インターネットこそ若返りの妙薬! [2007年4月18日]

韓国では全国どこに行っても、郵便局、市役所、区役所、住民自治センターといった公共機関には無料でインターネットが使えるパソコンが数台置いてあり、誰でも使えるようになっている、また99年あたりから無料または月1000円ほどの安い授業料で参加できるシニアパソコン教室が市役所や区役所で年中開催されている。ちょっと前までも60代以上の世代はインターネットが使える、いやインターネットがどういうものか知っているだけでも「すご~い」と言われるほどデジタルデバイドが深刻だった。

 でもこの頃はシニアのインターネット利用は当たり前、インターネットがきっかけになり人生が変わったというデジタルシニア世代がよくテレビで紹介されている。ネットでも若い世代と変わらないほど動画投稿やブログ運営、スカイプを利用して世界各国のユーザーとビデオチャットに熱心な、インターネットを利用するのが日常になったWebver族が脚光を浴びている。


 WebverはWebとsilverの合成語で、以前は引退後は世の中の動きには鈍くなり近所付き合いだけになってしまいがちだったシニア世代が、インターネットを利用して最新情報を取り入れ、積極的に友達の輪を広げ人生を楽しんでいることから付けられた名前だ。シニアパソコン教室はパソコンの使い方やネットの基本的な使い方を教えていたが、それぐらい普通に使えるシニアが増えてからは動画教室、HOMPY(韓国のSNS)教室などに種目を変えている。


 韓国マイクロソフトと韓国情報文化振興院が情報化教育を履修した55歳以上400人にアンケート調査をした結果によると、情報化教育後「生活が楽しくなった」が98%、「友達が増えた」が91%と、「より健康になった」が89%、「子供や孫との会話が増えた」が90%、「日常生活がより便利になった」97%、など、インターネットを利用するようになってからコミュニケーションも増え、健康状態もよくなり世代間のデバイド解消にも役立っていることが分った。


中でも21%のシニアが情報化教育後「再就職や経済活動のチャンスに恵まれた」と答え、シニアの情報化が人生の中での経済活動期間の延長にも現実的に役立っていた。また面白いのは54%もの人が「掲示板に投稿したり、他人の書き込みに対してコメントを残したことがある」と答え、27%は「インターネットショッピングを利用したことがある」と答えている点だ。インターネットショッピングは日本のシニアより利用度が低いかも知れないが、さすが討論好きの韓国らしく、書き込みやコメントを残して自己主張を楽しむのは年齢など関係ないようだ。

 この調査を担当した韓国マイクロソフトは「韓国はデジタル化が急速に進みすぎたため、インターネットがシニアを社会から疎外させる主な原因になっていたが、ここ数年インターネットを自由に利用できるようになったシニアが増えたため、逆にインターネットがシニアの社会復帰を促進している」と分析した。


 韓国のSNS「サイワールド」も、2007年1月現在50歳以上の会員は95万人で、2004年3万8千人に比べ25倍も増えている。全会員の中で50歳以上が占める割合も2004年1%から2005年3%、2006年4%と徐々に増えている。ポータルサイト「DAUM」も2006年末時点の50歳以上利用者は全会員の13.3%で、2004年に比べ4%ほど増えている。自分で撮影した動画をブログやHOMPYに掲載して訪問者の反応をワクワクしながら待ったり、ネットで出会った友達のサイトにコメントを残したりすることで精神的に若返り、健康になったというシニアは一人二人ではないようだ。


 ソウルから南へ30分ほど離れた軍浦市(グンポ市)には「NO老クラブ」という70~80代が中心のインターネット同好会が活発な活動をしている。市が主催した情報化教室に参加した人達が中心となり、クラブのホームページを作って自由に書き込みしたり、次のオフ会ではどこに行こうかとチャットをしたり、子供向けにネット礼儀教室コンテンツを制作してみたり、忙しい毎日を送っている。


 NO老クラブに参加している78歳のおばあさんは「ネットを使うようになる前まではいつ死ぬんだろうか、病気にならず眠ったまま死ねるといい、そんなことばかり考えていて笑うこともなかった。でも今はネットであれこれ検索してみたり、シルバー同好会に加入して掲示板でやりとりをしながら気に入った人とデートもしてみたり、スカイプでアメリカにいる孫娘とビデオチャットもしてみたり、毎日があっという間に過ぎていくから困るわ~」と幸せそうだった。


