができる土壌を作るために、創業・成長・成熟というベンチャーの成長段階に合わせ、その時必要となるインフラと資本を投入できる政策と評価が高いが、一度当たると大きいからベンチャーに頼るのかとの批判も多い。


 でもベンチャーを支援しなくてはならなくなった理由は色々ある。


■ベンチャー活性化方案にITニューディール政策、IT839政策も軌道


 韓国経済は長期化しそうな不況の中、三星、KT、SKテレコムなどの大手IT企業数社が国を動かすほどの力を持ち始めた。ベンチャーバブルで生き残ったところもほとんどが大手企業の子会社化している。その影響で逆に大手企業の一つでも危うくなると韓国経済全般が傾いてしまうほど偏った産業構造になってしまった。バブルといわれながらも1999年から2001年までベンチャーのお陰で韓国はIMF経済危機を克服し、韓国が進むべき道はITであるという成長動力を見付ける事ができた。


 だが今は先端技術を持つ収益性の高いベンチャーが一時的な資金難を克服できずどんどん外資系にM&Aされている。去年だけでも30社以上が外資系企業へ買収された。日本からの輸入に依存しない源泉技術確保が重要と言いながらも技術を守れない実態である。またベンチャーを下請けのまた下請けにしか見ない大手企業の悪態もベンチャー業界を潰している。国の力でベンチャーを保護しなくてはならないほどベンチャーは死にかけている。


 韓国で最も尊敬されるCEOでベンチャー第1世代のアン・チョルス社長(アンラボ)は、オーマイニュースとのインタビューで「今度こそは目に見える効果を狙った企業に対する支援ではなく、ベンチャーがベンチャーらしく生き残れる公正で透明な市場を作ってほしい」と強調した。この記事の下には延々と「もっともである」とネティズンの意見が並んでいる。


 政策とは裏腹にベンチャーの製品を買ってくれない公共機関がまだ多い。政府の対策は歓迎するが、その恩恵が本当のベンチャーではないところへ流れるような何かがあってはいけないだろう。一般市民らも「大手企業だけがもっと大きくなる産業構造はおかしい。企業も個人も貧富の差がありすぎる。ベンチャー対策でがんばれば成功できるというモデルを見せてほしい」と言っている。


 11月発表された「ITニューディール政策」もベンチャー活性化に大きく影響を与えている。


△知能型交通情報システム(ITS)、災難管理システム、DB統合標準研究などの各種情報化プロジェクト


△先端ITコンプレックス造成事業


△ホームネットワークインフラ構築事業


など「デジタル国力」をアップグレードさせるべく大型基幹事業に投資し、先端技術を持っているベンチャーが活躍できる場、市場を作ってあげようとしている。


■IT予算急遽増額、77%を上半期早期執行


 支援の決定も早かったが、執行も早い。情報通信部の予算は年末に集中したITニューディールとベンチャー活性化のため急遽1180億ウォン増額し、全体77%が上半期の内に早期執行されることになった。政府全体の予算も景気回復のため66%にあたる史上最高額の130兆ウォンが上半期執行される。関連規定の改定も上半期に全て終了させる。


 IT予算はベンチャー以外にも4171億ウォンが就職難解消のため22の行政DB構築、国家主要知識情報3千万件のデジタル化、ITSのための主要国道と4大都市の交通情報収集インフラ構築、47の中央行政機関が個別運営している電算センターを統合し政府統合電算センターを構築する事業に支援される。


 韓国ではこれを「デジタル国力強化対策」と命名している。支援策が重なる部分もあるため、省庁間の緊密な協力のためにも推進体制を確保しようと、情報通信部を中心に財政経済部、行政自治部、企画予算処が「デジタル国力強化対策推進班」を構成している。


 ベンチャー活性化対策が発表されてからインキュベーションセンターの入居が活気を帯び、ベンチャー認証申請件数も2001年バブルの頃に戻り始めている。コスダック市場は連日上昇気味、不動産屋の話しでは空きオフィスが多かった元祖ベンチャーバレーの江南テヘランバレーにも人が戻り始めているそうだ。


 もちろん、他の理由もある。マイナス金利で貯金よりは投資を考える人が増えたのと、不動産の下落で賃貸がかなり安くなったことなどだ。こうやって理由をつけるのは第2のベンチャーブームを期待しながらもまだ不安が残るからかも知れない。韓国政府の2005年目標はIT輸出850億ドル、経済成長率5%、40万人雇用。このままいけば目標達成はもちろん、韓国IT業界の歴史に残る1年になりそうな気がする。

by – 趙 章恩


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ユビキタスコリアへの跳躍――「IT839戦略」とは (過去記事)

韓国電算院が発刊した2004年版国家情報化白書によると95年以降国家別「情報化の経済成長寄与度」は日本が33.3%で1位、オーストラリア26.5%、アメリカ25%、イギリス19.4%、フランス13.6%、韓国10.3%の順となっている。

 先進国の場合、90年代前から情報化投資を続け人材養成、情報化に適合した業務方式の変化などを成し遂げたが、韓国は98年IMF経済危機克服のため急いで情報化を進めたため、経済成長に及ぼす効果はまだそれほど大きくないそうだ。なのに、韓国といえばITである。韓国とITの特徴がうまく合致していて自然にそうなったのか、それとも残された選択はITしかないからなのか、何だかよく分からなくなってきた。


