<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>24.今回のテーマ■アナログ停波 (上)

も地デジ開始が大問題


アナログ停波が大混招く?


 


 


 日本では2011年7月にアナログ放送を停波して地デジへ切り替わるのを前に、「地デジ詐欺」が問題になっている。「このままではテレビが映らなくなります」と、アンテナを設置してもいないのに多額の設置代を騙しとったりする手法は韓でも紹介された。12年末にアナログ放送停波を控えている韓でも、この手の詐欺が起こりそうな雰囲気だ。



 地デジ
対応テレビに買い換えさえすれば地デジが視できると思いんでいる人が韓にも非常に多い。IPTVのセットトップボックスを契約してデジタル放送を受信するか、アンテナを交換する必要があることが知られていない。


 


 韓08年2月、「地上波テレビジョン放送のデジタル換とデジタル放送の活性化のための特別法」を制定し、13年からデジタル放送に切り替えることを決めた。 そのために08年10月には韓地上波デジタル放送推進協DTV Korea)が結成された。地上波放送局4社、地域放送局、政府系シンクタンク、家電量販店、市民体、有職者らが集まった体だ。韓01年10月、世界で7番目に地デジを始めた。しかし、07年末時点での地デジ認知度はたったの31.3%、このままでは、民の半は「テレビが映らない!」と、大混る恐れがある。添付画像


 


 策の一環として、DTV Koreaは08年11月、韓初の地デジ告知CMを流し始めた。日本のCMと同じく、アナログ放送の停波日程、デジタル換方法が紹介されている。このCMの面白いところは「テレビを買い換えなくても信を受信できる方法がある」とセットトップボックスと小さくて値段も手ごろの室アンテナを紹介しているところだ。このアンテナは韓のベンチャ企業が作っているもので、重量75gとく、窓にくっつけたり、壁にかけたりして、外の信を受信するようになっている。アンテナ代は3万ウォン(約2000円)ほど。低所得者層向けに需要が伸びるとみられている。


 


 さらに、DTV KoreaのWebサイトではデジタル換についてアンテナ直接受信、ケブルTVを由した受信、衛星受信に分けて費用や方法明している。一般の人にとってはアンテナ代なんていくらが相場なのか全く予想がつかないので、目安になる金額を提示しているというわけだ。

(趙
章恩●取材/文)


 


BCN This Week 2008年12月22日 vol.1265 載]   Link

韓国 新サービスで波立つ携帯市場(2007年3月12日 掲載)

海外ブランドの輸入開始となるか


迎ムドだが…


 


 


【ソウル】一部の海外ブランド携電話を除き、韓国国内企業がほぼ占する市場だった韓移動通信市場。通信技術がCDMAからHSDPA(High Speed Downlink Packet Access=新開の高速パケット送技術)に換した全ビスの開始を機に、2007年からグロバル通信社の進出が目立ち始めている。


 


 海外携電話ベンダは、市場進出するために韓の移動通信キャリアとの提携を急いでいる。さらに今年から情報通信部がMVNO(仮想移動体サビス事業者)の導入を本格的に究することを明らかにしたため、海外の移動通信キャリアも韓進出を狙っている。最大手キャリアであるSKテレコムがアメリカで通信網を借りて「ヒリオ」というブランドでサビスしているように、海外のキャリアが韓でもサビスできるようになるからだ。


 


 すでにノキア、ソニエリクソンは韓HSDPA事業者であるSKテレコム、KTFと組んでいる。ソニエリクソンはSKテレコムとHSDPA携帯発売を交をしている。SKテレコムの係者は「具体的な計が決まったわけではないが、製品開および通信網テスト期間を考慮すれば、早くても下半期に韓発売されるのではないだろうか」とみている。


 


 世界1位のノキアは昨年3月に役員が直接KTFを訪問し、HSDPA携帯発売について相談した緯がある。KTFは海外12の移動通信キャリアとHSDPAを共同購入する方針で、協議を進めている。KTFによると「世界的に有名なグロバル携電話製造ベンダらが加意向書を提出している」そうだ。


 


 携電話の買い替えや技術の成長速度が早い韓HSDPA携を先行して発売し、子をみてからグロバル市場で発売したいというのが海外携電話ベンダの思惑だ。


 


 しかし、世界市場で活躍する三星電子、LG電子も占市場を海外ブランドに明け渡すわけにはいかないと、アフタビスやマケティングを化している。


 


