日本の携帯メーカー淘汰に割り込むタフな韓国勢の狙い

 韓政府は6月末、携電話端末の生産量を2012年までに現在の2倍近い6億台に伸ばすことを目指す「移動通信産業略」を表する。サムスン電子やLG電子の世界進出で、携電話産業は韓国経済の約7%を占める一大産業に展している。新略の下では日本市場も然大きなタゲットとなるだろう。


 


 


■プラダフォン発売は日本本格進出の象


 


 市場調査社のガトナによると2007年に11億6000万台規模だった世界携電話市場は2010年に15億2940万台、2012年には18億750万台にえる。このため新略の目標が達成されれば、世界携電話市場のなかで韓が占める割合は2007年の21.6%から2012年には33.2%へ高まることになる。


 


 サムスン電子の「ANYCALL」ブランドの携電話端末は2007年に世界市場で1億6100万台がれた。2008年は2億台の販を目標にしており、モトロラとの差を大きくげようとしている。LG電子も2007年に世界で8050万台を販している。特にLG電子はイタリアのファッションブランド大手プラダ(PRADA)と提携した「プラダフォン」や「チョコレトフォン」がヨロッパでヒットしたおかげで、全世界でブランド値やイメジが上昇した。


 


 


 


  州で先行発売されたLG電子の「プラダフォン」


 


 


 プラダフォンこと「PRADA Phone by LG」は2008年6月から日本でもNTTドコモの端末として発売されることになった。全面タッチスクリンを採用したこの端末は2007年3月にヨロッパで先に発売され、世界40カ80万台を販した人の高いハイエンド端末である。このニュスは日本で大きく報じられ、韓の端末メがついに本格的に日本へ進出しようとしていると話題になった。


 


 LG電子に限らず韓の携電話端末メの日本進出が目立っている。世界市場を舞台にシェアを伸ばしているサムスン電子、LG電子、パンテックの3社は、日本は最後にされた大きな海外マケットであるとして、日本輸出を化し始めた。韓国関税庁の資料によると、携電話端末の日輸出額は2006年から大していて、2006年は3億4338万ドル、2007年は3億84303万ドルとなっている。
 


 


■リストラは進出のチャンス


 


 韓では、2Gの時代は日本自のPDC方式のため端末の輸出が難しかった。3Gでは韓と日本が同じWCDMA方式を採用していることもあり、端末を輸出しやすくなったと言われている。それでも、高度な技術力で開期間を短縮し年間50種類以上の新機種を世界市場で発売しているサムスン電子やLG電子にとって、端末の仕をキャリアが決める日本がとても難しい市場であることは間違いない。


 


 しかも日本の携電話端末市場はリストラのっただ中だ。三洋電機が京セラへ携電話事業を却、三菱電機は携電話端末市場から撤退、ソニー・エリクソンモバイルコミュニケションズはドコモ向けの端末略を見直す。普及率が「1人1台」の時代になり新規需要が乏しく、販売奨励金の見直しで買い替えサイクルも長くなり端末の出荷台も減少すると見まれている。


 


 逆に言えば、市場の先行きがしく日本メが次に撤退している環境だからこそ、この隙を狙って日本で地位を固められるチャンスがあると期待しているのだろう。携である日本の3G市場で端末やブランドをヒットさせることができれば、世界市場でのいっそうの競力アップにもつながる。


 


 


Wibro日本投入も視野に


 


 高速無線通信の「Wibro」が利用できるサムスン電子の端末


 


 


 韓では日本メの端末はカシオ計算機の「CanU」しか販されていない。このCanUは加入者が最も少ないLGテレコム用にもかかわらず、新機種が登場するたびにモバイルマニアが「CanUを使うためだけにキャリアをえても損はない」というほど注目されている。韓としても、日本製端末の性能の高さは十分に承知しており、日本進出にはじっくりと時間をかける考えだろう。


 


 LG電子はプラダフォン以前にも、2006年からNTTドコモに端末を提供している。2007年にはFOMAハイスピ(HSDPA)に対応したチョコレトフォンを発売した。GSM方式のエリアにも対応した「WORLD WING」端末で、日本市場向けにワインレッドカラを追加した。世界100カでベストセラとなったチョコレトフォンだが、確に人証された製品でないと目の肥えた日本のユには受け入れられないという判から、日本での販を急がなかった面もある。


  


 サムスン電子はボダフォンの流れでソフトバンクから端末を発売している。ブランド力があることから日本でもそこそこれていて、日本市場シェア1%を記したという報道もあった。


 


 サムスン電子はモバイルWiMAXの設備を日本に輸出している。モバイルWiMAX というとカド形式のイメジがいが、韓では同の高速無線通信「Wibro」を搭載したスマトフォンも発売されている。まだ決定されているわけではないが、日本のモバイルWiMAXサビスのエリアががり加入者がえてくれば、自慢のWibroスマトフォンで存の携電話端末市場とぶつかることなくシェアを伸ばしていくことも視野に入れている子だ。


 


 サムスン電子、LG電子だけでなく経営がかなり改善してきたパンテックも日本進出に積極的である。パンテックはLG電子よりも早く、2005年12月からKDDIのau向けに端末を納入し、韓のなかでは初めて日本に進出した経歴を持つ。2007年に骨導スピを搭載した「簡タイ A1407PT」を発売するなど、スリムで安いだけでなく機能の面で特を持つ端末も出し始めている。


 


 


■日本メとの距離縮める


 


 



サムスングルプの2008年春のヒット端末。タッチパネルを搭載している


 


 


 韓の携電話市場では今年、インタネット機能が重視され、タッチスクリンの簡な操作でパソコンとわらない面表示ができるフルブラウザ搭載端末がえている。キャリア最下位のLGテレコムは、「OZ」という激安パケット定額プランを始めて、韓モバイルインタネット市場で最下位からの反に出ている。


