韓国のWeb2.0は第3ラウンド――UCC大ブレイクからポータルの反撃へ













 21日、NPO法人「アジアITビジネス研究会」が都内にて部会を開催し、RBB NAVi「現地直送!韓ドラ事情」でもお馴染みの趙章恩(チョウ チャンウン)氏による「世界に先駆ける韓国のWeb2.0ビジネスモデル」と題した講演が行われた。

 「アジアITビジネス研究会」は、アジア地域での国境を越えたビジネスの活性化などを図る目的で設立されたNPO法人である。また、同NPOの顧問を務める趙氏は、日韓における企業の市場調査や事業進出支援などを多数手がけ、両国のIT市場に非常に詳しいプロデューサーである。本講演では、韓国インターネット/モバイルの利用状況から、韓国国民を夢中にさせているUCC(User Created Contents:ユーザー参加型コンテンツ)まで、韓国におけるありとあらゆるWeb 2.0サービスが紹介された。

◆韓国人は3歳からインターネットに慣れ親しむ

 韓国では、30代までのインターネット利用率が非常に高く、10代ですでに97~98%に達する。3~5歳の幼児のインターネット利用率も50%を超えており、物心ついた頃からマウスを操作していると言う。

 インターネットの利用時間は1日平均2時間。2006年全世帯の通信費は飲食・宿泊費を上回ると言う。これが家計の圧迫要因にもなり、キャリアに対する値下げ運動が起こっているようだ。またインターネットの利用時間は19時~22時台にピークを迎え、このピーク時間を避けるためにテレビのゴールデンタイムが23時台にシフトしたというほど、インターネット利用が普及している。

◆テレビ報道よりもネットの口コミを信じる人が増加

 韓国インターネット振興院の調査によると、ブログなどの投稿記事にコメントを書いたことがある人は全体の45.5%と、韓国人のネットコミュニティ活動に対する参加意識の高さがうかがえる。

 またネットの口コミを重視する傾向があるというのも特徴的だ。テレビ報道は規制がかかることがあるが、ネットコミュニティでは個人が自由かつ即時に情報発信できることから、テレビよりも投稿サイトなどでニュースをチェックする人が増えているという。実際、あるいじめ事件に関する動画投稿が115万人以上に視聴され、さらに300万人以上に外部リンクで視聴された結果、視聴した人からの通報で事件翌日には加害者が特定されたそうだ。テレビでのニュース報道がその後になったことが、ますますテレビ報道の信頼性を下げることになったという。

◆韓国のWeb2.0は第3ラウンドに

 韓国ではWeb2.0という言葉が出てくる前から、UCCが登場していた。趙氏によると、2000年にはすでに、テキストベースのニュースやQAサイトが、また画像系では写真投稿サイトや、ブログ/アバター/SNSが1つになった「CyWorld」に代表されるコミュニティサイトが人気になっていたという。

 昨年2006年は第2ラウンドに位置付けされる年で、「PandoraTV」や「AFREECA」など、UCCからさらにSCC(Seller Created Contents)、PCC(Proteur Created Contents;Proteurはプロとアマチュアの間を表す造語)といったビジネスに直結する動画配信などが活発化した。こうした動画配信の活発化で「地上波視聴率が大幅下落した」(趙氏)。

 そして2007年下半期以降、第3ラウンドとして「ポータルの反撃」が起こるだろうと趙氏は言う。動画専門サイトのあまりの人気ぶりに危機感を持ったポータルサイトが、自サイトでの新しい動画サービスを投入してくるというのだ。

◆マーケティングの限界がユーザーを巻き込んだUCCの発展に







趙章恩(チョウ チャンウン)氏 
 韓国のUCC市場活発化の背景として、趙氏は「インターネット検索でありとあらゆる情報を見つけられるようになり、ユーザーが賢くなった。ちょっと新しいくらいのサービスでは喜ばなくなったし、韓国の国民性もあってか、面白い動画があってもすぐに飽きて別のコンテンツへ移動してしまう」と語る。またオンラインマーケティングに関しても「使えるビジネスモデルをすべて使い果たし、限界が見えていた」と言う。そこで「ユーザーを巻き込んでユーザーにコンテンツを作らせてしまおう」という考え方を持った企業と、「自分でやってみたい」という欲求を持っていたユーザーのニーズが合致した。

 「軍事政権のように上層部だけが情報を握るのではなく、誰もが平等に情報を取得できる時代。ニュース記者がチームや個人でブログを持ち、別の角度からも情報を発信するようになり、ユーザーは様々な情報をシェアリングできるようになった」(趙氏)。今ではユーザーが作るように巻き込まないと収益は生まれないのではないか、とまで言われているそうだ。

◆韓国の代表的UCCサイト

 以上のようなことから、韓国では多数のUCCサイトが登場しているという。趙氏が講演の中で言及したサイトのいくつかをここで紹介する。

・「DAUM」のTVpotは、動画を無制限で登録できるようにし、毎日人気ランキング5位まで現金10万ウォンを進呈することで動画を集め、動画の前後に流れる広告で収益を得ている。

