韓国 デジタルTV電子政府を開始(2007年1月8日 掲載)

テストサビスをて本番に


TVと電子政府の融合は世界初


 


 


【ソウル】韓では、TVとリモコンを利用して各種書類を申請するほか、地方の納付までできる「TV電子政府」が1年間のテストサビスをて、2006年12月15日から本格的に始まった。


 


 TV電子政府は行政自治部が江南をモデル地域に選定し、江南役所と江南ケブルTVが2003年から3年間にわたりサビスを開05年11月からの役所とケブルTV放送社でテスト運て、06年11月から江南の住民を象にテストサビスを行ってきた。


 


 今回提供されるサビスは、自動車財産など50種類の金納付、住民票土地台帳などの書類5種についての申請・発給、30種の電子申請、女性子供向け生活文化サビス、大eラニング放送、民防衛育(軍を除隊した男性は8年間予備軍として年に回軍事訓練をし、45まで民防衛として育に加しないといけない)、VOD江南ニュス、政主要政策ブリフィングなどだ。


 


 簡なリモコン操作でや市が施するアンケトに加できるので、住民の意見を積極的に自治体の運に導入できる点も高く評されている。江南はホムペジから駐車取り締まりや防犯カメラの設置などにして住民アンケトを施し、高い加率を誇っている。申請書類は家庭でプリントして使えるようにセキュリティ対応しているため、自宅で申請して役所に取りに行く面倒もない。郵便で送ってもらうこともできる。


 


 江南によると、インタラクティブなデジタル放送技術を基盤に、存の電子政府とTVの特性を生かしたオド型の情報をリアルタイムで提供するTV電子政府は世界初の試みという。


 


 TV電子政府サビスは、ケブルTVを申請しデジタル方式の新型(月レンタル料5000ウォン、約650円)に切り替え、TV電子政府サビス用リモコンを申請すればすぐに利用できる。


 


 江南区関係者は「インタネットに慣れていない50-60代以上の世代も、役所に行かずTVから簡に書類を申請し、金を納付できるようになる」と利便性をアピルしている。韓政府は07年からこのサビスを全的に大して行く計だ。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年1月8日 vol.1169 載]  Link 


 


 

第8回:短編なのに映画を一本見終わったような充実感あり!~ドラマシティ~





第8回 短編なのに映画を一本見終わったような充実感あり!
~スターのドラマデビュー実験舞台『ドラマシティ』~

2005年8月17日


 『ドラマシティ』は毎週土曜日夜11時から放映される短編ドラマコーナー。毎週作品ごとに監督も作家も俳優も変わり、まったく違う雰囲気のドラマが披露される。ほのぼの系のドラマもあればアクションもあり、ちょっとホラーっぽいのもある。だから土曜日の夜は名画劇場を選択するべきか、『ドラマシティ』を選択するべきかでかなり迷うけど、やっぱりドラマ好きに『ドラマシティ』は外せない。

 毎週1時間で終わる短編なので、視聴者を惹きつけるにはタイトルがポイントとなる。「今夜は家に帰らないで」、「うわきするお父さん」、「記憶が恋に質問した」、「誰も私を愛していない」、「謎の宝島」、「住宅改補修作業日誌」など、ちらっと聞いただけで何かありそうなタイトルが多い。

●傑作中の傑作『誰も私を愛していない』~ソ・ヨンヒ大ブレイクのきっかけに!

 『ドラマシティ』の作品はみんなそれなりにいい味を出しているので当たり外れはないけれど、その中でも傑作といわれているのが今年2月20日に放映された『
誰も私を愛していない』だ。

 密室のようなオフィテル(1LDKでオフィスとしても住居としても利用できる賃貸マンション)で寂しく一人暮らしをする27歳の独身女性ファジン。最愛の彼に一方的に別れを告げられ、ますます内気な性格になってしまったファジンは、お隣に住む好奇心旺盛で同じく一人暮らしのおばあちゃんが唯一の友達という孤独な人生。そんな彼女にある日突然メールやバラが届くようになる。戸惑う彼女の前に現れたのは……。

 ファジン役のソ・ヨンヒは映画俳優で、出演作は「嫉妬は私の力」、「クラシック」、「マパド」など。これがドラマ初主演だったが、悲しそうな透明な瞳が魅力で、ドラマを引張っていく集中力があると絶賛され、この後すぐKBS週末ドラマとミニシリーズに抜擢され、「遅咲きの花」、「2005年もっとも注目すべき俳優」として連日テレビに登場している。








誰も私を愛していない (※ 画像はすべてクリックで拡大)
(c)KBS


視聴!<ドラマシティ>

 『ドラマシティ』(KBS1、毎週土曜日夜11時~)を視聴するには、番組ページからタイトルをクリックすると、あらすじと56kbps、300kbpsのVODが表示されるので、視聴環境に合った帯域をクリックする。
 KBSについて詳しくは
第2回:無料で楽しむ韓国ドラマ 入門編2<KBS>を参照。