 韓国では今「どうもこの不況、あと何年で終わりそうにない」という意識が広がり始めている。不景気にもかかわらず不動産バブルやインフレがすごく、「値上がりしないのは私の給料だけ」というTVCMが人気を集めている。IMF以上と言われるこの異常な状態を乗り越えるため、源泉技術確保によるIT強国としてのステップアップと国民所得2万ドル達成という大きな2つの課題が打ち出された。そして、このための戦略として「IT839」が7月幕を開けた。



<IT839とは>


8大成長産業


▲高速無線アクセスサービス(携帯インターネット)WiBro、▲デジタルマルチメディア放送DMB、▲広帯域コード分割多重接続W-CDMA、▲インターネット電話VoIP、▲ホームネットワーク、▲テレマティックス、▲RFID、▲地上波DTV


これを裏付ける3大インフラ


▲広帯域統合網BcN(Broadband Convergence Network)、▲Uセンサーネットワーク、▲次世代インターネットIPv6


9大IT成長動力


▲次世代移動通信、▲デジタルTV、▲IT SoC、▲ホームネットワーク、▲インベデッドSW、▲次世代PC、▲デジタルコンテンツ、▲テレマティックス、▲知能型ロボット


2010年までに2兆ウォン投資


 韓国のIT支援政策の流れは本当に目まぐるしい。94年情報通信部設立、1995年8月「情報化促進基本法」と1996年6月「情報化促進基本計画」、1999年3月本格的な国家IT戦略「Cyber Korea 21」により95年から2002年までのブロードバンド普及計画が実行され、2年早い2000年12月全国普及の目標を達成しブロードバンド普及率世界1位という記録を達成する。


 IMF経済危機克服、インターネット普及でデジタル経済確立、本格的な知識情報強国設立という目標を早期達成した韓国政府は政策を修正し、政府・企業・個人の情報力を強化させるため2002年4月「e-Korea Vision 2006」を発表し電子政府、デジタルデバイド、スパムメール・ウィルスの最小化、個人情報保護問題に取り組む。


 そして政権が変わり2003年12月「Broadband IT Korea 2007」では開かれた電子政府(2002.10~)、国際競争力、グローバル情報社会、北東アジアITハブ国構想、デジタル福祉社会などが謳われ、2004年7月「IT839戦略」により具体的なユビキタス化と経済発展方案として、8大サービス、3大インフラ、9大成長動力に全力を注ぐ格好となった。IT839戦略には2010年まで政府予算1兆2000億ウォンと民間投資8000億ウォン、合計2兆ウォンが投入され、111兆ウォンの生産誘発效果が期待されている。


 経済的に厳しい状況に置かれていてもIT部門の輸出はそこそこ好調である。だが、韓国を支えている「IT」輸出のほとんどが半導体、移動通信端末、LCDモニター3品目に集中している(2002年66.2%)国全体の不況からR&Dが落ち込み、先進国との差と追い上げる中国の間で輸出も揺れ始めている。


 3~5年以内IT製造業は中国に追い抜かれると噂される中、IT輸出戦略は転機を迎えている。韓国ITを代表する親孝行種目「携帯電話」の場合、主な源泉技術を日本やアメリカに依存しているため、成長に限界があるという認識も広まっている。韓国が得意とする「走りながら考える」、「新しいものが大好き」な国民性を生かし、IT強国の座を守るためには源泉技術開発、先進インフラ、成長エンジンとなる製品やサービスを探し出さなくてはならない。


国民所得2万ドル時代へと移行できるエンジン


 また、韓国の国民所得は10年近く1万ドル止まりである。いつまでも「途上国以上先進国未満」の状態に留まるわけには行かない。国民所得2万ドル時代へと移行できるエンジンをIT産業から探し出そうというのだ。その具体的な実行方法がIT839戦略である。8+3+9=20という公式は、国民所得2万ドルという意味にもつながる。


 IT839の中でも今のところ目立って支援が集中しているのはデジタルTVとデジタル放送である。もめにもめ今年7月やっとLG電子がいくつか特許を持っているATSC方式に決定し、2010年アナログ放送を中止することになった。2010年までデジタル放送へかける予算は420兆ウォン、2008年まで生産誘発効果229兆ウォン、雇用126万人、放送機器輸出563億ドル、貿易黒字149億ドルが見込まれるにしてもかなりの予算である。デジタルTVをはじめ高価家電製品に賦課されていた特別消費税を値下げし、ついに「IT839積立」という怪しげな郵便貯金まで登場させた。


 韓国の郵便局には98年から「国民PC積立貯金」というものがある。政府が認定した最新仕様のPCを積立貯金に加入する条件で先にもらい、代金は毎月貯金で返済する制度だ。この積立は大当たりし、大勢の人々がまとまったお金がなくてもPCを購入できたので、ブロードバンドの全国普及に大きな役割を果たすことになった。栄光の神話をもう一度と、9月から情報通信部はデジタルTVが買える「IT839積立」を始めたのだ。


 PC同様、政府指定モデルのデジタルTV購入資金として最高5百万ウォンまで郵便局から貸してもらえ、貯金で返済する。郵便局は情報通信部の傘下機関なので、デジタルTVを活性化させ何とか内需を回復させてみようというのが政府の狙いである。政府が借金の保証人となりテレビを買わせる。家電メーカーは大喜びだけど、PCと違いデジタルTVは子供の教育に絶対必要だとか、持っていないと恥ずかしいとまでにはいかないので、まだこれといった動きはない。