・ポータルサイト「NAVER」は、動画検索サービスを提供し、UCCのみならず有料動画も対象とし、さらに場面検索にも対応したことで人気となっている。

・「CyWorld」は、今春から「CyWorld2.0」の提供を開始したが、3つのIDを使い分ける複雑な機能がユーザーにはあまり受け入れられていないようだ。広告に関しては、自分だけに見える動画広告の視聴でポイントを「ドトリ」(どんぐり)と呼ばれるサイバーマネーで受け取れるようになっている。

・「Yahoo!」は、動画のタグ検索サービスを提供したが、不適切な動画を放置したことが問題となりサービス中止に追い込まれたという。

・「Pandora.TV」は、動画販売を行っており、地下鉄や病院、銀行などでも流れている。こうして販売した動画の著作権者に広告料の一部を支払ったり、個人の動画制作のサポートするなど、PCC市場を活性化させている。

・「AFREECA」は、リアルタイムストリーミングの個人放送を提供しており、個人がテレビショッピングのように商品紹介することで報酬を得るモデルを取り入れている。

 このほか、行政が環境保護に関するUCCを公募したり、eラーニングなどでのUCC活用も事例も見られるとのことだ。

◆UCCのビジネスモデルは広告収入から次のステップへ

 韓国のUCCは、ビジネスモデルとしてはまだまだこれからとの見方はあって、現状は広告モデルが多いという。今後は広告媒体としての利用や有料チャンネル、コンテンツ販売での利用のほか、UCCサービス向けのサーバ構築や、UCCの撮影に便利なデジタルビデオカメラなど関連産業へもビジネスモデルが広がりつつあるという。

 このようにUCCが普及して、ユーザーによる情報の活発な共有が行われている韓国であるが、もちろん著作権や、引用権(既存コンテンツの編集やモノマネ等)といった問題も多く、ガイドラインの策定が進められている。また個人のプライバシーを侵害するようなコンテンツを規制するために、7月からは実名制度が導入される。

◆何でも2.0?

 Web2.0発展のためには、「無断コピーやプライバシー侵害、暴力映像などは規制しきれるものではなく、取り締まるよりも、ユーザーが違法なことをしないで済むように、たとえば、サービス提供元が著作権料を払うなどして、100%ユーザー自身が作れる環境を用意できるように少しずつ変えていくことが求められる」と趙氏は語る。

 「関係者が連携して一緒に発展できるようにすることも大事。ポータルだけが儲かったり、利益を独占しないこと。キャリアもメーカーもユーザーも、みんなが儲かる社会を目指してほしい」と趙氏はいう。さらに「韓国内から世界へ向けて発信できるWeb2.0を」と言い、Second Lifeのように、世界中へ展開するためには、サーバ負荷の分散なども考慮していくことが必要であることにも言及した。

 趙氏は、「韓国だけでなく日本にも言えることだが、“何でも2.0を付ければいい”“2.0を付ければかっこいい”というような考え方がある。しかし本当に2.0を付けるだけでいいのか? ということを考えて欲しい」と語ると、会場から笑いが起こった。
(柏木由美子@RBB 2007年5月22日 12:46)      Link

韓国人のネットライフと、通勤時間の伸びが生み出したトレンドとは?
















趙章恩氏 
 21日、NPO法人「アジアITビジネス研究会」が都内にて部会を開催し、RBB NAVi「現地直送!韓ドラ事情」でもお馴染みの趙章恩(チョウ チャンウン)氏による「世界に先駆ける韓国のWeb2.0ビジネスモデル」と題した講演が行われた。

 「アジアITビジネス研究会」は、アジア地域での国境を越えたビジネスの活性化などを図る目的で設立されたNPO法人である。また、同NPOの顧問を務める趙氏は、日韓における企業の市場調査や事業進出支援などを多数手がけ、両国のIT市場に非常に詳しいプロデューサーである。本講演では、韓国インターネット/モバイルの利用状況から、韓国国民を夢中にさせているUCC(User Created Contents:ユーザー参加型コンテンツ)まで、韓国におけるありとあらゆるWeb 2.0サービスが紹介された。

 本記事では、UCCのビジネス側面ではなく、講演の中で取り上げられた韓国人のネットライフおよびUCC利用のトレンドを紹介する。

◆小学生が「Second Life」的アバターゲームを楽しむ

 「韓国では、アメリカや日本で“Second Life”が話題になっていることを不思議に思っている」と趙氏は言う。MMORPG(Massively Multiplayer Online RPG)をはじめとして、多人数がネットワークにアクセスしてアバターゲームやチャットを楽しむといったことは、すでに1995~1996年頃から経験しているからだ。ただし、今までの韓国のオンラインゲームやアバターが、企業側から提供された既成のものであったのに対して、Second Lifeはユーザー自らが作れる余地がある点で、目新しさを感じている程度だという。