●笑いと涙が程よく交差~女の子の成長物語『謎の宝島』

 5月28日放映された『
謎の宝島』もかなり新鮮なストーリーで面白かった。

 誰もがもっている人生の謎について、子供の目線から探る展開なのだが、韓国ではまだタブーな「トレンスジェンダー」が登場したことでも話題になった。

 ショーパブの厨房で働くお母さんと二人暮しのおませな小学校5年生の女の子ヒョンギョンは、2階に住むまだ手術していないため体格は男そのもの、背は187センチ、軍隊まで行ってきたトレンスジェンダーのジェニーと仲良し。「どうして私にはお父さんがいないのか」、「どうしてジェニーは女になりたがるのか」、「どうしてうちにはお金がないのか」、人生の謎を解決していこうとする女の子の成長物語なのだが、笑える場面とジーンとくる場面が上手い具合に交差されていて、1時間があっという間に過ぎていく。再放送までしっかり見てしまったほど、とてもよくできたドラマだった。

 特にジェニー役のイ・ヨンジュはMBCホラーコメディ「アンニョン・フランチェスカ」で、いつもピンクレディー(フランチェスカと対抗する花札最強チャンピオンでピンク好きなおばさん)に殴られっぱなしの思いっきりバカなだめ息子役がすごく似合っていたので、『ドラマシティ』でのトレンスジェンダー役にはびっくり!! 彼も『ドラマシティ』での印象的な演技がきっかけとなり、デビュー6か月でドラマの花ともいえるMBCの新作ミニシリーズに抜擢された。








謎の宝島
(c)KBS


●韓国版「シックスセンス」~『住宅改補修作業日誌』

 3月13日に放映された『
住宅改補修作業日誌』は、韓国版「シックスセンス」! これはすごかった。

 リモデリング専門業者「ハウスドクター」の社員ドギョンは、1年前に人が死んだと言われる家を訪れる。奥さんからの依頼で訪問したが、家には妻と別居中という主人ジンギュしかいない。彼はドギョンに「家を改造すれば家内は戻ってくるのでしょうか」と奇妙な質問をする。ドギョンは昼間でもブラインドを下げて真っ暗にした部屋に閉じこもり、妻が帰ってくるのを待ち続けるジンギュに興味を抱く。そして、1年前にその家で殺された浮気相手とジンギュの妻の秘密が明かされていく。

 最後の5分間、大どんでん返しが待ち構えているが、まったく予想もつかないほど台本がとてもよかった。シックスセンスと同じようなパターンだが、ドギョンの存在にまでも隠された秘密があったとは驚き。視聴者からは続編やシリーズとして製作してほしいとの意見が多かったが、『ドラマシティ』は実験的なドラマをどんどん紹介することを目的にしているため、続編はなかった。

 このドラマは、ホラー映画「女高怪談」のおばけ役で注目され、今ではドラマ・映画・ラジオと大活躍しているチェ・ガンヒが主演。チェ・ガンヒは生放送なのに急に沈黙したり、出演者とのトークに夢中になりCMが始まるのも忘れてしまったり、のほほん~としたパーソナリティーとしても人気急上昇中。現在はキム・ミンジョン、シム・ジホと一緒にMBC水木ドラマ「離別に対処する我々の姿勢」に出演中。








住宅改補修作業日誌
(c)KBS

 『ドラマシティ』は、有名歌手や映画スター、お笑いスターのドラマ初出演作によく選ばれるほど、とても評価が高い作品ばかりが放映されている。また新人の演技力を試す舞台にもなっている。短編なので時間をかけて製作し、細かい部分までチェックされるので、『ドラマシティ』の主演になれた新人は必ず成功するとも言われているほどだ。

 モデル出身やマルチタレントらのどんちゃん騒ぎが売り物のドラマがMBCの『ノンストップ』だとすると、『ドラマシティ』は本格的に演技を始めたい新人のステップアップコースという位置づけだ。

 先週は、バラード歌手で日本でも9月にシングルアルバム「送歌」を発売するイ・ギチャンが主演の70年代学生運動時代の物語だったし、今週8月20日にはCMで人気の若手俳優らがどっさり出演する「夏、離別物語」が放映される予定だ。

 『ドラマシティ』は俳優だけでなく、作家の登用門として毎年脚本を公募している。毎年3,100件以上の応募があり、3~4編が選ばれ年末特別ドラマとして放映されるので、こちらもお楽しみに。


By-
RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情」 Link

サムスン電子の究極の青田刈り [2006年11月21日]

2007年から韓国の私立大学2校に携帯電話学科が新設される。サムスン電子は96年からサムスンが財団になっている「成均館(ソンギュングァン)大学」と提携し、2007年1学期から水源(スウォン)キャンパスで携帯電話学科大学院を設立運営することにした。毎年修士課程40人、博士課程12 人を募集する。7~11月行われた選考では1次12人募集に99人、2次28人募集に266人が志願し、9.1の倍率となった。他の学科に比べ5倍近い競争率となった。

