アイデア勝負のKT固定電話事業、これからどうなる [2007年1月16日]

日本でも韓国でも、どこにでもありそうでいざとなれば見当たらないもの、それは公衆電話ではないだろうか。韓国でも携帯電話の普及から公衆電話を再編が問題になっている。12月18日新しい10ウォン玉の発行をきっかけに、ついに公衆電話が全面的に見直されることになった。今年から全く新しい公衆電話が登場する。

苦境の公衆電話事業、損失補填額は2年で倍以上に


 KT(旧韓国通信)の公衆電話の売上は2001年の3606億ウォンから2006年は854億ウォンにまで落ち、今年は550億ウォンにまで下がる見通しだ。2001年238億ウォンだった損失補填金は2006年507億ウォンと2倍を超える規模に膨れ上がっている。


 新規発行された10ウォン玉は18mmと現在の10ウォンより4.86mm小さく、重さも4.06gから1.2gととても軽くなった。赤みのあるアルミニュームなのでゲームコインのようでまだなじめない。


 10ウォン玉は物価の上昇とクレジットカード使用の普及から、一般的な生活ではほぼ使われなくなり、公衆電話ぐらいでしか必要とされない。公衆電話の市内通話は3分70ウォンなので10ウォン玉か50ウォン玉が必要だが、10ウォン玉の流通が少ないのでみんな100ウォン玉を使い30ウォンは次の人に譲る。


 日本では公衆電話で100円玉を入れるとおつりは出ない。韓国もおつりは返してもらえないが、残高30ウォンが表示され、受話器を切らず電話の上に置いておくと、次の人は40ウォン追加するだけで電話が使えるという人情ある機能がついている。おつり30ウォンと表示された公衆電話に70ウォンを入れると100ウォン玉が戻ってくるという裏技もある。


 でもKTによると公衆電話ですら10ウォン玉を使う人の割合は2.2%にすぎないので、今すぐ新しい10ウォン玉に対応した公衆電話に変える必要はないという。その代わりKTはコイン認識部分を取り替える程度ではなく、公衆電話そのものを取り替える方針を発表した。


プリペイド式交通カードも使える公衆電話投入へ


 KTの新しい公衆電話は今年から2010年まで1年に1万台ずつ駅、公共機関など利用客が多い地域から順次に設置される予定だ。新型公衆電話は音声通話だけでなく、携帯電話にSMSも送信できるようになる。またテレホンカードの代わりにプリペイド式の交通カードも利用できる。交通カードは地下鉄・バス・タクシーなど乗り物や自動販売機、コンビ二、書店、インターネットショッピングなどで使え、首都圏共通なのでとても便利なカードだ。


 だが問題は、韓国公衆電話の76%を占めるレストランや住宅街にある個人が設置運営する自給制公衆電話(日本のピンク電話)だ。韓国の公衆電話約27万台のうちコイン専用が18万5千台あまり、この内KTが直接運営する電話機は4万千台あまりにすぎない。コイン式の電話14万台、76%もの公衆電話が今回の計画と全く縁がないということ。


 KTは自給制電話については業者がKTの回線をレンタルしているだけで電話機は業者の財産なので関係がないため、コイン認識部品を変える事もSMSや交通カードが使える新しい電話機にする計画も一切ないと発表した。100ウォンで通話し、おつり30ウォンをあきらめるか、設置者に旧10ウォン玉に変えてもらうしかない。


 韓国の公衆電話は「コレクトコール」用に使われることが多い。緑の緊急電話ボタンを押すと信号音が聞こえる。その状態で「1541」+電話番号で市内・外、携帯電話へコレクトコールがかけられる。このサービスの主なユーザーは携帯電話を持たない小学生と徴兵制で軍に入った兵士達。徴兵制で軍の中にいる間は携帯電話は使えないので、コレクトコールで家族や彼女に電話をかける。コレクトコールで、携帯電話にかけたときは90秒250ウォンと通常の2倍近い料金になってしまい、軍にいながら毎晩電話をかける彼氏のせいで破産しそうだと嘆く女子大生もいたりする。


 KTは新型公衆電話の普及に伴い公衆電話ブースも地方自治体及び専門家の意見を反映して、環境親和的なデザインを開発・普及する一方、悪化している公衆電話事業を正常化するために利用量に応じて電話機を再配置して行く予定だ。ただしKTは、公衆電話は全国民が緊急時に利用できる普遍的サービスであるという点を考慮し、数を急激に減らすことはなく適正水準を維持するとしている。


 ネットでは「公衆電話を利用する人が減っているのは確かだけど、3分70ウォンを2分50ウォン、4分100ウォンにすれば10ウォン問題はなくなるはず。KTは利益だけを考えず国民の利便性も考えろ」と熱い議論が繰り広げられている。


前門の携帯電話、後門のIP電話


 KTはPCのメッセンジャーと固定電話をつなげた「U2」、170万台が売れ1300億ウォンのヒットを記録した携帯電話のようなデザインと機能を持つ固定電話「Ann」、固定電話用のメロディコールや着うた、公衆電話から利用できる市内・外・携帯電話へのコレクトコールで、固定電話事業の収益をぎりぎりに保っているが、商用サービスが始まったインターネット電話と料金が安くなっている携帯電話の動向次第ではその収益の確保も厳しくなるかもしれない。薄氷を履(ふ)むような状況を、あの手この手のアイデアで乗り切っているのが現状だ。


注:100ウォンは約13円


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

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貯金から融資まで。金融業界も大注目のサイバーマネーマーケティング [2007年1月9日]

会員数1900万人、韓国では前例のないネットベンチャー成功神話として日常生活の一部になっているCyworld。日本では苦戦しているようだが、韓国では10~30代の中でCyworldに加入していない人を見つける方が大変なほど根付いている。このCyworldの中でBGMやアバタ、背景画面などを購入する際に使われるサイバーマネー「ドトリ」(どんぐり)。1個100ウォンで一日平均2億5千万個売れているそうだ。すごすぎる!