 現在韓国でSecond Lifeに似ているゲームとして、小学生向けのアバターゲームがある。家を買って、インテリアに凝ってみたり、ペットを飼ってみたりと、リアル社会ではできないことをやって、また友達のネットワークを作ったりするそうだ。

 女性に人気があるオンラインダンスゲーム「オーディション」では、アバターが着ている衣装が話題となってリアル社会で商品化され、それを着た女性がクラブで踊るという、従来とは逆の現象が起こっている。

 男性には、「AFREECA」というリアルタイムの個人放送局サイトのオンラインゲーム中継チャンネルが人気という。対戦の様子を、プロのアナウンサーや解説者ではなく、普通の中学生や高校生が自分のアイデアで面白く中継している。「AFREECA」のコンテンツの60%がゲーム中継というほどの人気ぶりである。

◆通勤時間の伸びがPMP利用を拡大

 3G携帯電話は普及しているものの、携帯電話でインターネットへアクセスするのは45%程度。韓国では携帯電話でのコンテンツ利用よりも、PMP(Portable Multimedia Player:携帯音楽動画再生機)、DMB(日本のワンセグ放送)、インターネットTVを利用して、いつでもどこでも見たいコンテンツを楽しむ「DM(デジタルマルチメディア)族」がトレンドになっている。人気の端末は、車に搭載すればカーナビ、持ち歩けばPMPになるというもので、また携帯型ゲームをゲームではなく動画再生のために利用する人が多いそうだ。

 こうしたDM族は1,200~1,300万人いると言われている。新都心の開発で通勤時間が延びており、通勤途中で従来はラジオや読書をしていたのが、今や動画で語学を勉強したり、見逃したテレビ番組を見たりする人が増えた。また、「WiBro」と呼ばれるWiMAX規格を拡張した無線アクセスがソウル全域で使えるため、移動しながら安価に高速アクセス(下り最大18.4MB、上り最大4MB)が可能になっている。

◆PMPの普及で日本やアメリカのドラマが人気に

 去年の11月頃から放送局が公式ポッドキャスティングを開始した。「ダンパッ」「ダウンタウン」などでは、従来はストリーミングでしか見られなかった動画を、PCにダウンロードしてPMPに転送できるようになった。ハリウッド映画は6,300~12,000ウォンで自分のPCに永久保存できるようになったという。

 無断でダウンロードし、ユーザーが字幕を付けて見ていた動画がP2Pで人気となり、それを知ったCATVが公式に放映し、後に地上波でも放映されるなど、映像産業にもPMPの普及がインパクトを与えた。

◆サイバーマネーに換金できるマイレージや図書券

 サイバーマネーはオンラインゲームを契機に普及しており、総合マイレージ「OKcashbag」がアバター「CyWorld」のサイバーマネー「ドトリ」(どんぐり)に換金可能になっている。

 また、図書券もサイバーマネーに換金してオンラインゲームに使えたりすることから、子どもたちはお年玉として現金よりも図書券を欲しがるという。一方で、図書券を「成人PCバン」(日本でいうパチスロのようなもの)で換金することが問題となったりもした。

◆12月の大統領選挙は個人放送局の活用がカギ

韓国は12月に大統領選挙をひかえており、その選挙活動ではUCCの活用カギとなると言われている。しかし一方で、投票権が20歳以上から19歳以上になったことで、UCC世代の19歳は選挙にかかわる特定のUCCを使ってはならないというガイドラインがしかれたが、ガイドラインを明確化できず、頭を抱えているそうだ。

◆UCCで一般人が一躍有名に







趙章恩氏 
 UCCを芸能人になるた近道として利用したり、就職活動に取り入れるユーザーも出てきた。また期せずして有名人になったユーザーもいる。あるギタリストが自室での演奏を、あまり知られていないサイトに投稿したところ、どんどんコピーされてYouTubeにもアップされ、ニューヨークタイムズに「魔法の手」として紹介されたことでさらに韓国で話題になったそうだ。

 あるいは、話題になったヨガの教則映像にLG電子がスポンサーとして名乗りをあげ、出演している女子大生は同社のMP3プレイヤーを首にかけてヨガを披露することでクリック数に応じた報酬を得て莫大な収入を得ている。

◆「NAVER」による独占状態がUCCの妨げに

 韓国では知識検索や動画のタグ検索など、便利な機能を提供している「NAVER」というポータルが、検索エンジンの70~80%のシェアを独占している(Googleのシェアは2%以下)。koreanclickの2006年11月の調査によると、ブラウザの初期画面の52.8%がNAVERに設定されているそうだ。

 ポータルがパワーを持ちすぎることで、「ユーザーが主人公」というあるべき状態が妨げられ始めた。NAVERの知識データベース検索は他のサイトから検索できなくなっており、ユーザーの書き込みがNAVERのコンテンツとして囲い込まれてしまった。また、NAVERがニュースのタイトルを意図的に操作してクリック数を稼いだり、サイト登録を広告掲載と引き換えにするなどの行為が問題になっている。現在、政府も中に入ってこの寡占状態の解決に努めているとのことである。