合格すれば授業料免除、生活補助、卒業後の就職も保証


 ものすごい競争率の秘密はサムスン電子の破格な優遇にある。合格さえすれば授業料全額免除、毎月100万ウォン以上の生活補助費が支給され、卒業すればあの憧れのサムスン電子情報通信総括に入社、携帯電話関連研究開発(R&D)の業務を任されることになる。サムスン電子は大卒新規採用の給料が高いことでも有名で、キャリアのSKテレコムと並び、最も入社したい企業の1、2位を争っている。サムスン電子の携帯電話は「Anycall」というブランドで販売されている。8月には世界で初めて4Gを発表するなど、技術開発力を強化している。韓国国内では、高品質高価格路線が成功し、他の携帯より2倍はする値段にもかかわらずシェア1位をキープしている。中国でもAnycall携帯が富裕層のステータスのようになっていて、コピー携帯もかなり出回っているそうだ。


 これだけの待遇だからやはり入学試験はサムスン入社試験よりも難しかったらしい。書類審査、教授面接、サムスン職務能力試験(SSAT)、サムスン電子面接の 4つの関門を突破しなくてはならないが、特に面接とSSATは新入社員面接と同じレベルで、大学での成績がオールAで、TOEICで満点を取った人も落ちたほどだ。


 携帯電話学科は、Human Interface、Connectivity、Embedded Software、Mobile Platform、Mobile Healthの5つの研究グループで構成される。チェ・ヒョンジン携帯電話学科長は「部品の製造方法ではなく、どのような組み合わせで最高の携帯電話を作れるのかというシステム技術を研究する大学院。研究だけに没頭できるようサムスンも学校も支援を惜しまないつもりなので、その分携帯電話狂いともいえるレベルの高い学生が集まってほしい」と述べた。サムスン電子のシニア研究員や役員も各研究グループ別共同指導教授として参加し、選考から論文選定、審査、進学、就業指導を担当する。カリキュラムの詳細な運営などすべてをサムスン電子と大学側が協議して決めることになる。また学生らは在学中からサムスン電子のプロジェクトを遂行することからも、現場と大学教育の距離を幾分縮められるのではないかと期待されている。


 韓国でも学科名から「携帯電話学科」と名前がついたのはこれが初めて。去年246億ドルの輸出を記録した携帯電話は韓国全輸出の8.6%、IT関連輸出の22%以上を占める主力産業だが、今まで専門の人材を育成する大学はなく、電気・電子、電算、機械、コンピューター専攻など多様な分野から採用してから時間と費用をかけて再教育しなければならなかった。


会社の機密資料も教材に


 サムスン電子と成均館大はサムスンが財団になった96年、半導体システム工学科を新設している。博士クラスの研究員が講義に参加し、即戦力のある人材養成に力を入れ、画期的な産学協同カリキュラムと評価されてきた。会社の機密資料が教材として利用され、3年生からは現場実習もする。卒業後はサムスン電子入社が保証され、授業料、教材費全額と生活費が支援された優遇策は韓国では初めて。その魅力に引かれて、全国から秀才が集まり、合学者一人一人がマスコミに紹介されたほどだった。成均館大は「企業に牛耳られるみっともないサムスン大学」と嫌がらせをうけたこともあったが、今ではサムスンの惜しみのない支援のおかげで全国から成績上位3%以内の優秀な学生が集まる名門大学へ成長できた。


 サムスン電子は成均館大のほか、全国の名門大学14校と情報通信トラック(Track)を組み、授業料全額支援で優秀な人材を優先的に確保している。さらに、工学部を対象に3年生までにサムスン電子が要求する教養科目と、4年生の1年間はコンピューター通信ネットワーク、コンピューター通信システムといった「情報通信トラック科目」の中から2科目以上単位を取った学生を採用で優先する。これは、年間1000人以上の学生が対象となっている。


 一方で、サムスン電子は各大学に教科課程開発費2億ウォン、機材費2億ウォンに、毎年追加で4千万ウォンずつ5年間で2億ウォン、機材交換費1億ウォン、合計5年間7億ウォン(約9000万円)を支援する。大学別成績優秀者20名には1年間1000万ウォンの奨学金を支給し、入社が保証する。サムスン電子情報通信総括は年間2000人を採用しているが、2007年からは情報通信トラックの卒業生から60%ほどを採用する計画だ。これだけの労力をかけることで、サムスン電子としては自社のニーズにぴったりあった人材を大学からオーダーメイドのように供給をうけるわけだ。


 さらに、サムスン電子は人材確保先を広げようとしている。これは次回、ご紹介しよう。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20061121/254329/

プロゲーマーは芸能人より人気? [2006年11月14日]

前回はプロゲーマーの徴兵問題を取り上げた。今回は、韓国におけるプロゲーマーの存在感の大きさを改めてご紹介したい。韓国のプロゲーマーは80年代に人気を集めた日本のファミコン名人とは全く違う存在だと思っていい。NYタイムズは2006年10月7日、オンラインゲームに熱狂する韓国の様子を紹介しながら、「イム・ヨファンのような有名プロゲーマーはニューヨークヤンキースのデリック・ジータのような人気者」、「韓国でStarCraftを知らないのはアメリカでプロフットボールチームのダラスカウボーイを知らないのと同じ」と報道した。(韓国ではデリック・ジータって誰?って反応だけど)