 日本と同じように、キャリアに従属するしかない流通構造のせいで海外の携電話が韓で成功する可能性は低いのではないかという意見もあるが、ユ迎している。海外ブランドが入ってくることで現在8-10万円はする韓の携電話端末が競でより安くなるのではないかという期待からだ。


 


 一方、移動通信キャリアは政策の面でも流通の面でも解決しなければならない課題が多いため、MVNOのサビスが始まったとしても海外のキャリアが韓に進出するのは難しいだろうと余裕をみせている。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年3月12日 vol.1178 載] Link 

韓国 Windows Vista空振り?(2007年3月5日 掲載)

XP搭載パソコンに逆


 




【ソウル】韓1月31日に発売されたWindows Vistaは発売から2週間ほどたった時点でも、一部オンラインゲムとインタネットバンキングなどが使えなくなるサイトがあるという理由でユが購入を控え、逆にXP搭載パソコンがよくれている。



 パソコンメ
各社は年末年始と卒業ズンを狙ってVista搭載パソコンを発売したが、れ行きを見て、急きょ、VistaからXP搭載パソコンに展示をえるり場が出している。


 


 三星電子は「徐に出荷量を減らす予定だったXP搭載機種を急いでやしている。オンラインでもオフラインでもXP搭載機種のほうがれている」とコメントしている。


 


 それだけでなく、Vista搭載機種を購入してからいつも利用しているゲムやサイトを利用できなくなったと、購入代金のしや交換を要求する問い合わせがえているのもみだ。


 


 LG電子、三(トライジェム)、HPなど他のパソコンメも同じような況にある。だが、XP搭載機種を購入するとVista無償アップグレドクポンを提供するイベントを開いているので、まずは安心できるXP搭載機種を購入する傾向がくなっているのも事だ。


 


 マスコミは「Windows Vistaはスタにあらず」と批判し、米や日本より高く設定されている格とActiveX問題を早く解決するようマイクロソフトに求めている。


 


 韓ITサビス産業協も公式見解として「韓ITサビス業界の意見を取りまとめ、マイクロソフトのWindow Vista問題を解決しなければならない」と催促している。協は「電子政府サイトがWindowsに合わせて構築されているのを知りながら、Vistaによって生可能なすべての問題の責任を特定のシステム開業者に嫁し、システム維持補修業者が単独Vista環境に合わせて存システムを修正していくのは業界に大きな負担となるだけに、一方の牲を要しないで合理的で果的に、この問題を解決しなければならない」などといった問題点を列し、マイクロソフトに対応を求めた。


 


 協はまた、純にマイクロソフトの提示する対応策ではなく政府自ら対応案を決定をしないと、また同じことの繰り返しになるとも警告している。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年3月5日 vol.1177 載] Link  

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>23.今回のテーマ■モバイル放送(下)

岐路に立つモバイル放送


益よりもプライドか?


 


 


 前で報じたように、韓で衛星DMB(Digital Multimedia Broadcasting=衛星モバイル放送)を運するTUMedia社は負債比率2045%という危機的況にっている。



 ここまで赤字が
いているのに、親社のSKテレコムはTUMedia社に約50億円を投資することを決定した。「韓が世界初で商用化しておきながら退場するのは不名だ。同じ衛星を使っている日本が先にやめれば韓もやめる」という話すらあった。結局、日本の東芝は赤字経営に耐え切れず、衛星モバイル放送を中したという緯がある。


 


 衛星モバイル放送は有料放送である。月1000円ほどだった料金をSKテレコムの加入者に限って半額にして、利用者を70万人から130万人にまでやした。しかし、携電話メはもう見限っているようだ。衛星モバイル放送を視できる携端末はここ1年、新しい機種が発売されていない。


 


 この放送の目玉は存のテレビ局では放送していないスポツ中である。TUMedia社は、テレビではることができない番組を提供していると宣するが、海外でコンテンツを買ってこないといけないのでお金がかかる。添付画像


 


 放送と通信の融合を象する韓初のニュメディア「衛星DMB」は、サビス開始直後から経営危機が囁かれながらもここまできた。今でも成せば成るとまだ希望を捨てられずにいる。トライ&エラが韓の特であり持ち味でもあるが、デジタル放送は一間違えれば致命的なエラになりかねない岐路に立たされている。


 


