中国デジカメ市場 三星テックウィンが躍進(2007年6月25日 掲載)

デジカメ市場 三星テックウィンが躍進


 


 


キヤノンに次ぐ第2位の座に


北米市場でも販売増


 


 


【ソウル】韓産デジタルカメラが中市場で躍進を遂げている。三星テックウィンの表によると、2007年5月の中デジカメ市場で、テックウィンはキヤノンに次ぐ19%のシェアを獲得し2位となった。昨年末のシェアはキヤノンが25%、ソニ20%、三星テックウィンは17%で、テックウィンは05年に51万台、06年では126万台を販した。同社は今年末までに23%のシェア獲得をげ、首位奪取に意欲を示している。


 


 デジタルカメラの世界成長率は、年率約5-8%だが、中市場は前年比90%以上の急成長を遂げている。世界に占める中市場は10%以上とされ、台規模は約1240万台と予想されている。


 


 中市場での三星テックウィンのシェアは、06年3月までは15.8%にすぎなかったが、「VLUUiシリズ」を発売してからシェアが急上昇した。このVLUUiはデジカメにMP3再生機能とメモリを利用して映やドラマを再生できる動再生機能が搭載されているのが特だ。中の顧客は、韓のように基本機能だけの低格商品よりもスリムで高機能なプレミアム商品を好む傾向にある。VLUUiはカメラから直接モデムを差み、HSDPAでネットにつなげ写真や動を送信できる機能を搭載している。


 


 テックウィンは3月、天津に年間1200万台の生産能力を備えた工場を本格的に稼させると同時に、現地法人を通じて流通構造も化させ、攻的なマケティングに着手した。4月からはブランドイメ化のため韓流人スタ、チャンドンゴン氏を起用した告も大的に始めた。


 


 テックウィンのファンチュンヒョン常務は「中は今後の成長率からみても米州よりも重要な市場である。韓4倍、世界の10%を超える市場規模であることも魅力的だ」と話した。


 


 一方、北米市場でもテックウィンは07年だけで490万台のデジカメを出荷し、10.6%のシェアを獲得し4位に浮上した。IDCの調査によると07年5月の北米市場は、1位がキヤノンで21.1%、2位はソニ16.3%)、3位はコダック(13.2%)、4位は三星テックウィン(10.6%)、5位はオリンパス(9.1%)、6位はニコン(6.7%)だった。


 


 テックウィンのシェアは、前年同期に比べて7ポイントも上昇しており、ウォルマトのほかにべストバイオンラインに製品を流通させ、大型門店を中心とした流通チャネルへと多化させた結果といえる。市場の成熟化にともない買い替え需要に照準をあてたことも奏功した。


 


 テックウィンのVLUUiシリズは、07年に北米のTIPA(Technical Image Press Association)賞を受賞するなど製品の優秀性が認められた。グルLCD、バッテリ、メモリなど主要な中核部品の開ができる点が同社のみで、今後もデザインや差別化された機能で中、北米、州、ロシアやシンガポル、香港、メキシコなど12かにある三星電子法人を通して流通させていく。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年6月25日 vol.1192 載] Link 


 


 


 

有名女優の死とネットの匿名性

有名女優の死とネットの匿名性

2008年11月12日, 朝日新聞社


 


 インタネットの匿名・実名の問題は、ネット大で大きな議論に展しています。「民的女優」と呼ばれた崔真実(チェジンシル)さんが10月、ネットでの書きみを苦に自殺したと報じられたのがきっかけです。


 


 ある俳優が借金を苦にして自殺した事件が先に起き、貸していたのは崔さんだというデマがネットに書きまれました。それがネットの中でまたたく間にがったのです。


 


 事件の特の一つは巨大ポタルサイトが主要な舞台になったことです。IT評論家で日韓のネット事情に詳しい趙章恩(チョウチャンウン)さんによれば、人口約4900万人の韓で、1日あたり3千万ペジビュの人サイトが舞台になったため、多くの民が崔さんへの中傷を目にしたということです。


 


 韓のネットは名制といわれます。しかし前述したポタルサイトやニュスサイトに書きむには、登名でなければならなものの、少なくとも前者への書きみは匿名のIDで可能です。


 


 事件を受け、韓の政府・与党からは、名表記を化し、明白な中傷の場合は本人の告訴がなくても査できる法改正の動きが起きる一方、野党からは表現の自由を脅かすと反が上がりました。(丹治吉順)


Link
http://www.asahi.com/digital/watch/TKY200811110232.html

新兵生活も公開、韓国の賢い軍生活にはネットが必須品 [2007年7月4日]

韓国の男性がどうしても避けられないもの、それは2年間の徴兵だ。自ら申請して海軍(2年2カ月)か空軍(2年3カ月)に入隊するか、または試験を経て学生将校(ROTC)や米軍基地で勤める(KATUSA:Korean Augmentation Troops to United States Army)もあれば、普通に身体検査の結果によって現役(陸軍)か公益要員になるか、期間は3年と長くなるがIT企業に勤務する方法もある。どっちにしても30歳になる前に行かなくてはならず、徴兵を済ましていないと海外旅行や留学の手続きが難しくなる。