政府10大次世代成長動力推進計画


 景気回復のための成長動力戦略はIT839だけでない。科学技術部、産業資源部、情報通信部が共同で打ち出した「政府10大次世代成長動力推進計画」というものもある。これは2003年から2007年まで4049億ウォンの予算でデジタルTV/放送、ディスプレイ、知能型ロボット、未来型自動車、次世代電池、バイオ・新薬などの10大事業とこれに関する141の研究課題と48の次世代製品開発を集中支援し、産業の発展と輸出を活性化させるというもの。


 既に2003年末あたりに決まった計画なのに、省庁の利害葛藤からか情報通信部は独自に「IT839」を打ち出した。日本でも総務省と経済産業省の支援分野をはっきり区別し難い場合が多いと思うが、科学技術部、産業資源部、情報通信部の予算確保のための支援産業奪い合いにうんざりしてしまう。


 情報通信部の陳大濟長官は車のナンバーまで8390に変え、TVでも新聞でも「IT839」という文字を目にしない日はない。IT839で韓国経済がどう変わっていくのか、注目していきたい。


by- 趙 章恩


 


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韓国CM REPORT – ロッテ – ハン・ガイン


ハン・ガイン プロフィール


1982年2月2日生まれ。


168.0cm、47.0kg。本名はキム・ヒョンジュ。タレントですでに有名なキム・ヒョンジュがいたため、芸名を使うことにしたとか。オリビア・ハッセーの再来と騒がれた天然美人。2002年アシアナ航空CMでデビュー。化粧品、家電、飲料水など、各種CMで引っ張りだこ。23歳の若さでドラマ『黄色いハンカチ』で共演したヨン・ジョンフンと結婚。ヨン・ジョンフンはドラマ『悲しき恋歌』でブレイクした甘いマスクが印象的な2世俳優。映画『マルチュク青春通り』ではクォン・サンウと共演、ドラマ『新入社員』ではエリックと共演した。ドラマ『Dr.ケン』、『魔女ユヒ』にも出演。CMモデルでデビューした女優の中では、もっとも演技力に優れていると評価されており、子供からお年寄りまで、女性にも支持される女優に成長した。


 





ロッテカード



出演




ハン・ガイン

放映日




2007年9月

前回に引き続きロッテカードのCMです。が、今回、ハン・ガイン以上に注目したいのが、韓国で人気沸騰! 今、話題の中心! まるで昔のドリフのように子供からお年寄りまで愛されるお笑い番組『無限挑戦』に出演している6人のうちの4人、パク・ミョンス、ハハ、チョン・ヒョンドン、ノ・ホンチョルです。『無限挑戦』は、毎回とんでもないことに体を張って挑戦する「リアルバラエティーショー」と呼ばれる番組で、サッカーのフランス代表、ティエリ・アンリやお騒がせセレブのパリス・ヒルトンもゲスト出演したことがあるほどです。


「無限挑戦」のメンバーである残りのふたり、国民的司会者と呼ばれるユ・ジェソクとドラマ『ハイキック』で好感度が急上昇したチョン・ジュンハは、残念ながらほかのクレジットカードのCMに出演しているため、ロッテカードのCMには出られませんでした。


さて、このCMの内容も、とてもコミカルです。「ウフェジョン(右折)」、「ジャフェジョン(左折)」と、ナビゲーションの声。「僕のポイントが使えるところはいったいどこ?」、「知らね~よ」……そこでハン・ガインがかわいいスクーターに乗って登場し、「何で探し回ってるの? ロッテに行けばいいのに」とアドバイスします。


「ポイントをうまく使うには? ロッテカード!」、「ポイント使いに行きましょう~ロッテポイント」というCMソングのメロディーも耳に残りますね。


ロッテカードのほかに、ロッテマイレージカードというのもあって、日本の方でもロッテ百貨店やロッテマートで加入できます。ロッテの全系列ショップでポイントを貯めて使えるカードなので、とってもお得なんですよ。


– BY  趙章恩

Link
http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200709&dr=other

韓国 政府機関がVoIP導入(2006年12月18日 掲載)

年の商用化に先立ち証作業




 


【ソウル】韓政府機の電話が電子政府通信網を利用した070局番のインタネット電話(VoIP)にわる。情報通信部本部、政府統合電算センタ動部、関税庁、海外報院の5つの政府機11月30日から電子政府通信網基盤VoIPを利用することになった。2007年のVoIP商用化に先立ち、通話品質、他の通信網との相互連動性、費用果分析およびセキュリティなどを証するためだ。



 今回のVoIP導入は、2010年にすべてをインタ
ネットプロトコル(ALL-IP)網に切り替える計対応し、政府機の電話料節減および多なマルチメディアサビスを利用するため、政府統合電算センタの主導で推進されている。  韓でインタネット電話が常用化されてから1年4か月、この1年間で市場規模は急大した。韓IDCの調査では年平均54%成長し、05年の1570億ウォンから09年には9689億ウォンに高まると予想している。


 


