韓国IT業界は東ヨーロッパに注目 [2007年6月6日]

韓国の情報通信部が毎年やっている独特な事業の一つに海外インターネット青年奉仕団(Korea Internet Volunteers、通称IT奉仕団)という制度がある。大学生、教師、大学教員などが対象で今年は5月20日までに320人を募集した。

 このIT奉仕団は世界の情報化途上国に韓国の先進IT文化と技術を分け合うボランティア活動で、現地での情報化教育、UKorea(ユビキタスコリア、韓国がユビキタス国家へとが発展している様子を指す)広報などが主な活動だ。期間は1カ月から4カ月まで、UN、アジア、東ヨーロッパ、中南米、中近東、アフリカなど35カ国に派遣する。2001年の開始以来、2001年20カ国175人、2002年27カ国206人、2003年42カ国345人、2004年32カ国300人、2005年33カ国320人など毎年大規模なボランティアを派遣している。そもそもは、2001年11月シンガポールで開かれたASEAN+3の首脳会談で韓国が開発途上国のデジタルデバイド解消のためにボランティア活動をしましょうと提案したのがきっかけになった。


 4人チームでないといけないのが厄介なので社会人よりは大学生が中心だが、外国人でも志願できる。学生の間ではただで海外旅行ができるぞ~ぐらいののりで応募する人も少なくないようだが、面倒な応募用書類の作成から始まり、面接を経て、教育までみっちり受けると、みんな使命感に燃えて熱心にボランティア活動をしてくるそうだ。航空券と1カ月の滞在費として約10万円ほどの費用しか支払われないため、団体生活を通して生活を切り盛りすることも貴重な体験だ。IT奉仕団は着実にアジアや中近東、アフリカといった遥か遠い途上国にも韓国はIT先進国というイメージを広げ、2003年からはトルコ、チェコ、ポーランド、ルーマニア、ブルガリアといった東ヨーロッパにも派遣している。


 IT奉仕団の活動には、通信業界を中心としたビジネスへの貢献も期待されている。飽和状態の通信インフラや無線LAN、韓国のKTとサムスン電子が開発した移動しながら高速無線LANが使えるWibroなどを海外に販売するためKT、SKテレコム、KTFといった韓国の通信業者はCEOが直接各国を飛び回り営業している。中国、ロシア、中央アジア、東南アジア、中近東など多くの国が電子政府や都市のインフラ構築を韓国企業に任せているが、東ヨーロッパはまだ未知の世界に近い。だからこそ、ここを商圏に加えることで更なる成長の足がかりをつかみたいというわけだ。ボランティアの派遣を通じて民間での印象をよくし、「ITといえば韓国」というイメージを作る。その結果、韓国企業がビジネスしやすくなるというわけだ。


 東ヨーロッパといえば、この頃の財テクブームにのり「ファンド」も注目されている。去年10月からちらほら販売されるようになったロシア、チェコ、ポーランド、トルコ、ハンガリー5カ国に投資する「東ヨーロッパファンド」にじわじわ資金が集まっていて、中国ファンドの次は東ヨーロッパだ、と騒がれている。5月に入ってからロシアの影響でファンドの収益率はマイナスになってしまったが、年間10%ほどの安定的な収益が見込め、分散投資にいい商品として銀行でよく勧められる。勧められたからとそう簡単に手を出せるものではないが、耳が薄い(韓国では他人の話にすぐ飛びつく、主観のない人を耳が薄いという)筆者は「じゃ、月々10万ウォンで」と加入し、加入した時点からマイナス収益が続いている。やっぱり。韓国の株好景気が続いている今年だって筆者が購入したファンドだけはマイナス収益が続いている。周囲からは「マイナスの手」と呼ばれているのにまたやってしまった。でもファンドを買ったおかげで東ヨーロッパの経済情報とかが目に付くようになったから、授業料と考えようと思う。


 もう一つ、日本ではあまり聞いたことのないフィンランドにあるヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ芸術デザイン大学も韓国では馴染み深い有名大学だ。サムスン電子のライバル、ノキアを育てた国として韓国ではフィンランドを分析した関連本も多数出版されている。ヘルシンキ経済大学のMBAはEビジネスやデザインマネージメント、海外マーケティング分野に特化していて、LG電子の海外MBA指定校にもなっている。ソウル科学情報大学院と提携し、デザイン経営専門MBA課程も運営している。MBA課程の一環で夏休みを利用してフィンランドに行って授業に参加するというのが独特であると人気の秘訣にもなっている。既に12年も前から運営されていて1700人がこのMBAを取得した。


 ヘルシンキ芸術デザイン大学はマスコミやIT業界の専門家を目指す大学院生らに人気の留学先でもある。なぜ芸術デザインなんだ?と疑問が沸くが、実際留学を体験した人に聞いてみると、「フィンランドは世界でも実用的なデザインと経営が有名だよ。それに夫婦であっても1セントまできっちりワリカンする文化や、税金大国らしく福祉は国がするもので個人がするものではないとい一切恵まない実用主義はいい体験になったね」とのこと。何を学んだのかはよく分らなかったけど、韓国とは正反対の国ということだけははっきり分かった。


 ハンガリーやチェコには韓国の自動車や製造業も工場を移転し始めている。EUに加入しているためここで生産した製品は関税なしでヨーロッパに輸出できるだけでなく、EUなのに賃金は安い。ポーランドにはグーグルやIBM、モトローラのR&Dセンターが建てられた。韓国のソフトウエア業界やハードウェア業界もインドよりは東ヨーロッパへの関心を寄せている。今年は当分、東ヨーロッパがキーワードになりそうだ。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070530/273045/

韓国で「セカンドライフ」が盛り上がらないわけ [2007年5月23日]

日本のマスコミに頻繁に登場する「セカンドライフ」。これがそんなに新しいのか?楽しいのか?と思ってしまうのは私だけだろうか。米国や韓国では90年代「SIMCITY」といって、仮想社会の中で神様になった気分で家、病院や施設をどれぐらい建てるかなどを設計し、市民を増やしていくというパソコンゲームが流行った時期があった。このゲームも面白いのはユーザーがゲームの中に登場するアイテムを自分で作れるところだった。

 またブロードバンドが普及してから根強い人気のMMORPG(Massive Multiplayer Online Role Playing Game、多数のユーザーが同時に参加するロールプレイングゲーム)だって、ネットワーク上で色んなユーザーに出会い、ゲームの中のモンスターをやっつけたりミッションを解決したりしながら自分のキャラクターやアバタをカッコよくさせ仮想社会をうろうろする、または次々別の世界へ移動していく。「どうぶつの森」だって仮想社会の中でユーザー同士が出会い、一緒に遊べるし仕事もできるではないか。


 土地を売買するとか、アバターのための髪型や衣装を作って売買できるといったところがすごいというが、MMORPGの世界でもアイテム売買はされているし、アバターをカッコよくするためにお金を使うのは一緒だ。ただこれまでは、売買が会社とユーザー間で行われていて、自分で作るというよりは完成品の中から選択するものだった。セカンドライフはユーザー同士で売買できるし、それで得たゲームマネーを現金のドルに換金するのが合法であるというところは確かに新しい。また、グローバルサーバーなので世界中のユーザーとも出会えるところがいいというが、英語を見ただけで酔ってしまう筆者にはそれがいやでセカンドライフをしてみる気になれない。それって私だけ?