 まだ韓国の60歳以上のネット人口は30%にならない程度で、日本よりも少ない。だがネットで得られる幸福指数はどの国に負けない。それは逆にデジタルデバイドより世代デバイドの方が怖いという裏返しかもしれないが、積極的に新しい人生を楽しむ姿に子供も孫も元気付けられる。若返りついでに、ネットで青年のふりをしているシニアもいるかもしれないと思わせるほどだ。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070418/268573/

[東京留学生活] 無駄なことはない!

今日ICPCで韓国よ有害情報対策、青少年保護、実名制度、著作権保護、レイティングや処罰などなどについて話した。



いつものように(?)爆笑あり驚きありの時間となってほっとした。ご清聴ありがとうございます。


今日は、実はボランティア参加、しかもある方と待ち合わせがずれてしまいブーブー文句言いながら、ぷりぷり怒りながら会場に着いたのだが、あらま~


私の恩人の一人、コアラの小野社長がいっらっしゃるではないか!これこそ驚き!


小野社長は、私が会社の看板ではなく「チョウ・チャンウン」というブランドでこの世界で生きていけるようにしてくれた2番目の恩人である。どんなに感謝しても足りないほどお世話になっている。(1番目の恩人はなんといってもアスキーの遠藤さんよ!全ての始まりである本を出してくださった方だもん)


8年目になる日経新聞の連載も小野社長と同じく2番目の恩人である会津さんのおかげできっかけを作ることができた。だからこの前会津さんと数年ぶりにお会いできたときも超嬉しかった。そして今日は小野社長にばったりなんてとすごく嬉しい!


小野社長のおかげで日本には湯布院というとても素晴らしいところがあるというのも知った。夫が定年退職したら、湯布院でレストランを開いてみたい。(夫は公務員なのに料理が大好きで韓食調理師資格保有!)
その頃になれば私にはもう仕事も来なくなるはずなので、ゆっくり映画のシナリオや小説を書いてみたい。湯布院という場所を知らなかったら、こんな夢を持つこともなかっただろう。


話がそれてしまったが、今日の発見は!


人生何事も無駄なことはない!どこで何をしようが、必ず得られるものはある。今日は小野社長との再会+有害情報関連の楽しい(?)情報交換があった。


どんどん色んなところへ顔を出すことにしよう。昔お世話になった人にどこかでまたばったり会うかもしれないし、これからお世話になる人に出会うかもしれない。私は「人福」に恵まれているとつくづく思った。あれよあれよという間に周りのみなさんのおかげでここまで来れたもん。最近はKDDI総研一の美女、まつげくりんくりんお人形のようなAKさんにものすごくお世話になっているし。(AKさん、いつも私をフォローしてくれて、気を使ってくださって、ありがとうございます~


私は「チョウ・チャンウン」というブランドをこれからも大事に、誇りを持って育てていきたい。


仕事をくれた神様達ががっかりしないようにね。


しかし、身近なところでがっくりしたことが。私のことを韓国人留学生アルバイトぐらいにしか見ていない人もいるようで、これはいかん!と刺激になった。


もっと努力して、ぐうたらしないで、しゃきっとがんばろう!お~



– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=110

韓国のPC動向 ハイブリッドHDD採用ノートPC(2007年5月14日 掲載)

三星電子が韓で初めて投入


コア2デュオ搭載で23万円



 


【ソウル】世界で初めてハイブリッドHDD(ハドディスクドライブ)を公開した三星電子が4月23日、韓で初めてハイブリッドHDD内蔵PC(senseR55)を発売した。この製品に内蔵されたハイブリッドHDDは昨年、Windows連カンファレンスで表された「三星フラッシュオンMH-80」モデルの商用化バジョンで、存の磁ディスク基盤(80GBHDD)に256MBのNANDフラッシュメモリを内蔵し性能を高めた。Windowsの中核システムファイルを速度のHDDではなく、高速フラッシュメモリに記するため、HDDに比べて消費電力や安全性、音での優位性は高い。


 