利用額に応じて電子マネーを発行するクレジットカードも登場


 CyworldでかっこよくSNSサイトを作るためには最低50~100個のドトリが必要だ。これぐらい投資しないと、下着のままがらんとした部屋で私を待っているミニミー(アバタ)がかわいそうでたまらなくなってしまうのだ。またドトリはCyworld内のショッピングモールでも使えるし、映画や海外ドラマVOD、電子ブック、オンライン音楽などのデジタルコンテンツ購入にも使える。ドトリを寄付して東南アジアの貧しい国に学校を建てたり、養護施設を援助したりもできる。


 ドトリはB2Bモデルも成功している。特定商品や映画、ドラマなどの宣伝用Cyworldにアクセスしてイルチョン(一寸、親と子の関係、 Cyworldでは友達より濃いネット上で縁組みした仲という意味で使われる)になるとドトリがもらえるイベントがよく開催されている。企業は顧客を集められるので満足、顧客はドトリがもらえるので満足、というわけだ。そのため韓国でサイバーマネーといえばドトリなしでは話にならない。


 リアルの札束にしか興味がないはずの金融業界も、このドトリに目をつけマーケティング競争を始めた。それぞれ銀行とまだあまり縁がない10代を早期に顧客として確保することに加えて、ネットでの口コミ効果を狙っている。


 大手クレジットカード会社であるLGカードと現代カードは「ドトリカード」を発行している。新規に加入するとカード発行記念としてドトリが100 個、毎月20個ずつもらえる。カードの利用額に応じて0.3~3%のマイレージの代わり、ドトリが貯まる。ドトリは自分のお金で買うのはもったいないけど、あればあるほど嬉しいものなので、20代女性を中心に契約が増えている。


 今まではガソリンスタンド、デパート、大手スーパーなどが主な提携カード発行元だったが、インターネットが生活に溶け込んでいる韓国ではサイバーマネーやポータルサイト、デジタルコンテンツと提携したカードが続々と登場している。カード会社にとっては初めてクレジットカードを申請する20代をターゲットにした新しい収益モデルなわけなので、加入者がそれほど多くなくても損はしない。


外換銀行はドトリの融資も実施


 仁川空港にも入店している外換銀行は2006年10月、金融業界では初めてネットでしか運営されないCyworld支店をオープンし、話題になった。


 Cyworldのサイバーマネーである「ドトリ」を貯金すると訪問者数に応じてドトリで20~100%の利息が付き、ドトリの融資もしている。融資は抽選で選ばれた40人にドトリ500個を貸出、外換銀行のニュースや広告を自分のSNSサイトに掲載したりコミュニティ活動で返済する方式だ。サイトそのものは身近なドトリを利用して金融商品を分りやすく説明するのが目的だが、予想以上の反響があったため、今後SNSサイトの利用頻度や人気度に応じて利息率が違うドトリ貯金も発売するそう。企業銀行では冬休みの間、500ドル以上両替した顧客を対象に毎日先着30人にドトリ30個をプレゼントしている。


 韓国にはサイバーマネーを商品券や携帯電話料金決済、保険料納付などオフラインで使えるようにしてくれる仲介サイトがある。ドトリやオンラインゲームでのサイバーマネーがいっぱい貯まれば仲介サイトを利用して映画チケット、図書券に交換する人も少なくない。ちょっとしたプレゼントや誕生日プレゼント、お年玉もサイバーマネーで済ませることが多く、筆者も去年に続いて今年もお年玉はドトリやゲームマネーが買える図書券にするつもりだ(韓国のお正月は旧暦)。この頃はネット利用人口の裾が広がっていることから、Eラーニングやドラマ再放送VODのためサイバーマネーを購入する50~60代も増えている。上司がドトリをチーム員達にプレゼントしたとか、遠くに住む友達にちょっとしたプレゼントがしたくてドトリを買ってあげたという話もよく聞く。


 韓国信用回復委員会が高校生810人を対象に調査した結果、63.7%がサイバーマネーを定期的に購入していると答えた。韓国のサイバーマネー流通額は年間1兆ウォンを遥かに超えるものと推定されている。


 サイバーマネーは単にゲームのため、自分のSNSをかわいくするためのサイバー上の貨幣というより、オフラインからオンラインへ移行している 10~20代の交友活動にはなくてはならない存在となってきた。サイバーマネーとリアルマネーの区分がなくなる日ももうすぐなのかも知れない。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

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第23回:『太王四神記』のストーリーがわからない人のために 12


太王に文化勲章? どこでも尊敬されるヨン様!



みなさん! 驚かないでください! 私たちのペハ、ヨン様が韓国政府の文化勲章授与者候補になりました。これは2004年から始まった制度で、文化芸術の発展に功労し、国民の文化向上と国家の発展に寄与した功績が大きな人に、韓国政府が感謝の気持ちを伝えるために授与する勲章です。


勲章を担当する省庁である文化観光体育部の決定は終わり、あとは大統領の裁可を待つのみ! 大統領さえOKすれば、ヨン様の文化勲章受賞が決定します。韓国のマスコミでは、「文化勲章候補が25人もいるので、まだ誰が受賞するかは定かではないが、ヨン様が受賞するのは当然。もっとも有力な候補」などと報道しています。ヨン様は2005年文化観光体育部が選定した「今日の若い芸術家賞」を受賞したことはありますが、勲章の候補になるのは初めてです。


実は文化勲章を受賞した俳優のひとりに、キハことムン・ソリさんもいるんですよ。映画『オアシス』で障害を持つ女性役を鳥肌が立つほど見事に演じて、ベニス国際映画祭で新人女優賞を受賞。それを称えるため勲章が授与されました。文化勲章は5等級に分けられていて、ムン・ソリさんの勲章は4等級の「玉冠文化勲章」でした。ヨン様が受賞するとなれば、映画監督をはじめ芸術人としては最高レベルの3等級の「寶冠文化勲章」を受賞するのではないかという期待もあります。


韓国の文化をここまで全世界に広め、多くの外国の家族(ファン)に第二の故郷と言わせるほど韓国を好きにさせた人がほかにいるでしょうか。これは、どんな学者も政治家も俳優もなし得なかった功績です。ヨン様がまだ文化勲章を受賞していないほうがおかしいですよね! ヨン様が受賞することが決まれば、10月18日文化の日に忠清北道清州市「芸術の殿堂」で開かれる「2008文化の日」行事に合わせて授賞式が行なわれます。『太王四神記』の3度目の放映を前にこのようなニュースが届くと、なおさら嬉しいですね。『太王四神記』での苦労も、これで報われますね。もちろん、ヨン様にとって日本や世界の家族から届く声援こそ、何よりも嬉しい心のビタミンなのは間違いありません! 断言できますとも!