 2008年11月からは放送と通信の本格的な融合として、最大手通信社のKTが地上波放送IP再送信を含むIPTVを商用化した。IPTVもまた金の卵を産むだろうとバラ色の展望が語られている。IPTVはテレビとセットトップボックス、ネットワク回線を利用し、衛星デジタル放送と同じく月利用料を徴収する有料放送である。有料なのにそれに相するコンテンツが見たらないという理由で加入者が思うように伸びなかった衛星デジタル放送を訓にしてコンテンツ競が始まるのかと思ったら、IPTVは大手通信事業者を中心にっ先に料金競から始まった。これまた典型的なトライ&エラの事例になってしまうのではないかと、不安をえる。

(趙
章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年12月15日 vol.1264 載] Link

韓国のブジャ(富者)マーケティングはここまでやる [2007年2月27日]



 2月26日の朝鮮日報に面白い記事が載った。「アメリカで84万ウォンのシャネルのクラシックバッグが韓国では221万ウォン、アメリカで32万6千ウォンのラプレリーのクリームは43万ウォン、メーカー側は高い値段をつけるほどよく売れるのでいいじゃないかと反応」といった内容だった。


 そう、韓国では同じ商品でも値段が高ければ高いほどよく売れるというおかしい現象が起きている。デパートで売れ残りの商品の値段に0をもう1つつけたらすぐ売り切れたという嘘のような伝説があるが、確かに最近の家電や携帯電話、パソコンなども「プレミアム」という説明が必ず入り、値段が高くなっている。


「全員が裕福」な状態


 デパートでは上位1%の顧客が70%の売上を占めているそうで、80:20の法則(80%の売り上げは20%の商品が作るという説)よりすごい。この高額消費者層を狙うブジャ(富者、お金持ち)マーケティングが全産業に広がっている。


 正直、周りを見るとみんな職業や所得に関係なく裕福な生活をしている。マスコミではあまり普及しておらずメーカーは悩んでいると報道しているが、40インチ以上のデジタルTVなんて普通に持っているし、携帯電話も日本円で10万円以上する最新スリム&スライド携帯を持っていない人が逆に珍しがられる。私なんて携帯電話を機種変更せず1年半使ったということだけでみんなに「ケチ」と呼ばれている。


 2004年あたりから韓国ではお金持ちになることが生涯の目標のようになってきた。1997年のIMFに対する緊急支援要請に始まった経済危機を乗り越えてから、幸せはお金があってのものという意識が深く芽生え始めたのも影響がある。韓国のお金持ちを分析し、彼らはどうやってお金を儲けたのかを追いかけた本が大ベストセラーになり、不動産バブルの影響から財テク本も飛ぶように売れている。宝くじや不動産、株で一攫千金を手にした成金なんて韓国ではちっとも恥ずかしいことではない。みんなに羨ましがられ、財テク講師として全国各地で引っ張りだこになる。


 韓国のお金持ちの特徴はお金があることを自慢したがるところにある。代々お金持ちだった家は質素な生活をする場合も多いが、自分で稼いだ金を自分で使うのに何が悪いというのが一般的な考えだ。お金は貯めて楽しいものではなく使って楽しいものなので、韓国のお金持ちはどうやれば楽しい人生を送れるかに神経を集中する。自分が好きなものにはお金を惜しまず、景気に関係なくいつも経済的に余裕のある生活をし、デパートや銀行でVIP待遇してくれるのを楽しむ。


 このような人たちを狙ったのがブジャマーケティングだ。


VVIPの顧客リストを企業間で交換も


 VIPより上のVVIP(Very Very Important Person)をターゲットにしていて、特に自動車と家電メーカーは顧客DBを交換したりもしている。サムスン電子の最高級デジタルTVを購入した顧客DBと現代自動車の最高級車を高級した顧客のDBを交換し、販促活動を強化しているそうだ。個人情報保護はどうなる!とつっこまずにはいられないのだが、潜在顧客を探し出しよりよいサービスを提供するためなんだそうだ。


 両社の顧客交流ということでオペラ公演招待、海外旅行招待などをしている。LG電子とGMデウ自動車などは高級ホテルのスイートルーム宿泊客の顧客DBを確保しているそうで、これまた個人情報の売買?と疑いたくなるが、1万人ほどのVVIPを特別管理している。


 このマーケティングはちゃんと効果があり、3500CC以上の大型セダン車の売上が2005年に比べ10%以上増加している。1億円はするロールスロイスも2006年下半期15台以上売れた。ベンツのニューSクラスは発売初日500台契約を突破している。100万円前後する大型プラズマTVの売上も2005年に比べ30%以上増加している。1着140万円の国産ブランドスーツも20%以上売上が伸びた。