 


 「OZ」は月約600円で携電話からインタネットが使い放題になるだけでなく、キャリアのポタルサイトを由せず自由にウェブサイトへアクセスできるようにしたのが特である。これまで韓のキャリアはフルブラウザであってもキャリアのポタルサイト(日本でいうiモドのようなサビス)を由しないとインタネットにアクセスできず、キャリアと契約していないサイトにはアクセスできないようにしていた。それが「OZ」の登場により携電話からもパソコンとわらず自由にインタネットを使えるようになり、ほかのキャリアもネットワクを開放せずにはいられなくなった。 


 


 さらに、SIMカドのロック解除で複の端末が使えるようになったのも大きな化だ。海外だけでなく韓国内でも携電話に求められる機能はわり始めているため、韓のメ国内、世界市場、日本、新興市場など市場ごとにな端末を計しなくてはならなくなった。


 


 移動通信、そのなかでも携電話端末を家として略的な産業に育てようとしているだけに、韓は今まで以上に端末の輸出を化するだろう。韓は熱血で口うるさい韓に揉まれ、ヨロッパ、アメリカ、インド、中など世界各ってきた経験を通じ、どんな況でも生きれるタフさを身につけてきた。


 


 世界マケットの一つとして日本を見ている韓と、需がすべてで日本人ユを熟知している日本メの競力を比べるのは難しい。しかし日本にとって韓米のメより怖い相手になるだろう。世界最大の3G市場で勝ちれるよう韓は必死で、重に距離を縮めている。日本のメがまた携電話市場から撤退するのを待っているかもしれない。



– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  
2008年6月3日


<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>9.今回のテーマ■著作権改正(上)

 議論沸騰の著作改正 違反3回でサイト制閉鎖


 


 


 


添付画像 韓政府の著作法改正案が議論の的になっている。著作法に違反し、警告を3回受けたサイトは制閉鎖(つまり業)を命じることができるという方向で著作法改正を討していると政府が表したことから、大波き起こしているのだ。



 法改正の背景には、米
との間でのFTA(自由貿易協定)がある。FTAを締結するための件として著作保護が前提になるだけに、コンテンツを利活用することよりも利者の保護と違反にする罰に片寄りすぎているという批判が高まっている。


 


 韓のコンテンツ産業政策を担する監督官の文化体育光部が7月17日に表した改正案によると、違法コピ物をインタネットコミュニティサイトやブログ、ストレジサビス、P2Pサイトに載したユが該ファイルの削除・伝送中命令を受けてもわなかった場合、ID停止や解約を政府がサイト運者側に命令できるようになっている。これにわない業者には1000万ウォンの罰金が課され、3回以上の分を受けたサイトへのアクセスを遮する方式でサイトを閉鎖できる。


 


 ここで問題になるのは、ユの過失によって業に追いまれるポタルサイトがでてくる可能性がある点だ。このため、ポタルサイト側では「過な措置だ」と猛反している。24時間モニタリングをしても、2000万人以上の員の著作違反をすべて封じめることは不可能なのが際のところだろう。特に動投稿がブムになってから、ブログを通じたドラマの違法コピが溢れかえっているのだからなおさらだ。添付画像


 


 政府は8月になると、業界の意見を受け入れ、ポタルも罰の象になるという初の案を更して、P2Pやファイル共有サイト、ストレジサビスだけを象にするといった案も提案している。


 


 これらのサイトは、ユが違法コピ載し、それを他のユがダウンロドするためにはサイト側に利用料をわなくてはならないような仕組みを持っている。政府は、違法コピされたコンテンツで儲けているようなサイトは業に追いんでいく姿勢をみせている。(趙 章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年9月8日 vol.1250 載]Link


 

韓国CM REPORT – ロッテ – Rain(ピ), スカラ


Rain(ピ) プロフィール


1982年6月25日生まれ。


184cm74kg。本名はジョン・ジフン。ピは「雨」という意味。歌も踊りも最高だけど、ドラマ『サンドゥ、学校へ行こう』、『フルハウス』、『このろくでないの恋』、映画『サイボーグだけど大丈夫』で見せた演技変身のおかげで幅広い年齢層のファンを抱える万能韓流スター。長い無名生活を経て2002年デビュー以来、毎年、歌謡大賞、演技大賞を受賞している実力派。アジアはもちろん、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパでもライブ公演のチケットはすぐ売り切れるというスーパースターとして活躍しているエンターテイナー。好きな食べ物はサムゲタン。


 





スカラ



出演




Rain(ピ)

放映日




2003年2月

2002年5月にデビューして、1年も経っていなかったころのCMで、まだあどけなさが残るピが見られるお宝動画登場です!


透明なビニールシートに包まれたチョコというところを強調するため、彼の上半身も透明なビニールの衣装! しかも最後には、これを脱いでしまうんですよ。「ネソグルボヨジュゴシポ」(僕の中を見せてあげたい)というセリフのとおり、しっかり見させていただきましたわ。


ここまでファンサービスしてくれるCMは、これが最初で最後だったような……。ピは高校2年生で有名歌手兼プロデューサーのパク・ジニョンの下で練習生となったものの、家は貧しく母の入院費も払えず、5日間何も食べれなかった時期もあったそうです。それでも毎日踊り続け、下積み生活3年8ヵ月を経て歌手でビューしました。ピの晴れ姿を見ることなく亡くなった母のために、ピはいつでもどんな舞台でも、自分のベストを出し切るスターになろうと誓ったそうです。涙ぐましいお話しですよね。