『宮廷女官 チャングムの誓い』で主人公を演じたイ・ヨンエさんも、アジアで韓方や韓国の伝統料理ブームを巻き起こした功労が認められ、2007年、勲章よりひとつ下の文化褒章を受賞しています。ヨン様が文化勲章を受賞することになれば、男性韓流スターの功績が初めて正式に認められることになります。アジアはもちろん世界中の人が『冬のソナタ』、『初恋』、『太王四神記』、『四月の雪』、『スキャンダル』など、ドラマや映画の中のヨン様と一緒に泣いたり笑ったり、ドキッとしたりして、「韓国語を勉強してヨン様のセリフを理解したい!」とがんばったり、ほかの韓国ドラマにも興味を持ったり、韓国でロケ地巡りをしたり……そんなことのすべてのきっかけがヨン様だったのですから。韓国でのヨン様は、俳優としてもちろん大スターですが、ファンを思う気持ちの深さや、寄付に熱心なところが尊敬されるスターでもあるのです。








    ヨン様が韓国の「The Faceshop」新モデルに!



    もうひとつ嬉しいニュースです!!! ニッコリアストアでも絶賛販売中! 「The Faceshop」の韓国での新しいモデルに、なんと! なんと! ヨン様登場です! 今日はやたらとビックリマークだらけの文章になってしまいましたが、もう興奮がおさまらないのです。みなさんもわかってくれますよね。


    「The Faceshop」は、「韓流スターとしての影響力とスケールが大きく、安定した演技力と徹底した自己管理で信頼感を与えるイメージ」が、ヨン様をモデルとして起用した理由であると発表しました。「The Faceshop」は、ヨン様のCMをきっかけに世界市場でブランドイメージを確固たるものにしたいと意気込んでいます。2008年11月の設立5周年記念CMからヨン様が登場するようです。どんなCMに仕上がっているのでしょうか? 待ち遠しいですね。日本でも、ぜひ、放映してほしいものです。


    また、ヨン様の韓国ガイド写真集の制作は、着実に進んでいるようです。ネットには、安東河回マウルにやってきたヨン様を見かけたという目撃談が登場しています。その美しさ、カッコよさに感激して、文章では表しきれない!! というような目撃者の熱烈なメッセージを見ると、もう羨ましくて羨ましくて!


    スジニことイ・ジアさんはインタビューで、2番目の出演作品『ベートーベンウィルス』の撮影を前に、「風邪をひかずに撮影がんばれ!」とヨン様から激励してもらったエピソードを話しながら、「同じ事務所の先輩だからなのか、ペ・ヨンジュンさんはいつも優しくいろいろなことを教えてくれる」と感謝していました。ヨン様ほど気配り上手な人も珍しいですよね。


    『ベートーベンウィルス』は、韓国で初めてのオーケストラドラマのため、最初は違和感を感じる視聴者が多かったのですが、今や視聴率ナンバーワン! ジアさんが演じるのは、耳の難病を抱える公務員のバイオリニスト。名前はドゥ・ルミです。「ルミ」というとかわいい名前に聞こえますが、「ドゥルミ」は韓国語で丹頂鶴の意味……。男性主人公の指揮者の名前はカン・マエ……。名前がマエストロのマエだなんて、ギャグなんでしょうか。


    それはさておき、忘れられない名作『冬のソナタ』の映画制作に関しても報じられましたね。ヨン様の出演はたぶんないだろうとのことですが、それでも、私たちの冬ソナがどのような映画になるのか、楽しみですよね。この冬も来年も楽しみなことだらけです。








      『太王四神記』最後のクライマックス!



      さて、第24話の最終回でついに! タムドクとスジニは8年ぶりに再会します。「二度と行かせるものか」、「今から、君がいる場所は僕の宮殿だ」、「黒朱雀だろうが火の海だろうが僕が止めてやる。もう君は行かなくてもいい」なんて! キャ~と叫びたくなるような名ゼリフで幕を開けた24話は、この壮絶なストーリの最終回だけに、視聴者のあいだで大きな議論になりました。


      タムドクの子供であるアジク。スジニは、お姉さんの子供としか言いません。キハとスジニが姉妹だということを知らないタムドクは、8年間離れているあいだに、どこかで出会ったお姉さんのことだろうと理解します。アジクはとても聡明で記憶力がすごく、タムドクが教えることは何でもすぐ覚えてしまうことから、やはり普通の子ではないなと思わせます。


      アジクがタムドクとキハの子供であることを、スジニがいつどうやって打ち明けるんだろうと、すごく気になっていましたが、その日は突然やってきます。アジクが火天会にさらわれ、タムドクに「チュシン王の息子を連れて行く。その幼い心臓を助けたければ直接来い」という手紙を送ってきたのです。一体これはどういうことなのかと混乱するタムドクに、スジニは泣きながら「こうならないよう、逃げていたんです」と、アジクはタムドクと自分のお姉さんのあいだに生まれた子供だということを打ち明けます。


      タムドクとスジニのラブラブが観たい~~と期待していましたが、それどころではありません。火天会が高句麗の人々を殺して、その死体で火天会の本拠点である阿弗蘭寺まで道を作り、早くやってこいと催促しています。コムル村も火天会に襲撃され、みんな殺され神物も奪われてしまいます。