大手企業がプロゲームチームを運営


 9月現在韓国Eスポーツ協会に登録されているプロゲーマーは260人を超えている。大手企業がスポンサーとなっているプロゲームチームは11もある。三星電子は「カーン」、キャリアのSKテレコムは「T1」、KTFは「MagicNs」といったプロゲームチームを運営している。リーグ戦での優勝は企業の売上とイメージに直結する。このうち、プロチーム所属している選手は180人程度で、平均年齢23歳、年俸2億ウォン(約2500万円)は下らない。


 プロゲーマー企業の役員向けミーティングや大学で行われる特別講演の講師としても、その情熱と勝負に対する執念をテーマに話してほしいと引っ張りだこだ。デパートのチャリティーバザーでも芸能人よりプロゲーマーが特別招待されることが多く、小学生の間では医者と弁護士を追い越し、憧れの職業1位にまでなった。彼らは一日10時間以上も練習を重ね、ゲームを徹底的に研究し、パソコン用ゲームの開発にも参加している。


 プロゲーマーの人気を自治体の活気につなげようとするところも少なくない。釜山市は2004年世界大会であるStarCraft決勝戦を誘致し、 10万人の観客動員に成功した。オンラインゲーム都市というイメージも獲得できた。オンラインゲーム対戦専用競技場を設立しようとする自治体も多く、ソウル市は先月、韓国における秋葉原のような場所である竜山(ヨンサン)にオンラインゲーム競技場をオープンし、前回紹介した、プロゲーマー、イム・ヨファン選手の入隊前、最後のファンミーティング会場として公開した。


 プロゲーマー第一世代として歴史に残る人物となったイム選手は「プロゲーマーという夢を与えてくれた選手」として評価されている。「ゲーム狂いの引きこもり」、「オタク」、「社会的落伍者」といった偏見を跳ね返し、プロゲーマーの重要性を韓国のみならずアメリカ、ヨーロッパ、中国、台湾など世界に向けてアピールし、スターになった。彼の影響で所属チームのスポンサーであるSKテレコムは年間200億円(約25億円)の広告・マーケティング効果を達成しているとの分析もある。ファンクラブやキャラクター商品、出版物を入れると規模は更に倍増する。


次なるスター発掘へ


 7年間、韓国初、世界初の記録を更新し続けたイム選手は、「健康な体で軍に行ける私は幸せ者。軍を除隊して30代になってもプロゲーマーとして現役であり続けたい。大学院で勉強を続けプロチームの監督もやってみたいし、国産ゲームの開発にも携わってみたい」、「プロゲーマーほど競争が激しく自己管理が厳しい世界もない。私はゲームのために彼女と付き合うことも、大学生としての生活も諦めるしかなかった。これぞ自分が進むべき道と思った以上すべてをかけないと夢は叶えられない」とファンにメッセージを残した。


 オンラインゲーム業界では早速イム選手に次ぐスター発掘に取り掛かっているが、まだこれといった選手の名前は出て来ない。だが260人もいるプロゲーマーの中から新しいスターが誕生するのは時間の問題かもしれない。


 またStarCraft中心だったオンラインゲームのリーグ戦も韓国産ゲームであるNEXON社の「カートライダー」というレーシングゲームに広がっている。「カートライダー」はかわいいキャラクターのせいか小学生に人気のオンライン対戦ゲームなので、大会では小学校低学年の参加も目立っている。小学生がプロゲーマーなんて日も遠くないみたい。それなら徴兵問題もなく、長く選手としていられるからかえっていいかもしれない。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20061114/253553/

オンラインゲームではなくeスポーツ!盛り上がるのはスポーツよりゲーム観戦

添付画像G★2008をはじめ、韓のゲム展示に欠かせないイベントはやはりプロゲマの試合観戦である。オンラインゲムの対戦は、「eスポツ」として1年を通してリが行われているほどの盛り上がりようだ。


 


プロゲというと、日本ではどうしても一昔前の「高●名人」を思い出す方が多いようだが、韓のプロゲは全く趣きが違う。



違いの一つとしてまず
げられるのが、年が若いこと。10代後半から~20代前半という若さに、何故かジャニズのアイドルを連想させるようなイケメン揃い。賞金やイベントCM出演等による年俸は、弁護士に負けない億位(日本円で年1500万円ほど)、F1レのような格好いいユニフォムに身を包み、追っかけファンを抱えたまさにアイドル集なのだ。
 


 G★2008最後の日、ゲ達を熱狂させたイベントが行われた。韓で唯一の女性プロ添付画像「ソジス」と一般客が戦争シミュレションネットワクゲム「スタクラフト」で対戦できるという夢のようなイベントがそれ。彼女が行くところならどんなに遠いところでも援にけつけてくれる追っかけファンを始め、子供や女性も彼女のプレイに興味津な目を向けて観戦した。


 


対戦はガラス張りのブで行われ、周はすごいの人!人!人! 彼女を一目見ようと押すな押すなの大行列が出るほど。棋倒しが危ぶまれるまでの人だかりは、にいた客が一に集まったことによるものだ。 