 00年1月、セロムC&Tが韓で初めてPCからPCに電話をかけるインタネット電話無料サビスを提供して以03年末までこのような方式のインタネット電話加入者は20万人を超えた。安い電話料金は魅力だが、通話品質がとてもく、インタネット電話は使い物にならないという認識がまった。このため電話機を使う現在のVoIPがなかなか普及しない況だった。


 


 05年8月、三星ネットワクスが韓で初めて070局番のインタネット電話を商用化してから、11月にKT、12月にはHanaroTelecom、SKテリンクなどがサビスを提供し始めたが、まだ加入者は13万人ほど。PCから利用するVoIPの加入者は90万人ほどだ。


 


 政府機VoIPを導入することで信性が高まり、利用もえるのではないかと期待されている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


 BCN This Week 2006年12月18日 vol.1167 載] Link


 


 

韓国 コールセンターに国家標準を導入(2006年12月4日 掲載)

率化とサビス品質を


 


 


 


【ソウル】韓産業資源部技術標準院はコルセンタ家標準(コリアンインダストリアルスタンダド=KS)を導入した。



 コ
ルセンタの運営効率を高める一方で顧客により質の高いサビスを提供し、競力を化するのが狙い。2種類のKSを制定した。


 


 新しく制定した標準は、20人以上のカウンセラとコルシステムを取り揃えたインバウンド型コルセンタにおいてサビス品質、および業員育訓練にするものだ。


 


 サビス規格はコルセンタ基準と、これを效率的に遂行するための人員、施設、装備、品質管理システムにする基準となる。20秒以80%以上の電話コルにする答率と、最初の電話で70%以上の問題解決率が基準となっている。


 


 育訓練規格はコルセンタのサビス品質を維持するための人員構成(カウンセラ60人あたり1人以上の品質管理者の配備など)、育訓練課程、容および時間、育講師資格などにする事項を規定している。新人カウンセラ160時間以上、存カウンセラ120時間以上の理論と育を受けなければならない。


 


 現在韓には2000以上のコルセンタが運されている。アウトソシング市場規模だけでも2兆ウォン(約2500億円)を超えるが、評の基準がないためコルセンタによってサビス品質の差が大きく、企業がアウトソシングをする際にも問題があった。


 


 コルセンタへの急激な需要大により、基盤施設自体は最新でレベルは高くても、1週間未の短期育に依存して要員を充する傾向にあるため、話能力やサビスマインド、職業倫理意識も低いカウンセラが多く、トラブルが相次いでいた。


 


 現在、オストラリアをはじめフランス、オランダ、デンマクの各家標準を採用、米は民間標準のCCSS(Call Center Service Standard)、英体標準を適用。各対応にはばらつきがある。


 


 韓の技術標準院は今回KSの制定により、コルセンタのサビス品質の向上はもちろん、業者間の競により韓ルセンタ業界の競化にもつながるものと期待している。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2006年12月4日 vol.1165 載]  Link 


 


 


 

オンラインゲームではなくeスポーツ!オリンピック並みに盛り上がる理由は?

サムスン、SK、KTF、STXなど韓を代表する大手企業は野球やサッカムを運するようにプロゲを運している。から始まったオンラインゲムの対戦やプロゲという職業は中ロッパにも影響をえている。 



 
G★2008では、世界で初めてeスポ
際機構として9ヶ加する「eスポツ連盟(IeSF:International e-Sports Federation)」の設立記念式典が開催された。添付画像


長は韓eスポツ協長でもある、韓最大手携電話キャリアのSKテレコムの代表が勤めている。


 


今までのeスポツリグは、G★2008で決勝が行われた「スファイト」のようにゲ社や民間企業がスポンサとなって開催されていたが、eスポツ連盟の誕生とeスポツのリに適したゲムタイトルがえてきたことにより、オリンピックのように別で成績を競うイベントが開催出るのではないかと期待されている。 


人がここまでオンラインゲ対戦に夢中になるのは、純に勝ち負けをはっきりさせるのがしいからではない。



どんなマップでどんな
術を使って勝つのか、オンラインゲムと言えど人間の頭と頭決には先のめない妙味があり大面白い。加えて、他のスポツと同にプロゲ対戦には、解者と司の中が入り、この掛け合いが評判のようだ。



の秋葉原ともいえる電街の龍山には、ゲ対戦スタジオである「eスポツスタジアム」があり、ゲムごとに名解者が存在する。 



 
プロゲ
は全12体存在する。サムスン電子「KHAN」、SKテレコム「T1」、CJ「エン添付画像トゥス」、MBC「ゲムヒ」、KTF「MagicNs」、ルカフ「OZ」、STX「SouL」、ウンジン「スタズ」、オンゲムネット「スパキズ」、e-stro「e-stro」、wemade「FOX」、空軍「ACE」と大手企業や軍までも名前をげている。



野球やサッカ
ムの運には莫大な運費がかかるが、プロゲは少ない投資額で10倍以上の宣伝効果を上げられるため、特にIT企業に人が高い。



2008年11月時点でeスポ
ツ協に登された韓のプロゲ435人。大で上位8位まで入賞したプレイヤは、門の育を受けてプロゲとして登される。


この中からさらに力のあるプレイヤがプロゲの一員として選ばれるのだ。


 


2008年のリ優勝はサムスン電子の「KHAN」。この体は、2004年から女性監督が率いていることでも注目されている。


 