      敵は10万人を超える兵士がいるのに、太王軍は支援軍を入れても3万4千人です。最後に太王の聖戦に合流したいと、新羅との戦場からやってきたフッケ将軍の軍勢を入れても4万人です。一方ヒョンゴは、火天会との戦いに反対します。4つの神物を手に入れても、チュシン王の心臓の血がないかぎり、火天会は何もできません。敵の3分の1しかない兵士を連れて相手の本拠点に行くのは、心臓を差し出すようなものだと反対するのです。タムドクだって戦争なんか好きじゃありません。子供を助けるためには仕方ないのです。火天会もそれを知っているから、子供を連れて行ったのですね。


      兵士たちは「これは聖戦である」と、喜んで戦うことを選びます。壮絶な戦いの中、タムドクにとって父のような、いつも場を盛り上げ笑わせてくれたフッケ将軍が倒れます。馬から落ちて、口から血を流しながらも、タムドクの姿を見つめながら「そうだ、お前はチュシンの王だ」と語りかけるかのように微笑みながら死んでいく場面では、もう涙をこらえられなくて、そこから最後までは泣きながら観てしまいました。コ・ウチュン将軍もホゲの槍に倒れます。いつもタムドクの味方をしてくれた、兄のような存在だったのに。ひとり、またひとり、大切な人たちが死んでいく……それが戦争なのです。








        ついにエンディング! でも、ちょっと……?



        ホゲが死ぬシーンも胸が痛くて痛くて。子供の頃、あんなに仲のよかったホゲと誤解から対立するようになっただけに、最後の戦いですべてのわだかまりが溶けてくれたらよかったのに。ホゲの赤く充血して涙を溜めたあの表情。見ているだけでとても辛かったですよね。また涙が……ホゲの立場から見た『太王四神記スペシャル』があってもいいんじゃないかと思ったほど、タムドクとホゲの関係がこんな形で終わってしまうのは残念でした。


        阿弗蘭寺ではタムドクに復讐すべく(?)、キハの準備が始まっています。しかし最後に、チュシン王の血の代わりになるものがあると長老が連れてきたアジクを見た瞬間、自分の子供だとわかり、子供を守るため長老と対立します。長老がキハの中に入り込んで、キハの魂と長老の魂がキハの体の中で戦うあのシーン! これぞ女優ムン・ソリ! というほど、強烈な演技が続きましたね。タムドクの初恋の相手役なのに、彼女じゃなくて叔母にしか見えない……というような視聴者掲示板の書き込みに耐え、ここまでやってきた甲斐があったね~と拍手をしてあげたくなる場面でした。とまあ、ここまでの展開はまだよかったのです。


        セオが赤ちゃんを奪われ黒朱雀になったように、キハも自分の子供の血を見て、怒りを抑えきれず黒朱雀になります。ところが、このあとのタムドクの選択はどうも納得がいきません。


        太王がキハのために四神と自分が死ぬとわかっていながらも天弓を壊し、キハと一緒に死ぬのかどうなるのかよくわからないあの終わり方は、今まで四神の神物を守ってきて、太王のために犠牲になった人々はどうなるの? と突っ込まずにはいられませんでした。流していた涙がだんだん乾き、あれ? う~ん……と首をひねりながら悩まずにはいられませんでしたよ。


        タムドクは天の力は天に返し、人間の力で生き抜くことを選択した……それが最終回のテーマだというのですが、みなさんには伝わりましたか? 最終回に関する議論についてはもう少し続けてみましょう。ソン・ジナ作家のもうひとつの最終回台本と視聴者のみなさんの意見をお伝えします。次回もお楽しみに!

              BY  趙章恩

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        http://ni-korea.jp/entertainment/essay2/index.php?id=23

        イベントどころじゃない、Vista発売で大混乱の韓国 [2007年1月30日]


        1月31日から発売となる韓国版「Windows Vista」。日本では29日の夜から深夜販売を実施したり、発売記念イベントを実施したりと盛りだくさんのようだが、韓国では全く違う雰囲気だ。新しい OSへの期待より「今Vistaに更新すると危ない!」と大騒ぎになっている。お役所の情報通信部まで3月まではVistaに更新するなと待ったをかける状態。一体何が問題なのか。

        Webサービス「ActiveX」依存の因果応報


         答えは「ActiveX」。セキュリティが強化されたVistaのシステムで、韓国のほとんどのサイトが利用しているActiveXが不具合を生じ、インターネットバンキングやオンラインゲームが利用できない、映像・音声の登録・再生にエラーが発生するためサイトが正常に表示されないといった問題が起きている。


         ブラウザー上で手軽にアプリケーションをインストールさせたり、機能させたりできるActiveXコントロールは便利なツールだが、相手のPCをいじくり回すハッキング用に悪用される場合もある。Windows XPのService Pack 2でもActiveXのインストールやダウンロードをブロックする機能がついていた。


         サイト側はActiveXを正常に作動させるためVista向けにソースコードを書き換えなければならないが、いまだに対応しきれていない。あれだけ世界中がVista、Vistaと騒いでいたのに何をやっていたのかというのが率直な感想だ。今になって3月までVistaを使うなというのはいくらなんでも勝手な言い分だろう。


         そもそもActiveXはWindowsとIEの組み合わせ以外では作動しないため、韓国国内では、LinuxやFirefoxといったオープンソースベースのソフトを使っているユーザーはインターネットバンキングやサイトを利用するのに苦労していた。IE以外のブラウザーを利用するユーザーのことも考慮にいれていたらActiveXに頼りすぎることにもならなかったろうし、新OS登場に伴う今回のような騒動も起こらなかったはず。


         例を挙げれば、韓国のインターネットバンキングにアクセスすると4~5つのActiveXが立て続けに登場し、この中で1つでもインストールしないと利用できないようになっている。どういうプログラムがインストールされるのかよく分らないが、とにかくインストールしないとインターネットバンキングにログインすらできなくなっているので従うしかない。ActiveXはサイト側が手抜きできるから好んで利用しているようなものだ。


        Vistaの価格、なぜか韓国語版は割高


         この問題以上に韓国語版Vistaの価格が他の国より高い点も論争になっている。「Windows Vista Home basic」の場合、通常版はプロモーション価格27万4000ウォン(約3万6000円)、アップグレード版は同じくプロモーション価格で14万2000ウォン(約1万9000円)。対して、日本語版の参考価格はそれぞれ2万7090円と1万4490円だから通常版は9000円も高い。さらに、アメリカで販売されている英語版と比べると円換算で1万5000円も高い。