 デパートの場合は高級外車での送り迎えはもちろん、個人秘書兼スタイリストの役割をする「パーソナルショッパー」がプライベートルームに似合いそうな服を選んで持ってきてくれ、美術品の貸し出しもしている。銀行はお金持ち同士のお見合いに熱をあげている。ベンツコリアは若いお金持ちは自分より子供によくしてくれるマーケティングに感動するという分析から、小学生向けゴルフ教室を開催し10万円ほどする子供用ゴルフクラブをプレゼントした。


 LG電子では中国でもブランドイメージを高めるためこのようなブジャマーケティングを始めている。最近は弁護士、医者と並び高所得職業として芸能人、プロスポーツ選手になりたがる人が増えている。芸能人になって韓流スターになればヨン様のように年間100億円まではいかなくても、年間1億円は余裕で稼げるからだ。


 内需の拡大が厳しいほど金持ちにターゲットを絞ったマーケティングが流行るのは全世界の共通だけど、韓国は一気に盛り上がってすぐ忘れるという国民性。ブジャマーケティングも過熱しすぎていて怖いところがある。何でもほどほどにしてほしいものだ。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070226/263221/

あなたの恋人は今、どこ?人気集める携帯電話位置追跡サービス [2007年2月20日]

韓国では人前でベトベトいちゃいちゃするカップルを「ダクサル」という。ダクサルは鳥肌という意味で、日本と同じくぞっとして鳥肌が立つ、というか見たくないという心情をこめて使う。韓国では初めて出会った日から100日目、200日目、300日目、1年目、1000日目、バレンタイン、クリスマス、誕生日、その他にも「何々をしてから何日目」を祝ったりする。ダクサルカップルほど派手なイベント好きでお互いを拘束することこそが愛情と思うから携帯電話位置情報を教えあうサービスにもよく加入する。

一度同意がとれていればいつでも居場所をチェック可能


 韓国の移動通信キャリアも色んな種類の位置追跡サービスを始めている。LGテレコムは「恋人安心サービス」という名前からしてダクサルなサービスを提供している。恋人の携帯電話番号を登録すると、1時間、2時間、3時間単位で毎15分ごとにショートメッセージサービス(SMS)で相手の位置を知らせてくれる。また自分の位置を相手に知らせたい時も、相手の番号を登録すれば、15分ごとに登録した相手にSMSで自分の位置を送信できる。


 このサービスを利用するためにはまず位置追跡したい相手に位置追跡同意要請メッセージを送信し、相手が同意してから番号を登録できる。一度登録されれば、次からは同意がなくても登録リストからユーザーを選択して自動で位置を把握できる。登録人数の制限はない。


 SKテレコムの「安心お知らせサービス」を利用すれば、家族、恋人、友達に自分の現在位置、目的地、交通手段などを一定時間送信し、無事目的地までたどり着けたのかを教えてくれる。登録されたユーザーが登録された地域から離脱した場合も知らせてくれる。KTFの「安心帰宅サービス」は恋人向けというよりも学校に通う子供がいる家庭向け。位置追跡1件当たり50ウォン(約7円)とお手頃な料金で利用できるサービスで、子供が登校または下校する時間帯に今どこを移動しているのか位置をSMSで親に知らせてくれる。


 いずれも、このような位置追跡サービスは韓国では家族向けを中心に人気が高いサービスだが、問題は追跡される側のプライバシーだ。


追跡される側への告知方法を巡り当局が乗り出す


 現行の「位置情報の保護及び利用などに関する法律」では、位置追跡をする度に当事者にその事実を即知らせるようにしている。だが今まで移動通信キャリアは位置追跡するユーザーに利用料を取ることに夢中で、追跡される人に「あなたの位置が追跡されている」ということを正確に伝えていなかった。


 韓国ではキャリアに関係なくSMSを送受信できるため、携帯メールはあまり使われない。にも関わらず、キャリアは携帯メールでその事実を知らせていたため、メールを確認しない限り自分が位置追跡されているのかさえ分からなかったのだ。更にメールの確認だけで情報利用料がかかるようになっているため、位置追跡されている側も費用を負担しなくてはならない構造になっていた。しかも、追跡されていることを知らせるメールのタイトルは「メールが届きました」。当然のことながら、スパムメールと思ってメールを開かなかったユーザーも多かった。自分が最初に追跡されることに同意したといってもいつどこで追跡されているのかを知る権利はあるはずだ。