 三星電子が販を開始した「senseR55」は80GBハイブリッドHDDとWindows Vista Home Premium、インテルのコア2デュオT5600(1.83GHz)を内蔵した。面サイズはWXGA LCD 15.4インチワイド。値段は180万ウォン台で約23万円だ。


 


 senseR55にはVistaの「レディドライブ(Ready Drive)」技術が適用されているため、ハイブリッドHDDの性能を十分に生かす。「レディドライブ」はハイブリッドHDDに内蔵されたフラッシュメモリのみ取り、書きみの臨時保存所として活用し、ディスク回転数を減らしバッテリの消耗を減らしてくれる機能だ。 三星電子は「自社テストの結果、フラッシュモド動作中はHDD対応に比べて3倍以上の外部衝でも損傷なく正常に動作した。小容量デタ(10MB)をむ際の速度は26%、書きみ速度は71%以上に高速化した」。また「ブティング速度も1分程度かかっていたのが約40秒にまで短縮し、HDD電力消費は32%減少し、寿命も10%以上加した」と性能の高さを明した。


 


 ハイブリッドHDDはメモリとシステム非メモリ(LSI)、ストレジ(保存装置)といった三星電子半導体事業の3大中核技術を結合させた製品で、昨年5月に試作品を公開していた。


 


 同社の半導体係者は「1億8000万台規模のノPCが販される09年には、2.5インチHDD市場の70%以上をハイブリッドHDDが占めるだろう」と予測している。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年5月14日 vol.1186 載] Link 


 


 

韓国の携帯電話事情 補助金自由化で1円端末が復活(2007年5月7日 掲載)

WIPI搭載免除で海外メも流入か



 


 


【ソウル】加熱しすぎた競を抑えるため1999年に禁止された携電話補助金(日本では奨励金にあたる)が自由化される。従来は一定期間以上同じキャリアに加入しているユし、千円程度の補助金しか出せないよう情報通信部が細かくルルを決めていたが、5月からは補助金緩和、3月からは規制撤で完全自由化となる。日本の奨励金規制議論とはまったく逆の現象が起きている。



 この規制緩和とは別に、情報通信部は05年4月から携
電話端末に搭載が義務づけられている「WIPI」についても規制を緩和し、搭載を免除することにした。WIPIは韓国独自の技術で開された無線インタネット標準プラットフォムだ。


 


 韓の携電話加入者の多くは、携電話から無線インタネットにアクセスせず、音通話とSMS(ショトメッセジ)しか使わない。韓ではSMSがメルのようにキャリアに係なく送受信できるからだ。


 


 WIPI搭載が免除されれば、携電話端末は約20%ほど安くなる見み。特に加入者個人への端末購入補助金と販売奨励金が上せされれば、1円端末や無料端末が登場するようになる。


 


 KTFが発売したWIPIを搭載していない3G端末の値段は33万ウォン(約4万円)前後で、通常の3G端末に比べると10万ウォン(約1万3000円)以上安くなる。これにKTFは3G加入者にして30万ウォンほどの補助金と10万ウォンほどの奨励金を出している。これを合わせると、端末と手料はすべて無料になる。SKテレコムもKTFの低3G端末による市場攻略に抗し、無線インタネット機能を搭載しない超激安新機種を表する予定だ。


 


 ユにとっては端末が安くなるのはいいことだが、問題もある。WIPIという壁がなくなることによって海外メの低格端末が韓で流通しやすくなるのは避けられないからだ。


 


 また、WIPIを搭載していないというのは無線インタネットが使えない端末ということなので、キャリアの無線デタのり上げ大にもい影響をえる。


 


 HSDPA携はテレビ電話やグロバルロミングなどが付加入となるため、このような機能が使えない端末を販しても意味がないのではないかという議論もある。奨励金の自由化で格競だけがきした場合、WIPI搭載免除で削減された費用をそのままマケティング費用に回すことになり、キャリアにとっては何のメリットもないことになるかもしれない。それでも通信業は政府の規制ではなく市場の流れに任せるべきという意見が倒的に多い。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト) Link


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>22.今回のテーマ■モバイル放送(上)

モバイル放送の危機


商用化“世界初”の裏側は


 


 