         企業でも家庭でも使えるUltimate通常版に至っては、円に換算して7万4000円近く、日本(4万8800円)やアメリカ(399ドル)の約1.5倍になる。当然、韓国のWindowsユーザーの間では不満の声が上がり、Vistaへアップグレードする意欲もなくなっている。現に、韓国の価格比較サイトDANAWAが会員4144人を対象に調査した結果、87%がアップグレード計画がないか、もしくは数カ月ほど様子を見てからアップグレードすると答えている。


         韓国OS市場でのWindowsシェアは95%とアメリカより10%ほど高い。その点から考えるとマイクロソフトは値段を高くしてもみんな買うしかないとたかをくくっているのではないかと勘ぐりたくもなる。こういった指摘に対し、マイクロソフトは「独占でもなく値段を調整しているわけでもない。韓国ではOSが搭載されたPCを購入する人がほとんどでパッケージを別途購入する比率は0.1%にもならない。OEMのOS価格は全世界共通なので韓国だけ割高ではない」と主張している。


         もちろん、Vistaは悪者というわけではない。ファイルの中身まで先に見せてくれるプレビューや検索機能は充実しているし、子供をネット中毒から保護してくれる機能もある。1日の利用時間制限、子供がアクセスしたサイトのリスト、特定サイトにはアクセスできなくする制限機能もある。半透明の3Dで表示される背景画面やサイドバー、タスクバーにマウスをおくと今開いているファイルのサムネールを見せてくれるのも面白いし、便利になりそうだ。もう一つ個人的に気に入ったのはフォント。Vistaの中で使われる「マイピクチャ」、「マイドキュメント」などのメニューを表示する文字のフォントが少しだけ角ばってとてもかわいくなったことは大歓迎している。だからこそ、韓国でももろもろの問題が早く解決して他国のように5年ぶりの新しいOSで大いに盛り上がってもらいたいと思うのだ。


        (趙 章恩=ITジャーナリスト)

        日経パソコン

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        http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070130/259995/

        韓国ドラマにCMへのつなぎ画面がない理由 [2007年1月23日]

         2005年12月から始まった 韓国のワンセグ「地上波DMB」。2006年はDMBの年といえるほど、DMB受信に対応した携帯電話がよく売れた。2006年末現在、地上波DMB端末の出荷台数は282万6000台、衛星DMB端末(日本のモバイル放送)の出荷台数も101万8000台を突破し、2007年には1000万人以上がDMBを視聴する見込みだ。


        テレビ広告は公社が大枠を決定


         首都圏限定だった地上波DMBは2007年3月からは公営放送のKBSが、6月からは民放やその他事業者が全国放送を始める。これまで、地上波DMBはTVと同じく端末や受信機さえ購入すれば無料で見られる放送だというほかに、移動しながら利用したくなるこれといった目玉コンテンツもないまま、収益性で苦戦していた。それが、全国放送をきっかけに有料データ放送開始、中間広告導入に向けて政府情報通信部と放送委員会(放送事業に関する規制を管理する事業者団体)での話し合いが本格化している。


         日本のTV広告は広告代理店の影響が強いが、韓国のTV広告は韓国放送広告公社という政府機関が審議をし、広告の種類や単価、流せる時間もきっちり決めているので代理店のパワーはそれほど強くない。地上波DMBの広告単価は端末500万台普及を基準にTV広告の10分の1に当たる15秒当たり24万ウォンが基本だが、現在はその半分しか普及していないので12万ウォン、15秒約16,000円とかなり安い。事業者側はまだまだ投資が必要なだけに中間広告を開始して収益を上げたがっている。


         中間広告とは番組の合間に15分ごとに流れる広告のこと。韓国では1974年から放送法で広告は番組の前後にだけ許され番組の間に入るのは禁じられている。


         2000年3月改定された放送法では、TVの広告時間は全放送時間の10%以内、60~90分未満の番組は1回、90~120分未満の番組は2回、120分以上の番組は3回以内、1回当たり1分以内4件の広告までとなっている。ドラマの途中に広告が入らないので集中して見られるし、ネットで有料VOD再放送販売する際にも広告をカットするかどうかの問題はなく、ネット専用の広告をVODが始まる前に入れるだけで済むというメリットはあるがTV局の収益には問題がある。


        広告に頼れないテレビ局のあの手この手


         中間広告を禁止した理由は「視聴者の見る権利を侵害する」、「広告が始まるとどうせチャンネルを変えるから意味がない」など。でも広告収入がすべてのTV局にとっては厳しい規制だ。その影響で制作費にお金をかけられなくなったTV局は製作会社に費用を転嫁し、製作会社は PPL(Product Placement、間接広告)広告としてスポンサー企業の商品をそれとなく映したり、番組の最後に「制作協賛000社」と字幕を入れたりしている。PPLのため主人公の名前をスポンサー企業名にすることもあった。


         例えば建設会社のテヨンがスポンサーだからと主人公の名前をテヨンにしたドラマもあった。ドラマの70%以上を撮影する条件でロケ地となった地域の自治体から数億ウォンの制作費を出してもらうこともある。韓流の影響でドラマのロケ地観光で収益を上げられるから、自治体はどこもロケ地に選んでもらおうと必死になっている。


         でも韓国ではドラマや番組の中に特定商品のラベルが映るのも禁じられている。ほとんどのドラマが無謀なまでのPPLのせいでプロデューサーが謹慎処分になったり、謝罪放送を余儀なくされたりしている。まだ一度も適用された事例はないが、放送委員会はTV局に営業停止や課徴金を付加することもできる。


        韓国版ワンセグが番組中間広告解禁の糸口に?