 
ジスは、2002年にプロになり、STX SouLに所。グラビアアイドルのようなかわいい添付画像顔とすらっと伸びた手足で、男性ゲを虜にするプロゲである。何があってもめげずに努力するキャラとして、女性ゲにとっても憧れの存在となっている。女性の部での優勝経験はあるものの、全体のリでの優勝経験はまだなく、2軍生活も余儀なくされていた。しかしその情熱とチャレンジ精神は高く評され、2008年10月に韓女性新聞が選定した「2030女性希望リ20人」の一人にも選ばれたほど。


 


「女だから」という考えに捉われず、新しい分野を切り開いたソジスは、ミニスカトのユニフォムを着せられ、ゲというよりもかわいい女の子としてチヤホヤされることを悲しいと感じているようだ。「女性プロゲではなくプロゲと呼ばれるまでがんばる」のが面の目標だという。


 


ジスはスタクラフト部門では唯一の女性プロゲであるが、その他のゲムには女性だけのプロゲも登場している。プロゲ同士で結婚に至るケスもあるほどだ。 



添付画像 
のオンラインゲ対戦は、10月からリが始まり、5ラウンド行われる。1ラウンド を5~7週にかけて12のゲ総当たりが行われるため、選手の体力管理も重要な鍵となっている。



8月には釜山で決勝が行われる。釜山のグァンアンリ海水浴場には野外特設舞台が設けられ、2万人を超える
客が集まる。韓の高校生の間ではサッカと並ぶ人スポツとして「eスポツ」があげられるほどだ。



2007年からは「大統領杯アマチュアeスポ
ツ大」も開催されており、ここで優勝したゲは、プロゲやゲム業界にスカウトされることが多い。


 


プロリグが開催されているゲムタイトルはであるが、なかでも最も人なのはやはり「スタクラフト」。個性的な特を持つ3つの部族とえ切れないほど豊富なマップの組み合わせにより、予測がつかない術で次に敵を倒していくプロゲ達の熱いいぶりは、見ていてとても持ちよい。手の動きが見えないほど素早くマウスとキドを使って兵力をコントロルするところは、まさに神業としか思えず、一見の値ありといえるだろう。


 


そして、イベントを盛り上げてくれるのが、ゲムの況を中する解者とアナウンサの絶妙なコンビネション。これが、笑いあり驚きありの手に汗を握る観戦を視者にもたらしてくれる



特の言い回しと伝説的な名言をしている解も生まれるほどで、サッカや野球、格技を見るのとあまりわらない感だ。


 


には、24時間、オンラインゲ対戦の中門とするケブルTVチャンネルがあり、地上波放送局でも金曜日の夜はオンラインゲ対戦の名場面を紹介したり、プロゲのインタビュを放映する番組があるほど。オンラインゲムもスポツの一つとして、「eスポツ」という確固たるジャンルを構築しているのだ。


 


 


次回は知れば知るほど面白い韓のプロゲム集とプロゲ態をご紹介します!


By.趙章恩



Original report (@niftyゲム)
http://game.nifty.com/cs/column/detail/090105118805/1.htm

韓国プリンタ市場 家庭用LBPでヒットを連発(2007年1月15日 掲載)

三星が最下位からトップシェアに躍進


 




【ソウル】韓では、フォトプリントとわらない格で、コピFAX、スキャナとしても使える小型複合機が人を集めている。これまでシェアが最も低かった三星電子は、家庭用カラプリンタ(LBP)複合機でヒットを連2006年ではシェア1位にまで登りつめた。



 昨年9月に三星が
り出した「CLP-300」は、1か月で4000台以上がれた家庭用複合機。39×34.4×26.5㎝、重さ13.6 ㎏の小型で「机の上において使える、音も少なく使い方もトナ交換も超簡」と宣している。本体には電源ボタンしかなく、すべてPCにインストルしたプログラムを利用して操作するようになっている。フォトプリント機能も充していて、1枚の紙に複写真を小さく集めてプリントしたり、1枚の写真を複の紙にプリントして大きなポスタにできる機能が評されている。消耗品であるトナ1000枚ほどをプリントアウトできる量で、1色あたり4万ウォン。インクジェットに比べ、それほど高くない点を調している。


 


 三星はHPが世界最小型を発売してから2週間後、さらに小型サイズの「CLX-3160FN」を投入するほど「最小型」にこだわる。今後は、企業用プリンタ市場にも集中する計で、12月にり出した企業用A4サイズ「SCX-6345N」の印刷速度は1分43枚、面プリントも1分42枚と超高速。初心者向けのタッチパネルをつけて、最初の1枚が出力される時間を8秒から5秒に短縮した。


 


 韓IDCの調査によると、06年韓市場における小型LBP複合機の市場規模は約2500台、前年比54%の成長だ。07年は4000台、2010年には約1万台にまで急成長する見みで、三星電子のほかにEPSON、HP、キヤノンコリアの競が過熱している。韓HPは大手企業には統合出力管理サビスを展開、SOHOや中小企業には安い管理費用で対応する略で、市場大を狙っている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年1月15日 vol.1170 載]  Link 


 


 


 

韓国 衛星モバイル放送「TUメディア」(2007年1月15日 掲載)

加入者100万人突破でも赤字にあえぐ


 