 セカンドライフは韓国語でもサービスされているが、まだパッとしない。欧米ユーザー向けに韓国の企業がセカンドライフの中に支店を作るといったことは報道されているが、「セカンドライフって楽しいよね~」という話はまだ聞こえてこない。オンラインゲーム慣れした韓国では「何をしても自由というのは逆に面白くない。ミッションがあって達成感のあるMMORPGの方が楽しい」といった反応が多い。またアバターで遊ぶネットワークコミュニティーやゲームが下火になり、これらのポジションが女子小学生向けのサイバーままごとに転落したことも影響があるかもしれない。


 もしくは、当時のコミュニティーやゲームでは、アバターの飾るためにはいくつかのパターンの中から選択するしかなかったので、気に入るアバターが作れないといったこともあった。完全に自分が作りたいように作れて、現実の自分より美男美女のアバターを使えるようになればまたブームになるかもしれない。


 しかし、セカンドライフのあのアバターはひどすぎないか?ひと昔前、韓国のアバターサービスがお金を使わせるためにデフォルトは裸や下着だけにしたのもひどかったが、セカンドライフのあのアバターじゃ他のユーザーと出会いたくなくなる。セカンドライフ関連の記事の下に付けられたユーザーのコメントも「いかにもアメリカ的なグラフィックのアバターは怖い」、「韓国人や日本人のアバターなのにどうみても黒人か東南アジア系」などアバターの出来の悪さを指摘する意見が多かった。変なアバターをまともにさせることからセカンドライフが始まるというのは、やはりお金を使わせるための戦略なんだろうか。


 セカンドライフが韓国で人気がないもう一つの理由は法律とも関係がある。2007年5月14日から施行された「改定ゲーム産業振興法」はゲームマネーの現金化やアイテム売買、売買の斡旋行為を禁じている。韓国に会社をおいて正式サービスを準備しているセカンドライフもこの法律が適用され、リンデンドルの換金、セカンドライフの中でのカジノやヌードビーチ、アダルト行為ができなくなる。リンデンラボ側は「韓国のユーザーを対象に本人認証をしてセカンドライフの中にあるセックスショップやカジノの利用を統制する」と発表しているが、どこまで取り締まれるだろうか。セカンドライフはユーザーが好きなように遊べ、あれこれ創作意欲をかきたてられるサービスであるというところに意味があるはずだ。すぐ取り締まることから考えずにもう少しユーザーの判断を尊重してもいいような気がする。その結果、セカンドライフに人気が出るかどうかはわからないが。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070523/271935/

私も訴訟に参加した 韓国で絶えない個人情報流出事件の深層

 私は今、生まれて初めて訴訟というものに参加している。韓国の大手ガソリンスタンドGS caltexのメンバーズカードに加入した1100万人の個人情報が流出した事件で集団訴訟の原告に加わったのである。私の氏名、住民登録番号、住所、電話番号もしっかり漏れていた。(趙章恩)

 この事件は、GS caltexの子会社の社員が金銭目当てで個人情報をDVDにコピーして持ち出したのが発端で、社員が容易に会員の個人情報にアクセスしDVDに記録できるほど管理を疎かにしたとして、GSを相手に4万1000人が集団訴訟を起こした。その1人が私である。



■繰り返し起きる情報流出事件

 集団訴訟については、原告には何の利益もなく弁護士の懐ばかり温めると批判する声も聞こえてくる。しかし、腹に据えかねて黙っているわけにはいかないと思い、訴訟参加を決心した。GSだけでなく韓国のほとんどの企業はマーケティングのために個人情報を過剰に収集しながらもしっかり管理せず、このような事件が繰り返し起きているからだ。


 しかも、流出事件が発生しても、「被害は出ておらず、すでに回収したから問題ない」などと開き直ってしまうところも少なくない。韓国で顧客の個人情報が外へ漏れてしまうことは日常茶飯事、何をそんなことぐらいで騒ぐの?――こういった姿勢を企業が二度ととれないように正したいと思う。


 これまで韓国の裁判では、個人情報の流出に対して企業側に補償を命じる判決がいくつも下されている。ホームページがハッキングされ履歴書がネットに出回ってしまった事件では被害者に70万ウォンを補償する判決、インターネット宝くじの購入案内メールに3万人の個人情報を添付して送信した銀行に対しては原告に20万ウォンずつ補償する判決が下っている。個人情報流出は損害賠償を請求できるれっきとした事件なのだ。


 それにもかかわらず、企業の個人情報流出事件はなくならない。それどころか、被害規模が3万人、100万人、1100万人と、どんどん大きくなっている。



■「国民背番号」の登録が当たり前に


 韓国では、無料ウェブメールのようなちょっとした会員登録でも当たり前のように、住民登録番号を入力させるようになっている。住民登録番号は、出生届けと同時に与えられる韓国の「国民背番号」だ。同時に、企業にとってはマーケティングデータベース(DB)に欠かせない基本データなっている。


 この人はどこに住んでいて何歳で、家族は誰で、どのキャリアの携帯電話を使っていて、車はどんな種類で、保険は何に加入していて、クレジットカードは何枚持っていて、どのブランドが好きで……。こうしたこともすべて、住民登録番号で管理すればとても簡単だ。それを組み合わせて一人一人に合わせたマーケティングを行うことになる。


 IP履歴を使った行動ターゲティングよりはるかに正確な情報と、プライバシーに踏み込んだマーケティングができる。しかし、民間企業が住民登録番号を要求するのは本当は違法なのだそうだ。それを承知で住民登録番号を収集しているのは、その分マーケティング効果が高いからだろう。


 韓国で最も会員の多いマイレージカードサービスを運営している会社は、そうやって集めた個人情報を販売して収益を上げている。クレジットカード会社は、「テレマーケティングや提携者に個人情報を提供してもいい」という欄に同意しなければ、カードを発行しない。


添付画像


韓国ポータルサイトNAVERで会員登録するには個人情報収集などに関する4つの項目に同意しなければならない







次に住民登録番号を入力させる画面が現れる。韓国のネット企業は実名確認のためだけでなくマーケティングのためにも住民登録番号で個人を管理している




個人的には、韓国は住民登録番号があるせいで、逆に個人情報保護がゆるくなってしまったように思う。何をするにも要求され教えるしかない番号なので、大事な個人情報という意識がどんどん薄れてしまうのだ。