 韓2005年5月1日、世界初で商用化したことを自慢にしていた衛星DMB(Digital Multimedia Broadcasting=衛星モバイル放送)の赤字が深刻な況になっている。衛星DMBのようなニュメディアが登場すれば、約3000億円の経済効果があると展望されていたのに、逆に280億円近い累積赤字を記している。衛星DMBの運者であるTUMedia社の負債比率は2045%、親社である最大キャリアのSKテレコムから見放されたらもう終わりという段階に差し掛かっている。



 衛星DMBだけでなくワンセグ、地上波DMBも事情は同じだ。800億円と予測された
経済効果は消え、100億円の赤字だけがっている。無料放送なので利用者をやして入を得ないとやっていけないが、対応端末が1500万台れても韓国独自の告事情からDMB事業者には全くお金が入ってこない。地上波放送局は通常の放送をそのまま地上波DMBに流せばいいので負担はないが、放送局でない三つのコンソシアムが問題だ。韓は中間告(番組の途中に入るCM)が禁止されている。告は番組の最初と最後、60分ごとに1回と法律で決まっている。DMBにしてはそれを緩和すると言いながらも、規制がいてきた。添付画像


 


 ケブルテレビにコンテンツを納品していたプロダクションやインタネット事業者らが集まったコンソシアムはコンテンツの制作にも相な資金を投入している。告でり上げを伸ばさないと益は上がらないのにそれを流せる時間に限りがあり、投資ばかりしなくてはならないとなれば経営が危なくなるのは然だ。なんとか赤字を逃れるため、デタ放送や付加サビスとして放送とショッピングを連動させたサビスに力を入れている。ドラマの主人公が着ている服をその場ですぐ買えるショッピングサビスのために放送局と芸能プロダクション、キャリアが提携し始めた。


 


 韓では携電話から衛星DMBを受信できるし、地下りながら衛星地上波モバイル放送を視できるというのが自慢だったのに、09年5月開通の地下9線以降はそれが見られなくなった。ギャップフィラ(電波のきにくい場所の受信特性を改善する装置)を設置するお金がもうないからだ。

(趙
章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年12月8日 vol.1263 載] Link


 

韓国キャリア、好調すぎてユーザー猛反発 [2007年5月9日]

4月、韓国ソウルでは珍事件が起きた。最大手キャリアであるSKテレコムの本社ビルの正面ドアに「不良SK」と書いた紙を張ったベンツが突っ込んだのだ。これはSKテレコムのサービスに不満を持った顧客K氏の抗議行動だった。K氏の主張によると、国際ローミングが使えるという高額の新機種を買い中国に行ったが全く通話ができなかった。端末の交換を要求して何度も本社を訪問したが相手にされず、駐車係の人にまで無視されたことに激憤し、世の中にキャリアの横暴を知らせるために数千万円のベンツを車ごと回転ドアに突進した、というらしい。

 SKテレコム側は常軌を逸した顧客の暴力損害事件という風にまとめようとしたが、ネットにはベンツを突っ込んだK氏の警察でのインタビュー動画が出回り、「私もビルを爆発させてやりたいほどキャリアにむかついたことがある」とK氏を養護するコメントが数千件も書き込まれた。


 LGテレコムに加入したはずが顧客の同意なく携帯電話番号ポータビリティー(MNP)を利用してSKテレコムに変更されていたという人もいれば、加入したことのない付加情報サービス料金を2年間も取られていたことに気づき返金を要求すると「加入した覚えがないというのはあなたの勘違いでしょう」と相手にしてもらえず消費者センターに依頼しても見てみぬふりだった、通話品質が悪く抗議しようとすると電話を途中で切ってしまう相談員、毎月ちゃんと料金を払っているのに未納料金のため信用不良者になるという警告状を送り家族に電話までしてきた、などなど数え切れないほどの不満がベンツ事件をきっかけにネットを騒がせている。


 現状では、このような不満に対して親切に応じるキャリアは少なく、「変な顧客のうわごと」扱いするのもユーザーを怒らせている。不満を持つ顧客の電話に誠実に応じて謝りさえしていれば、「過ぎたことは仕方ない」とベンツのK氏も事件を起こさず帰っていたかもしれない。なお、K氏は1年以上の懲役になる見込みだ。