         政府は2006年12月「サービス産業の競争力強化総合対策」を発表し、TV広告規制合理化方案として地上派DMBでは中間広告を許容するべきと提案した。全体の広告時間は規制しても広告をどの時間にどれぐらい流すのかはTV局の自由に任すべきという広告業界の要求を受け入れそうな雰囲気だ。


         でもケーブルTVは「今でも地上波TVにばかり広告が集中しているのに、規制を緩和するとTVには広告があふれケーブルTVは広告の受注がますます難しくなる」と猛反発している。また、韓国の地上波DMBでは、サイマルでTVの画像がそのまま流れている。今後、中間広告を地上波放送では禁止し、DMBでだけ許すとなると、どうやって番組の時間編成を調整するのかという問題もある。いや、ひょっとしたらこの先、地上波への中間広告規制撤廃もありうるかもしれない。


         日本では当たり前の中間広告。安定的なサービスを実現するためには中間広告が必要という業界側の意見は理解できるが、視聴者の立場からすると広告が増えるのはあまり嬉しくない。


        (趙 章恩=ITジャーナリスト)

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        http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070122/259270/

        <ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>25.今回のテーマ■アナログ停波(下)

        地デジが抱える大問題


        放送局が危ない!?


         


         


         2012年末をもって、韓ではアナログ放送から地上デジタル放送に切り替わるという日程が組まれている。だが、地デジをよく知らない民が多く、大混が起きる恐れがあることを前で報じた。



         しかし問題は視
        者よりも放送局なのだというもある。放送局側の地デジ対応が予算の問題で予定通り進んでいないからだ。


         


         韓政府は地デジの環境に合わせたデジタル放送コンテンツの制作と流通を振興するための「デジタル放送コンテンツ振興法」制定の準備を急いでいる。放送コンテンツ振興委員を結成し、財源は放送展基金、情報化促進基金、政府予算などでまかなう計だ。


         


         放送通信委員の調査によると、放送局4社のデジタル換費用は1兆7000億ウォン(約1160億円)と見まれている。放送局はインタネットに視者を奪われ、入が減っていることからすでに赤字経営っているため、地デジへの投資まで手が回らないと主張している。公放送であるKBSは、アナログの難視問題すらまだ解決できていない。添付画像


         


         なんとか特別法の勢いで地デジブムをき起こしたい放送通信委員は、KBSの受信料を値上げする一方、政府がコントロルしていたテレビCMを全面的に自由化して、CM業や流せる時間などの規制を緩和することで地デジ連予算を確保できるようにする方針である。とはいえ、不況でテレビCMが減ったというのは、視者の生活に余裕がなくなってきたということでもある。地デジのためとはいえ、視料値上げなど反されるに決まっている。た方策は、CMの規制緩和だろうか。


         


         アナログ放送が中される2012年は韓の大統領選の年、そしてロンドンオリンピック開催の年でもある。オリンピック特需も考えられるが、2008年秋から世界を襲っている金融不安や不況がどれほどくかも影響するだろう。韓は放送の史が長く、韓より1年半ほど前にアナログ放送を中する日本に注目している。日本を手本にして、よりスムズに地デジへ換したいと思っているのだが、聞こえてくるのは「地デジ詐欺」。困ったものだ。韓には「紙一枚も二人で持てばなおい」ということわざがある。日韓で一に知を絞ればうまくいくかもしれない。

        (趙
        章恩●取材/文)


         


         BCN This Week 2009年1月5日 vol.1266 載] Link 


         

        韓国のIT輸出事情 黒字だが円安の影響深刻(2007年2月19日 掲載)

        1月の輸出は98.4億ドルに


         




        【ソウル】情報通信部の表によると円安ウォン高、季節的な要因にもかかわらず、1月の韓IT輸出は前年同月比11.6%加し98.4億ドルを記した。IT輸出加率が2ケタ成長したのは4か月ぶりのこと。特にIT支は47.8億ドル字で、全産業の2.1億ドルを大幅に上回っている。


         


         IT輸出を品目別でみるとWindows Vista発売の影響から半導体とパネルがけん引した。半導体のなかではメモリが好調で、全体では31.4%アップの36.2億ドルとなった。パネルは大型LCDTV用とモニタ用を中心に16.8%13.7億ドルとなった。


         


         特に携電話と連部品は2.1%22.1億ドルと4か月ぶりにマイナス成長から立ち直り、前月比では27%も加しているため、今後の輸出回復にする期待も高まっている。


         


         輸出地域別には、景好調の影響から15.1%36.6億ドル、33.2%36.6億ドルを記した。州連合と日輸出は小幅のマイナスで、それぞれ4.0%減の15.2億ドルと7.8%減の7.0億ドルとなった。


         


         韓2007年IT輸出は、ウォン高のうえに主な輸出製品の格下落から、あまり期待できないともいわれているが、情報通信部は「Vista果から半導体と大型モニタ3G携電話、デジタルTVとパネルの輸出大でマイナスにはならない」と展望している。


         


         だが問題がないわけではない。貿易字が1年ぶりに最低値となったことと、ウォン高の影響から格競力をなくした携電話と家電の輸出はそれぞれ7.8%、9.5%減少していることだ。また米、日といった巨大市場への輸出がどんどん減っているのも韓経済しくしている。


         


         円安の影響で、輸出すればするほど損をする企業がえている。一方では円安を背景に日本からの輸入がえ、日本へ向かう韓光客のは倍しているため、日貿易赤字は06年には史上最高額を記した。


         


         韓は自動車、家電など日本と世界市場で競する製品も多いので、このまま円安がけば韓製品の格のほうが高くなってしまい、居場所がなくなるのではないかと懸念されている。韓政府が円安ウォン高に関与する動きはなく、今年もこの況はくのではないかと予想されている。


        趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


         


         BCN This Week 2007年2月19日 vol.1175 載] Link


         

        韓国IPTV 省庁間の縄張り争いで商用化空振り(2007年2月12日 掲載)

        テストサビスの繰り返しで予算食う




         


        【ソウル】情報通信部と放送委員1月31日、第4次IPTV共同推進協議を開催し、IPTVテストサビスの結果、技術的な問題はないので早期に商用化することで合意した。



         IPTVテストサ
        ビスは昨年11月から2か月間、Cキュブコンソシアム(KT)、DAUMコンソシアム(Daumコミュニケション)の2つのコンソシアムが施し、放送委員と情報通信部からの予算を含め273億ウォン(約35億円)が投入された。