KTF「MagicNs」はプロゲの中で最も史が長い。


電話キャリアであるKTFが、若さと挑、先端技術を備えた企業文化をアピルするため1999年12月に設立した体だ。時はまだプロゲという言葉が浸透しておらず、ゲムばかりしている=オタクというマイナスイメジがあった。


しかしKTFは、オンラインゲムはeスポツとして大きな産業になると考え、5年間で45億ウォンを投資して10倍以上のマケティング果を達成したという。


KTFの成功を見て、CJやSTX、ウンジンといった韓の有名企業らもプロゲ設立に入し、現在の市場が形成されたというわけだ。


 


空軍が「ACE」というプロゲを持つようになったのには、は裏話がある。韓でカリスマ、皇帝と呼ばれるプロゲ1世代イムヨファンが兵で召集された際、彼のプロゲとしての人生が入隊によって中させられてしまうのは勿体無いと、防部と文化光体育部がわざわざわ軍にゲを創立したのだ。


もちろん、プロゲのために軍がゲまで運するとはけしからんというもあった。



しかし空軍は、空軍の訓練の一つとしてシミュレ
ションなどの開にも加させるということで、「電算特技兵」としてイムヨファンをはじめとするプロゲ達が軍に在籍している期間もゲムをけられるようにしたというのだ。兵にして後ろ向きな若い世代に向けて、入隊させるためのイメジアップ略だったのかもしれない。


2008年からは、軍の報を兼ねて正式にeスポツ兵」として兵士を募集している。 


プロゲのゲ管理体制はとてもしいことで有名だ。ムの中は、それぞれ1軍と2軍に分される。リえる選手は1ラウンドたり12人に限られているため、チムの中でも選選手になるためには熾烈な競をしなければならない。



さらに、年間5ラウンド、ほぼ
日休む間もなく対戦けなければならない。集中力を保てる基礎体力作りも十分でなければ良い成績は期待できないのだ。


プロゲはリにランク付けされ、優勝回が多いほど年俸が上がるのはプロスツ界と同。椅子に座り十分マウスを動かすだけのように見えてるこの職業は、際には大体力を消耗するため、スポツ選手よりもしい合宿体制が敷かれている。 


次回は、伝説のプロゲ「皇帝」ことイムヨファンはじめ、プロゲ態に迫ってみよう!




By.趙章恩



Original report (@niftyゲム)
http://game.nifty.com/cs/column/detail/090107119360/1.htm

「皇帝」イム・ヨファン入隊で浮上した「プロ」ゲーマー徴兵問題 [2006年11月7日]

 韓国オンラインゲーム業界の生き証人、プロゲーマー「イム・ヨファン」選手が遂に空軍へ入隊した。イム・ヨファン選手は韓国では知らない人のいない超有名人、数々の広告に出演し、年俸は契約金だけで3年間8億ウォン(約1億円)、百科事典にまでその名前が掲載されている。


 1980年生まれでまだ26歳なのにすでにプロゲーマー暦7年、現在移動通信キャリア最大手であるSKテレコムのプロチーム「T1」に所属している。一時期スランプはあったものの、長い時間トップも守り続けた。身長180Cm、体重70Kgとほっそりした美少年が、表情一つ変えず一心不乱にマウスを動かし敵をとことん攻める勝負根性の強いゲームスタイルから男性ファンはもちろんのこと、サッカー選手や芸能人以上に女性ファンを抱える大物スターだ。ファンサイト会員数はそこらへんのアイドルより多い70万人、プロゲーマー初の2億ウォン年俸(約2500万円)、史上初StarCraft(対戦型戦争ゲーム)リーグ戦決勝進出10回といった華々しい記録の持ち主でもある。


徴兵免除を求め署名運動も


 入隊前の最後の試合となった第1回スーパーファイターズ大会には1万人の観客が殺到し、ネットとCATVのオンラインゲーム中継専用チャンネル3社から中継され、800万人以上が観戦している。オンラインゲーム中継は地上波の民放でも金曜日の夜よく放映される人気番組で、アナウンサー、解説者がまるでサッカーやプロレス、K1の中継のように、選手のマウスの動き一つ一つを中継し、各選手の特徴や戦略を解説する。解説者が解説の途中に立ち上がったり、怒り狂ったり、選手より自分が燃え尽きて最後には声が出なくなるという珍事も日常茶飯事だ。


 韓国国籍を持つ男性なら避けて通れないのが徴兵制。有名人だからといって例外はない。だが、イム・ヨファン選手の入隊はファンはもちろん、オンラインゲーム業界を巻き込んでの議論となった。


 サッカー選手はワールドカップベスト4、野球選手は金メダル、囲碁棋士は世界大会で優勝すれば徴兵が免除になるのに、韓国オンラインゲーム産業を支えるプロゲーマーたちは世界大会で何度も優勝しているのに、どうして徴兵を免除してもらえないのか、とファンを中心に署名運動が始まり、プロゲーマーを管理している韓国Eスポーツ協会も動き出した。一部では「戦争ゲームに強いんだから軍のスペシャリストとして活用すべきだ」、どいった「?」な意見まで登場し、オンラインゲームに詳しくない年配者までも「プロゲーマーとはそんなにすごい人たちだったのか」と関心を持つようになった。