 そんな騒ぎの中で発表されたSKテレコムの2007年第1四半期(1~3月)決算は顧客の不満をあざ笑うかのように絶好調。韓国第2位の携帯キャリアであるKTFは、3Gマーケティング費用がかさみ、39%の減益と、7年ぶりに最悪の実績を記録したのに対してSKテレコムは売上高が前年同期比6.7%増の2兆7117億ウォン、純利益は前年同期比17.5%増3963億ウォンにのぼった。SKテレコムは、1月から3Gのデータ通信料金値下げに加え、マーケティング費用には前年同期比33.3%増の5866億ウォンも使ったのに営業利益はたった0.9%しか減少していない6620億ウォンという素晴らしい結果だった。


 だが庶民の金を騙し取って利益を上げていると国民の反応は冷たい。一部では、大々的な料金値下げ要求運動も始まっている。その根拠はSKテレコム、KTF、LGテレコムの3社が政府情報通信部に提出した「原価補償率」という数字。これは料金と、利益や期待収益までも包含した「原価」を比較したもので、100%を超えていれば、キャリアは料金を値下げしても損をしないというわけだ。今回、絶好調だったSKテレコムの原価補償率は122.55%。適切な料金を22%も上乗せした金額を利用者からもらっていることになる。


 携帯電話料金を中心とした通信料の家計負担は重い。携帯キャリアは、サービス品質のみならず、料金についても大幅な見直しを求められる可能性がある。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070509/270360/

グーグルコリアの人材確保策、厚遇の裏にある狙い [2007年5月2日]

市場情報研究機関のミルワードブラウンが英ファイナンシャルタイムズの協力を得て行った2007年のブランド価値評価によると米グーグルが、ブランド価値664億ドルで1位、前年1位だったマイクロソフト(MS)は3位に落ちている。物凄い勢いで世界市場でパワーを発揮しているグーグル。韓国でも3月あたりからやたらとグーグルコリアのニュースが増えている。いろんな記事の中でも面白かったのはグーグルコリア社員エンジニア採用担当のキム・ヒヨンさんのインタービューだ。

 「この会社は社員を太らせて食べちゃうつもりなのかな?ってよくみんなで冗談を言い合います。グーグルに入社すると平均4kgは太りますね。おいしい有機栽培の果物が食べ放題なので、一日中仕事をしているか、食べているかのどっちかなので仕方ないです。また本社と同じく業務時間の20%は個人的な関心事に使える20%プロジェクトも実施されてます。もちろん何をしているのかは上司に報告しないといけませんが、何をやっても自由です」


 韓国の検索サイトでは電話番号や住民登録番号といった個人情報は検索できないようにブロックされているが、Googleではひっかかり放題。ついこの間もセブン-イレブンのインターン社員履歴書が他のサイトでは登場しないのにGoogleでだけ検索にひっかかり大騒ぎになった。ところが、当のグーグルはそのようなマイナスイメージの記事をもみ消すかのように、連日記者らをオフィスに招待しては社員を登場させ、「グーグル最高!」のメッセージを発信している。韓国オフィスだけにとどまらず、本社に勤める韓国人スタッフも登場し、アメリカンドリーム実現、などとも騒いでいる。


 グーグルは中国市場には2006年1月に進出し、3月末現在、検索市場シェア18.7%で2位とまずまずの業績を上げている。だが韓国でのシェアはたったの1.8%にすぎない。その理由は以前、掲載したGoogle Earthのコラムでもふれたが、韓国人の検索は量より質重視だからだ。NaverやDaumは知識検索、ニュース検索、Web検索など最初の画面からカテゴリー別に整理されており、一目で分りやすい。一方、Googleはとにかくいっぱいヒットするけどテキストばかりで何が何だかさっぱり分らないという不便さがある。検索市場で人気がないというのは当然広告もあまり取れないということになる。