         


         Cキュブコンソシアムはソウルと郊外の239世象にTバンキング、Tコマス、VODといったインタラクティブなサビスをTVでサビスした。KTのほかに地上波4社とSKテレコム、ハナロテレコム、CNNなど52社が加し、事業費だけで240億ウォンを投入した。


         


         DAUMコンソシアムはポタルサイトのDAUMが中心となり、TV局のKBSや中小企業など10社が加した。33億ウォンの事業費をかけてソウル江南100世象にオンラインポタル、ゲム、VODサビスを提供した。


         


         テストサビスの結果、ネットワク、サビスプラットホム、セットトップボックス、電子プログラムガイド、セキュリティなど技術的な面では商用化に向け大きな問題はないことが確認された。


         


         テストサビスに加したユ71%が、いつでも見たい時に見たい番組が選べるのでIPTVを利用したいと回答、47%は質に足と答えた。また、放送委員が「IPTVはケブルTVと同じなので放送委員が規制するべき」と主張しているのとは異なり、ユ72%はIPTVは地上波やケブルTVとは違うサビスと捉えていることがわかった。


         


         しかし、テストサビスが無事終了したにもかかわらず、いまだにIPTVの商用化のめどはたっていない。


         


         情報通信部は商用化を早期に開始するため放送法を緩和し、IPTVのための法制度を整備すると表したが、具体的な計表はれている。IPTVの商用化には同意しながらも省間の張り問題が解決しないため、商用化の予定もれている。


         


         国会が中心となるIPTV特別委員1月から活動を始める予定だったが、12月の大統領選を前に議員らの離党が相次ぎ、誰を委員にするかさえも決まらない況がいている。


         


         IPTVに最も力を入れているKTは「IT大であるはずの韓が、技術は持っているのに政府の問題で世界にれてIPTVを始めなければならないとは恥ずかしい」と主張し、ついに法律や政府の意思に係なくIPTVの商用サビスを始めると表するにまでに至った。


         


         KTやDAUMのほかにポタルのNaverやLGパワコムもIPTVに進出する計を立てていることもあり、KTとしてはこれまでに投資した費用の回のためにも、市場占という意味でもこれ以上待てない況だ。


         


         韓IPTVの商用化は大統領選の後、つまり2008年に商用化されるというもあり、IT業界はを揉んでいる。


        趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


         


        BCN This Week 2007年2月12日 vol.1174 載] Link 


         


         

        韓国が頼れるのはサムスン電子より日本人観光客?

        年末になると、恒例の授賞式が始まる。映画祭や歌番組だけでなく、政府が企業を慰労するための授賞式も数多く行われる。輸出をたくさんしたり、新技術、世界ナンバーワンと評価される技術を開発したりした企業、企業人を表彰している。

         今年の輸出塔賞(輸出を多くした企業に与えられる)はサムスン電子だった。サムスン電子は2008年543億ドルを輸出して、韓国史上初めて「500億ドル輸出塔」を受賞した。韓国の3大輸出品目である半導体、液晶パネル、携帯電話は全てサムスン電子が得意とする分野である。サムスン電子は液晶TVを目標通り年間2000万台売り、携帯電話も2008年8月まで、しかも北米市場だけで1060万台を売ってシェア22.4%と1位を占めた。北米でのシェアはこの2年で2倍に跳ね上がっている。新興市場でも売れ行きは悪くない。


         韓国政府が選定した「2008大韓民国10大新技術」の大賞である大統領賞にもサムスン電子が選ばれた。サムスン電子が世界で初めて開発した超節電1GB DDR2 SDRAMは、商用化されたDRAM分野では初めて50nm(ナノメーター) 工程時代を切り開いた省エネ・エコ製品として2008年上半期より量産化、今後世界のメモリー半導体市場をリードするだろうと評価されている。回路の幅を50nmにしたことで、半導体そのものは小さく、容量は大きくできた。既存製品に比べ電力は50%少なく、生産単価は15%安くなった。


         サムスン電子は半導体DRAMとFLASHメモリー分野で世界1位のシェアを占めている。世界半導体市場全体ではインテルに続いての2位である。80年代になって半導体に投資するようになってから、サムスン電子は家電やLCD、携帯電話でも最先端の製品を次々に発売し、最先端企業というブランドイメージを築けた。HPやDellといった世界のパソコンメーカーの製品にもサムスンのDRAMが入っているため、サムスンの半導体輸出は2002年10兆ウォン規模から17兆5000億ウォン規模に成長している。輸出も新技術もサムスン電子だけに頼りすぎているのではないかとちょっと心配になってくる。


         輸出依存度70%という韓国経済であるだけに、世界的不況の影響はどこよりも大きい。輸出は2008年11月に、7年ぶりに最大の落ち込みを見せた。貿易収支も11年ぶりの赤字となった。半導体も携帯電話も2009年はもっと落ち込みが激しくなると予想されている。


         年間輸出規模は4400億ドルで2007年より18.4%増加したにも関わらず、輸入が25.3%増加した4469億ドルを記録したため赤字となった。輸出の原因は原油価格の急騰と輸出に合わせて部品の輸入も増えたからだ。韓国の根本的な問題はIT製品の輸出は増えても基本的な部品は輸入に依存していることだ。対日貿易赤字は300億ドルを突破している。韓国が輸出をがんばればがんばるほど、日本の企業は何もしなくても売り上げがぐんぐん伸びるというわけ。


         唯一希望的なのは新興国への輸出が25.7%増加していること。原油を握り資金が潤っている中近東への輸出も順調に増加している。欧米や中国向け輸出が減った分を新興国でカバーしないと韓国経済は底なしに落ち込むしかない。


         輸出は減っても少し期待してしまうのは観光。ウォン安円高から、韓国で買うと何でも半額違い割引効果があるのだ。日本のビジネスホテルに泊まる値段で高級ホテルに泊まれるし、免税店やショッピングセンターでは年末のセールまでしているのでさらに安い。ソウル市内はショッピングに来た日本人観光客のおかげで大賑わいを見せている。


         ソウルの地元セレブが集まる江南地域はクリスマスキャロルすら流れなくなったというほど落ち込みを見せているのに、観光客に知名度の高い明洞はすごいことになっている。就職難が続く中でも、日本語が話せる店員急募のお店は増えている。ホテルの稼働率も90~100%と嬉しい悲鳴をあげている。本当にありがたいことである。2009年は輸出でサムスンに頼れなくなったら日本人観光客に頼ってみる?