 そこで妥協案として国防部が出した意見が、プロゲーマーを一般兵士ではなく「空軍電算特別技術兵士」として選抜するという案だった。「空軍電算特別技術兵士」になれば基礎軍事訓練後、空軍本部中央電算所に配置され、軍事用シミュレーションゲーム開発テスターとして活躍することになる。さらには、兵士たちのEスポーツ関連同好会に参加し、兵士達を楽しませやる気を沸き起こすとても重要な(!)役割を果たすことも期待されるというわけだ。


 プロゲーマーもスポーツ選手以上の人気と地位を獲得しているため免除対象にするべきという意見と、プロゲーマーまで軍免除の対象になるなら「サラリーマンだってインターネット検索は上手いぞ!プロゲーマーぐらいの電算技術は持っているはずだ!」と主張する意見が対立し、大騒ぎとなった。


 が、結局、イム・ヨファン選手は免除にならず空軍電算特別技術兵士として10月9日入隊した。


Starcraftがなぜ国民的人気を集めたか


 ここで韓国の徴兵制について簡単に説明すると、韓国男子は18歳~30歳の間に身体検査を経て、現役といわれる陸軍兵隊または区役所の雑務や地下鉄駅構内で酔っ払いを運び出し、満員電車の中に乗客をぎゅうぎゅう押し込む役割をする公益要員のどちらかで2年3カ月間軍人として生活することになる。産業特例要員といって工学関係の資格証を持つ人を対象にベンチャーや研究施設で3年間働かせる特別処置もある。もちろん健康でない人は軍を免除される。


 でも青春の2年3カ月を軍で過ごした恨みは想像以上で、学閥以上にどの部隊出身なのかは男性同士の重要な話題になっている。もちろん、履歴書にもちゃんと書かなくてはならないし、軍を除隊したか免除された人だけが採用対象になる。軍を免除された人は「神の息子」と憎まれ、仲間はずれにされるのがおち。自分が軍でどれだけ活躍したかホラを吹く男性は後を絶たず、軍の話になると自動的に「はいはい、あんたも海軍の特攻隊でタンクを自ら運転して北朝鮮を攻めたんでしょう」とうんざりする女性も多い。


 この国民のほぼ半数が持つ軍隊経験は他の国ではあり得ない事例を生み出した。StarCraftというアメリカBlizzard社の戦争ゲームの爆発的人気とStarCraft対戦のためにブロードバンドに加入し、ADSL大国になったことだ。


 StarCraftはそれぞれ武器や能力に特徴がある3つの種族「テラン」、「ジョグ」、「プロトス」から種族を選び対戦することになる。対戦相手はPCではなく、ユーザー同士となるため、勝負の進み方に決まったパターンがない。また戦争のためのマップを素早く把握し、敵がどこにいてどのような戦術で攻めてくるかを先回りしてキャッチした方が勝ちだ。グループでの戦いなので参加者同士のチームワークが当然、重要。


 つまり、同じチームを組んだメンバーにてきぱき指示を出し、ゲームを勝利に導ける、軍隊経験を自慢できるとっておきのゲームというわけ。 StarCraftの人気のお陰で子供の遊びとして扱われたオンラインゲームは韓国を代表する産業に成長し、まったく新しい職業である「プロゲーマー」を登場させた。


 ちなみにイム・ヨファン選手のニックネーム「皇帝」もStarCraftに由来する。彼がプロゲーマーの中では初めて、StarCaftの種族の中でもくせものである「テラン」を自由に操り勝利したことがきっかけだ。これを機に「テランの皇帝」と呼ばれるようになり、何度も優勝していることからそのまま「皇帝」がニックネームとなった。そんな彼は、ゲームの世界から軍隊の世界へとこれから2年3か月を費やすことになる。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20061107/252718/

有線・無線電話のコンバージェンスで「一足先にユビキタス」―KTとサムスン (過去記事)

韓国には面白いIT施設がたくさんある。情報通信部1階にオープンした「ユビキタスドリーム展示館」にはホームネットワークやRFID、知能型交通、人の動きに反応する広告など、2010年の韓国が紹介されている。

 郊外のFTTHショールームでは、高級マンションの一室を使った遠隔医療、インターフォンの映像を携帯電話に転送し、訪問者を確認して遠隔でドアを開けるサービスなどが体験できる。TVで映画の試写会に参加することもできるし、受験勉強までできる。


 街中には通信キャリアが顧客管理のために運営しているメンバーシップ制の無料PCバン(インターネットカフェ)があり、全国の郵便局と銀行にも、誰でもネットを使えるPCが必ず置いてある。 こうした状況だから、韓国ではわざわざパケット代を払ってまで携帯でネットを利用するのは無駄使い、という考えも多いのだ。そんな韓国で通信事業者が収益をあげるには、ニッチ市場を狙ったコンバージェンス(融合)しかない。


 韓国最大通信事業者のKTは、2010年までに本格化すると予想されるコンバージェスサービスでも主導権を握れるよう、自社のインフラと、携帯電話マーケットシェア1位であるサムスン電子の技術と端末を応用し、電話とデータ通信、固定電話と携帯電話、放送と通信、ホームネットワークといったコンバージョンス分野を強化している。特に携帯電話がデジタル機器の中心になる「モバイルコンバージェンス時代」の到来をにらんだ新しいビジネスモデルとして成功を収めているのが「Ann」、「Du:」、「Netspot Swing」といったコンバージェンスサービスだ。