◆UCCは自己表現欲の高い「創造世代」が主役

 どうしてこんなにも動画を作ってネットで公開する韓国人が多いのか? 趙氏は「“Publizen”(PublicityとCitizenの合成語)と呼ばれるような、自分をマスに向けてアピールしたい、自分だって有名になれるという自尊心を持つ人が多くなった」と分析する。「そういう人たちは自己表現欲が高く、文字や写真ではなくもっと目立つメディアとして動画を選択した」というのだ。

 「日本でも“ニコニコ動画”が話題になっているが、UCCの主役は、そういう他人の動画にツッコミを入れてあげたい、自分をアピールするだけでなく他人を楽しませたいと思う人たち。だから、わざわざ変な格好をして歌って踊ってみたりする」(趙氏)

 韓国は現在、2003~2004年に始まった不動産バブル、およびそれをきっかけとした財テクブームの中にあり、所得差が表面化してきている。しかしネットで面白い投稿をすれば誰でも有名になって収入を得られるチャンスがあることから、格差社会でありながらも平等主義の考えを持つ社会になってきたという。
(柏木由美子@RBB 2007年5月22日 23:09)     Link
  

[東京留学生活] 最近思うこと、「NPOアジアITビジネス研究会」を見習ってほしい!

最近ボランティアで講演を頼まれることがよくある。ばっさり断れないんだな~これが。


で、思うのは会社員達にフリーの人の立場をもうちょっと考えてもらいたいということだ。


会社員は平日にセミナーに行こうが勉強会に行こうが給料が出る。セミナーの費用だって出してもらるし。会社の業務として認めてもらうことも多いし、会社を代表していってきました~とか、会社の宣伝のために行ってきました~とか、そんな人もよくみかける。


フリーの人はどこからも給料は出ない。自分で働いた分しか収入はない。だからボランティアとは、ただで働いてくれといっているだけにしか聞こえない。講演をするためには何日もかけて資料を作らないといけないし、当日も移動まで含めて4時間ぐらいはつぶれる。


会社員達にもう少し配慮をお願いしたい。余裕のある著名なフリーは問題ないだろうけど、貧乏なフリーたちにまでボランティアをさせないでほしい。


参加者やお客さんから100円でももらって報酬を払うことはできるはずだ。会場をもう少し安いところを借りて浮いた分を報酬として払うこともできるのでは?


報酬を払えないからボランティアを頼むのではなく、払いたくないからこれをきっかけに別の仕事がもらえるはずとかいってただで働かせるのはひどくないか?


そういう面では「NPOアジアITビジネス研究会」を見習ってもらいたい。


http://www.asia-itbiz.com/


私も参加している研究会だが、こここそ!真の手弁当だ。それでもちゃんと講師をしてくれた人に報酬は払う。参加費1000円をもらって会場も借りるし報酬も払うし、その他もろもろ全てカバーしている。


金額が多い少ないの問題ではない。「ただ働きをさせては申し訳ない」、と配慮してくれる気持ちの問題だ。

– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=99

野球選手、芸能人、国会議員の共通点 [2007年7月18日]

7月初め、プロ野球チームKIAタイガーズの公式サイトにあるコミュニティが閉鎖された。試合に負けると選手や監督を攻撃する書き込みが集中し、選手らの私生活に関するデマを書き込んだり、その書き込みにさらに悪質なコメントが付けたり、ユーザー同士でKIAタイガーズとは全く関係ないことで大論争を繰り広げたり、迷惑ったらありゃしないことが続いていたせいだ。

 深刻に荒らされていたコミュニティ掲示板は書き込みを削除すると理由もなく削除されたと他のコミュニティで大騒ぎし、悪質なコメントを注意すると相手が先に喧嘩をしかけてきたのに何故私だけをいじめるのかと他のコミュニティの掲示板やブログで罵る…結局KIAタイガーズはコミュニティそのものを閉鎖する方針を決めるしかなかった。


 先週には、教育放送の討論番組で、ある女性歌手が対立する意見を言った男性弁護士に向かって「あなたは子供がいないから分らない。あなたのような人が私のお父さんだったら、想像するだけで嫌だ」など個人攻撃発言を繰り返し、ネットで大騒ぎになった。この歌手のCyworld(韓国のSNSサイト)HOMPYには数十万件のコメントが書き込まれたが、実名で堂々と「死ね」と書き込んだユーザーの多いこと!ネットでの総攻撃を考えると、大人気ない発言をしたのは問題だが、彼女も被害者なのではないだろうか。


 この頃韓国では書き込みそのものよりコメントの方が怖い、と言われている。コメントは単語一言、一行にもならない文章で相手を傷つける画期的な方法なのかもしれない。韓国のポータルや新聞サイト、コミュニティ、ユーザー投稿型動画サイト、行政サイト、ブログ、ほぼ全てのインターネットサイトは記事の下やユーザーの書き込みに対して自由に一行ほどのコメントがつけられるようになっている。このコメント欄に書き込まれる無数の悪プル(悪質+リプル=英語のReplyに当たる韓国語)に管理側もお手上げ状態だ。7月からはインターネット実名制度が始まり、本人認証を経たうえで、会員登録してログインしないと書き込めないが、それでも!実名でも!好き放題言いたい放題書き込むユーザーが減らないのはどうしてだろうか。