 しかし、GS Caltexは、ガソリンスタンドのメンバーズカードのために住民登録番号まで本当に必要だったのだろうか。誕生日を書かせるぐらいで十分だったはず。マーケティングDBとして価値があるからと集めるだけ集めた個人情報は、結局社員によって外へ持ち出され、集団訴訟を招いただけではないか。




■ようやく制定される個人情報保護法


 一連の個人情報流出事件から、個人情報保護法をもっと厳しくし、処罰も強化するべきという声が高まったのは言うまでもない。


 韓国では個人情報保護法という統一的な法律がなく「情報通信網利用促進および情報保護等に関する法律」「公共部分の個人情報保護に関する法律」に分かれていた。そのため、個人情報保護に絞った一つの法律を制定する必要があるといわれ続け、やっと2008年中に制定されることになったのだ。


 11月に国務会議で議決された個人情報保護法案によると、2009年上半期から個人情報を同意なく本来の目的以外に使えなくする。ごく当たり前なことなのだが、今までのように通信会社がネットサービスの契約で集めた個人情報を子会社に回して新規サービスや保険の勧誘に使うなどということはできなくなる。


 個人情報の使用に関する同意についても、必要最小限以上の項目まで個人情報を収集しようとし、それに同意しないとの理由でサービス提供を拒否することを禁止する項目が盛り込まれた。これからは子会社とはいえ、同意なしに個人情報を共有すると5年以下の懲役や5000万ウォン以下の罰金となる。


 住民登録番号のような個人固有の識別番号によるDB管理も禁止され、番号の暗号化が義務化される。国務総理の傘下に個人情報保護委員会が設置され、個人情報保護基本計画と施行計画を立てること、個人情報紛争保護調整委員会を置いて情報流出事件などに対応することも法律も盛り込まれた。



■政府に身元を暴かれた「ミネルバ」


 しかし、法律が強化されれば、これで安心なのだろうか。個人情報保護を強化するという政府自ら、これに反するような出来事もあったからだ。


 「ミネルバ」というIDで韓国経済に苦言を惜しまなかったあるブロガーがいる。韓国政府はその身元を法律的な手続きを経ずに割り出したのだ。報道によると、「ミネルバは50代の男性で海外滞在経験がある元証券マン」で、これを漏らした政府関係者は「間違った情報を広め国民を不安がらせているため、正しい情報を渡すため身元を調べた」という筋の話をしたという。


 誹謗中傷のブログを書いたわけではない。韓国の経済が悪化している、国の経済政策は間違っていると指摘しただけで政府の管理対象になるなど考えられない。


 株価が暴落しウォン安記録が連日更新されるなか、韓国経済は7%も成長すると主張した大統領の言葉は何の問題もなく、韓国経済の危機を予測したミネルバはプライバシーを侵害された。これでは、かつての軍事政権と何が違うのかよくわからなくなった。


 政府に情報を流したポータルは、「約款には、犯罪捜査のため令状がある場合にだけに個人情報を提供する」としながらも、「政府の要求に応じないわけにはいかない」と言い訳に終始している。それを見ていると、この国で個人情報保護などというものは最初からなかったようなものと思わずにはいられない。個人情報保護法ができて罰則が強化されても、あまり変わることはないのかもしれない。


– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  


2008年11月28日


韓国のネット動向 LGテレコム(2007年6月18日 掲載)

地下鉄駅にミニ代理店出店


リビジョンA方式の普及を促進



 


【ソウル KTFとSKテレコムがW-CDMA(携電話の無線アクセス方式の一つ)で第三世代携電話(3G)の普及に拍車をかけている。そんななか、LGテレコムだけがリビジョンA方式を採自方式を模索している。LGテレコムは年末まで全84市を中心にリビジョンAのネットワク構築を完了し商用化にり出す方針だ。



 リビジョンAの速度は上りが1.8M bpsと、HSDPAの384Kbpsより4.6倍速い。2006年下半期から世界的な傾向となっているユ
制作動の共有サイトやコミュニティサイトに動を投稿するのが好きなユにとっては、HSDPAよりもリビジョンAが便利だ。


 


 しかし、リビジョンAの端末が普及しサビスが安定化するには相な時間が必要とされるだけに、LGテレコムが3Gの正式サビスを開始するのは08年以降とみられる。


 


 LGテレコムはリビジョンAの普及に先立ち、全の代理店を体スペスとして活用、運する。


 


 「Phone&Fun」と名づけられた全の代理店では携電話加入、端末販、コンテンツサビス体、バッテリ充電、イベント開催など移動通信と連したサビスを体できるようになっている。


 


 「Phone&Fun」は地下にも出店し始めた。ソウル地下1-4線の構に「Phone&Fun mini」を35店プンした。ユを待つのではなくユのいるところに出向いて新しいサビスを紹介する、というのがLGテレコムの考えだ。


 


 通勤時間や地下を利用しながら「あの新規端末がになる」「このコンテンツの使い方が分からない」など、思い立った時にすぐ気軽に訪問できるところが好評だ。


 


 今年末まで「Phone&Fun mini」を62店、08年末までに82店をオプンする計だ。運時間も地下利用時間に合わせ、午前10時から午後9時までとする。


 


 LGテレコムはかつて、おサイフケタイ「Bankon」の宣と加入者誘致のため、全銀行の支店前やATMの入口に代理店を移動させ、出前代理店として大ヒットさせたことがある。


 


 LGテレコム係者は「地下を中心とする消費空間に入り自な流通網でシェアを伸ばしていけるだろう」と見通しを語っている。“お客に近づく”略に軍配があがるか。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


 BCN This Week 2007年6月18日 vol.1191 載] Link

韓国 LG電子の小型ノートPC(2007年6月11日 掲載)

ドイツで好評博す


高機能、デザインが受ける


 


 


【ソウルLG電子の超小型ノトパソコンがドイツで最優秀製品に選ばれた。ドイツの有力な情報通信マガジンの「チップ」は5月で、10.6インチコンバチブルをはじめとしたLG電子の3種を最優秀製品として取り上げた。同誌は、最近の超小型ノトパソコンを象にデザイン性能・価格など細部評施した。その結果、合点LG電子の10.6インチの「C1シリズ」が1位に、12.1インチの「TXシリズ」と10.6インチの「A1シリズ」がそれぞれ4-5位に選ばれた。


 


 ドイツで好評のノPC「C1シリズ」は、携が容易なタブレットPCでありながらワイド面に3Dグラフィックエンジンを搭載し、タッチスクリンなど操作性に優れた機能を取り揃えた製品だ。ホワイトとブラックが照的な、洗練されたデザインも評を高める要因となったようだ。


 


 A1、C1シリズは韓市場でもベストセラ製品で、超小型のサブノPCにもかかわらず高機能な点が人を得ている。デュアルコアCPU、nVidia最新3Dグラフィック「Geforce 7300 Go」、デュアルチャンネルメモリを搭載、キドは存サイズを採用しているため、サブノトはキドが小さすぎて使いにくいといった不も解消した。