アメリカ公演のドタキャン騒動で、芸能活動中断やアメリカ留学説まで噂されたピですが、今ではすっかり立ち直り、2007年11月からはアメリカで語学研修を始めるそうです。自分でマネージメント会社「J・TUNEエンターテインメント」を立ち上げ、経営者としてもとても多忙な日々を送っているピ。アメリカにいながらも歌手活動を続け、アルバムも制作するし、韓国でのコンサートも計画中ということなので、ファンと離れ離れになるというわけではないんですね。ホッとしました。

– BY  趙章恩

Link
http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200302&dr=food

動画大国・韓国で急務のユニバーサルデザイン対応

韓国では今年4月、障害を持つ人もウェブサイトを平等に利用できるよう、公共機関や企業のサイトにユニバーサルデザイン対応を義務付ける法律が施行された。様々なランキングで「韓国の電子行政・電子政府は世界一」との評価を受けているが、ユニバーサルデザインへの対応は後れていた。法律の施行後、福祉団体などからは堰を切ったように使いやすいサイト作りについての要望が寄せられている。(IT先進国・韓国の素顔)



■ユニバーサル対応が後れていた韓国のサイト


 この法律は障害を持つ人が日常で差別を受けていると感じないようにするためのもので、情報化に関する規定が盛り込まれている。公共機関、医療機関、福祉施設、従業員300人以上の企業のウェブサイトは2009年4月までに、そのほかのサイトは5年以内に、ユニバーサルデザインによるアクセシビリティーを順守するよう義務付けている。違反行為があった場合、3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金が科される厳しいものだ。


 現在の韓国のサイトはフラッシュや画像がふんだんに使われている。フラッシュや画像などはテキストで説明を入れられる仕様になっているが、ほとんどのサイトは手間がかかることを理由に省略しているため、読み上げソフトが役に立たない。


 法律が施行されて以降、画像ファイルを分析して音声で読み上げるというソフトも発売されたが、サイトの制作時点でウェブの標準が守られていないため大半の画像はまだ読むことができない。結果として、目が不自由な人がインターネットショッピングや検索をすることは夢のまた夢といった状況になっている。


 また韓国ではウェブの機能を付加する「ActiveX」対応のサイトが多く、いまだに特定のプログラムをインストールしないとトップページが利用できないというケースが多い。インターネットバンキングや動画サイトで特に多く実装されており、目が不自由な人にとってはやっかいな存在だ。








放送局MBCの視覚障害者用ページ。音声で読み上げられるように配慮されているが、コンテンツは減っている


 一部公共サイトでは視覚障害を持った人用、聴覚障害を持った人用のサイトを別途制作しているが、これも元のサイトにあった内容がほとんど省略されていたり、3~4年以上アップデートもなく放置されていたりするサイトが多い。


 北京五輪の間、放送局は韓国選手の全競技をネットで再放送し、競技場の外の様子を取材した特別番組をネットで流して盛り上げた。ポータルサイトも通信会社も、サポーターとして選ばれた大学生たちにカメラを持たせ、動画を投稿させた。ブロードバンド大国らしく、ネットで動画を見るのも投稿するのも大好きだ。しかし、目が不自由な人のためにコンテンツを音声認識で読み上げられるようにしたり、音声を字幕にしたりと配慮したものはごく一部にすぎなかった。



■電子政府は1位でもアクセシビリティーの評価は低い

 韓国の行政の情報化は以前から高い評価を得ている。韓国の電子政府への取り組みは、欧米の研究機関が発表する世界電子政府ランキングで2008年も1位を獲得した。しかし国民の誰もが利用できるようになっているかという評価項目は点数が低い。米ブラウン大学の2007年の電子政府調査では、韓国は総合評価では1位だが、アクセシビリティーの順守率は0%という極端な結果だった。







 アクセシビリティーの国際規格にはウェブの標準化団体であるW3Cが定めた「WCAG 1.0」があるが、韓国でもこれを参考にして2005年10月から、「KWCAG 1.0(Korean Web Contents Accessibility Guideline 1.0)」が国家標準として指定されている。ウェブ構築に関わる人たちが標準を守ろうと活発にフォーラムを結成したり情報交換したりしているので、アクセシビリティー問題も早晩落ち着くだろう。


■IPTVも新法に対応

 テレビ放送もアクセシビリティーの側面から変化している。放送局4社は2012年までに地上波放送の90%以上を字幕放送にすると発表した。地上波放送のリアルタイム再送信ができるようになったIPTVも新法の施行後、誰でも利用できるサービスにするため、使いやすいリモコンの開発を急いでいる。IPTVや地上波デジタル放送に関しては、デジタルデバイド解消のための受信機の普及も重要だが、誰でもアクセスできるような画面、利用方法が大前提になるからだ。


 見やすく分かりやすく、誰でも見たいコンテンツにすぐたどり着ける画面構成にするほか、ニュース報道や選挙関連の放送に関しては、字幕や音声での画面解説を選択できるようにし、災害時に目や耳が不自由な人が利用できることを条件としている。


 IPTV向けのリモコンは機能が多すぎて、情報端末に慣れている若い人でさえ使い方が把握しにくいといわれていたため、単純な機能で誰でも簡単に利用できるものも開発されている。リモコンをマウスのように動かしてテレビ画面に映し出されたメニューを選択できるタイプも登場した。



■韓国の変化の第一歩


 政府は音声バーコードをどんどん導入している。日本のQRコードのようなものをウェブ画面や行政書類、医薬品に付け、専用の端末にかざすと音声で書類の内容や医薬品情報を読み上げてくれるというものだ。今のところはバーコードに600字まで情報を書き込めるようになっていて、視覚障害を持つ人を対象に専用端末の購入費約70万ウォンの80%を政府が補助している。


 音声認識にこだわる理由は、視覚障害を持つ人で点字を判読できる人が2.4%と少ないという現実にある。事故や病気などで後天的に失明した人の場合、点字を勉強するのにとても時間がかかるからだ。携帯電話の場合はSMS(ショートメッセージ)やコンテンツの中身を音声で読み上げてくれるサービスが定着している。