添付画像

サムスン電子のPDAスマートフォン「SPH-M4300」(広報資料より)


 日本では肩身の狭いPDAだが、韓国ではKTが無線LANとCDMA携帯電話のデュアルモードを備えたPDAスマートフォン「Netspot Swing」のサービスを2003年6月に開始してから、サムスン電子のPDAスマートフォン(SPH-M4300)に機種変更する人が増えている。無線LANはKT、CDMAはKTの子会社であるKTFにそれぞれ加入しなくてはならないが、サポートはKTが担当しているので面倒なことはない。今テレビに流れている映像をネット経由でそのままリアルタイム受信できる「OnairTV」や、ドラマ再放送のビデオ・オン・デマンド、音楽ファイルも「Netspot Swing」だと無料で利用できる。だが、うっかりこれをCDMAで接続してしまったらもう最後。先日このような間違いをおこしてパケット代1千万ウォン(約110万円)請求された男性が料金の取り消しを求める裁判を起こしたが、ユーザーのミスということで片付いてしまった。ホットスポット圏外になると「CDMAに接続しますか?」と必ず警告画面が出てユーザーがYESかNOかを選択しているようになっているためパケット代は払うべきという結論だった。


 5月から韓国では、携帯電話から利用できる衛星DMB(Digital Multimedia Broadcasting、モバイル衛星放送)が世界に先駆けて商用化された。続いて7月には地上波DMB(日本の地上デジタル1セグメント放送に近い)のテスト放送が始まる。「Netspot Swing」のほかに、KTはソニーのPSPとも提携しPSPからもドラマの再放送を利用できるサービスを提供している。


 固定電話も変身している。携帯電話が一人一台の時代になり、固定電話の新規申し込みがどんどん減っているため、KTが命運をかけて開発した「Ann」というサービスは、固定電話でありながら携帯電話に近い機能が備わっている。


 一見すると家庭でよく見かけるコードレスフォンだが、24和音の呼び出し音、1.5インチLCD、電話番号200件保存、発信者番号通知、自動応答、音声メッセージ録音、ボイスポータル、SMS(ショートメッセージサービス)送受信、着メロ、メロディコール、目覚まし、天気予報などのコンテンツ利用と、携帯電話と変わらない機能を持っている。SMSの料金は携帯より安い。Ann同士のSMSは1件1円、Annから携帯へは1.5円。通常、携帯電話のSMS送受信は1件3円だから破格な料金である。天気予報やショッピング情報をSMSで受信することもできる。Annは去年11月発売されてから7カ月で70万台を販売し、年間目標100万台の70%を達成している。ANN電話機を購入した人の76%がSMSや通話連結音などの付加サービスに加入しているため、ARPU(一台当たりの月平均利用額)は約300円、全体では月に2億円以上の売り上げになる。年末まで1.8インチカラーLCD、TVリモコン機能付き、64和音などの新機種を順次発売し、目標を上回る130万台の販売を目指している。Ann端末はサムスンとKTのOEMでアプロテックという中小企業が製造している。端末代は24カ月払いで電話料金に合算請求されるので電話機の買い替え需要も呼び起こし、新婚家庭や小規模ショップでのニーズが高い。








添付画像

サムスン電子のBluetooth携帯「SPH-V6900」(広報資料より)


 KTはこのほかに、1台で屋内では固定電話、屋外では携帯電話として使えるBluetooth技術を採用した「ワンフォン」、「DU:」も発売している。


 「ワンフォン」を利用するためには6~7万円もする携帯電話に機種変更し、1万円ほどする家庭内AP(Access Point)を購入しなければならないため負担が大きい。だがAPから半径20~30m以内では固定電話料金が適用され、KTのブロードバンドサービス「Megapass」に加入している場合は半径100m以内でモバイルゲームなども無線インターネット経由で安く使えるので電話代の節約になる。この夏からサムスン電子がテレビ広告で、Bluetooth無線イヤホンを利用するとDU:携帯をカバンの中に入れたまま通話したり音楽を聞いたりできる場面を流しているため、DU:に加入しなくてもサムスン電子のBluetooth携帯(SPH-V6900)を購入する人も多い。


有線→無線→放送へと拡大していくKTのコンバージョンスサービスは通信と放送の融合を見据えた戦略だ。いずれサービスと端末をすべてKTが握るための計画ではないかということで、情報通信部までもKTの独占を警戒している。ユーザーとして新しいサービスがどんどん登場するのはとても嬉しいが、家計支出に通信費の割合が高すぎて困っている。

by –
趙 章恩

日経デジタルコア連載   
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またリストラ?韓国IMF危機世代の呪いはいつ解ける

日本の新聞に就職難から、民間企業よりも、資格取得や公務員への就職が人気を集めるようになったという記事が載っていた。成人式のインタビューでもみんな「この先が不安」、「就職しても仕事を続けられるか不安」と、不安という言葉がたくさん出ていた。日本で今年成人を向かえた世代のように、韓国にも苦労ばかりする世代がある。