 


 特に韓向けに発売されたシリズには地上波DMB(ワンセグ)受信機能や次世代移動通信サビスとして移動型インタネットにも積極的に対応するためHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)とWibro(Wireless Broadband Internet)モデムを内蔵している。


 


 より鮮明な映像をしむためにFineBrightLCD、豊富な音響を具現する「SRS WOW HD」技術などを採用し、マルチメディア機能も化した。


 


 超小型モデルにもかかわらず、CF(Compact Flash)リを装着、メモリカド、GPS(Global Positioning System)、GPRS(General Packet Radio Service)など多CFタイプモジュルとも連結可能で、カナビとしても使えるPCだ。


 


 このほか、80GB超の小型HDD、外付けのスマルチ光ディスクドライブなどを搭載している。


 


 一方、コンバチブルノトの「C1シリズ」はスクリンを180度回できるタッチスクリ対応LCDとタブレット機能が・営業分野に最適であるとして人を呼んでいる。1.25㎏のさに270ミリ×200ミリ×26ミリの超スリムなデザインも評されている。


 


 LG電子は「携性、デザイン、次世代移動通信機能をすべて揃えたノPCで放送と通信の融合環境のなか、モバイルエンタテインメント市場に対応していく」と明している。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年6月11日 vol.1190 載]Link 


 


 


 


 

第21回:『太王四神記』のストーリーがわからない人のために 10





ヨン様の次回作!? 『神の雫』も期待大です!



みなさん、ヨン様プロデュースの『高矢禮白菜キムチ』は味見されましたか? 私は先行発売の日に購入しようと、新宿の伊勢丹まで走りましたが、あっという間に完売。さすがヨン様です。韓国農協とヨン様のタッグだけに、味も栄養もお墨付きです。ところで、韓国の家庭には、必ずと言っていいほどキムチ冷蔵庫があります。これはその名前のとおり、キムチが発酵しすぎないように保存し、味を保つための冷蔵庫なんです。昔は土を掘ってその中にキムチの壷を埋めて、ほどよい酸っぱさを長く保ちました。今では、どの家庭でもおしゃれなキムチ冷蔵庫が壷の代わりになっています。韓国は、ここ数年ものすごいワインブームで、キムチ冷蔵庫とワインセラーが一緒になったものが人気なんですよ。そしてさらに! ワインブームがヒートアップしそうなお知らせです!


『太王四神記』に続くヨン様の出演作は、『神の雫』だと噂されています。ワインの奥深さをテーマにした、日本のマンガが原作です。ヨン様が大株主になっているキーイーストが、『神の雫』の版元の講談社とドラマ放映権について契約を交わしたようです。もし、ヨン様が企画・主演・制作をこなすドラマになったりしたら、一生の宝物になりますね!ヨン様が制作に関わることになれば、これまで以上に自由にイベントができるようになるかもしれません。 『太王四神記』以上のプレミアムイベントが開催されるといいですね。


ヨン様は元々ワイン通として有名なだけに、出演することになったら、ドラマの中でいろんなお気に入りのワインを紹介してくれそうですね。ヨン様のワインドラマが始まることになったら、韓国=焼酎ではなく、韓国=ワインになりそうです。早速今夜からワインを飲みつつ『太王四神記』のDVDを観直しますか!


そうそう、スジニことイ・ジアさんの新しいドラマ『ベートーベンバイラス(ウィルス)』も、いよいよ9月10日から放映開始。市役所に勤める公務員で、耳がほとんど聞こえないという障害を持っているにもかかわらず、音楽が好きで、オーケストラを結成するバイオリニストの役です。韓国では、『太王四神記』のシンデレラガールと呼ばれているイ・ジアさん。今度の作品で女優としての価値を評価されるだろうと、周囲からちょっと厳しい目で見られているんです。だから、『太王四神記』ファンのみなさんの応援が必要ですよ! 制作発表会には、日本のファンのみなさんが駆けつけてくれてすごく力になったと話していたジアさんだけに、もっともっと応援してあげたくなります。


もうひとつ話題を。ニッコリアの「Today’s Photo」で、ソ・ジソプさんの4年ぶりの主演作、『映画は映画だ』の試写会の様子が紹介されましたが、ご覧になりましたか? その映画には、ヨン様も投資されているんですって。ソ・ジソプさんが映画の成功のためにと投資を決めたところ、ヨン様もこの映画をお気に召されたようで、会社として投資を決めたのだとか。ソ・ジソプさんもステキですが、ヨン様が投資したというだけに興味をそそられます。








    タムドクとホゲは仲直りするの?



    さてさて、『太王四神記』はいよいよ大詰めです。


    スジニは、自分をタムドクの元へ連れて帰るべく、居場所を突き止め追いかけてきたチョロに、「王様の隣にはいられない。自分を探せなかったことにしてほしい」と頼みます。チョロと別れたスジニは、偶然キハを見かけてそのあとを追います。洞窟の中でキハの出産に立ち会うことになったスジニは、それだけでもパニック状態なのに、サリャンから自分がキハの妹で、赤ん坊はタムドクの子であると告げられます。さらに火天会が赤ん坊の心臓を狙っているから連れて逃げてくれとまで!


    この場面のサリャンはかっこよかったですよね。キハのセリフにもあるように、子供の頃から父のようでもあり兄のようでもあったサリャンは、キハのために火天会を裏切ります。タムドクの血を引く赤ん坊の心臓ではなく、別の心臓を長老に渡したのです。失神状態から気を取り戻したキハは、赤ん坊がいないこと、長老が赤ん坊の心臓を持っていることを知り、長老を殺そうとしてサリャンを刺してしまいます。無口だったサリャンが涙を浮かべ「生きてください。必ず生きて。赤ん坊と……」と最後の言葉を残す場面は、スジニとタムドクの別れの場面に負けないほど悲しく切なかったです。サリャンは監視役だとばかり思っていたら、いつの間にかキハを愛してしまっていたのですね。


    長老は、赤ん坊の心臓から流れる血を朱雀と青龍の神物に垂らしても何の変化がないのを目の当たりにして、サリャンに騙されたことに気付きます。


    一方、ホゲ軍には内乱が起こり、太王軍に加わるために半数以上が移動してきます。タムドクは王であるだけに、ホゲ軍も自分の兵士だということに変わりはありません。兵士達が内乱でお互いを傷つけ合う前に助け出さなくては……。キハの出産と同時に脈が不安定になり寝込んでしまっていたタムドクは、兵士達を守りたいという一心で立ち上がります。


    その時、チョロが戻ってきました。チョロを見るなり「スジニは?」と聞くタムドク。やっぱり好きなのは、キハじゃなくてスジニなのね……。もうさっさと愛を告白して、何が何でもスジニを引き止めればよかったのに! でも、スジニのことを長く話している暇はありません。ホゲに虐殺された人々の復讐をしようと、物凄い数の契丹軍がホゲに向かっていたからです。ホゲを守るためには、なんとか契丹軍を止めなくては!