 韓国では障害を持つ人や低所得家庭には携帯電話加入料やテレビ受信料の免除、電気代や鉄道料金の割引などの制度がある(割引率は障害の重度やどのような障害なのかによって違う)。もちろんこうした制度も大切だが、そもそも障害の有無に関係なく平等に暮らせるための環境整備も重要のはずだ。ウェブのアクセシビリティーを真剣に考えるようになったことは、韓国にとって大きな変化の一歩といえるかもしれない。

– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  
2008年9月2日


韓国CM REPORT – ロッテ – キム・スンウ, 茶ウリン


キム・スンウ プロフィール


1969年2月24日生まれ。


180cm70kg。1990年映画『将軍の息子』でデビュー。ドラマ『ホテリアー』で共演したのをきっかけにペ・ヨンジュンとは仲良しに。無名時代、大物女優イ・ミヨンと結婚したが離婚。女優キム・ナムジュと再婚し娘が生まれた。大の野球好きでもあり、芸能人野球団「プレイボーイズ」の団長でもある。スポーツ経営学の修士学位も獲得したエリート。2007年映画『素敵な夜をボクにください』に出演。歌手のRain(ピ)が隣の家に住んでいるが、Rain(ピ)より彼のお父さんともっと仲良しだそう。いつまでも20代にしか見えないハンサムなところも人気の秘訣。


 





茶ウリン



出演




キム・スンウ

放映日




2001年1月

以前ご紹介した「茶ウリン」のCMより、こちらが先に公開されたものになります。あのふたりがまだよそよそしかった、カップルに進展する手前といった雰囲気です。ソン・ユンアがアタックしてもキム・スンウは気付かないふりをするのですが、その後のCMでは、ソン・ユンアに「ユンアさんは澄んだお茶のようですね」なんてキザなセリフでちゃっかり口説いるから、男心はよくわからないものですね。


「おにぎりのわき腹が破けてますね」、「おにぎりにも相性があるそうですよ」、「お茶と相性がいいとか」、「チャウリン?」、「食後にはロッテ茶ウリン」、「ジョッタ!(いいね)」、「わき腹が?」。


擦り寄る彼女を避けて逃げるキム・スンウがおもしろいCMですが、ここでいう「わき腹」には、深い意味があります。韓国では彼女ほしいな~とか、彼氏がいるといいな~という意味で「わき腹が寒い」というんですが、ソン・ユンアのさりげないアプローチを知らんぷりするなんてひどい!


2001年に放映され、名作ドラマとして今でも再放送が続いている『ホテリアー』では、ドラマがヒットした割には、ヨン様の陰に隠れてあまり目立たなかったキム・スンウ。その後心機一転したのか、コメディー映画の主演を何本もこなしました。それまでは男らしくやさしい役ばかりだったのが、優柔不断でどうしようもないプー太郎、ちゃらんぽらんで憎たらしい浮気男などを演じて演技の幅を広げ、「キム・スンウという俳優の再発見」と映画雑誌や新聞に見出しが大きく掲載されるほど、何を任せても安心の中堅俳優という座を獲得しています。


キム・スンウはドラマ『完璧な隣人に出会う方法』が終わり、家族旅行や好きな野球三昧の日々を送っているとか。キム・スンウは芸能人が集まるアマチュアチーム「プレイボーイズ」のオーナーでもあります。前々から一度は名刺を持ちたかったそうで、生まれて初めて作ったという名刺には、俳優ではなくオーナーと書いてあります。「プレイボーイズ」にはチャン・ドンゴン、ヒョン・ビン、チョ・インソン、チ・ジニ、カン・ドンウォン、チョン・ウソンなど大スターが勢揃いしています。野球の実力もみなさんかなりの腕前だそうですよ。キム・スンウや韓流スターに会いたい方は「プレイボーイズ」の日程をチェックしておくといいかもしれませんね。

 – BY  趙章恩

Link
http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200101&dr=drink

「3アウトでサイト封鎖」韓国に吹き荒れるネット規制旋風



 韓国では、米国産牛肉の輸入再開をめぐる抗議デモの拡大を契機に、インターネットの規制を強化するための法改正や新法の検討が次々に進んでいる。その多くは表現の自由にかかわりかねない内容だけに、ネット業界やネットユーザーに「過去への逆戻りか」と危機感が広がっている。

■規制強化はポータルサイトへの報復か


 国家安全とセキュリティーを担当する行政安全部、インターネット政策を担当する放送通信委員会、コンテンツ産業と著作権を担当する文化体育観光部などが6月以降、相次いで新しいネット規制法案を発表した。内容は、インターネット上の情報保護を目的とした総合対策法案、ポータルサイトを言論として規制する新聞法改正案、違法コピーファイルの掲載で3回以上の処分を受けたサイトを強制閉鎖できる「スリーアウト制度」を導入する著作権法改正案、名誉毀損や虚偽の事実への対応を強化するサイバー侮辱罪など。これらはいずれも表現の自由より規制の強化を優先したと受け取れる内容となっている。









 行政機関がこのように一致団結してインターネットを規制しようとしているのは、米国産牛肉問題でデモに参加するよう扇動するような書き込みを自由にさせていたポータルサイトへの仕返しではないかと受け止める人が少なくない。ネットの書き込みで政府批判に火がつき、輸入反対集会が反政府集会に拡大して大統領の支持率まで下落したことと、今回のネット規制が無関係とは誰が見ても考えにくいだろう。


 例えば新聞法改正案では、ポータルサイトがトップ画面で50%以上の割合でニュースを掲載している場合は言論機関としての義務と責任を負うことになる。逆にそれが50%未満の場合は、サイト内でニュースはおろか検索やコメント機能も提供できなくなる。つまりポータルサイトが今までどおりニュースを提供して多くの読者のコメントを集めるには、初期画面に50%以上ニュースを掲載し、新聞法の規制を受け入れるしかない。事業者にとって選択の余地がない厳しい改正案である。