【ソウル2003年の設立から現在まで赤字がいている衛星DMB(衛星モバイル放送)「TUメディア」が、700億ウォン(約90億円)規模の有償資を決定した。TUメディアは3期だけでも上高172億4000万ウォンにして純損失208億7000万ウォンを記06年12月25日に、加入者100万人を達成したにもかかわらず、大規模な赤字にあえいでいる。


 


 TUメディアは、新規投資金と運資金づくりのため昨年12月27日、「大株主を含み第3者割方式の記名式普通株有償資を推進中」「具体的な新株割当内訳額、行時期など詳細件はまだ決まっていない」ことを明らかにした。資には米の衛星放送社も加すると報じられている。


 


 TUメディアの親社で29.6%の株を持つ最大株主のSKテレコムは、衛星DMB事業活性化のため325億ウォンを出資する計だ。TUメディアへの出資金額は、2509億ウォンにのぼることになる。TUメディアの株はSKテレコムを除いて三星電子が6.9%、MBCo(日本)が6.0%を保有している。


 


 SKテレコムは現在、TUメディアの大株主だが、放送法により最大株主の持分は33%までと決まっている。第3の企業が資に加しないとなると、追加投資額が決まらない況だ。大企業の持分制限は07年4月から49%へとえるので、今後資も予想される。


 


 韓で市場シェア50%を超える移動通信キャリアのSKテレコムは、放送と通信の融合時代を迎え、IPTV事業にも積極的に推進している。TUメディアのほかにアルバム製作社の「ソウル音盤」も買し、コンテンツ事業を化している。


 


 しかし、SKテレコムは、KTやHanaroなど競合する通信社が新たな成長源とするIPTV事業への進出に苦している。同社は、KTと情報通信部、放送委員が共同で推進するIPTVテストサビスに加したいとコンソシアムに名を連ねているが、本業であるネットワク事業者としてではなく、コンテンツ事業者として加できたことに足しなければならなかった。


 


 TUメディアの社長を含むSKテレコムの役員らがIPTVを提供するHanaroを訪問し、システムとインコディングに多大な心を示したとのニュスが報道されてから、SKテレコムがTUメディアを前面に出してIPTVに進出しようとしている、と通信業界では大ぎになった。


 


 衛星モバイル放送に限らず、現在世界で最も注目されている放送プラットホムであるIPTVを確保しないとSKテレコムのコンテンツ投資も持できないため、SKテレコムがIPTVのためにHanaroを買するのではないか、とも測されている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年1月15日 vol.1170 載]  Link 


 


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>26.最終回 今回のテーマ■大不況乗り切り

危機にい韓


トライ精神でり切る


 


 


 世界金融不安に端をした不況が韓でも深刻な事態を招いている。1997年末に韓国経済を崩寸前にまで追いんだアジア通貨危機の頃よりも、庶民の生活はしくなっている。



 韓
政府は景気対策として、輸出保や海外マケティング支援規模を大幅に大する計表した。また雇用維持のため、製造社が社員を職務育として大手企業へ一定期間派遣し、政府が賃金と訓練費の一部を補助する制度も始められる。需創出のため政府が大規模な投資をする「ITSWニュディル」も計されている。省エネ設備導入、RFIDの利用促進、LED照明の普及、新再生エネルギ究開などの事業を推進し、約1600億円を投資する。


 


 イミョンバク大統領は新年の政演で、「2009年はグリITやエネルギ率的な活用、先端融合産業、高付加値サビス産業の3大分野を新しい成長エンジンとして稼させる」と表した。かつて果敢にブロドバンドに投資したことでアジア通貨危機を克服できた経験をもとに、今度はグリITの推進や放送と通信の融合、モバイルと療の融合といった先導事業に投資を集中し、外からの投資を誘致して景回復につなげたいとしている。添付画像


 


 09年には携電話端末に義務づけられていた韓産ミドルウェアWIPIの搭載が止され、海外メの端末も韓で自由に販できるようになる。料金割引制度の自由化、携電話周波再分配など、競を促進するための大きな規制緩和も予定されている。


 


 経済政策を担している企財政部の長官は、「アメリカ中心の一極体制が弱まり、新興が浮上するという史的な力の移動が始まっている。かつて世界7位ぐらいだったSamsung Electronicsが、アジア通貨危機以降は世界トップの電子メになった例もある。者が生きるのではなく、生きった者が者になる不確な時代なので、私たちの努力次第で一流家に跳躍できるチャンスをつかめる」と、高らかに宣言した。


 


 韓ではIT強国として成長していくためには、不況こそがチャンスといわれている。09年も韓が得意とする「なせばなる」とか「まずはやってみよう」というトライ精神を生かし、危機をり越えようとしているのだ。(おわり)

(趙
章恩●取材/文)



BCN This Week 2009年1月12日 vol.1267 載]  Link 


 


 


 

ITUテレコムワールド2006、ITでも韓流を狙う [2006年12月5日]

「情報通信技術分野のオリンピック」とも呼ばれる「ITU(国際電機通信連合)テレコムワールド2006」が12月4日から8日まで、香港アジアワールドエキスポで開催されている。アジア初のテレコムワールドだけあって、韓国のIT関連新製品が一堂に会するほか、大手企業のCEOやIT業界の大物もみんな香港に集結する盛り上がりをみせている。