    ホゲを囲む契丹軍。「タムドクからホゲの首をもらうことになっているが、信用できないので自分の手で殺しにきた」という契丹軍の言葉に、ホゲの怒りは燃え上がります。そこへタムドク参上! 「高句麗の王が高句麗の人に会いに来た。これ以上私の邪魔をすると、慈悲は望めないぞ。もっと大きな戦争にならないよう、最後のひとりまで殺して口を封じるしかない。だからそこをどいてくれ」と語ります。


    このあとタムドクとホゲは、見事な剣術で契丹軍をやっつけます。これでふたりの誤解は解けて仲直りをするの? と思ったら、全然! ホゲには、タムドクと仲良くなりたいという気持ちがこれっぽちもないようです。タムドクはホゲに「王とはこんなものだ。一寸先も見えないのに、毎日決定を下さなくてはならない。そして、毎回後悔する」と話しかけます。ホゲの耳には何も聞こえません。


    「俺を殺しに来たのなら早く殺せ」とホゲ。タムドクは冷静です。「こんな王に、そんなになりたかったのか」と言うタムドクに、ホゲは言い返します。「まだわからないのか。俺は王になりたかったんじゃない。お前に復讐がしたかったんだ」……。タムドクは言います。「ホゲ。私がなぜ来たのかわからないのか。私がなぜ、兵士も連れず、ここまで君を追いかけて、この人たちを全部殺さなくてはならなかったのか、それがわからないのか」……。


    ホゲには、タムドクの気持ちが通じません。「お前は俺をあざ笑いたかったんだな。そうか、見てみろ。どうだ。俺がお前の前に跪いて王様とでも呼ぶと期待していたのか」と言うホゲにタムドクは、「やってみろ。跪いて私をまともに呼んでみろ。私が君を殺さなくても済む名分をくれ」と言います。ホゲは過去のさまざまな誤解から解き放たれてはいません。「名分? 母を、父を殺して俺の女の心を殺したお前を王として仕えろって? ぐずぐずするな! 俺の首を切れ!」と叫ぶホゲ。「王命に逆らった罪は許せない。高句麗から追放する。もう高句麗には戻ってくるな」と言って背を向けるタムドクに、ホゲは「まだ終わっていない。待て!」と、卑怯にも剣を投げました。その瞬間! チュムチが身を投げます。チュムチの胸に刺さった剣。チョロがホゲの胸をめがけ槍を投げますが、ホゲが持っていた白虎の神物から光が出てホゲを守ります。そして白虎の神物は目を覚まし、強い光でチュムチを生き返らせました。最後の四神、白虎はチュムチだったのです!


    玄武は暗い怒り、青龍は冷たい慈悲、白虎は純潔な勇気……あと先を考えず身を投げてタムドクを守ったチュムチの純潔な勇気が、神物の目を覚まさせたのです。神物といっても、お腹がすいたチュムチは何の関心も持ちません。「何それ?」という感じです。「これは人間が作れる鉄ではない」と神物をまじまじと観察するパソンのうしろで、タルビに支えられ水を飲ませてもらったりするラブラブの場面もチラッとあり、微笑ましいですよ。








      『太王四神記』はクライマックス! 目が離せません!



      しかしタムドクのほうは、一難去ってまた一難、今度はスジニのことで胸が痛みます。チョロは「スジニを探したが探さなかったことにしてくれと頼まれました」と、ありのままを報告します。タムドクは、だからといってスジニをひとりにして帰ってきたのかと、チョロを咎めます。チョロは「それがお願いでした。私に王様の隣に行って守ってくれと」と言います。タムドクはスジニを放っておけません。「そいつがいたという場所にまた戻っても探せないのか?」と問うタムドクに、チョロは「もういません。これからは私も探せません」と答えます。


      一方、キハはホゲの居場所を突き止め、会いに行きます。「私たちは天に見捨てられた存在。天が見ているのはただひとりで、その人が天の試験をうまく通り抜けることができるかどうか、それだけが重要。私たちはその試験に使われた薪にすぎない」と話しかけます。キハもホゲも、タムドクを燃え上がらせるために使われた薪だと……。キハは誓います。「私はその天と戦うつもりです。これ以上、天が地の人々に干渉できないように……」。


      ホゲは聞きます。「そうしたら、私たちには何が残るんだ。天が去り、人だけが残ったこの地は、そのまま地獄になるかもしれない。私は人を信じない。自分を見ればわかる。人はどこまで醜く残酷になれるのか……」。キハは答えます。「地獄でも構いません。少なくとも、自分の運命は自分で作れるだろうから」……。


      国内城に戻ったタムドクは、貴族が私兵を持つことを禁じ、兵士を太王軍ひとつだけにし、高句麗の5つの部族を太王の元で団結させます。教育機関である太学を奨励し、人材養成にも力を入れます。これでやっと平和が戻るのか? と思ったら大間違い。不死身の火天会の長老が、そうはさせません。今ではチュシンの王のものになった、遥か昔は虎族が支配していたこの地を奪い返すのが彼の目的です。


      火天会の長老とキハは、取引をします。呪術の力でキハの記憶を蘇らせ、タムドクの子をスジニが連れて行ったことがわかりました。スジニと子を生かしておく代わりに、キハはタムドクの心臓と残る2つの神物を渡すと約束します。


      そして、タムドクの元へ秘密の手紙が届きます。百済や周辺国の情勢をタムドクへ知らせ、助けを求めるものでしたが、その手紙には「王様はどんな痛みも1日で治せる方と聞きました」という文章がありました。タムドクは、この文章に引っかかるものがありました。これはスジニの言葉だったのです。「だから、王様とはですね。どんな痛みでも1日で治せる、そんな技を持っていないといけないと思うんです。そして、また立ち上がって進むべき道を進まなくてはならないと思うんですよね。”それでも私に着いて来い。私は王様だ”なんてね」という言葉……。


      スジニのことが頭から離れないタムドク。タムドクはこの手紙を書いた人は、スジニの居場所を知っているのだと確信します。しかし、スジニを探しに行くとは言いません。まずは手紙に書いてあった人を訪ね、その人が望むように隣国の太子を助け、高句麗の味方を増やすのが目的です。


      タムドクがスジニを忘れられず、切ない気持ちを持ち続けているあいだ、チュムチとタルビの関係は着々と進みます。好きなのにいつもモジモジ、パソンに「これからお前は俺のものになれって言えばいいじゃん!」とアドバイスされ、タムドクからは家まで与えられ、みんなの応援を受けてやっとゴールイン! 『太王四神記』の唯一のキスシーンを演じ、実生活でもゴールインすることになったおふたりは、本当にお似合いです。実際のプロポーズもドラマのセリフのように「今から俺の彼女になれ」と言って抱きついたそうですよ。カッコイイ!