■著作権法の罰則をさらに強化

 7月16日に文化体育観光部がまとめた改正著作権法案では、スリーアウト制度の条項をめぐってインターネットサービス業界との間で対立が起きている。


政府の説明によれば、今回の著作権法改正は既存の著作権法にコンピュータープログラム保護法を吸収し、著作権委員会とコンピュータープログラム保護委員会を統合して韓国著作権委員会を設立することが主な目的とされている。しかし昨年の改正で罰則規定が強化されたばかりにもかかわらず、今回さらに罰則を強化しようとしており、政府の説明を言い分どおりに受け止める人は少ない。







 現行の著作権法では、違法コピーファイルを掲載すると5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金が科される。改正法案では、さらに、繰り返し違法ファイルを転送・登録する利用者に対する利用停止及び解約、違法ファイルを掲載するサービス提供者(P2P、ストレージサービス、ポータルサイトなど)のアクセス遮断などの罰則が盛り込まれた。ユーザーが著作権侵害にあたるファイルの転送や流通の中止命令に従わない場合、行政機関はユーザーのID停止または解約をサービス提供者に命じ、これに従わない場合は罰金が科される。


 文化体育観光部の調査によると、インターネット上の違法コピーファイル流通による著作権侵害は、全著作権侵害の94.5%、映画、音楽、出版だけで約2000億円近い金額となっている。ここにソフトウエアの違法コピーを含めると大変な数字になる。著作権保護という観点でいえば、こうした罰則強化の流れもやむをえないと考えられる。

■罰金3回でサイトを強制閉鎖







 だが、問題はここから先だ。改正案では違法コピーファイルの掲載により罰金を3回科されたサイトに対しては、審議を経てサイトを強制的に閉鎖できるようにするという。サイト内の掲示物の70%以上が違法コピーファイルである場合は、直ちにサイトを閉鎖できる。


 審議と閉鎖命令は著作権委員会と文化体育観光部長官が下す。日本ではプロバイダ責任制限法で、サイトの運営者には一定の免責が認められている。しかし韓国は今回、違法を野放しにすればサイト閉鎖、つまり廃業に追い込むことも辞さない処罰へと踏み込んだ形だ。


 これに対して、インターネット企業協会など事業者団体は、「サイトの閉鎖といった処罰を強化する法律は正当なコンテンツ流通の促進にはつながらない」「著作権者とインターネット事業者の間でうまく協議できるよう奨励する法律を作らなければならない」と反発している。


 ネット業界が危惧しているのは、サイトの閉鎖命令を裁判所が下すのではなく、著作権委員会が判断して個人のネット利用停止、サイト閉鎖まで命令できるという点だ。「著作権保護という名目でインターネットを政府の規制下に置こうとしている」という指摘はもっともで、慎重に対応しなければ行政の権力乱用につながりかねない。

 強制的にサイトを閉鎖した場合、そのサイトを正当に利用していたその他大勢のユーザーはどうなるのかという問題もある。その点については、まだ明確な説明がなされていない。


 企業側は「著作権を侵害せず動画投稿やコンテンツを利用させるための方法は何かを考えるべきだ」と主張する。そのために、コピーを制限できる技術やコンテンツ利用料の策定、手軽な決済方法の開発などが必要であって、処罰を強化するよりは、コンテンツ流通活性化を前提にした著作権法改正が重要であるという意見を示している。


 著作権侵害の問題については、CDを友達に貸してあげるような感覚で「共有」してしまう一般ユーザーの教育も含めて、より腰を据えた対策が欠かせないだろう。今回の改正法案は著作権者側からすれば一歩前進だが、改正が実現すればサイト閉鎖と表現の自由のバランスをどうとるかという新たな難題を抱えることになるのは間違いない。

■わかりにくい「虚偽の事実」の基準


 ネット規制強化の一環として法務部が検討しているのは、ネット上の本人確認制度の拡充とサイバー侮辱罪の新設だ。本人確認制度は現在1日訪問者30万人以上の動画投稿サイトとポータル、同20万人以上のインターネット新聞で実施されているが、これを訪問者数10万人以上のすべてのサイトに拡大しようとしている。インターネットに虚偽の事実を書き込み、誹謗中傷したり他人の名誉を毀損したりした人の処罰をよりスムーズにできるようにする狙いだ。


 これまでは誹謗中傷した人の身元を割り出して訴訟を起こすのが困難だったため、ネットの嘘の書き込みのせいで会社を辞めさせられ社会生活ができなくなっても泣き寝入りするしかないといった被害者が後を絶たなかった。侮辱罪が追加されれば警察に届け出をするだけで解決の糸口が見つかるかもしれない。


 しかし、明らかに誰が見ても分かる音楽や映画といった著作物の違法コピーファイルならともかく、虚偽の事実に関しては表現の自由に抵触する部分もある。政府の気に入らない内容を書き込めばすべて虚偽の事実として処罰されるといった可能性もある。言論統制以上の世論封鎖になりかねない。


 与党ハンナラ党は「情報通信網利用促進及び情報保護法改正案」をまとめ、インターネットの書き込みによって名誉を毀損され被害を受けた人が該当掲示物の削除をインターネットサービス業者に要請した場合、事業者側は直ちにブラインド状態(サーバー上には残っているがサイトには表示されない)にして、ほかのユーザーからは見えないようにしなくてはならないとする「ブラインド制度」の導入をもくろむ。要請を受け入れず誹謗中傷の書き込みを野放しにするサイトを処罰できるようにする法規定も新設しようとしている。


 青少年保護のために夜10時から朝5時まで未成年者のIDではオンラインゲームを利用できなくするシャットダウン法案も新設される予定だ。これも青少年の保護につながるという意見と、結局他人の名義を盗みIDを作る問題が起こるだろうと反対する意見が衝突している。

■韓国ユーザーが2ちゃんねるに「亡命」?