 コメントが怖い、というのはコメントに書き込まれたことがどんどんコピーされ、いつの間にかそれが事実のように口コミで広がっていくからだ。ただし、芸能人の間では自分の記事に何もコメントがつかない無プルの方が怖いという。悪プルも関心があってのことなので、コメントの件数が人気のバロメーターとも言われているからだ。


 国会議員も悪プル被害の常連だ。6月、国会議員143人を対象にした調査によると、68%の97人が自分の書き込みやニュース記事の下に悪質なコメントがつけられたことがあると答えた。悪プルを経験したサイトは自分のホームページが71%で最も多く、ポータルサイト14%、インターネットニュース記事6%の順で、対処方法として、64%は無視すると答えたが、削除を要求するかさらにその下にコメントの書き込みを止めるよう要求するという人も26%いた。


 インターネット実名制度が開始される前からポータルやニュースサイトは個人認証して会員登録し、ログインしないとコメントを書き込めないようになっている。他人の名義を盗用したなりすましの場合もあるが、警察庁のサイバー捜査隊に依頼するとポータルに会員情報を要求しIP追跡をして悪プルを書き込んだ人をいとも簡単に探してくれる。最近の裁判では悪プルを書き込んだ人のほとんどが侮辱罪で罰金刑を受けている。


 捕まった犯人は、大学教授だったり、著名人だったり、小学生だったり、信じられないくらい多様だという。ネットを荒らす主犯として嫌われ者になっているコメント機能だが、一方ではコメントこそ本当の意味でのコミュニケーションであると、厳しく規制することに反対する声もある。日本でもインターネット新聞やブログを中心にコメントを書き込めるようにしたサイトが増えているが、韓国の例から考えると、慎重に管理ルールを決めてから導入した方がいいかもしれない。


 ネットでは悪プルに対抗する市民運動として善プル運動が始まっている。どんなに規制してもなくならない悪プルに傷ついたユーザーに心温まるコメントを書き残して癒してあげようとする運動で、ある大学の教授が理由もなく悪プルを書かれた掲示物を10件検索し、それに対して善良なコメントを書き込み、悪プルに関する自分の意見を述べようという課題を出したのがきっかけという。


 企業もスポンサーになり、自社サイトのコミュニティやブログなどで善プルをもっともたくさん残したユーザーに景品をあげるイベントも開催している。もっとも、懸賞のせいか今度はまた「全く知らない人が自分のブログに意味のない善プルを書きまくっている、どうにかしてほしい」という苦情が絶えないらしい。


 何事も手加減なし、「ほどほどに」が通用しないのが韓国ネットユーザーの特徴なのかもしれない。その情熱が大量のアーリーアダプター(最新製品を好んで購入し、何事も他人より先に経験したがる人)を産み、韓国が世界のITテストベッドとして注目されるようになったのは確かだ。また熱しやすくて冷めやすい韓国の国民性だけど、悪プルだけはおさまることを知らない。日ごろのうっぷん晴らしを悪プルでするのもそろそろ飽きてきてもよさそうなものと思うのだが。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070718/277657/

徴兵された彼氏を持つ彼女のためのネットビジネス [2007年7月11日]

軍事政権が長かったせいか、韓国で軍といえば閉鎖的で怖いところ、何が起こるかわからないところ、というイメージが強かった。だが、この頃の20代は軍文化を楽しいエンターテインメントに変えている。軍に入隊するとき彼女から贈られるプレゼントも昔は写真と手紙がせいぜいだったが、今のアルファーガール達は次元が違う。

 芸能人のコンサートにでも行くかのように「元気で戻ってきてね」と自分の写真入り大型プラカードを作って渡し、365個のカプセルの中にメッセージカードを入れたものや、手紙数十枚をつなげて布団のようにつなげたカードパッチワークは基本。毎週彼のいる部隊へかわいくラッピングしたチョコレートやビタミン、手作りクッキーといったおやつを届ける。彼氏へのプレゼントは目立たないと意味がないと考えているようだ。


 韓国では「ゴムシン(ゴムの靴:韓服を着るときに履く伝統靴)を逆さに履く」ということわざがある。これは靴を履く暇もなく急いで逃げていく姿を表現したもので、彼氏が軍に入るとすぐ別れを告げる彼女のことを言う。今でもネットでは彼氏が軍にいる彼女達を「ゴムシン」と呼ぶ。