      さて、チュムチは新婚生活を送っているというのに、タムドクとスジニはどうなるのでしょうか? 韓国の視聴者たちもみんな、「チュダルカップル(チュムチとタルビ)」の次は「タムスカップル(タムドクとスジニ)」だ!! と盛り上がったものですが、最終回でその夢は叶ったのでしょうか? いよいよ『太王四神記』も大詰め。スジニとタムドクの再会は? キハと火天会の取引は? 最終回が目前なのに、ダイナミックな展開はまだ続くんです。息切れしないで、ちゃんとついてきてくださいね。


      今日この頃のヨン様は、韓国を紹介する本を執筆中! これはみなさんもご存知ですよね。ヨン様の手で撮られた写真集とガイド本の2冊になるそうですよ。世界の家族(ファン)に、美しい景色、文化、料理、人情など、韓国のいろいろな顔を見せてあげたいという願いが込められた本だけに、期待大です! ソウル市清譚洞(チョンダムドン)島山公園の前にあるヨン様プロデュースのレストラン「ゴリラ・イン・ザ・キッチン」の周辺が、区によって「カフェ通り」に指定され、特別な名所として開発されることになりました。写真集の最初のページは、清譚洞になるかもしれませんね。清譚洞一帯は、「ファッション・ビューティー特区」に指定され、パリやミラノのようなファッション観光地として開発されるとのことなので、韓国でもかなり期待されています。


      写真集はこの秋から撮影を始めて、2009年の春頃には出版される予定ですが、待ち遠しいですね。2005年に発売された写真集「The Image Vol.1」が20万部、ヨン様の筋肉の鍛え方を紹介した「100 day’s of Bae Yong Joon」は15万部も売れたとのことですが、今度の写真集は、この記録を遥かに超えそうな予感がします。ヨン様の目に映った韓国の素晴らしい景色や、お気に入りのスポットを紹介してくれる本とのこと。早く見てみたい! ヨン様の公式サイトで「韓国のステキな景色や名所を教えてください」と告知をしたところ、韓国からはもちろん、日本、東南アジア、エジプト、アメリカなど、世界各地の家族から1500通以上のメールがあったそうです。みなさんも、とっておきの韓国をヨン様に教えてあげましょうね。ニッコリアの韓国情報も参考にしてくださるかな?

            BY  趙章恩


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      http://ni-korea.jp/entertainment/essay2/index.php?id=21

      アルファーガールとマザコンボーイ、男女の実力の差を生んだもの [2007年6月20日]

      韓国ではこの頃「アルファーガール」という言葉が流行っている。小さい頃から男女区別なくたくましく育てられ、リーダーシップ旺盛で意欲的で社会でも大活躍している女性のことだ。司法試験、国家公務員試験、教員試験といった成績順で決まる職種は男性より女性が多く、鉄鋼・造船など伝統的に男性の仕事と思われていた業種でも女性が進出し、管理職へも昇進している。

       21世紀を生きる強い女性と「お母さん」なしでは何もできない男性、ここまで差が出てしまった最も大きな理由は「両親の変化」であると言われている。父親たちは「女の子だから生徒会長になれないなんて誰が作ったルールだ。立候補しなさい!」と娘の選挙運動を手伝い、積極的にリーダーになるよう育てる。男の子には「そんなかつかつする必要はない。男だから、という考えを捨てなさい」と教える。


       先日もある大手企業の課長が、「新卒採用面接で圧迫面接をしたら、その男の子の母親がうちの息子をいじめたのは誰だって殴りこみにきた。さらに入社して1年もならない男性社員が突然辞めるというので理由を聞いたら、「お母さんが○○社に転職した方がいいと言ったから」と平然と言うのであきれてしまった。よくグループのCEOが新入社員の母親たちに花束やワインを贈り点数を稼ぐというが、その理由が分かるような気がする」と嘆いていた。


       一方、母親たちの間では強い女性、弱い男性が生まれてしまった理由は「オンラインゲーム」にあるという説が有力だ。男の子たちがオンラインゲームに夢中になっている間、女の子たちは勉強に読書にめきめきと実力を磨き、社会の主役として成長しているというのが男の子を持つ母親たちの嘆きだ。


       今年は6月から過去最高の暑さを更新しているが、夏になると男の子を持つ母親たちはますます不安になる。夏休みの間、塾に行く以外は一日中部屋に閉じこもりオンラインゲームばかりする子どもたちをどうしたらいいのか、今から頭を抱えるお母さんが少なくない。韓国は子供の教育費のために共働きをする家庭が多い。だが、教育のために両親が働いている夏、子どもたちだけが家に残り、どんどんゲームに溺れていく。


       98年、99年のオンラインゲームブームの時は友達と一緒にPCバン(インターネット喫茶のような場所)に行ってわいわい楽しく騒ぎながらゲームをしたが、この頃の小中高校生は特に親しい友達もなく、外で遊ぶこともないままオンラインゲームのキャラクターを育てランキングを上げることが自分の全てになってしまっているようだ。オンラインゲームに夢中になりすぎて現実とゲームの世界を区分できず、すぐカッとなり殺人、傷害事件を起こす中学生が増えているのも問題だ。


       韓国インターネット振興院によると、韓国小中学生の半分以上がインターネット中毒症状を見せているそうだ。インターネットやオンラインゲーム中毒になると鬱になったり情緒不安定になったり自殺率も高くなるという。情報通信部傘下機関の韓国情報文化振興院では一日4時間以上業務以外の目的でゲームをする人を高危険ゲーム中毒者と分類している。2時間以上の場合は潜在的中毒危険者となる。


       警察庁サイバー捜査隊の発表ではサイバー犯罪の45%がオンラインゲームによるアイテム売買詐欺、ハッキング、個人情報侵害で、青少年のサイバー犯罪のほとんどがオンラインゲームと関連があるという。現に、青少年のオンラインゲーム中毒が問題になっているのと同時にサイバー犯罪も5年間12倍以上増えている。また、オンラインゲーム上のチャットでの言い争いが集団暴行事件へと発展するケースもある。


       大韓青少年医学会は「オンラインゲーム中毒も立派な病気。学校を休んでゲームに没頭する、ゲームがしたくて家出をする、そのうち殺人や暴力に鈍感になるといった極端な症状も出てくる。治療失敗率も高い中毒なので早めに病院に来て相談した方がいい」とアドバイスする。


       韓国政府は国家青少年委員会、情報通信部が主導して病院やカウンセラーと連携し、オンラインゲーム中毒予防・治療のため毎年夏休みには無料で参加できるキャンプを開催している。


       米バージニア工科大学での銃乱射事件以来、韓国でも「引きこもり」が重大な社会問題になった。もしかしてうちの子も、と心配する親が病院や心理相談所に駆け込んでいる。病院の薦めで青少年委員会のキャンプに参加した親子のほとんどが純粋でやさしい子だと思っていた自分の子供が、オンラインゲームをできないようにしただけで親に殴りかかり罵倒したりするのを聞いてショックをうけた経験の持ち主。