 ネットユーザーの間では、「インターネットを浄化しようとする意図は分かるが、行政機関がインターネット事業者を廃業にまで追い込めるので官民の癒着関係が生まれやすい」「著作権侵害以外に政府の気に入らない掲示物も次々と消される危険性がある」「韓国にはもう表現の自由はないかもしれない」と、海外サイトへの「ネット亡命」を選択する人も増えている。長い軍事政権や言論統制を経て、韓国人はインターネットを通してやっと言いたいことを少しは自由に言えるようになったのに、また逆戻りしてしまうという懸念からだ。


 韓国政府がどんなに強力な法律を作ろうとも、世界中のインターネットを規制することはできない。ネット亡命はこれからも増え続けるしかないだろう。インターネット新聞などは「政府がインターネットに絨毯爆撃を準備している」とまで批判していた。2ちゃんねるなど、日本のウェブサイトに亡命してくる韓国ユーザーも出てくるかもしれない。



– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  
2008年8月19日

Original Source (NIKKEI NET)
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx?n=MMIT13000019082008

韓国CM REPORT – ロッテ – チェ・ソングッ


チェ・ソングッ プロフィール


1970年12月2日生まれ。


180cm、73kg。ソウル芸術大学演劇学科出身。大学時代の友達がお笑いタレントとして成功するのを見て、1995年民放SBS(ソウル放送)タレント公募試験を受け一発で合格するが、役をもらえず苦労する。当時コメディー俳優といえばお笑い出身しかいないことに目をつけ、深刻な表情で笑わせる演技のできるコメディー俳優になりたいと決心、見事成功した。金とコネに振り回されるのが嫌で、芸能事務所に所属せずに、すべてを自分で管理している。ハ・ジウォンと共演した映画「色即是空(セックスイズゼロ)」は、18禁のセクシーコメディーにも関わらず、2002年に大ヒットした。



コカルコーン



出演
チェ・ソングッ
放映日
2006年5月

チェ・ソングッは、日本ではまだ顔があまり知られていませんが、韓国では「アンニョンハセヨ、チェ・ソングッです」と挨拶しただけで周りの人が大爆笑してしまうのが悩みというほど、人気のコメディー俳優です。1995年にTVタレントとしてデビューした当初は、メロドラマのロマンチックな主人公ばかりでしたが、ウォン・ビンやソン・スンホンといったカッコいい新人俳優がどんどんデビューするのを見て怖くなり、このままでは30歳になる前に俳優としての寿命は終わりだと判断、個性的な俳優になるため思いついたのが、「人と変わったことをしよう、深刻な顔して笑わせるコメディー俳優になろう」ということだったそうです。こういう発想をする自体、平凡な俳優ではないですよね。


個性こそすべて、固定観念から脱皮したいと主張するチェ・ソングッのロールモデルは、北野武とジム・キャリー。コメディー俳優と断定するには難しい、いろんなカラーを持つ人になりたいそうですが、十分目標を達成しているように見えますよね。雑誌やTVのインタビューでは、「第二の○○なんて呼ばれるよりは、人気がなくても自分だけの個性を大事にしていきたい」と何度も強調するところが印象的でした。


CMで見せるコミカルな表情もさすがです。「姿勢を見なさい。こうやってパッパッと」と、ショートトラックのスケートに乗る姿勢を見せようとしたはずみで、指に挟んだあった「コカルコーン」が口に入り、さくっとした歯ごたえとおいしさに思わず眉毛が踊ってしまいます。「ノムノムマシヌンゴイッジ~、コッケムルゴシプゴイッジ~」(すごくすごくおいしいのがある~パリッと噛みたいのがある~)というCMソングも覚えやすく、愉快なCMに仕上がってます。


最後の場面は、アメリカのアントン・オノ選手のパロディーです。オノ選手が練習場面を盗み見していて、それを見つけたチェ・ソングッが「オ!ノ!」(オ!君!)と叫ぶというオチ付きです。オノ選手は、2002年ソルトレイク冬季オリンピックで、韓国の選手が反則をしたかのようなオーバーなハリウッドアクションをして金メダルを奪ったと、反感を買ってしまったのです。2002年サッカーワールドカップでは、オノ選手のアクションのモノマネが韓国チームのゴールセレモニーに登場したほど、韓国では大事件でした。

 – BY  趙章恩

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http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200605&dr=food

「世界初」はもういらない――韓国イ・ミョンバク政権の新IT戦略

韓国知識経済部は2008年7月10日、イ・ミョンバク新政権のIT産業政策である「New-IT戦略」を発表した。その目標は「ITの拡散による産業構造の先進化と社会問題解決」で、3大戦略分野として「全産業と融合するIT産業」「経済社会問題を解決するIT産業」「高度化するIT産業」が選定された。2012年まで韓国IT産業では「融合」がキーワードになる。

■ITの恩恵をすべての産業に


 知識経済部は「新しい時代精神に立脚して3つの戦略分野を導出した。IT産業そのものだけでなく、全産業と経済社会の当面の課題を解決する方向でIT政策を変化させる必要がある」としている。この戦略をとりまとめた知識経済部は2008年の再編により情報通信部と産業資源部が一つになった省庁で、日本で言えば総務省のIT政策部門と経済産業省が一つになったようなところだ(通信と放送に関しては通信放送委員会が別途設立された)。24日には新戦略の具体的な実行計画として「ITイノベーション2012」も発表した。