 1998年2月に大学を卒業したIMF経済危機世代である。韓国は1997年のアジア通貨危機の際、IMFの支援を受けた。そのまっただ中に社会に出た世代は社会にでる以前から苦労してきている。大学入試は94年から大幅に変更され受験も難しくなり、やっと卒業できたと思ったら今度は大手企業が次々に倒産。韓国から外資系企業が撤退していく状況で、新卒を採用するまともな企業はどこもなかったと言っていい状態だった。


 韓国は徴兵制があるため、大学4年+軍隊2年6ヶ月(現在は2年に短縮された)を含めると、男性はどんなに早くても新卒時で25歳。就職浪人になってしまうと、あっという間に30歳になってしまう。これは焦るしかない。医者、弁護士、教員、公務員など、不況になっても需要がある職業は限られている。企業はスズメの涙のような給料しか出さないくせに、「スーパーマン」を求めたため、新卒者たちの資格取得戦争が始まった。TOEICなんて950点ぐらい取らないと応募も出せない。さらに日本語と中国語の検定試験を受け、海外で語学研修経験を積み、ボランティア活動経験や公募選などの入賞経験も履歴書に書いていないと書類で落とされる。子供の世話なんて大学受験まで、と思っていたのに、今度は就職のためにものすごいお金をかけて海外にも行かせ、資格学校に通わせ、親の苦労は続くばかりである。


 地方公務員試験なんて1000倍を超える競争となっている。企業の就職だって500倍とか700倍とか平気で超えてしまう。履歴書に貼る写真もできるだけ写りをきれいにしたいとフォトショップで修正したり、目つきが悪くて就職できないみたいと男性の二重手術が流行ったり、就職のためにここまでするか!!というぐらい必死にならないといけない時代になった。


 ただ、こういった状況のおかげで、就職をあきらめてITベンチャーを立ち上げ成功した人もいる。海外に目を向けて、ロシア、アフリカ、南米などの新興市場でビジネスを立ち上げ、そこそこ成功した若者も増えてきた。厳しい経済情勢が、韓国がだめなら世界に自分を売り込めばいいと、グローバルな考え方をできるようにしてくれた。


 そして、今回の米国発の経済危機だ。IMF経済危機世代がやっとの思いで就職し、30代中盤に差し掛かったところで、またもやリストラの窮地に立たされている。働き盛りの30代でもう首になるなんて、呪われた世代としかいいようがない。家電メーカーや大手企業は、リストラが噂になると企業のブランドイメージに打撃を与えるので、内密に解雇を進めているという。解雇された人も、リストラで大量解雇された能力のない人と思われるよりは、自分の足で出てきたと言った方が再就職しやすいと思っているからだ。

韓国の最低賃金は時給4000ウォン(約280円)。これではコンビニやレストランのアルバイトでは生計は立てられない。今はウォン安なので日本の人から見ると、韓国の物価が安いように思えるかもしれないが、平均所得は日本の半分ほどだ。交通費や光熱費は安いが、食べ物や生活必需品の値段は大して日本と変わらない。さらに、この1年、経済成長はほぼゼロに近いのに、物価上昇率は8%も記録した。スーパーに行くとその値段ゆえに買えるものがあまりない。原油価格が下がり、世界中が不況によってデフレ状態だというのに、韓国だけはインフレが続いている。雇用難だ不況だといっても、所得の格差が大きいため、庶民と上の世界では温度差がかなりあるようだ。


 政府の発表では失業者は75万~100万人というが、民間調査機関では人口4900万人のこの国で、ここ1~2カ月ほどの間に職を失った人、就職できない人を合わせると300万人は軽く超えるだろうとみている。失業手当を受ける人も毎月10%ほど増加している。日本と同じように、自動車工場は休業状態で、契約職を大量解雇している。正社員も名誉退職として、どんどん切り始めている。韓国の最大手通信会社KTは(日本のNTTのような会社)、役員人事を前に、常務以上の役員73人全員に辞表を出させた。実績のある人は辞表を返され、そうでない人は辞めてもらう。政府の官僚でもない限り「出向」、「天下り」を受け入れて入れてくれる企業はないので、就職難を突破しても、会社にできるだけ長く残れるための競争をしなければならない。日本の企業では一度正社員になると、仕事ができなくてもなかなか解雇できないという話を聞くが、羨ましい限りである。


 韓国政府は政府機関や自治体の事務補助をする「行政インターン」や自治体の土木工事など、2~3カ月働けるだけの契約職をたくさん作ることでなんとかこの問題を回避しようとしている。新卒5万人を海外で就職できるようにトレーニングする、なんてことも言っているが、契約が終わった後はまた仕事を見つけてくれるのだろうか。失業者になるよりは契約職でもいいじゃん、といっているような雇用対策は対策とは言い難い。足元の火を消すばかりでなく、どうすれば国民が定年まで安定して仕事ができて自分の給料で生活できるようにさせられるか、それを考えてもらわないと。


 98年韓国のIMF経済危機を救ったのはブロードバンド、オンラインゲーム、携帯電話といったIT産業であった。半導体、パネル、携帯電話の3大品目は世界市場を揺るがすほど成長してきた。今度の経済危機は何で救えるのだろうか。まだまだITが救世主となりうるか、それとも別の産業が出てくるのか。危機こそチャンスという言葉の通り、韓国はまた新しい時代に向けたチャンスをつかめるかもしれない。でも、その前に物価の値上がりだけでもどうにかならないかなあ。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年1月14日

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090114/1011326/