 もちろん徴兵を免除される人もいる。両親が亡くなった一人息子、両親が60歳以上の一人息子、2代続けて一人息子、養う家族が3人以上いる場合。そのほか、心臓病、右手の人差し指がない(銃が撃てない)、肥満、痩せすぎ、視力、精神病、性転換など身体検査の結果によっても免除されるが、正当な理由で免除されたとしても韓国で軍を体験していない男性はとても肩身が狭い。


 韓国の女性が最も聞きたくない話は軍の話、サッカーの話、軍でサッカーした話というほど、韓国男性の軍での苦労話は終わることがない。男性同士でも軍で苦労した話で盛り上がり、一体感を感じるようで、免除された人は仲間に入り辛い。同じ部隊にいた同期は戦友として一生の友達になるし、社会人になってからも頼りになる人脈だ。


 韓流スターと名高いソン・スンホンは筋肉マンとして人気を集めながら軍を免除され大変な騒ぎになったが、後でワイロを渡して免除されていたことが発覚し芸能界引退、一生憎まれ者になるのではないかといわれていた。今年ソン・スンホンは無事除隊し、日本で積極的にファンミーティングなどをやっているが、韓国ではまだ風当たりは冷たい。


 5年ほど前には人気歌手で同じく筋肉マンのユ・スンジュンが「僕は大韓男児として海軍に入隊します!」と言いながら国籍をアメリカに変えて徴兵を逃れ、大問題になったことがある。ユ・スンジュンは嘘つきと社会的にバッシングを受け韓国政府も入国拒否者のリストに登録して空港で送り返したこともあった。彼は今でも韓国芸能界には復帰できていない。いい例もある。日本でも有名なクォン・サンウ。彼は芸能界デビュー前に徴兵を済ませた。新兵教育助教として凛々しく勤める当時の写真がネットに出回り、高感度が急上昇した。


 避けられないなら楽しめと、どうせ入隊するのなら賢く軍生活をしたいと大学生の間では徴兵情報を集めたネットコミュニティや関連書籍が大人気、ウィキペディアのように口コミ軍隊辞典のようなものも登場している。


 軍でもこれから入隊する大学生や新兵の家族のために、軍生活を一部ネットで公開し始めた。陸軍はポータルサイト「DAUM」に「陸軍は我々の友達」というコーナーを作り、部隊別3435ものコミュニティを開設している。


 中でも訪問者数が多いのはウルジ部隊のコミュニティだ。2006年4月のオープン以来、毎日2000人以上の家族や友人が訪問しては手紙を書き残している。コミュニティの掲示板に登録された手紙やメッセージはプリントして毎日就寝前に兵士達に渡される。平日は300~400件、週末は500~600件の手紙が登録されている。家族のために兵士達の軍生活を収めた写真も毎日アップデートされている。韓国も一人っ子が多いので、大事な自分の子供が寂しがりはしないかと毎日何通も手紙を残す熱血ママ達が主な訪問者だ。軍生活の疑問に答える掲示板もあり、訓練の内容や食事の献立、部隊周辺の天気に至るまでママ達の質問はきりがない。


 空軍は「将兵生活白書」というWEBマガジンも制作している。「初めての休暇、彼女と並んで歩くとき、つい左、右、と足をそろえて歩いてしまった」、「軍隊に入る日、泣いていたお母さん、でも4回目の休暇、家に戻ると家族は誰もいなく『また休暇なの?』と言われた」などの経験談をコミカルに写真とセリフでマンガのように制作したもので、彼氏が入隊した若い女性やお母さん達に人気だそう。


 部隊内にPCバン(インターネット喫茶のような場所)があるところも増えた。除隊後のことを考えEラーニングで資格を取ったり、自分のブログを管理したりと、社会と断絶されることはない。軍の面会も以前は月に一度部隊を訪れないと出来なかったのが、この頃はTV電話や画像チャットを利用して毎日できるようになった。


 軍に行きたくないとただ嘆くのではなく、2年を有効に過ごそうと一生懸命訓練に参加してダイエットに成功、筋肉もりもりのスポーツマンに変身した人のこともよく紹介される。陸軍にはダイエット部隊もあるそうだ。


 北朝鮮とまだ休戦状態なのに軍隊を軽く考えすぎていると懸念する声もあるが、軍を忌避せず自分の人生のために必要な場所と認識してくれる明るい軍隊文化の方が戦闘力もよくなると思う。


 次回は軍に行った彼氏を待つ彼女達のための特別なネットビジネスを紹介しよう。


  • ポータルサイト「DAUM」
  • 韓国陸軍ウルジ部隊のコミュニティ
  • 韓国空軍将兵生活白書


  • (趙 章恩=ITジャーナリスト)

    日経パソコン

    -Original column
    http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070703/276540/

    夏休みキャンプでオンラインゲーム中毒治療 [2007年6月27日]

     深刻な青少年問題になっているオンラインゲーム中毒問題を解決するため、韓国ではオンラインゲーム中毒予防・治療キャンプが盛んに開催されている。代表的なオンラインゲーム中毒治療キャンプは政府機関である国家青少年委員会が大学病院らと共同で開催している「デジタルリーダーキャンプ」、「治癒の森キャンプ」である。


     小学校4年生から中学3年生を対象としていて、9~12日間ほどパソコンのない森の中で生活しながら、オンラインゲーム以外の遊び方や友達とのコミュニケーション方法を学ぶ。両親に無理やり連れて来られた子どもたちは大体2日目からはパソコンのない環境を受け入れようとするが、12日間にも及ぶキャンプの間、全く改善されずカウンセラーに暴力をふるい、他の参加者と一切会話をしない深刻な症状の子どもたちも多いという。