 でも最近は男性の方が軍に入り人生を見つめなおしたいと別れを告げる方が多くなったそうだ。軍にいる彼氏が心変わりするのではないかとはらはらする女の子達が増えているせいだろうか、ポータルサイトで「軍人プレゼント」、「軍隊贈り物」で検索すると「ゴムシン御用達」ショッピングモールがどばっと検索される。検索サイトにはカテゴリーまで別にあるほどだ。中でもゴムシン達に推薦するのはこの2サイト。


http://www.armymart.co.kr/
http://www.guninmall.com/


 人気商品をざっと見てみると、私には小学生のママゴト?としか思えないトリハダものがいっぱい!「私に会いたくなったら飲んでね」と書いてあるビタミンや、「愛情成績表」と書いてある賞状、身分証明書のようなサイズの純金カードで作られた「恋人証明書」もある。









軍にいる彼へ送る愛の薬セット

「ゴムシン御用達」ショッピングモールは商品販売だけでなく、オーダーメイドにも対応している。特に年に一度のバレンタインには思い出になる特別なラッピングの注文が殺到するそう。チョコレートを一つずつ紙の花びらの中に入れて花束を作ったり、イニシャル入りの刺繍タオルセットや彼氏の顔にそっくりのチョコもよくオーダーされたりするという。


 爆弾手紙といって一気に100通、200通もの手紙を送るのもはやっていて、手紙を代わりに書いてほしいというオーダーもあるとか。その理由は同じ部隊にいる他の軍人に負けないプレゼントをしてあげたいけど時間がない、というゴムシンも多いから。


 ネットコミュニティやCyworldのHompy(SNSサイト)では軍人の彼に何をプレゼントしたらいいのか悩むゴムシン達の共同購入も活発に行われている。ラッピング素材やかわいい模様の便箋に色とりどりのペン、高級輸入菓子などだ。


 24時間彼氏のことを思うためか、はたまた私には軍人の彼がいるのよ、というさりげないアピールのためか、着うたやメロディーコールも軍歌に設定するゴムシン達もいる。でもそのような熱烈なプレゼント攻撃も1年が境目という。


 面会のための交通費に加え、プレゼントに費用がかかりすぎて、「私、何でここまで貢いでるんだろう」と突然目が覚め、既に除隊した年上や社会人の彼氏と付き合い始めることもあるんだそう。


 数十万人に及ぶといわれるゴムシン達の平均年齢は21歳、彼女達の恋の悩みを刺激しお小遣いを狙うネットビジネスはますます増えるばかりだ。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070709/276839/

[東京留学生活] 中国RMTに20%課税だって!韓国もそうなるかな。。

新聞を読んでいたら


中国北京税務当局、個人間のサイバーマネーの取引、換金に純利益の20%課税、所得を証明できない場合は全取引額の3%課税


のニュース発見!


私の論文にも関連がなくはないので興味シンシン


サイバーマネーを貨幣と認め、RMTを事物経済に含めて初めての事例なのかな。


韓国はRMTは違法としているから。


韓国オンラインゲームのサイバーマネーを稼ぐため中国全土に作業場があるけど、そういう違法ビジネスもできなくなるのか。


でも、本当に課税できるのかな。どうやって見つけるのか?


ネットを通じて売買するとは思うけど、みんな摘発されないように隠すだろうし、どうやって課税する?純利益なんていうけど、どう計算するんだ?ネット利用料と時間さえあれば稼げるのがサイバーマネーだから時給で換算するのか?RMTのレートはゲームやサイトごとにちがうけど、たとえばサイバーマネー1億を現金1000万ウォンに換金したとすると、税金20%はいくらの20%ということなんだろう。3%というのは1億の3%?1000万の3%?それぞれに3%ずつ?


もっと詳しく知りたいけど、中国語サイトの検索は難しい。。。。。


ま~学食食べてからにしよう。昼は中央食堂のハヤシライスを食べたので、夕はメトロの定食にしようかな~


デザートはシュークリームとアイスとたまごパンが定番です。(デザートというか1食分以上のカロリーあるけど)

– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=96

韓国携帯電話市場 三星がシェア50%割り込む(2007年7月2日 掲載)

電話市場 三星がシェア50%割り



 


打開策で「ミニスカト携




 


【ソウル】三星電子の調べによると韓5月の携電話販207万台、4月に比べて17.6%加した。しかし、三星の韓国内でのシェアは46%とはじめて半を割りんだ。



 三星が精彩を欠くようになったのは、パンテックの躍進が見逃せない。無線インタ
ネットプラットホムを搭載していない激安3G端末を販し、市場で絶大な人を博しているためだ。


 


 SKTの子社だったSKテレテックを買し「SKY」のブランドで端末を販しているパンテックは、三星とモトロラのシェアを奪い、5月は24万台を販して13%のシェアを獲得した。3-4月には、資金難で部品の入手に支障が出る事態にったが、キパッドのカラわるマジックキパッド携をはじめ、3GTV電話携、メタルスリム携、インタネット機能を省いた激安携など略端末の販が好調だ。


 


 一方、三星は3G略端末「ミニスカト携」に力を入れ、奨励金をやすなどしてシェア回復を目指す。無駄のないデザインがミニスカトを着た女性に似ているのでこのような名前をつけたと三星では明する。ミニスカト携は、海外で先に販したスライド型モデルで薄さ10.9mmの「ウルトラエディション10.9」の国内向けとなる。端末のどこにもデコボコした部分がないためすっきりしたデザインで、グリップ感を改善した。