 キャリアは当然守るべき義務にもかかわらず、その費用を追跡されるユーザーに転嫁していた点を問題とし、情報通信部は、この携帯メール確認料金だけで230億ウォン、日本円で30億円近くに上る金額をユーザーに返還するよう命令した。だがキャリアはメールだろうがSMSだろうが知らせる義務は果たしていたとして、政府の命令に従わない方針を示した。その代わり、6月からは位置追跡されているという事実を無料で受信できるSMSで送信するようにした。位置追跡に同意した場合でも、毎回追跡を要求した人の名前、提供時間、目的をSMSで通報するようになる。


 恋人同士の愛、家族の愛を優先し追跡できることに意味があると思われていた位置追跡サービスは、やっと追跡される人のプライバシーを考慮したサービスになっていこうとしている。親が子供の位置を追跡したがる気持ちは分かるけど、彼氏・彼女が今どこにいるのかはそんなに重要だろうか。いや、ヒットコンテンツはこういう予想外のフィールドで生まれるものなのかもしれないけど・・・。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070219/262418/

地上波放送のリアルタイムIP再送信開始、IPTV商用化で何が変わる?

2008年12月12日、韓国では大統領まで参加した「IPTV商用化記念式」が大々的に行われた。「Power On IPTV Power Up Korea」をスローガンに、通信と放送業界からも1200人近くが参加し、お祭り騒ぎでIPTVの商用化を祝った。

 2004年、IPTVは放送なのか通信なのかの論争が始まってから、5年かけてようやく決着がついたといったところだ。IPTVは放送でもあり通信でもある融合サービスなので、特別法で管理しましょうと決まったのが2007年12月。その後、施行令制定やコンテンツ需給契約にてこずり、2008年11月、ついに放送局ではなく通信会社が提供するIP経由の放送が始まったというわけだ。


 「IPTVは通信と放送の融合を象徴するサービス」、「白黒テレビがカラーになった時以来の衝撃的な放送の変化」、「1998年ブロードバンドが韓国の経済を救ったように、この不況もIPTVという融合サービスで乗り切れるだろう」と大騒ぎしているが、IPTVの商用化で国民の生活は何が変わるのだろうか。


 韓国最大手通信会社のKTは11月、真っ先にIPTVを商用化した。


 放送局やコンテンツ会社と契約を結び、IPTVから地上波放送、VOD、ショッピング、オンラインバンキング、株取引、電子申請、ゲーム、携帯電話へSMS送信、ネット検索、カラオケなどを利用できるようにした。33チャンネル+8万5000件のVODが揃っている。


 人気ドラマの再放送もパソコンからではなく、テレビから見たいときに見れるようになり、最新映画もDVDより早くIPTVで公開される。大ヒットハリウッド映画「ダークナイト」は12月5日からKTのIPTVでVODサービスが始まった。テレビショッピングも電話注文ではなくリモコンですぐ注文できるようになった。

KTはIPTVの魅力である「双方向性」と韓国国民の最大の関心ごとである「大学受験」を合わせて、有名予備校の講義を全国どこでも利用できる「TV家庭教師」も、映画やドラマ以上の目玉コンテンツとして勝負している。

 問題はケーブルテレビ業界の反発がまだ収まらないこと。


 韓国は難視聴地域が多く、ケーブルテレビに加入しないとテレビが映らない。


 そのため、全世帯の84%がケーブルテレビに加入しているほどだ。ケーブルテレビは地域独占営業の代わりに、全国を77放送圏域に分けられ、圏域の5分の1以上で兼営してはならないという規制があるが、IPTVは全国放送が許された。ケーブルテレビ業界は、「IPTVは新しい需要を生み出すビジネスではない。ケーブルテレビ加入者を奪うだけだ。地域単位の営業しかできない中小規模のケーブルテレビが大手企業であるIPTVに勝てるわけがない」と猛反発。韓国政府はケーブルテレビの規制を緩和することで、なんとか怒りをなだめている。


 しかしケーブルテレビの利用料金は安く、70チャンネルほど利用できて、月200~300円しかしない。IPTVは利用料とセットトップボックスレンタル料で月1500円以上はする。この不景気の中、機能がてんこ盛りで料金も高いIPTVよりは、テレビさえ見れればいいので値段の安いケーブルテレビで満足という人の方が多いかもしれない。