        (趙 章恩=ITジャーナリスト)

        日経パソコン
        2008年12月24日

        -Original column
        http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20081224/1010778/

        10年で1万倍に成長・韓国オンラインショッピングモールを支える消費 [2007年2月13日]

        韓国も日本と同じくお正月にはお歳暮を、秋夕(チュソク、お盆)にはお中元を贈り合う習慣がある。日本のように徹底してあちこちに送るわけではなく、取引先、上司、両親や親類に感謝の気持ちを込めてプレゼントするという意味を持つので、本当に色んなものが売れている。

        デパートでは試着だけ、買うのはオンライン


         家族への贈り物は衣類や肌着が多い。社会人になって初めての給料日には家族に肌着や下着をプレゼント、お正月とお盆には「ソルビム」、「チュソクビム」といって新しく洋服を新調してもらう慣習がある。


         昔は母の手作り韓服がプレゼントの定番だったのだが、時代の変化と共に、年に2回、親に思い切って高いブランド服をおねだりできるチャンスと勘違いされるようになってきてしまった。この時期はデパートのセールと冬休みが重なり、普段は滅多に親とショッピングなんてしない子供達がお母さんと仲良く腕を組んでデパートやショッピングセンターに出かける。


         お正月の後はお年玉を使う小中高校生を目当てに新製品が登場するので1年のうちに最も消費が活発になる時期でもある。だがここ数年、子供達も賢くなったというかデパートでは試着するだけ、購入するのはオンラインショッピングモールというパターンが増えてきた。同じブランドの同じ洋服でもデパート直営や大手ショッピングモールで購入すれば割引もしてくれるし、ポイントも貯まる。


         統計庁の発表によると、2006年韓国のオンラインショッピングモール全体で最も売れたのは衣類・ファッション商品だ。2006年市場規模13兆 4600億ウォンの17.6%を占めた。続いて旅行・予約サービス、家電・通信機器、生活用品・自動車用品の順でネットで売れている。


        「地場もの」もネットで直販


         お歳暮に人気なのはやはり韓国らしく「韓牛カルビセット」や「グルビ(イシモチ、韓国では高級魚)セット」、「アワビ」、「高麗人参」、「韓菓(伝統菓子で穀物を蜂蜜で練って揚げたりする、色んな種類があり高価)、お手頃な「オリーブオイルセット」、「タオルセット」、「靴下セット」、「石鹸セット」も人気が高い。狂牛病や重金属、農薬問題から日本以上に韓国も自国の農水産物の方が好まれていて値段も2倍ほど高い。それでもお歳暮にはやっぱり信頼できる韓国産のものを、ということで自治体が運営するオンラインショッピングを利用するユーザーが増えてきた。


         2002年自治体のオンラインショッピングモール「インターネット江原マート」をオープンした江原道(ガンウォンド、道は日本でいう県にあたる)はドラマ「冬ソナ」を始め数々の名作のロケ地があるとして日本でも有名だが、韓国ではきれいな海と険しい山間地域なので水産物や高冷地野菜が有名だ。江原マートは2003年売上が3600万ウォン(約460万円)しかなく、このまま続けるべきなのかという議論もあったが、2004年4億7千万ウォン(約 6000万円)、2005年7億ウォン(約9000万円)、2006年12億ウォン(約1億6000万円)とぐんぐん成長している。今年は17億ウォン(約2億2000万円)が目標だ。


         行政自治部(日本の総務省に近い中央省庁)は2001年からITを活用した未来農漁村発展モデルを適用し国家の均等な発展を促進するため全国 306の村を「情報化村」に指定し、インターネットで農産物を販売したり、民宿の予約を受け付けたりできるよう地域の情報化を支援している。村に会館も建て高速ネットが使えるパソコンも十数台設置し、住民は誰でも使えるようにしている。この情報化村の内97の村人が生産したものを販売するショッピングモールが「インビル」だ。


         ショッピングサイトは中央協議会という名前の社団法人が運営しているが、いかにも自治体がやってますという素人っぽさというか田舎っぽいところは全くない。デザインも見やすく商品も2000種類以上、7日以内であれば返品も可能だ。購入金額に応じて10%引きしてくれる割引クーポンも付く。


         1996年に韓国にオンラインショッピングモールが初めて登場してから10年間、市場規模は1万倍にまで成長した。2006年には13兆4600 億ウォンの市場規模が、3年後の2009年には20兆ウォンに上る見込みだ。2006年末時点で登録されているオンラインショッピングモールの数は 4531社にのぼる。


         既に韓国では町の商店街が没落している。その一方でオンラインショッピングの小売り流通シェアは2000年2%から2005年15%に急成長し、大型ディスカウントショップ、デパートに続いてオンラインショッピングが3強体制の一角に陣取っている。オンラインショッピングモールは価格競争力、購入の利便性からユーザーが増え続け、2008年には小売流通シェア1位になるのではと予測されているほどだ。


         オンラインショッピングが日常になるにつれ、お年玉やプレゼントにオンラインショッピングやオンラインゲームサイトで使えるサイバーマネーにもなる図書券をプレゼントすることが増えているが、企業もボーナスにサイバーマネーを利用している。現代自動車は去年の秋夕に続いて今年のお正月も、ボーナスに追加して自社オンラインショッピングモールで使えるサイバーマネー15万ウォン分を支給し話題になっている。

        (趙 章恩=ITジャーナリスト)

        日経パソコン

        -Original column
        http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070213/261783/?P=2