 


 2Gと3Gのハンドオフ、Bluetooth、200万素カメラ、MP3再生、GPS搭載で携電話をそのままカナビとしても活用でき、格は55万ウォン台(約7万円)。番移動制度または新規加入だと奨励金がもらえるので3万円ほどで入手できる。


 


 三星は「3G略端末を6月1日に発売しただけに、6月はシェア50%台を奪還できるだろう」と楽観視している。加入者1位のキャリア、SKテレコムをいて3G市場では倒的に加入者純率が高いKTFの係者は「今年の三星はこれといった製品がなく3G市場でのシェアは低かったが、6月には再度躍進を遂げるだろう」と展望した。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年7月2日 vol.1193 載] Link 


 


 


 

韓国輸出入 5月IT収支、大幅な黒字に(2007年7月2日 掲載)

輸出入 5月IT支、大幅な字に


 


 


ディスプレイ連が成長をけん引


半導体と携電話は伸び欠く


 


 


【ソウル】韓情報通信部は5月のIT輸出が前年同月比4.5%94億7000万ドルと表した。グロバルな競激化をはじめ、供給過によるIT製品の格下落、ウォン高といったしい件のなか、パネル(26.5%)、モニタ26.4%)といったディスプレイ連品目が成長を引っ張った。一方、携電話半導体輸出は前年並み。輸出から輸入を差し引いたIT支は45億1000万ドルと大幅な字を記した。


 


 半導体の輸出は、前年同月並みの29億4000万ドルにとどまった。格下落がNAND型フラッシュと、DRAMの輸出鈍化傾向がいている。


 


 同に携電話(部品含む)輸出も伸びが鈍化し、0.2%減の20億9000万ドルにとどまった。プレミアム製品が好調な動きを示している米向けは11.1%2ケタを記したほか、部品輸出を主導している中(香港含み27.8%)、中東(58.9%)、ロシア(479.1%)などの新興市場向けが着加した。ただし、EU輸出は18.7%減と2ケタの落ちみとなった。


 


 一方、パネル輸出は格下落傾向が落ち着きを取りしているうえ、下半期からデジタルTV向けにパネルの需要が大、Windows Vista向け大型(ワイド)モニタ用の特殊パネルの引き合いもまった。この結果、パネルは前年同月比26.5%17億2000万ドルを記した。パネルとともに完成品となるモニタ輸出は4月から加傾向にある。


 


 地域別にみると、パネルと携電話の輸出で、中と米向け輸出が好調だ。香港含む中15.1%35億ドル、米7.8%10億1000万ドルとなった。ただ、EUは4.1%15億7000万ドルで、携電話の輸出減が響き、伸び率は1ケタ台にとどまった。日本向けは、パネル輸出が47.9%減の2億2000万ドルと半減となるなど、全体では21.9%減の7億2000万ドルに落ちんだ。


 


 今後のIT輸出は、携電話の3G端末買い替え需要が大している先端市場と、新興市場の粘りい成長にともない輸出量が大。またパソコンとデジタル家電の9月新期需要によって半導体、パネルなどIT部品需要が大することから、下半期には成長が促進されるのではないかと期待されている。


 


 ただし、ウォン高がいているのと中の景加熱にともなう緊縮政策などが、不透明要因となる可能性があるとの見方もい。


 


 一部マスコミは「5月の全体輸出が前年同月比で11.9%312億ドルを記したのにし、IT輸出に限れば4.5%しか加していないのはIT産業が低迷している証である」と指摘。政府がウォン高を放置しているため経営危機を感じているIT中小企業が急していると報じた。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年7月2日 vol.1193 載] Link 


 


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>19.今回のテーマ■グリーンIT(中)

グリン成長の具体案


九つの分野に集中投資


 


 


 韓政府は、グリン成長を具現化するために「グリンエネルギ産業略」を樹立した。これは韓初のグリンエネルギと産業化にする基本略である。


 具体的には、環境に連のある全省を網羅して九つの分野を選し、5年間で3兆ウォンを集中投資することが決定した。


 


 グリンエネルギ産業の成長動力として選された九つの重点育成分野は以下の通り。世界市場が急成長して韓国内でも連産業が展している「太陽光」「風力」「LED」「電力IT」の4分野は早期成長動力グルプとして産業化を集中的に支援する。世界市場における潜在力が大きく技術的優位確保を急ぐべき「水素燃料電池」「ガス石炭液化」「石炭ガス化複合展」「二酸化炭素包集貯」「エネルギ保存」の5分野は、次世代動力グルプとして究開実験する投資を集中的に行う。


 


 これら成長動力を支援することで、2030年までにエネルギー効率を46%改善し、化エネルギの割合を83%から61%に縮小、原子力は14.9%から27.8%へ、新再生エネルギ割合は2.4%から11%へ4.6倍やすのが目標だ。


 