       ここまで深刻な症状に陥ってしまった子どもたちをどうしたらいいのか。次回は韓国のオンラインゲーム中毒キャンプ事情を紹介する。

      (趙 章恩=ITジャーナリスト)

      日経パソコン

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      http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070620/275297/

      iPhoneのターゲットはずばり日本と韓国? [2007年6月13日]

      6月29日に米国で販売開始となるアップルの「iPhone」に、世界中が注目している。音楽、TVの次は携帯電話と次から次へとユーザーを虜にしているアップルは素晴らしいと、発売予定すらない韓国でもiPhoneが韓国携帯電話産業に与える影響を分析したり、音楽市場の変化を分析したり大騒ぎだ。韓国MP3プレーヤー市場でのiPodのシェアは7%ほどとサムスン電子の「Yepp」、レインコムの「アイリバー」より断然低く、iTunesですらサービスの予定もない韓国でアップルが何かする度に自分のことのように大騒ぎするのはどうしてだろう。それはアップルが世界モバイル音楽市場の4割占めている韓国と日本を狙っているという判断からだ。韓国電子新聞なんて「アップルのiPhone発売は韓国のせい?」なんていう見出しまでつけている。

       2007年1月、市場調査専門のガートナーは「世界モバイル音楽市場規模は2007年137億ドル、2010年には322億ドル規模まで成長するだろう」と発表した。その中でもアジア地域のシェアは2005年41%、2006年42%と最も高く、北米が最も少ない。ここでいうアジア市場は日本と韓国の市場規模のことのようで、SKテレコムやドコモの音楽サービスを事例としてあげている。ガートナーは「現在はまだMP3プレーヤーを利用したダウンロードサービスが主流だが、間もなく携帯電話を利用した音楽利用が主流になるだろう」と予測し、その根拠として「日本と韓国ではパソコンより携帯電話を利用した音楽サービスの方が人気、音楽再生機能が携帯電話の基本的な機能になってきた。安全なサービス方式と簡単な課金方式が人気の秘訣」と述べている。音楽もそうだが携帯電話でほぼ何でも解決できるのは日本と韓国ぐらいではないだろうか。現に、ロシアなんて着メロサービスが始まったのは2006年になってようやくだそうだ。


       もっとすごい数字もある。イギリスのSCREENDIGEST社は2006年末、全世界モバイル音楽市場規模は1億6600万ユーロで、2012年には10倍成長した16億ユーロになると発表し、その60%を日本と韓国が占めるだろうと予想している。なお、2006年末の全世界オンラインダウンロード音楽市場は9億3200万ユーロ。モバイル向けはその6分の1にあたる。当たり前だが、この市場をアップルが放っておくわけがない。


       世界携帯電話シェア3位のサムスン電子は2007年1月、P2P音楽ダウンロードサイトの「SORIBADA」と戦略的提携を結んだ。韓国のモバイル音楽サイトは携帯電話キャリアごとにサービスされているため、番号移動制度を利用すると購入した音楽が全部使えなくなる不便があった。サムスンの携帯電話を利用している人ならキャリアに関係なく番号移動制度を利用しても国をまたがっても一度購入した音楽は続けて利用できるようにし、iPhoneにも対抗するのがサムスンの狙いだ。LG電子も利用者数1位の音楽サイト「BugsMusic」と提携するらしいという噂が続いている。


       音楽サイトにとってはモバイルサービスを提供できれば安定した収益原が確保できる、ベンダーが盾になるので著作権問題も解決しやすいというメリットがある。ベンダーにとってはキャリアに左右されない独立したコンテンツを提供できるので、新たな端末を販売する際の強みになるだろう。韓国は日本と同じくキャリアの代理店でしか携帯電話は販売されないので、現時点では、ベンダー単独ではどうにもならない。だが今後は、欧州式にベンダーのショップで端末を買ってキャリアのUSIMカードを装着するだけになる可能性もある。その時に備え、自社コンテンツを揃えることで「00の端末でないと嫌」というユーザーを増やしたがっている。アップルはまさに「アップルでないと嫌」というユーザーを、焦らず着実に韓国で増やしてきた。


       東京ビッグサイトのような展示場があるソウル三成COEX地下ショッピングモールには韓国で最も大きいアップルショップがある。アップルの全製品を体験し購入できる場所だ。


       アップルのパソコンといえば韓国ではデザインはとても素晴らしいが値段がべらぼうに高く利用方法も難しいというイメージが強かったが、Windowsも使えるMacやアップルTVの登場、値段が安くなったiPodの影響から「アップルって意外といいかも」と関心を持つ人が増えている。実際にいつ行ってもガラガラだったCOEXのアップルショップは根気よくショップを運営し続けた結果、「アップルの製品ってどうして海外では人気なんだろう」と見に来る訪問者が増え、2007年からは平日でもショップは人でいっぱい、アップルパソコンの使い方講座も毎週開催しているほどだ。


       iPodをはじめアップルの製品が徐々に話題の中心になってきたのをみると、iPhoneが韓国で発売される日もそう遠くなさそうだ。2007年5月時点で、約12万円という高価格で発売されているiPhone と瓜二つのLG電子のプラダ携帯。こんなに高くても1日1000台ほど売れているそうなので、これより少しでも安く販売されればiPhoneの勝ちかもしれない。


       サムスン電子はアップルにiPhoneに搭載される4GB、8GBナンドフラッシュメモリーを輸出している。販売実績は既に4GBメモリーで5億個前後で、半導体部門の収益改善につながっている。サムスン電子はアメリカでiPhoneに対抗してタッチキーパッドを採用しながらも99ドルという激安音楽携帯「アップステージ」を発売したが、自社携帯が売れてもiPhoneが売れてもサムスン電子は儲かる。iPhoneの発売は韓国にとって新たなチャンスとなっている。

      (趙 章恩=ITジャーナリスト)

      日経パソコン

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      http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070612/274527/

      韓国、熾烈な大学受験が終わったら受験票持ってお店へGO!