     オンラインゲーム中毒になった子どもたちは他の人と一緒に何かをすることを嫌がり一人でいるのを好む。そのため、キャンプではまずグループ相談とグループ活動に重点をおいたプログラムを実施している。7~8人のグループに分かれ、自分の中毒経験と考えを話し合い問題点を探したり、将来の夢や家族のことを絵に描いたりもする。


     青少年委員会の担当者の声を聞くと驚かされる。


     「子どもたちに将来の夢は何?と聞くとほとんどがプロゲーマーやプログラマーになりたいという。その夢を叶えるために何をしたらいいか聞くと、とにかくオンラインゲームをたくさんやればいいと答えるので驚いた。グループ相談の中では、『プロゲーマーになるためにはパソコンについても勉強しないといけないし、オンラインゲームの構造についても知っておくべきだし、オンラインゲーム開発を教える専門大学に行くのもいい。ただ、そのためにはゲームの時間を減らしてまずは大学に行けるよう勉強しないといけないね』と自分達の口からそういう話がでるよう誘導する」。


     団体活動は川で水遊びやスポーツを楽しむほか、心理劇やダンスフェスティバルを子どもたちが企画して開催することもある。これらの経験を通して、友達とのおしゃべりのように、ゲーム以外でも面白いことがあるということに、改めて子どもたちが気づくという。


     韓国情報文化振興院が無料で開催する「インターネット休憩学校」も中学1年生から高校2年生までが対象で、毎年夏休みに開催されている。


     国家青少年委員会はソウル病院、ソウル市小児青少年精神保健センターと共同で、「インターネット・オンラインゲーム中毒青少年のための家族キャンプ」も開催している。このキャンプは中毒により家族と断絶された子供がもう一度家族の一員として仲良くコミュニケーションできるよう家族全員が参加するキャンプだ。親にも子供がオンラインゲームに夢中になりすぎている時、効果的にそれを止められる指導法を教える。


     こうしたキャンプの参加費用は交通費だけ負担すれば全て無料だ。


     ソウル大、中央大、延世大学、漢陽大学病院の精神科は共同でインターネット中毒プログラムを開発し、大韓医師協会は「クリーンインターネットとメディアを希望する集い」のホームページを開設し、オンライン相談を受け付けている。


     国家青少年委員会は「1388」インターネット中毒ホットラインも運営している。24時間いつでもこの番号に電話をかければ専門家が相談にのってくれる。全国には137の青少年支援センターもあり、直接訪問して1対1でのカウンセラーと面談もできる。だが自分で中毒と気付く中毒者はいるはずもなく、このような支援センターに来るのは無理やりお母さんに連れられて送り込まれた子どもたちだ。


     国家青少年委員会の媒体環境チームは「成長期の子どもたちがインターネットやオンラインゲーム中毒になると、学校にもなじめず正常な成長も妨げられる。その結果国家競争力にも問題が発生する恐れがある。委員会では中毒を予防し治療するため医学界、カウンセラー、教育専門家と多角的な方法を模索している」と話す。


     また国家青少年委員会はオンラインゲーム中毒防止のためにはゲーム会社の参加も重要であるとみている。未成年者のゲーム利用時間や決済内訳を保護者に通知させることや、保護者が設定すれば一定時間以上ゲームができないようにするなど、法律として規制する法案まで考えられている。


     韓国IT産業の中で最も稼ぎがいいオンラインゲーム。産業としては育てたいが中毒も深刻な状況だし、情報通信部も大変だ。この際、オンラインゲームの海外市場進出は、中毒予防措置(場合によっては治療キャンプ付き)を施した形で行ってみるというのはどうだろうか。


     参考までに、以下が韓国情報文化振興院が推奨しているオンライン中毒予防10大守則だ。


    (1)パソコンは家族が共同のスペースに置く。
    (2)放課後やるべきことを終えてからパソコンの電源を入れる
    (3)一日のパソコンの利用時間を決める
    (4)学習のためのインターネット活用を増やす
    (5)オンラインゲームは一度に1時間以上利用しない
    (6)パソコンの使用時間と内容を記録する
    (7)有害情報と思われるメールはそのまま削除する
    (8)オンラインゲーム中は食事やおやつを食べない
    (9)オンラインゲームのせいで寝る時間を減らさない
    (10)趣味、運動、文化活動の時間を増やす

    (趙 章恩=ITジャーナリスト)

    日経パソコン

    -Original column
    http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070626/275945/

    <ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>20.今回のテーマ■グリーンIT(下)

    花開くCO2削減アイデア


    民レベルの取り組みで


     


     


     製品を製造し、あるいは消費しながら、私たちは大量のCO2を排出する。そのCO2の量を「炭素の足跡(Carbon Footprint)」と呼ぶそうだ。IEA(際エネルギ)が表した主要家別CO2排出量を見ると、2005年の韓4億4891万トンで世界8位。年、民一人あたり4000本の樹木を植えない限り「炭素の足跡」を消せないほど深刻な問題になってきたとして、政府が率先してCO2排出を削減できるアイデアをあれこれ表してきた。