グーグルは2007年から本気で韓国の検索と広告市場に飛び込むという覚悟だという。そのために真っ先にしているのが優秀な人材の確保である。グーグルの韓国支社長採用を巡っては、これまでの3年間で数十人のIT業界の有名人を面接し、誰々が最終面接で落ちたらしいとか、誰々はグーグルの物凄い条件をけり今の職場に残ったらしいという噂が広まったりもした。が、結局いまだに支社長は決まっていない。2007年の4月にやっと技術開発総括エンジニアリングディレクターと営業総括マネージングディレクターを新しく任命し、支社長制ではなくツートップ制でいくことになった。1人はオンラインでの名声評価会社「Opinity」の代表、もう1人は韓国アドビシステムズの代表だった人物で、マスコミでは大々的に報道されている。


 この1年でグーグルコリアの社員は2倍に増えた。社員数という意味では急成長している韓国支社は、また1月からヘッドハントで100人ほどの社員採用を続けている。グーグルに優秀な人材をさらわれないよう、急きょ社員募集を始めた企業もある。代表的なのが韓国最大の検索ポータルのNAVERを運営するNHN。突然200人の大規模採用を始めた。NHNは今まで随時中途採用をしていたが、新入社員を含めた大規模な採用は初めてのことだ。やはりグーグルを意識しての採用としか思えない、というのが他の検索ポータル会社の意見。どこもグーグルに人材を引き抜かれるのではないかとはらはらしているらしい。


 Googleは韓国ではあまりにも利用されないため、逆にどうしてそこまで人気がないのか、韓国人のネット利用行動は世界のトレンドを逆行しているのではないか、とまで思われているほどだ。一方で、世界最大の検索サイトを持つGoogleは、IT業界に身を置く人間にとっては憧れの職場だ。


 アメリカと同じく韓国でも10回の面接を通らなくてはならないがもっとも重要なのは、同僚になる社員達との面接。これも、リクルートスーツは禁止、一緒に仕事ができそうな人なのか長所を発見するための面接だという。とはいっても採用条件に英語堪能、それなりの企業で勤めた経験を要求しているのでハードルは高い。それでも、有機栽培果物も食べ放題という口説き文句もあってか送られてくる履歴書は溜まっていくばかりだそうだ。


 今はまだソウルのCEOX展示場の近く、三成駅にある賃貸オフィスなので本社の福利厚生を全て実施できていないけど、正式にオフィスをオープンすれば、あの有名な無料有機栽培ランチ、ビリヤード、マッサージ、ゲーム機などを設置して本社と同じ勤務環境を提供する計画だ。本人が望む限りグーグルでエンジニアとして働けるようにするというので、韓国にはない終身雇用の新しいモデルになるかも知れない。


 グーグルはサイト利用を促進させるためにどんなマーケティングよりも重要なあることに気付いたようだ。韓国人が最も大事にしている血縁、地縁、学縁を利用することだ。社員が増えれば家族が勤める会社だから、友達が勤める会社だからとグーグルを利用するユーザーが増えるだろう。これこそ究極の韓国市場攻略方法なのかも知れない。



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070501/269960/

サムスン参入でがらりと変わった韓国低価格ミニノート市場

韓国でもこの頃、低価格ミニノート、いわゆるネットブックの勢いがものすごい。日本のようにモバイルインターネットに加入すると100円になるとか、そこまで大特価販売はないが、この不況の中、なによりも安さがうけている。

 韓国ではまだノートパソコンは購入品なので、オンラインゲームやeラーニング、VOD視聴、DVD再生などマルチメディアの利用に不便はないか、持ち歩くものなのでみんなに見せて恥ずかしくないデザインなのか、それなりのブランドなのかというのが重要な条件になる。だからノートパソコンは日本メーカーのものが好き、という人が多いのかもしれない。


 とにかく値段が安い、しかも軽くて機能は全部揃っている、画面とキーボードは小さくてデスクトップに慣れている人には不便だがそんなに悪くはない、バッテリーの持ち時間は液晶サイズが小さい分、普通のノートパソコンより断然長い。などの長所がブロガーを中心に口コミで広がった。それでもネットブックを買う人は今まではそれほど多くなかった。ハードディスクの容量が少ないとか、画面が小さすぎるとか、表側はそういう文句をつけていたが、「それ5万円の激安ノートパソコンだよね」と言われるのは嫌だから買わない、というのが正直な気持ちなのかもしれない。