 それに、IPTVは機能が多すぎてリモコンの使い方がわからない、頭が痛くなるという苦情もしばしば。IPTV事業者は料金割引競争、コンテンツ確保競争に続いてリモコン開発競争に突入した。リモコンでボタンを押すだけで、テレビも見れて、いろんな映像も楽しめて、ネット検索もできるからパソコンもいりません、と宣伝している。


 私自身、「これは便利!」と一瞬加入したくなったのだが、よく考えてみたらリモコンの主導権はお母さんにあり。だから子供の教育にも使えるのがIPTVだと宣伝しるわけだ。


 IPTVのバンドル販売でなんとか加入者のARPUを高めたい通信会社であるが、法律や制度の壁よりお母さんの壁の方が高いかもしれない。全通信会社のIPTVが出揃う2009年1月が楽しみだ。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年12月17日

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20081217/1010611/

韓国 KT、高速通信のデュアルモデム発売(2007年3月12日 掲載)

ビス域外で再接の不便さ


 


 


 


【ソウルKTは3月5日、WibroとHSDPAの方が使える統合 USBモデム「iPlug Premium」を発売する。



 KTのWibroは4月からソウルと首都
でサビスが開始され、KTFのHSDPAは3月から全ビスされる計なので、このデュアルモデムを使えば全どこでも移動しながら高速インタネットに接できる。


 


 KTのWibroはデタ送信速度がHSDPAに比べて早く、存の無線インタネットより最大4倍の速度で移動しながらもノトパソコンやPMP(ポタブルマルチメディアプレイヤ)、モバイル端末からネットを利用できるし利用料金も安い。しかし、カバレッジがソウルと首都一部地域に限定されているのが難点だ。このデュアルモデムなら、Wibroサビス地域以外のところではHSDPAでアクセスできるため、移動中どこでも高速でインタネットが使いたいビジネスマンや大生が主に利用すると見まれている。


 


 しかし、今回KTが発売したモデムはWibroとHSDPAそれぞれのチップを使っているため、Wibroサビスカバレッジから離した場合、HSDPAに再接しなければならない。


 


 KT側は「WibroとHSDPAのハンドオはまだ技術討段階で、発売開始時期は明確ではないが、Wibroはソウルと首都で、HSDPAは全で利用できるためサビス利用に大きな不便はないはず」としている。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)


 


 BCN This Week 2007年3月12日 vol.1178 載]  Link


 


 

三星電子 世界市場でテレビのシェア1位を獲得(2007年3月12日 掲載)

生産開始から34年で達成




 


【ソウル】三星電子は2006年の世界テレビ市場でシェア1位を獲得した。上金額と販売数量の方ともの1位である。三星という自社ブランドで白テレビを生産して以34年を過してのことだ。72年11月、三星電子は日本メとの合弁によって三星ブランドで白ブラウン管テレビを生産し、77年には韓で初めてカラテレビをつくってパナマに輸出した。その後、三星電子のテレビ事業は展をけ、98年には世界で初めてデジタルテレビの開に成功した。



 白
テレビは先進より約60年、カラテレビは約30年れて生産が始まったが、デジタルテレビ以降は世界市場を主導していると、三星電子は自負している。


 


 ディスプレイサチによると、液晶とPDP、ブラウン管を含む全テレビ市場で、三星電子は06年全販売数量シェア10.6%、上規模でも14.2%のシェアでソニLG電子などの競合社をいて1位を記た。販売数量シェアではLG電子が9.8%で2位、TTE9.4%、フィリップス6.8%、ソニ6.2%の順だった。上金額シェアではソニ11.3%で2位、LG電子8.6%、パナソニック8.5%、フリップス8.3%の順だった。


 


 特に急成長している液晶テレビ市場でも販売数量シェア13.4%とフリップスとソニを追いいて初めて1位になった。だが、上金額シェアではソニ16%で、三星電子15%とシャ11.5%をいて初めて1位を獲得した。


 


 三星電子は今年、液晶PDPなど壁掛けテレビを1400万台、プロジェクションと薄型テレビ1000万台など計2400万台を販し、世界市場1位を守るのを目標としている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


 


 BCN This Week 2007年3月12日 vol.1178 載] Link

T-OMNIA、不況下に携帯電話の価格が史上最高額更新ってどういうこと?