      11月13日、韓国の大学受験が終わった。韓国の過激といえるほどの教育熱は日本でもよく報道されている。今年の大学受験日も公共機関と大手企業は出社時間を遅らせ(受験生が通勤ラッシュに巻き込まれ体力を消耗しないようにという配慮から)、お母さん達は100日前から毎日早朝教会やお寺に行ってお祈りをし続け、受験当日は会場の前で子供が試験を受けている間ずっと祈りをささげる。

       全国各地で試験会場を間違えパトカーに乗せてもらう受験生や、遅刻して駅から会場まで白バイに送られる受験生の姿がテレビニュースに登場し、「あ~あまた今年もいたのか~」なんてみんな笑ったりする。そして毎年受験後のシーズン恒例といえば、「受験票割引大セール」である。日本に冬のボーナス商戦があるとすれば、韓国には受験商戦あり、といった感じだろうか。


       ファミリーレストランやテーマパーク、アパレル、化粧品、映画館、スポーツ用品、オンラインゲーム、旅行代理店、携帯電話、パソコン、MP3プレーヤーなどほぼ全ての業界が、「受験票を見せると映画が無料」、「受験票を見せると○○%割引」や「受験票を見せると○○をプレゼント」というイベントを開催する。オンラインゲーム会社も受験票のコピーをメールやFAXで送ると特別なアイテムをダウンロードできるクーポンを提供したり、利用料を割引したりする。受験マーケティングに熱を入れている業界の一つにエステ、ダイエット食品もあり、テレビショッピングやネットショッピングでは「大学入学までに5kg痩せられるのはこれ!」といった具合に誘惑している。


       しかし、受験マーケティングも、今年は例年に比べ反応があまりよくないという。今世界の経済はどんどん悪いほうへ向かっているが、韓国も例外ではなく、金融不安が加速している。


       ソウルの「アキバ」である龍山(ヨンサン)のパソコンショップや家電量販店は閑古鳥すら鳴かないほど、人の出入りがパタッと止んでしまった。去年の今頃は受験を終えた受験生と保護者がノートパソコンを買いにきたり、デジカメを買いにきたりして人で溢れかえっていたのに、今年は激安セールもその甲斐なし。受験票を見せるとパソコンの組み立て代を無料にしたり、メモリーのアップグレードを無料にしたり、ノートパソコン購入者にはWebカメラや専用バッグをプレゼントしたりしているが、何よりも見に来る人すらいないので売りようがないというのが現実だそうだ。たまにやってくる客も見るだけ見て、「ネットの方が安い」といって買わずに帰ってしまうという。龍山(ヨンサン)の駅ビルや量販店には空き店舗も増えてきた。


       そんななか、量販店は、値段の安いIT機器がたくさん発売されていることに期待をかけている。ノートパソコン、MP3プレーヤー、スマートフォン、デジカメ、カラープリンターなど、「大学生になったらこれは絶対必要!」、「受験を終えた子供にこれだけは買ってあげたい!」などと、連日広告している。どんなに景気が悪くても、子供や孫のためにはお金を惜しまない親や祖父母を刺激している。


       中でも人気の商品はモバイルインターネットが使いやすくなったスマートフォン携帯電話、それに値段がぐっと安くなったネットブック。既存のノートパソコンは安くても8万円ほど、ハイエンドだと20~25万円はする高級品、ぜいたく品だった。それが、ネットブックなら、機能は少なくなったけどインターネットにメールにレポート作成には十分な代物が4~5万円で買える。


       さらに、ネットショッピングの関係者らは、広告や流行に敏感な10代にとっては機能よりデザインや持っているとかっこよくみえることの方が重要だそうで、ネットブックも必要だからというよりは流行っているから買ってみたいというニーズの方が高いそうだ。


       携帯電話に音楽再生機能がついても、MP3プレーヤーは相変わらず韓国大学生の必須品だ。MP3プレーヤーは、ラジオ受信や液晶を省いた、音楽再生だけにこだわったシンプルで安い4000円ほどのものが売れているという。2GBほどの容量で、デザインは動物やイラストが描いてあったり、カラーも豊富なので、何個が買っておいてその日のファッションに合わせて首にかけるというスタイルが好きなようだ。


       携帯電話はノートパソコンやMP3とは違ってハイエンドなタッチスクリーンにスマートフォンばかりで最高値競争のようになっているが、それでも受験マーケティングの波に飲まれてなのか8~10万円はする端末でも勢いで買ってあげてしまう親も少なくない。11月末にはさらに値段の高い新機種が続々発売される予定なので、逆に今のうちに買ってあげた方がいいかもしれない。


       受験マーケティングからクリスマス、お正月マーケティングへと、このままうまくつながるといいが、この冬を乗り切れない店舗もどんどん出てくるだろう。受験生が希望の春を待つように、龍山IT量販店街にも春が来るといいのだが。

      (趙 章恩=ITジャーナリスト)

      日経パソコン
      2008年11月26日

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      http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20081125/1009978/?f=col

      韓国 ポータルの社会的責任を強化(2007年6月25日 掲載)

       ポタルの社的責任を


       


       


      行きすぎた法規制に反


       


       


       


      【ソウル】一日平均1500万人以上がアクセスする大手ポタルサイトにして、自動索サビス提供の義務化、即時け出ボタン設置など社的責任と義務を化する容の法規制が、本格的に推進される。



       NAVER、DAUM、NATEといった大型ポ
      タルは行きすぎた規制は市場の展を阻害すると反しているが、索サビス事業者(ポタル)法が制定されれば、大型ポタルが牛耳っているインタネット情報流通市場が構造的な化を遂げるのではないかと注目されている。


       


       法案ではまず索サビス事業者を管理するため存の申告制から情報通信部への登制にえようとしている。主な容は即時け出ボタンを設置して、名誉毀損や個人情報侵害をすぐに申告できるようにし、一定規模以上のポタルサイトには自動索サビスを義務化する。


       


       即時け出ボタンは一度のクリックで申告受付保存の機能を持ち、索サイトの初期面と各示物ごとに容を申告しながら、同時に証も保存できるようにする。名誉毀損やわいせつ、個人情報侵害、不法著作物などをけ出てもその後の理が不透明だったのが際で、これからはけ出事項にして法律的責任所在を明確にし、誰がどのような置を取ったのかをユに知らせる。


       


       一方ポタルサイト側は、このような法案にして自動索サビスの念が明確ではなく、名誉毀損や著作問題は存法でも規制できるとして、これは行きすぎた規制であり市場を阻害するものと反している。


       


       韓最大ポタルのNAVERを運するNHN社は、最近公聴会で「すべてのコンテンツに即時け出ボタンを設置すると意的なユの申告により事業者の業務に負担をえ、表現の自由も侵害される可能性がある」と主張している。


       


       情報通信部も5月から「ポタル規制タスクフォスチム(TFT)」を結成し、11の小規模作業班を構成し分野別規制策を準備している。各作業班は情報通信部はもちろん韓情報社振興院など傘下体、界、業界門家などで構成されている。作業班代表らは隔週に一度議を行い、進捗況と主なイシュなどを議論する。


       


       キドランキングも世論操作手段として用されるのを防ぐための策が議論されている。特に今年は大統領選など敏感な政治的イシュを控えているため、さらに策の必要性が高まっている。索キド操作を門的に手がけている業者もいるほどで、同じキドを何万回も入力してランキングを上げる行を防止するための策も必要だ。


       


       情報通信部はポタル事業者の不公正行しては公正取引委員との業務衝突を考慮し、特別法の代わりにガイドラインを制定する予定だ。長期的には電通信事業法改正を通した通信委員の役割化も必要であるとTFTは意見を提示している。



      趙章恩(チョウ
      チャンウン=ITジャナリスト)


       


      BCN This Week 2007年6月25日 vol.1192 載] Link