 ところが、サムスン電子がネットブック市場に飛び込んでから事情が変わった。2008年初頭には、「ネットブックには興味がない、激安パソコンよりはハイエンドで20万円以上の高価格パソコンでブランド力を高める」、なんて言っていたサムスン電子だっただけに、9月に突然のネットブック発売を打ち出したニュースにはマスコミも消費者も驚いたものだ。


 携帯電話は相変わらず超高価格路線を守っていて、デザイナーとのコラボやタッチパネルやスマートフォンで100万ウォン(約8万円)を超える端末も発売されている。それがノートパソコン市場ではNetobookを先頭に、安くて小さくて使える端末に集中している。


 韓国のネットブック市場は台湾メーカーのASUSやMSIが火付け役ではあったが、アフターサービスが粗末だったことから、買いたいけど買ってはいけないと遠ざけられていたところもあった。しかしサムスン電子やLG電子、トライジェムといった韓国メーカーのの参入を受けて、ネットブックも値段が安くても機能はしっかり揃っているだろうという良いイメージに変わったからだ。


 トライジェムのネットブック「Buddy」は発売から1カ月で1万7000台が売れた。10.2インチの液晶に1.1Kgの重さ、80GBのハードディスク、それで値段は約5万円。サムスン電子のネットブック「NC10」は10.2インチの液晶に120GBのハード、1.3Kgの重さ、バッテリーが8時間も持つところや、キーボードのサイズを一般キーボードの93%のサイズにしたため、ネットブックの最大の弱点とされていた打ちにくいキーボードを改良したところがうけている。値段は同じく約5万円だ。


 「NC10」はブロガーの間で特に評判が高く、普通はバッテリーの持ち時間が8時間といっても無線LANを使ったり使用環境に応じてすごくばらつきがあるが、「NC10」はしっかり7時間30分以上使えたと使用感想を載せている。いまや、他のメーカーのネットブックよりも注目されるようになった。この不況下にインターネットショッピングモールでも量販店でも、入荷待ち状態であるという。


 サムスン電子は全世界の景気悪化による消費傾向の変化に応じて、値段の安いネットブックと新興市場向けの安い携帯電話にもっと力を入れる方向で戦略を修正するとしている。どんなに良い製品を作っても、市場に受け入られない商品はいらないからだ。しかし、今まで高価格製品で着実に築いてきたブランドイメージなのに、今売行きがいいからといって収益性の低いネットブックに集中してしまい、お手頃ブランドのイメージになってしまっては困るという意見も少なくはない。


 サムスン電子は世界携帯電話シェア2位の企業であるが、パソコンでは2008年上半期時点でたったの1.6%。ネットブックで世界市場に躍り出るためにはまだまだ時間がかかりそうだ。


 それでもサムスン電子は、新興市場向けのネットブック市場はあきらめられないようだ。HPやデルもネットブックを発売していることも気になる。サムスン経済研究所も、新興市場では機能は最小限にして値段を最大限安くおさえたネットブックが爆発的に売れると予想しながらも、ネットブックは結局似たような機能になるしかないので最後は価格競争になるしかないため、どれだけ安く効率的に製造できるかが競争力とみている。


 そういう面でサムスン電子は強いはずだ。ハードディスクに変わるSSD(solid state drives)市場の拡大も狙っているからだ。ASUSのネットブックはSSDを搭載してより軽く薄くなっている。サムスン電子が生産しているSSDをハードディスクの代わりにネットブックに搭載すれば、収益率はそれほど落ちないのではないかという見方である。


 韓国のネットブック市場は全ノートパソコン市場の10%を占めると予想されている。2008年1~10月のネットブック販売台数は8万台、年末までには18万台を見込んでいる。韓国IDCの調査によると、韓国ノートパソコンの販売台数は170~180万台前後である。





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(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年12月3日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20081125/1009959/

韓国 中国のハイアール、韓国市場で苦戦(2007年5月21日 掲載)


 中のハイアル、韓市場で苦



 


その一方で新たな入メ




 


【ソウル】中の代表的な家電メ「ハイアル」が韓市場で苦している。2004年に壁掛けエアコンで韓市場にり出したハイアルコリアは、低格をり物にする液晶TV、エアコン、ミニ冷庫、洗濯機などで市場進出を試みてきた。だが、3年近くがつ現在に至っても主な流通網を確保できず、全的なマケティングにもり出せない況だ。