国会開会式で演説する韓国の李明博大統領=11日、ソウル〔共同〕


 新政権は、ノ・ムヒョン大統領時代の「IT839戦略」に対して「政府の関与が大きすぎる」と批判的だった。Wibro(モバイルWiMAX)やDMB(モバイルデジタル放送)といった「世界初」を目指した技術開発は進んだものの企業や市場の需要を反映しておらず、名ばかりの政策も多かったという主張である。それだけに、今回の新戦略で何がどれだけ変わるかが注目を集めていた。


 イ・ミョンバク大統領の在任期間にあたる2008年から2012年まで実施される新しい戦略は、今まで何度も新政権が強調してきたように市場主義、自由競争が基本となる。政府と公共機関は需要がまだ少ない最新分野に投資し、需要を拡大させる役割を担うという。

 知識経済部の資料を見ると、2007年の韓国IT産業の輸出動向は、携帯電話端末、半導体、ディスプレーの3品目だけで全体の約77%を占めている。IT業界は中小企業の占める割合が約99%と高いのに対し、生産に占める割合は約29%、輸出は約13%に過ぎない。しかも携帯電話やディスプレーは海外から部品の多くを輸入しており、IT輸出が増加すればその分だけ輸入や海外へのロイヤルティー支出も増える。


 韓国はサムスン電子、LG電子など一部企業がグローバル化を果たし、インターネットの利用率も高い。しかし、今の産業構造を変えていき、全産業のIT化により経済全体を活性化させていかなければ、「IT強国」とはいえなくなるという危機感は多くの人に共通している。New-IT戦略は何よりも企業と市場の活性化が重要であるとして、大手企業はもちろん、中小企業が希望をもってビジネスに取り組めるような戦略作りに苦心した様子が伺える。

■RFIDやグリーンITに集中投資


 New-IT戦略によると、政府は2012年までの5年間に3兆5000億ウォンを投資する。一方、民間企業の投資額は110兆ウォンを見込み、民間主導で財政支出を抑制する方針だ。


 数値目標では、2012年までに国内生産1兆ウォン以上のIT融合産業分野を10以上創出し、製造業の成長率を2%以上引き上げる。また2012年にはIT産業輸出品目の多様化で輸出金額2000億ドルを達成し、売上高500億ウォン以上の企業を2007年の607社から2012年には1000社に増やす。そのほか、グローバルソフトウエア企業を10社育成し、専門教育を受けた2万人のNew-IT人材を養成することなどが挙げられている。







 「全産業と融合するIT産業」の具体的な計画としては、製品のIT化、プロセスのIT化、サービス業のIT化、組み込みソフトウエア開発を推進する。造船・自動車・機械・繊維・医療機器といった韓国を代表する5つの既存産業でITの融合に取り組み、2012年には融合技術を12分野に拡大させる。


 中でもRFIDには力を入れる方針だ。自動車や繊維(衣類)、流通産業にRFIDやユビキタス・センサー・ネットワーク(USN)を導入したテスト事業を立ち上げるなど、RFID普及だけで2008年に60億ウォンを投資する。既存産業のIT融合を促進するための「産業IT融合センター」も2012年までに10カ所に設立する。


 「経済社会問題を解決するIT産業」では、グリーンIT実現のためIT製品の省エネ効率を2012年までに20%向上するという目標を掲げる。このための関連技術開発に5年間で2000億ウォンを投資し、LED(発光ダイオード)産業の世界シェア3位を目指すという。郵便局や公共機関が率先してLED照明などを導入し、民間の需要も掘り起こせるように500億ウォン規模のLED共同ファンドも組成する。

 さらに高齢化に伴う医療問題解決のためユビキタスヘルスケアにも力を入れる。ユビキタス病院を3カ所程度設けるという計画があるほか、デジタル・レントゲン・ディテクター(Digital X-ray detector)といった先端医療機器開発に5年間で2500億ウォンを投資し、これを支援するためのセンター設立に1071億ウォンを充てる。医療機器のIT融合化では世界シェア5位が目標だ。


 「高度化するIT産業」としては、半導体やディスプレー産業育成、ネットワーク・無線通信、IT部品とソフトウエア産業の育成が含まれる。戦略分野としては電子情報デバイス、情報通信メディア、次世代通信ネットワーク、ロボット、ソフトウエアコンピューティング、知識サービス、USN、産業技術融合、バイオ医療機器が選定された。


 半導体やディスプレー、携帯電話端末などに使われるIT部品やコア技術の国産化のためには2008年だけで3204億ウォンが使われる。内訳は半導体が1081億ウォンでもっとも多く、IT部品802億ウォン、ネットワーク(次世代ネットワーク)540億ウォン、移動通信524億ウォン、ディスプレー320億ウォンとなっている。ディスプレー産業基盤センター協議会の設立、携帯電話端末の産業成長のためのモバイルテストフィールド拡大など、中核的なIT産業の基盤をより確固たるものにする。知能型ホームネットワーク産業発展戦略と知識情報セキュリティー産業発展戦略も2008年末までに立案し、このための予算として81億ウォンを補助する。

■人材育ててベンチャーに投入









サムスンの携帯「Anycall」の看板=ソウル〔AP Photo〕


 New-IT戦略では企業の需要を反映した人材養成も重要な課題となっている。


 人材養成については、大卒クラスの人材が余剰となる一方、博士クラスの高い教育を受けた高度人材が不足しているという課題がある。このため、「融合・複合」に対応して新市場を切り開くプロジェクトリーダーになりうる人材養成のため、2012年までに2800億ウォンを投資して2万人を養成する。


 韓国では失業率が上昇し求職難となっている。しかし、中小ベンチャー企業からは「我々には有望な人材が回ってこず、依然として求人難」と、長期的な人材養成を要求する声が絶えなかった。そのため、2009年にはまず全国5カ所で企業、大学、研究所が共同参加する「IT融複合人材養成センター」を設立運営する計画だ。