     そのなかで面白いのは「炭素キャッシュバック制度」である。家電製品や携
    電話、パソコン、プリンタなどIT製品を購入する際に省エネ認定製品を購入すると、購入金額の%がマイレジとして貯まり、交通機や大手スで使えるようにするキャッシュバック制度である。08年11月中に開始される予定で、政府機のエネルギ管理公SKマケティングカンパニの提携で運する。添付画像


     


     自治体も「炭素キャッシュバック制度」を導入していて、主婦たちが活加している。ソウル市から南へ4時間ほどの距離にある光州市では、5月に「二酸化炭素銀行」が登場した。月の電使用量を銀行に登すると、前月比で節約した分をポイントに換算して積み立て、現金と同じように地元スなどで使える。こうした特典が人となって地を中心に加入世え、08年9月時点で約2万世が登した。ソウル市江南も「地元炭素ポイント制度」を運している。241kwhを節約すると1000ウォン(約80円)が貯まり、役所が運する育プログラムや施設利用料として使えるようにしている。


     


     09年からは大型スなどで、製品を製造するために排出されたCO2排出量をパッケジに表示する「炭素成績表示制度」も始まる。消費者が興味を抱けば、メCO2排出量がより少ない製品を開するだろうという狙いだ。まずコカラ、アモレパシフィック(化粧品)、リバト(家具)、LG電子など大手企業10社を象にテストサビスを開始し、08年末までに排出量認証基準を確定する計である。


     


     炭素キャッシュバック制度導入で「エコ買い替え」もえるかどうか、韓が世界のテストケスになりそうだ。

    (趙
    章恩●取材/文)


     


    BCN This Week 2008年11月24日 vol.1261 載]  Link


     


     


     


     

    [東京留学生活] エゴマ薬膳鍋!超おいしい韓国料理発見!

    留学生となり、私にとて神様=仕事くれる人、おごってくれる人、になってしまった~~~


    なんて単純な人生だ~


    KDDI総研にも神様がいるよ。私の歴代恩人の中の一人で学校の先輩でもある藤原さんだ~私が留学できたのは藤原さんのおかげだからね。人生を変えた神様だよ。


    それで、先日日本で超有名な会社の神様に栄養補充と高級料理を山ほど(大食い大会状態)おごってもらったのだが、その中で一品、みんなにぜひぜひ食べてみて~~~とお勧めしたいのがエゴマ薬膳鍋!!


    も~これが忘れられない味なのさ!


    えごまをすりつぶして、豆乳なべのようにしたものは韓国にもあるけど、みんな肉が入っているからすごくクドイというか、胃もたれする。でもこのエゴマ薬膳鍋は、えごまととうふをミキサーでかけたようなとろみのあるスープに、きのこ、こち、葉っぱ(小松菜??)が入って、後味さっぱり!お腹の中がぽかぽか暖かくなるんだ!


    そのお店は「百済」、新宿ゴールデン街の近くなんだけど、外の雰囲気とは全然違ってすごく上品だよ。高いし。


    www.kudara.jp

    – BY  趙章恩

    Link
    http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/

    韓国のWeb2.0は第3ラウンド――UCC大ブレイクからポータルの反撃へ













     21日、NPO法人「アジアITビジネス研究会」が都内にて部会を開催し、RBB NAVi「現地直送!韓ドラ事情」でもお馴染みの趙章恩(チョウ チャンウン)氏による「世界に先駆ける韓国のWeb2.0ビジネスモデル」と題した講演が行われた。

     「アジアITビジネス研究会」は、アジア地域での国境を越えたビジネスの活性化などを図る目的で設立されたNPO法人である。また、同NPOの顧問を務める趙氏は、日韓における企業の市場調査や事業進出支援などを多数手がけ、両国のIT市場に非常に詳しいプロデューサーである。本講演では、韓国インターネット/モバイルの利用状況から、韓国国民を夢中にさせているUCC(User Created Contents:ユーザー参加型コンテンツ)まで、韓国におけるありとあらゆるWeb 2.0サービスが紹介された。

    ◆韓国人は3歳からインターネットに慣れ親しむ

     韓国では、30代までのインターネット利用率が非常に高く、10代ですでに97~98%に達する。3~5歳の幼児のインターネット利用率も50%を超えており、物心ついた頃からマウスを操作していると言う。

     インターネットの利用時間は1日平均2時間。2006年全世帯の通信費は飲食・宿泊費を上回ると言う。これが家計の圧迫要因にもなり、キャリアに対する値下げ運動が起こっているようだ。またインターネットの利用時間は19時~22時台にピークを迎え、このピーク時間を避けるためにテレビのゴールデンタイムが23時台にシフトしたというほど、インターネット利用が普及している。

    ◆テレビ報道よりもネットの口コミを信じる人が増加

     韓国インターネット振興院の調査によると、ブログなどの投稿記事にコメントを書いたことがある人は全体の45.5%と、韓国人のネットコミュニティ活動に対する参加意識の高さがうかがえる。

     またネットの口コミを重視する傾向があるというのも特徴的だ。テレビ報道は規制がかかることがあるが、ネットコミュニティでは個人が自由かつ即時に情報発信できることから、テレビよりも投稿サイトなどでニュースをチェックする人が増えているという。実際、あるいじめ事件に関する動画投稿が115万人以上に視聴され、さらに300万人以上に外部リンクで視聴された結果、視聴した人からの通報で事件翌日には加害者が特定されたそうだ。テレビでのニュース報道がその後になったことが、ますますテレビ報道の信頼性を下げることになったという。