 韓
家電市場は、規模は大きくないものの、ユの嗜好や求める技術レベルが高く、海外メにとって難攻不落の市場として有名だ。日本や米州の有名ブランドも、世界的な技術力とアフタビス網を構築した韓家電メには勝てなかった。160か13億ドルもの商品を輸出し、白物家電で世界4位のハイアルも例外ではなかった。


 


 ハイアルは2010年に韓市場でシェア3位を目標としているが、先ごろ韓最大の家電流通業のハイマトが韓中小メの製品販化するためハイアル製品を販しない方針を決め、ディスカウントショップからも販低迷のために占め出されるかもしれないという危機にっている。


 


 このような況のなか、中国総合家電グルプの「ハイシン」が韓に進出する。韓の漢拏(ハンラ)グルプ系列社のハンラウェルステクと提携、手頃なの液晶TVとエアコンを主力商品にしている。


 


 ハイシンは、三星電子やLG電子が比重を置いていない低格家電市場を徹底攻略する。三星LGの二大家電メとプレミアム製品で勝負しても勝算がないという判したからだ。流通チャネルもデパ量販店ディスカウントショップのような一般小店でなく漢拏の直店と専属代理店に限定する計だ。韓市場でシェアを高め、三星LGと肩を並べたいと考えるハイアルとは異なり、まずは韓市場に根を下ろすことがハイシンの略のようだ。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年5月21日 vol.1187 載] Link 

韓国 IT展示会「Korea IT Show2007」(2007年5月14日 掲載)

300社出展、最大規模で開催




 


【ソウルIT合展示KIS(Korea IT Show)2007」は、4月19日から22日まで開催された。情報通信部と産業資源部の共同主催で、世界的に有名な展示へと引き上げたいとの思惑から、存のExpocomm、KIECO、IT Koreaなど5つの展示を統合。この結果、韓最大のIT合展示となった。ソウル市三になる1万4300㎡規模のCoex展示館太平洋館ホルには三星電子、LG電子、SKテレコム、KTFなど韓を代表する企業が勢揃いし、海外18かからの加を含めると約300社が出展、かつてない賑わいとなった。



 展示
の初日には世界18かIT大臣が訪問した。KTが提供したWibro(モバイルWimax)体バスにり、高速で走る車の中でもインタネットが自由に使えるWibroを体しながらの展示場到着というイベントもあった。


 


 衛星DMB(モバイル衛星放送)事業者の「TUメディア」はインタラクティブラジオ番組「TUリクエスト」を展示場のオプンスタジオから生放送し、場者のリクエスト曲とお便り放送コを設けて話題になった。


 


 TUメディアの子社である「ハイオンコプ」は世界で初めて衛星DMBと地上波DMB(韓のワンセグ)を同時視できる統合DMBプレ「ハイオンデュオ」を展示した。地上波DMBと衛星DMBを一つの面で同時に見れるPIP(Picture In Picture)サビスも演した。


 


 展示場の中央には最もい面積(269坪)で三星電子ブが陣取った。世界最大102インチのPDPTV、2007年型デジタルLCDTV(ボルドシリズ)、ブルレイDVDプレ、世界で最も薄い携電話ウルトラエディションシリズ、UMPC Q1、デジタルPDPTV(カンヌシリズ)、世界最小型カラ複合機など多な最先端製品を展示していた。


 


 三星電子の展示のなかでも3G携電話やWibroを内蔵し、いつでもどこでも持ちきながらインタネットが使える重さ690gのモバイルPC(senseQ1ウルトラ)に注目する場者が多く、「このサイズでデスクトップと同じ性能を持っているなんて驚いた」との感想が絶え間なく聞こえてくる。


 


 一方、LG電子ブスの主人公はLG電子と海外有名ブランドの「プラダ」が一に制作した「プラダ携」だった。プラダ携はこの展示を通じて韓で初めて公開された。LCDTV、PDPTVといった映像家電も最新製品が勢揃いし、注目を集めた。


 


 「KIS2007」は第1回目にもかかわらず、4日間で10万人以上の場者と30か800人のバイヤ加するなど、大盛況のうちに閉幕した。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年5月14日 vol.1186 載] Link