日本も韓国も、世界中が不況だ不況だと嘆いているこの時期に、韓国ではサムスン電子の携帯電話新機種が史上最高額を更新した。

 その主人公はサムスン電子のT-OMNIA。 4GBが96万8000ウォン(約6万4000円)、16GBが106万8100ウォン(約7万1000円)という低価格ミニノート(ネットブック)よりも高い価格設定!T-OMNIAはサムスン電子、韓国の最大手キャリアであるSKテレコム、そしてマイクロソフトが提携してこの世に送り出したスマートフォンの最高傑作、という広告通り、発売初日から予約なしでは手に入らないすごい勢いで売れていった。OMNIAとはラテン語で「Everything」という意味で、TはSKテレコムがキャンペーンを行っている3Gのブランド「T life」を合わせてT-OMNIAにした。





3.3インチの液晶にWindows Mobile 6.1搭載、50種類のウィジェット、動画再生にナビゲーションにパソコンのような文書作成なども楽にできる。韓国最大ソーシャルネットワークサイトのCyworldがSKテレコムの子会社であるだけに、T-OMNIA向けCyworldも提供している。7.2Mbpsの3GとWi-Fiが使え、衛星DMB(モバイル衛星放送)、GPSも搭載している。携帯電話で撮った写真を無線でテレビに送信して表示できる機能、なんていうのもついている。

 100万ウォンというと、中小企業に勤める新卒社員の1カ月給料が100万~150万ウォンなので、その全額もしくは3分の2に当たる金額だ。韓国統計庁のデータによると、2008年4~6月期の30代共働き夫婦の月間所得は246万9000ウォンに過ぎない。


 一体誰がこんな高い端末を買っているんだろうか。ちなみに、韓国のマクドナルドやコンビニの時給は3770~5000ウォンなので日本円で約226~320円、最低賃金ぎりぎりしかもらえない。韓国にフリーターという職種が存在しないのも納得できるだろう。時給5000ウォンで生活もして、なお100万ウォンの携帯電話を買って電話料金も払って、なんていうことは到底できない。それにもかかわらず、メーカーは80万ウォン、90万ウォン、100万ウォンとどんどん端末の値段を吊り上げているのはどうしてなんだろう。


 不況だからこそ、ある程度所得に余裕があって消費ができる裕福層向けの製品に集中するしかないという戦略なのかもしれない。BMWのNEW7シリーズを購入するとT-OMNIAがついてくる裕福層を狙ったマーケティングをしているのを見ると、不況下のメーカーは、誰にでも好かれる安い商品よりも、お金を持っている人に好かれる商品を作るべきなのかもしれない。またこの頃の新機種はほとんどがスマートフォン。そのために携帯電話の値段が高くなったこともあるのだが、これも不況と関係があるそうだ。


 欧米ではリストラが進み所得が減ったビジネスマンたちが、インターネット接続料にパソコンに固定電話にと、色々使っていたのを全部やめて、スマートフォン1台だけにしているという。だから、不況下こそスマートフォンが売れるのだとか。本当だろうか?欧米ではiPhone 3Gにしたって安いから売れているんじゃないか!韓国ほど高くないぞ!と突っ込まずにいられない。


 もちろん、番号移動制度を利用してキャリアを変え、機種変更すると補助金がもらえるので、100万ウォンの端末でも70万ウォンぐらいで購入できる方法もある。でもまだまだ高い。ちょっと不便でもスマートフォンよりネットブックを買ってWibro(モバイルWiMAX)に加入し、インターネット使ってスカイプで通話すれば、もっと安く済ませられる。


 しかし、SKテレコムによると、10月に売れた端末の25.9%が60万~90万ウォンのスマートフォンだったという。サムスン電子のHapticフォンやパンテックのプレストフォンも液晶がとてもきれいで使い勝手のよいスマートフォン、なかなかのものだ。実物を見ると、ちょっと無理をしてでも買ってしまいたくなる。


 大学生の中ではT-OMNIAを買ってノートパソコンやネットブックの代わりにするという使い方もあるようだが、韓国でいよいよ!そろそろ!と何度も噂されているiPhone 3Gが発売されれば、T-OMNIAの運命も変わるかも、なんていじわるなことを考えてしまった。iPhone3Gが韓国で発売されれば携帯電話の端末も安くなるだろうに。まだかな~まだかな~。



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年12月10日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20081210/1010430/