    ◆韓国のWeb2.0は第3ラウンドに

     韓国ではWeb2.0という言葉が出てくる前から、UCCが登場していた。趙氏によると、2000年にはすでに、テキストベースのニュースやQAサイトが、また画像系では写真投稿サイトや、ブログ/アバター/SNSが1つになった「CyWorld」に代表されるコミュニティサイトが人気になっていたという。

     昨年2006年は第2ラウンドに位置付けされる年で、「PandoraTV」や「AFREECA」など、UCCからさらにSCC(Seller Created Contents)、PCC(Proteur Created Contents;Proteurはプロとアマチュアの間を表す造語)といったビジネスに直結する動画配信などが活発化した。こうした動画配信の活発化で「地上波視聴率が大幅下落した」(趙氏)。

     そして2007年下半期以降、第3ラウンドとして「ポータルの反撃」が起こるだろうと趙氏は言う。動画専門サイトのあまりの人気ぶりに危機感を持ったポータルサイトが、自サイトでの新しい動画サービスを投入してくるというのだ。

    ◆マーケティングの限界がユーザーを巻き込んだUCCの発展に







    趙章恩(チョウ チャンウン)氏 
     韓国のUCC市場活発化の背景として、趙氏は「インターネット検索でありとあらゆる情報を見つけられるようになり、ユーザーが賢くなった。ちょっと新しいくらいのサービスでは喜ばなくなったし、韓国の国民性もあってか、面白い動画があってもすぐに飽きて別のコンテンツへ移動してしまう」と語る。またオンラインマーケティングに関しても「使えるビジネスモデルをすべて使い果たし、限界が見えていた」と言う。そこで「ユーザーを巻き込んでユーザーにコンテンツを作らせてしまおう」という考え方を持った企業と、「自分でやってみたい」という欲求を持っていたユーザーのニーズが合致した。

     「軍事政権のように上層部だけが情報を握るのではなく、誰もが平等に情報を取得できる時代。ニュース記者がチームや個人でブログを持ち、別の角度からも情報を発信するようになり、ユーザーは様々な情報をシェアリングできるようになった」(趙氏)。今ではユーザーが作るように巻き込まないと収益は生まれないのではないか、とまで言われているそうだ。

    ◆韓国の代表的UCCサイト

     以上のようなことから、韓国では多数のUCCサイトが登場しているという。趙氏が講演の中で言及したサイトのいくつかをここで紹介する。

    ・「DAUM」のTVpotは、動画を無制限で登録できるようにし、毎日人気ランキング5位まで現金10万ウォンを進呈することで動画を集め、動画の前後に流れる広告で収益を得ている。

    ・ポータルサイト「NAVER」は、動画検索サービスを提供し、UCCのみならず有料動画も対象とし、さらに場面検索にも対応したことで人気となっている。

    ・「CyWorld」は、今春から「CyWorld2.0」の提供を開始したが、3つのIDを使い分ける複雑な機能がユーザーにはあまり受け入れられていないようだ。広告に関しては、自分だけに見える動画広告の視聴でポイントを「ドトリ」(どんぐり)と呼ばれるサイバーマネーで受け取れるようになっている。

    ・「Yahoo!」は、動画のタグ検索サービスを提供したが、不適切な動画を放置したことが問題となりサービス中止に追い込まれたという。

    ・「Pandora.TV」は、動画販売を行っており、地下鉄や病院、銀行などでも流れている。こうして販売した動画の著作権者に広告料の一部を支払ったり、個人の動画制作のサポートするなど、PCC市場を活性化させている。

    ・「AFREECA」は、リアルタイムストリーミングの個人放送を提供しており、個人がテレビショッピングのように商品紹介することで報酬を得るモデルを取り入れている。

     このほか、行政が環境保護に関するUCCを公募したり、eラーニングなどでのUCC活用も事例も見られるとのことだ。

    ◆UCCのビジネスモデルは広告収入から次のステップへ

     韓国のUCCは、ビジネスモデルとしてはまだまだこれからとの見方はあって、現状は広告モデルが多いという。今後は広告媒体としての利用や有料チャンネル、コンテンツ販売での利用のほか、UCCサービス向けのサーバ構築や、UCCの撮影に便利なデジタルビデオカメラなど関連産業へもビジネスモデルが広がりつつあるという。

     このようにUCCが普及して、ユーザーによる情報の活発な共有が行われている韓国であるが、もちろん著作権や、引用権(既存コンテンツの編集やモノマネ等)といった問題も多く、ガイドラインの策定が進められている。また個人のプライバシーを侵害するようなコンテンツを規制するために、7月からは実名制度が導入される。

    ◆何でも2.0?