 韓国国内の報道では、ITUに初参加加するチャイナモバイル、チャイナネットコムなど中国勢に注目すべしと騒いでいるし、中国通信業界の世界進出のきっかけになるだろうという指摘もなされている。一般ユーザーからすると「テレコムワールドってそんなすごい展示会なの?」としか思えないが、「へ~」と驚くべき便利な最新モバイル技術がどっと披露されるという点は注目すべきではないだろうか。


中国の韓流は衰え知らず、その波及効果はIT機器にも


 最近、日本の韓流(韓国ブーム)は一時に比べると下火になったようだが、中華圏での韓流はまだまだ勢いが衰えていない。ドラマに登場するサムスンのPCや携帯電話、LGのTVや家電までもすごい勢いで販売が伸びているという。


 11月にあった俳優ソン・スンホンの除隊では日本や中国、台湾、シンガポールなどから5000人以上のファンが詰め掛けたそうだし、済州道であった韓流エキスポ開幕式ではヨン様が30分登場するだけで日本からの参加者が軽く3500人を超したそうだ。驚いたのは遠い砂漠の国、中近東でも韓国のドラマが人気で、韓国製の黄金TVやプラチナ携帯といった韓国や日本では見たこともないようなすごい製品が売れているそうだ。


 韓流ファンたちは韓国人にとってありがたい存在だ。自国の文化を尊重してくれて、ドラマや映画を観ながら一緒に感動してくれる仲間だからだ。この勢いに乗って、ITでも韓流が続いてくれればという思いもあるが、一方でサムスンとLGの独走ゆえに、韓国にはこの二つの会社しかないのかと思われるのは悲しい気もする。


 冒頭に紹介したITUテレコムワールド2006に参加するのは世界40カ国、700以上の企業だ。韓国からは日本のNTTのような電話・通信企業であるKT、携帯電話会社のSKテレコムとKTF、加入者100万人を目前した衛星DMB(日本の衛星をシェアしている衛星モバイル放送)のTUメディア、端末関連ではサムスン電子とLG電子といった韓国を代表する大手IT企業が参加する。


 韓国勢の展示の目玉は、今年から商用化された3.5GのHSDPA、Wibro(モバイルWimax)といった新しい通信サービスと端末。IT強国と自負しているだけあって、世界に向けあっと驚くような最新技術を紹介するべきという義務感を感じているようだ。KTとKTFは「ユビキタスライフパートナー」というテーマで公園(U-Park)、商店街(U-Mall)、駅(U-Station)、地下鉄(U-Metro)、家(U-Home)など、生活の中の具体的なシーンを挙げた展示コーナーを設けた。


 SKテレコムは「Innovation & Inspiration」がテーマで、日本でも提供されている携帯電話での決済、いわゆるおサイフケータイ機能のほかに韓国が発信地となったマルチメディアサービスを展示する。1回の決済で再課金なく、PC、MP3プレーヤー、携帯電話など、いろいろな端末から音楽を再生できる「Melon」、携帯電話が人の動きに反応してゲームの操作が簡単にできる「GXG」、世界4カ国でサービスされているメガヒットSNS「モバイルサイワールド」などを展示する。


 日本ではなかなか定着しないモバイル衛星放送も韓国ではポピュラーな存在だ。韓国では有料サービスにもかかわらず高速鉄道や地下鉄の中を含め全国95%に至るカバレッジの広さとチャンネルの多さから人気を集めていて、映像15、オーディオ19チャンネルを提供している。利用できる端末も54種類と選択の幅が広く、加入者数100万人まであともう少し。ITUでもそのノウハウに注目が集まっている。



 モバイル衛星放送を独占的に提供しているSKテレコムの子会社TUメディアのソ・ヨンギル社長は4日「世界初有料モバイルTV商用化開始」という発表を通じて、その成功の鍵を「TVやCATVでは見られない世界のスポーツ中継、独自番組にも力を入れ、携帯からTVを見やすい端末を製造するためベンダーと協力してアイデアを出し合う。割引料金制度で負担を軽くすることも重要」と述べた。


Webアプリ対応の多機能型携帯電話が続々


 サムスンは「ウルトラエディション」、LGは「チョコレートフォン」、「シャインフォン」といった一押しの端末を展示する。どれも小さく薄く、液晶面はスライド式。もちろんモバイルTVにも対応している。サムスンの「ウルトラエディション」は「ウルトラミュージック」、「ウルトラビデオ」、「ウルトラメッセージング」の3つの新機種で、9.4mm~11.8mmのスリム携帯なのにエンターテインメント機能を取り揃えているのが売りだ。


 ウルトラミュージックとビデオは携帯電話のキーパッドを後ろに配置したデュアルフェイスで、MP3プレーヤーやPMP(動画再生機)と見分けがつかないほど変わったデザインなのも話題になっている。ウルトラメッセージングはHSDPAスマートフォンで、Windows Mobile 5.0とパソコンと同じキー配列である QWERTYキーパッドを採用した。ポッドキャスティング、RSSリーダー、Googleトークなど多様なウェブアプリケーションにも対応している。これらは2007年からヨーロッパで先に発売される。