 ただ支援するだけでは意味がないとして、韓政府は市場指向型技術開によりグロバル技術力を確保することにした。具体的には9分野にして政府資金1兆7000億ウォン、民間資金1兆3000億ウォン、5年間で3兆ウォン(約2400億円)を投資して2012年までには世界有の技術力を確保すると意気込みを見せている添付画像


 


 新再生エネルギ全体の究開には111兆5000億ウォン(約9兆円)が投資される。2012年まで太陽光は電量を400MW、風力は約1GWに大する。2009年末には世界最大の電所竣工(254MW)と520MW規模の電所を早期着工するなど、豊富な海洋エネルギ資源を活用する計だ。


 


 韓は先進に比べ新再生エネルギ政策の取り組みがれていたが、大統領の「グリン成長」の一言で尻に火がついたように急いで各種政策を表しているという印象すら受ける。きっかけはどうであれ、トップダウン式で瞬時に事を進める韓の長所がグリンエネルギにも活かされようとしているのは間違いないだろう。

(趙
章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年11月17日 vol.1260 載] Link

サムスン電子実績悪化の裏でLG電子は史上最高益達成 [2007年8月1日]

韓国の株価指数KOSPIがついに歴代最高値2000を突破した。不動産バブルで税金が重くなるとそのお金が今度は株に流れてきているため、止まることを知らず毎日株価が値上がりしている。ファンドも絶好調で、この5カ月の間に2倍になった3倍になったと騒がれる商品も少なくない。

 外国人の投資も自由。日本の独身女性が韓流の次に韓国投資に目覚めたようで、株で儲けマンションを買っただの、お店を開いたなどの噂も流れている。このような株バブルの中、「皇帝」と呼ばれているサムスン電子の株も再び値上がり始めた。やはりサムスン電子は韓国の株式時価総額不動の1位であることは違いない。


 サムスン電子の史上最悪な実績とリストラが始まったことが大々的に報道されている中、サムスン電子は緊急記者会見を開き、実績悪化は半導体だけで全体的に利益がよくなっていることと新入社員の採用は減らすが、リストラについては否定し、実績がよくても事業再編や人員再配置はよくあることではないかと説明した。


 サムスンの税務調査も始まり、あっちでもこっちでもサムスンの記事が目立つ中、 LG電子は2007年4~6月、史上最高の実績を記録した。グローバル基準で初めて1期売上が10兆ウォンを超えた。2007年4~6月LG電子の売上は10兆4302億ウォン、営業利益4636億ウォン、前期比売上は8.7%、営業利益は1578%も増加している。特に携帯電話部門は営業利益11.6% で、サムスン電子の8%を初めて上回った。


 LG電子の実績はチョコレート携帯、社員携帯、PRADA携帯と、世界市場で発売したプレミアム携帯電話の売れ行きが好調だったのと、ディスプレー事業からPDPモジュールラインを整理しTV部門での赤字が半分に減ったのも影響している。サムスン電子は家電が売れず困っているのに対し、LG電子は海外市場でエアコンをはじめプレミアム家電がよく売れ4~6月の間最高額である3兆6039億ウォンの売上を達成した。


 LG電子が生まれ変わったとまで言われるもう一つの理由は、LGテレコムからLG電子の代表理事になったナム・ヨン副会長の功績にもある。本社の人員を営業に送り込ませ、海外で活躍する若手コンサルティング専門家を役員に採用し、会社の内部的な雰囲気を変えようとしている。LG電子はサムスンに比べて大人しく目立たない、地味な社員が多く、製品も大人しいものが多いと評価されていたが、今年からはかなり攻撃的になっているのも代表が変わったせいかもしれない。


 LG電子の広報担当は「サムスン電子は営業利益が初めて1兆ウォンを下回っただけで危機説がながれているのに、LG電子はその半分の利益でアーニングサプライズとまで言われてしまい逆に恥ずかしい」と、1月から続けているリストラと経費節減に拍車をかけるさらに利益を上向かせるため努力していると話した。LG電子は主力事業である生活家電と携帯電話事業をより高価、高機能のものに変えて競争力を高め、ディスプレーもこれ以上価格が下落しないと予想されるため、下半期も好調が続くと楽観的に予想している。


 一方、サムスン電子はリストラを否定しているが、離職する役員や社員は増えていて、前サムスンマンを捕まえようとリクルート市場も活気を浴びている。特にサムスン電子出身の役員はITベンチャーや中堅企業のCEO、CIOとして人気が高い。世界のサムスンらしく新入社員の頃からきつく鍛えられているせいか、何を任せても「だめです」、「無理です」とは言わず「やってみます」、「成せば成る」の精神で最も効率の高い方法を見つけ出しては解決する人達と定評されている。業種に関係なく引っ張りだこだ。


 サムスン電子は半導体以外では好調で携帯電話もノキアに続いて世界2位となったことだし、収益も伸びている、下半期からは問題ないと何度もプレス発表をしているが、その弁解を聞くたびにもっと不安になるのはなぜだろう。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070731/278689/