     Web2.0発展のためには、「無断コピーやプライバシー侵害、暴力映像などは規制しきれるものではなく、取り締まるよりも、ユーザーが違法なことをしないで済むように、たとえば、サービス提供元が著作権料を払うなどして、100%ユーザー自身が作れる環境を用意できるように少しずつ変えていくことが求められる」と趙氏は語る。

     「関係者が連携して一緒に発展できるようにすることも大事。ポータルだけが儲かったり、利益を独占しないこと。キャリアもメーカーもユーザーも、みんなが儲かる社会を目指してほしい」と趙氏はいう。さらに「韓国内から世界へ向けて発信できるWeb2.0を」と言い、Second Lifeのように、世界中へ展開するためには、サーバ負荷の分散なども考慮していくことが必要であることにも言及した。

     趙氏は、「韓国だけでなく日本にも言えることだが、“何でも2.0を付ければいい”“2.0を付ければかっこいい”というような考え方がある。しかし本当に2.0を付けるだけでいいのか? ということを考えて欲しい」と語ると、会場から笑いが起こった。
    (柏木由美子@RBB 2007年5月22日 12:46)      Link

    韓国人のネットライフと、通勤時間の伸びが生み出したトレンドとは?
















    趙章恩氏 
     21日、NPO法人「アジアITビジネス研究会」が都内にて部会を開催し、RBB NAVi「現地直送!韓ドラ事情」でもお馴染みの趙章恩(チョウ チャンウン)氏による「世界に先駆ける韓国のWeb2.0ビジネスモデル」と題した講演が行われた。

     「アジアITビジネス研究会」は、アジア地域での国境を越えたビジネスの活性化などを図る目的で設立されたNPO法人である。また、同NPOの顧問を務める趙氏は、日韓における企業の市場調査や事業進出支援などを多数手がけ、両国のIT市場に非常に詳しいプロデューサーである。本講演では、韓国インターネット/モバイルの利用状況から、韓国国民を夢中にさせているUCC(User Created Contents:ユーザー参加型コンテンツ)まで、韓国におけるありとあらゆるWeb 2.0サービスが紹介された。

     本記事では、UCCのビジネス側面ではなく、講演の中で取り上げられた韓国人のネットライフおよびUCC利用のトレンドを紹介する。

    ◆小学生が「Second Life」的アバターゲームを楽しむ

     「韓国では、アメリカや日本で“Second Life”が話題になっていることを不思議に思っている」と趙氏は言う。MMORPG(Massively Multiplayer Online RPG)をはじめとして、多人数がネットワークにアクセスしてアバターゲームやチャットを楽しむといったことは、すでに1995~1996年頃から経験しているからだ。ただし、今までの韓国のオンラインゲームやアバターが、企業側から提供された既成のものであったのに対して、Second Lifeはユーザー自らが作れる余地がある点で、目新しさを感じている程度だという。

     現在韓国でSecond Lifeに似ているゲームとして、小学生向けのアバターゲームがある。家を買って、インテリアに凝ってみたり、ペットを飼ってみたりと、リアル社会ではできないことをやって、また友達のネットワークを作ったりするそうだ。

     女性に人気があるオンラインダンスゲーム「オーディション」では、アバターが着ている衣装が話題となってリアル社会で商品化され、それを着た女性がクラブで踊るという、従来とは逆の現象が起こっている。

     男性には、「AFREECA」というリアルタイムの個人放送局サイトのオンラインゲーム中継チャンネルが人気という。対戦の様子を、プロのアナウンサーや解説者ではなく、普通の中学生や高校生が自分のアイデアで面白く中継している。「AFREECA」のコンテンツの60%がゲーム中継というほどの人気ぶりである。

    ◆通勤時間の伸びがPMP利用を拡大

     3G携帯電話は普及しているものの、携帯電話でインターネットへアクセスするのは45%程度。韓国では携帯電話でのコンテンツ利用よりも、PMP(Portable Multimedia Player:携帯音楽動画再生機)、DMB(日本のワンセグ放送)、インターネットTVを利用して、いつでもどこでも見たいコンテンツを楽しむ「DM(デジタルマルチメディア)族」がトレンドになっている。人気の端末は、車に搭載すればカーナビ、持ち歩けばPMPになるというもので、また携帯型ゲームをゲームではなく動画再生のために利用する人が多いそうだ。

     こうしたDM族は1,200~1,300万人いると言われている。新都心の開発で通勤時間が延びており、通勤途中で従来はラジオや読書をしていたのが、今や動画で語学を勉強したり、見逃したテレビ番組を見たりする人が増えた。また、「WiBro」と呼ばれるWiMAX規格を拡張した無線アクセスがソウル全域で使えるため、移動しながら安価に高速アクセス(下り最大18.4MB、上り最大4MB)が可能になっている。

    ◆PMPの普及で日本やアメリカのドラマが人気に

     去年の11月頃から放送局が公式ポッドキャスティングを開始した。「ダンパッ」「ダウンタウン」などでは、従来はストリーミングでしか見られなかった動画を、PCにダウンロードしてPMPに転送できるようになった。ハリウッド映画は6,300~12,000ウォンで自分のPCに永久保存できるようになったという。

     無断でダウンロードし、ユーザーが字幕を付けて見ていた動画がP2Pで人気となり、それを知ったCATVが公式に放映し、後に地上波でも放映されるなど、映像産業にもPMPの普及がインパクトを与えた。

    ◆サイバーマネーに換金できるマイレージや図書券

     サイバーマネーはオンラインゲームを契機に普及しており、総合マイレージ「OKcashbag」がアバター「CyWorld」のサイバーマネー「ドトリ」(どんぐり)に換金可能になっている。

     また、図書券もサイバーマネーに換金してオンラインゲームに使えたりすることから、子どもたちはお年玉として現金よりも図書券を欲しがるという。一方で、図書券を「成人PCバン」(日本でいうパチスロのようなもの)で換金することが問題となったりもした。