 LGはHSDPAモデム内蔵ノートパソコンや携帯を展示したほか、ドラマ「天国の階段」の悪役キム・テヒが登場する携帯電話広告を香港中に貼り付けるなど、展示場の外でも韓流マーケティングを積極的に展開している。


 実は、韓国の携帯電話は品番よりも、広告に登場するモデルの名前や愛称が付けられることが多い。普通に「ジョンジヒョン携帯」、「クォンサンウ携帯」などと呼ばれているわけだ。これもまた興味深い点が多いので、次回くわしくご紹介したい。


 韓国の人口は4800万人。日本や中国に比べて内需が本当に小さいだけに、世界に向けて羽ばたきたいという意識がとても強い。2007年にはついに待望のヨン様主演ドラマ「太王四神記」が世界90カ国で公開されるそうだし、これからも韓流が芸能界のみならず、IT分野でも続いてくれることは業界挙げての願いといえそうだ。なお、韓国のIT製品は日本でもどんどん発売されているので、皆さんぜひお店でみかけたらお手にとってご覧ください。


参考:テレコムワールド2006のニュースはITproでも配信しています。ご活用ください。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

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http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20061205/256061/

サムスンが人材確保に躍起になるワケ [2006年11月28日]

サムスン電子(サムスン電子)は10月、日本の慶応義塾大学とよく比べられる私立の名門、延世(ヨンセ)大と大学院に携帯電話専攻設立協約を結び、2007年から毎年、修士課程20人、博士課程8人を携帯電話の専門家として養成することにした。これを皮切りに、サムスンは韓国の主な大学と携帯電話専攻提携を広げていく計画だ。

専門家育成カリキュラムを専門大学で実施


 さらに韓国で初めて4校の専門大学とも提携し、サムスンが要求する半導体設計専門家、設備エンジニアを育成するカリキュラムを組んでいる。2007年2学期から大学ごとに30人を選抜し、半導体部門の「設計専門家」と「設備エンジニア」を養成するため「半導体技術教育プログラム(STEP : Semiconductor Technical Education Program)」を実施し、サムスンの就職に向けた教育プログラムを行う。こちらも同じように奨学金を支援する。サムスンの系列会社もそれぞれ大学と協力し、LCD、LED、セラミック、イメージセンサーモジュール、無線技術、部品の国産化、新素材開発を支援している。


 人材育成にここまで力を入れているのはサムスンくらいのもの。他の大手企業も奨学金制度こそあるが、サムスンほど大きな金額ではない。LG電子では大学生のグループを対象に、海外に出向いて調査を行い、その調査結果で優勝した学生はLGに入社できるという制度を運営しているが、規模は年々縮小している。


 サムスン電子の関係者は「大学での教育は現場のIT技術の早さに追いついていけない。毎年6000人以上の理工学部の新卒を採用し、800億ウォン以上を投資して再教育している。やっと会社の人間として使えるようになるまでには平均2年半もかかる。大学と提携してオーダーメイド式に人材を養成し、採用後すぐ実力を発揮してくれる高級人材を確保できるならば、授業料全額や生活費支援なんて安いもの。韓国の携帯電話産業を世界一にするためにも産学連携は絶対に必要だ」と話している。


国を代表するエリート


 サムスン電子は創意的、挑戦的、専門的なグローバル人材を自社の人材像としてよく話している。そして、同社の人材採用での選別は徹底していることから、韓国国内ではサムスン出身者=エリートという認識は強い。同社社員たちもその自負はあるだろう。


 ただ、優秀な学生を選び支援して会社に必要な人材として育てるのはいいけど、自由な発想を育てる期間であるはずの大学時代に、ここまでサムスン、サムスン、といわれてしまうと創意もなければ挑戦もないんじゃないかという気もしてくる。就職教育ばかりで学生時代の楽しさがなくなるというもの、学生にとっては不幸だ。


 就職難からか、この頃の韓国の大学生たちはサークル活動もせず、ノートの貸し借りもせず、とにかく優秀な成績を残すために必死になりすぎている。10年前まではレポートや試験前になれば図書館に集まってアドバイス(もちろん無料)してくれていた先輩たちが、今ではレポートや試験でいい点数を取るためのノウハウをネットで売買をしている。人間味がなくなったというか、競争のしすぎというか。もちろん遊ぶ人もいるだろうけど、今では、それは一部の姿となりつつある。


 企業側が、ここまで徹底して大学で人材を育成したいという気持ちもわかる。特に韓国は徴兵制が残っているから男性は大学を卒業するのが日本より3年遅い。大卒新入社員が既に24~25歳を超えているので、そこからまた再教育となれば社員として一人前になるのは27歳を超えてからとなってしまう。二浪、三浪していると、本格的なスタートは30歳を超えてしまう場合だってある。これは確かに企業の負担も大きい。楽しい大学時代を保証しつつ、専門人材としての養成を受けられる、この両方は選べないものか。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

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http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20061121/254360/