    ◆12月の大統領選挙は個人放送局の活用がカギ

    韓国は12月に大統領選挙をひかえており、その選挙活動ではUCCの活用カギとなると言われている。しかし一方で、投票権が20歳以上から19歳以上になったことで、UCC世代の19歳は選挙にかかわる特定のUCCを使ってはならないというガイドラインがしかれたが、ガイドラインを明確化できず、頭を抱えているそうだ。

    ◆UCCで一般人が一躍有名に







    趙章恩氏 
     UCCを芸能人になるた近道として利用したり、就職活動に取り入れるユーザーも出てきた。また期せずして有名人になったユーザーもいる。あるギタリストが自室での演奏を、あまり知られていないサイトに投稿したところ、どんどんコピーされてYouTubeにもアップされ、ニューヨークタイムズに「魔法の手」として紹介されたことでさらに韓国で話題になったそうだ。

     あるいは、話題になったヨガの教則映像にLG電子がスポンサーとして名乗りをあげ、出演している女子大生は同社のMP3プレイヤーを首にかけてヨガを披露することでクリック数に応じた報酬を得て莫大な収入を得ている。

    ◆「NAVER」による独占状態がUCCの妨げに

     韓国では知識検索や動画のタグ検索など、便利な機能を提供している「NAVER」というポータルが、検索エンジンの70~80%のシェアを独占している(Googleのシェアは2%以下)。koreanclickの2006年11月の調査によると、ブラウザの初期画面の52.8%がNAVERに設定されているそうだ。

     ポータルがパワーを持ちすぎることで、「ユーザーが主人公」というあるべき状態が妨げられ始めた。NAVERの知識データベース検索は他のサイトから検索できなくなっており、ユーザーの書き込みがNAVERのコンテンツとして囲い込まれてしまった。また、NAVERがニュースのタイトルを意図的に操作してクリック数を稼いだり、サイト登録を広告掲載と引き換えにするなどの行為が問題になっている。現在、政府も中に入ってこの寡占状態の解決に努めているとのことである。

    ◆UCCは自己表現欲の高い「創造世代」が主役

     どうしてこんなにも動画を作ってネットで公開する韓国人が多いのか? 趙氏は「“Publizen”(PublicityとCitizenの合成語)と呼ばれるような、自分をマスに向けてアピールしたい、自分だって有名になれるという自尊心を持つ人が多くなった」と分析する。「そういう人たちは自己表現欲が高く、文字や写真ではなくもっと目立つメディアとして動画を選択した」というのだ。

     「日本でも“ニコニコ動画”が話題になっているが、UCCの主役は、そういう他人の動画にツッコミを入れてあげたい、自分をアピールするだけでなく他人を楽しませたいと思う人たち。だから、わざわざ変な格好をして歌って踊ってみたりする」(趙氏)

     韓国は現在、2003~2004年に始まった不動産バブル、およびそれをきっかけとした財テクブームの中にあり、所得差が表面化してきている。しかしネットで面白い投稿をすれば誰でも有名になって収入を得られるチャンスがあることから、格差社会でありながらも平等主義の考えを持つ社会になってきたという。
    (柏木由美子@RBB 2007年5月22日 23:09)     Link
      

    [東京留学生活] 最近思うこと、「NPOアジアITビジネス研究会」を見習ってほしい!

    最近ボランティアで講演を頼まれることがよくある。ばっさり断れないんだな~これが。


    で、思うのは会社員達にフリーの人の立場をもうちょっと考えてもらいたいということだ。


    会社員は平日にセミナーに行こうが勉強会に行こうが給料が出る。セミナーの費用だって出してもらるし。会社の業務として認めてもらうことも多いし、会社を代表していってきました~とか、会社の宣伝のために行ってきました~とか、そんな人もよくみかける。


    フリーの人はどこからも給料は出ない。自分で働いた分しか収入はない。だからボランティアとは、ただで働いてくれといっているだけにしか聞こえない。講演をするためには何日もかけて資料を作らないといけないし、当日も移動まで含めて4時間ぐらいはつぶれる。


    会社員達にもう少し配慮をお願いしたい。余裕のある著名なフリーは問題ないだろうけど、貧乏なフリーたちにまでボランティアをさせないでほしい。


    参加者やお客さんから100円でももらって報酬を払うことはできるはずだ。会場をもう少し安いところを借りて浮いた分を報酬として払うこともできるのでは?


    報酬を払えないからボランティアを頼むのではなく、払いたくないからこれをきっかけに別の仕事がもらえるはずとかいってただで働かせるのはひどくないか?


    そういう面では「NPOアジアITビジネス研究会」を見習ってもらいたい。


    http://www.asia-itbiz.com/


    私も参加している研究会だが、こここそ!真の手弁当だ。それでもちゃんと講師をしてくれた人に報酬は払う。参加費1000円をもらって会場も借りるし報酬も払うし、その他もろもろ全てカバーしている。


    金額が多い少ないの問題ではない。「ただ働きをさせては申し訳ない」、と配慮してくれる気持ちの問題だ。

    – BY  趙章恩

    Link
    http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=99

    野球選手、芸能人、国会議員の共通点 [2007年7月18日]

    7月初め、プロ野球チームKIAタイガーズの公式サイトにあるコミュニティが閉鎖された。試合に負けると選手や監督を攻撃する書き込みが集中し、選手らの私生活に関するデマを書き込んだり、その書き込みにさらに悪質なコメントが付けたり、ユーザー同士でKIAタイガーズとは全く関係ないことで大論争を繰り広げたり、迷惑ったらありゃしないことが続いていたせいだ。

     深刻に荒らされていたコミュニティ掲示板は書き込みを削除すると理由もなく削除されたと他のコミュニティで大騒ぎし、悪質なコメントを注意すると相手が先に喧嘩をしかけてきたのに何故私だけをいじめるのかと他のコミュニティの掲示板やブログで罵る…結局KIAタイガーズはコミュニティそのものを閉鎖する方針を決めるしかなかった。


     先週には、教育放送の討論番組で、ある女性歌手が対立する意見を言った男性弁護士に向かって「あなたは子供がいないから分らない。あなたのような人が私のお父さんだったら、想像するだけで嫌だ」など個人攻撃発言を繰り返し、ネットで大騒ぎになった。この歌手のCyworld(韓国のSNSサイト)HOMPYには数十万件のコメントが書き込まれたが、実名で堂々と「死ね」と書き込んだユーザーの多いこと!ネットでの総攻撃を考えると、大人気ない発言をしたのは問題だが、彼女も被害者なのではないだろうか。


     この頃韓国では書き込みそのものよりコメントの方が怖い、と言われている。コメントは単語一言、一行にもならない文章で相手を傷つける画期的な方法なのかもしれない。韓国のポータルや新聞サイト、コミュニティ、ユーザー投稿型動画サイト、行政サイト、ブログ、ほぼ全てのインターネットサイトは記事の下やユーザーの書き込みに対して自由に一行ほどのコメントがつけられるようになっている。このコメント欄に書き込まれる無数の悪プル(悪質+リプル=英語のReplyに当たる韓国語)に管理側もお手上げ状態だ。7月からはインターネット実名制度が始まり、本人認証を経たうえで、会員登録してログインしないと書き込めないが、それでも!実名でも!好き放題言いたい放題書き込むユーザーが減らないのはどうしてだろうか。


     コメントが怖い、というのはコメントに書き込まれたことがどんどんコピーされ、いつの間にかそれが事実のように口コミで広がっていくからだ。ただし、芸能人の間では自分の記事に何もコメントがつかない無プルの方が怖いという。悪プルも関心があってのことなので、コメントの件数が人気のバロメーターとも言われているからだ。


     国会議員も悪プル被害の常連だ。6月、国会議員143人を対象にした調査によると、68%の97人が自分の書き込みやニュース記事の下に悪質なコメントがつけられたことがあると答えた。悪プルを経験したサイトは自分のホームページが71%で最も多く、ポータルサイト14%、インターネットニュース記事6%の順で、対処方法として、64%は無視すると答えたが、削除を要求するかさらにその下にコメントの書き込みを止めるよう要求するという人も26%いた。


     インターネット実名制度が開始される前からポータルやニュースサイトは個人認証して会員登録し、ログインしないとコメントを書き込めないようになっている。他人の名義を盗用したなりすましの場合もあるが、警察庁のサイバー捜査隊に依頼するとポータルに会員情報を要求しIP追跡をして悪プルを書き込んだ人をいとも簡単に探してくれる。最近の裁判では悪プルを書き込んだ人のほとんどが侮辱罪で罰金刑を受けている。


     捕まった犯人は、大学教授だったり、著名人だったり、小学生だったり、信じられないくらい多様だという。ネットを荒らす主犯として嫌われ者になっているコメント機能だが、一方ではコメントこそ本当の意味でのコミュニケーションであると、厳しく規制することに反対する声もある。日本でもインターネット新聞やブログを中心にコメントを書き込めるようにしたサイトが増えているが、韓国の例から考えると、慎重に管理ルールを決めてから導入した方がいいかもしれない。


     ネットでは悪プルに対抗する市民運動として善プル運動が始まっている。どんなに規制してもなくならない悪プルに傷ついたユーザーに心温まるコメントを書き残して癒してあげようとする運動で、ある大学の教授が理由もなく悪プルを書かれた掲示物を10件検索し、それに対して善良なコメントを書き込み、悪プルに関する自分の意見を述べようという課題を出したのがきっかけという。


     企業もスポンサーになり、自社サイトのコミュニティやブログなどで善プルをもっともたくさん残したユーザーに景品をあげるイベントも開催している。もっとも、懸賞のせいか今度はまた「全く知らない人が自分のブログに意味のない善プルを書きまくっている、どうにかしてほしい」という苦情が絶えないらしい。


     何事も手加減なし、「ほどほどに」が通用しないのが韓国ネットユーザーの特徴なのかもしれない。その情熱が大量のアーリーアダプター(最新製品を好んで購入し、何事も他人より先に経験したがる人)を産み、韓国が世界のITテストベッドとして注目されるようになったのは確かだ。また熱しやすくて冷めやすい韓国の国民性だけど、悪プルだけはおさまることを知らない。日ごろのうっぷん晴らしを悪プルでするのもそろそろ飽きてきてもよさそうなものと思うのだが。

    (趙 章恩=ITジャーナリスト)

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    -Original column
    http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070718/277657/