 政府の支援を受けた人材と政府の研究機関の研究員には中小企業やベンチャー企業での勤務を義務付けるという制度も検討されている。生涯のキャリアを管理してもらえる「高級IT人材全生涯キャリアパス管理体制」が導入され、海外に離れていく人材を呼び戻す戦略も立てている。


 さらに、世界で初めてIT教育認証制度「ソウル・アコード」を2009年に始める。技術者教育の分野では国際的な同等性を相互承認するための国際協議体としてワシントン・アコード(Washington Accord)がある。しかしワシントン・アコードではIT分野の教育特性を十分反映できないため、韓国主導でIT教育国際認証の枠組みであるソウル・アコードを推進するということだ。


 法制も変更する。現在はいくつもの法律に分かれている情報通信関連法を一つにまとめ、IT製造業とサービス業が並行発展できる制度的基盤作りとして「情報通信産業振興法(仮称)」を2008年12月には国会に提出する計画だ。


 このほか、New-IT戦略には国内の知的財産権管理を強化して海外企業との特許紛争に対応できるよう専門性を高めること、IT研究開発基金として大手通信企業が売上高の0.1%ほどを政府に拠出していた制度を5年後に廃止し料金競争を高めること、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)と韓国情報通信国際協力振興院(KIICA)に分かれていた韓国企業の海外進出支援組織を一本化し窓口を大韓貿易投資振興公社に絞るといったことも盛り込まれている。

■「世界初」より実質的な支援に転換


 政府関係者らはNew-IT戦略について、IT839戦略をはじめとする過去のIT戦略といかに異なるかをしきりに強調している。ただ、重点事業としている8大課題も、IT839時代に選定された産業資源部の7大戦略技術と情報通信部の14大IT革新技術をまとめて8つにしただけといえないこともない。既存産業とITの融合や部品の国産化も前々から課題とされてきたことだ。


 変化があるとすれば、やはり情報通信部と産業資源部に分かれていたIT産業政策が、2008年からすべて知識経済部の担当となり、省庁間の縄張り争いがなくなりスムーズにことが運ぶようになったという面だろうか。これにより企業も楽になった。







 今までのIT戦略はサービス、ネットワーク、機器といったIT産業そのものの発展に焦点が当てられていた。それに対し、New-IT戦略はIT利活用による社会問題の解決や、産業全般の高度化など範囲が広く、「ITそのものの戦略というより国家発展戦略に近い」と政府は説明している。しかし、いまのところ大きな差は感じられない。ソフトウエアやSIといった業界からは「融合ばかり強調してIT産業自体の成長支援策については触れていない」という批判の声もあがっている。


 ただ、これまでのスローガンであった「世界初で何かをする」という目標は一転して影を潜めた。世界初という記録を求めて政府が旗を振るよりは、企業の意見を優先し、企業が望む人材を養成したり、ファンドや協議会を設立したりすることで間接的に企業を支援する。省庁間の無用なアピール合戦の必要がなくなったため、実質的な成果を追求しやすくなったという側面もあるだろう。こうした政策の転換はこれからの産業発展に影響を与えるはずだ。


 経済大統領として期待されたイ・ミョンバク大統領が就任し、真っ先に政府組織再編が行われた。小さな政府、ビジネスがしやすい最小限の規制が新政権のキャッチフレーズでもある。IT産業に関しても省庁再編により業務の改廃や公務員リストラが噂されたりし、落ち着かない雰囲気が続いていた。

 New-IT戦略の発表で、IT産業全体がようやく今年度の仕事を始められるようになったといわれている。それは結局、韓国はまだ企業が政府の支援に頼りすぎているということの裏返しだろう。新政権の狙い通り、民間主導の経済が実現するにはもう少し時間がかかりそうだ。

– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  
2008年7月30日


韓国CM REPORT – ロッテ – ソン・ジヒョ


ソン・ジヒョ プロフィール


1981年8月15日生まれ。


168cm、46kg。本名はチョン・ソンイム。ペルシャ猫のようなキリリとした顔立ちと、悲しそうで冷たそうな神秘的雰囲気で、ファンを虜にしている。2001年10代向けファッション雑誌『kiki』の表紙モデルでデビュー。化粧品、製菓、緑茶、ビール、携帯電話、シャンプー、自動車など数々のCMに出演。出演作にはドラマ『宮』、『朱蒙』、映画『女子高怪談3 狐階段』がある。両親が水泳選手出身だったため、子供のころから水泳が得意。そのおかげで、抜群のプロポーションを手に入れることができたとのこと。


 





ナトゥル



出演




ソン・ジヒョ

放映日




2001年05月

ドラマ『宮』で、皇太子の初恋でありながら不倫(?)を夢見るミン・ヒョリン役で強烈な印象を残したソン・ジヒョ。バレリーナになるため玉の輿を諦めるものの、やっぱり皇太子のことが忘れられず後悔する揺れる気持ちを、寂しそうな表情やじっと見つめる視線でとても上手く表現してましたね。これ以上のキャスティングはないとまで言われたほどです。女優としては新人ですが、モデル生活が長かったので「どこかで見たことのある顔」として、TVでも親近感を持たれています。


「ナトゥル」のCMは、そんな彼女のモデル時代、TVCMに顔を出すようになって間もなかったころの貴重な映像です。ドラマとは顔立ちが若干違うような、今のほうが断然若く見える(!)のが不思議です。『宮』が大ブレイクしてから、国民的ドラマともいわれた『朱蒙(チュモン)』にも重要な役で出演し、演技力を認められました。


芸能界にデビューしたきっかけは、街角スカウト。狎鴎亭洞(アックジョンドン)にあるカフェでアルバイトしていたところ、今のマネージャーにスカウトされたそうです。両親の猛反対を振り切り、ファッション雑誌『kiki』の表紙モデルとして2001年デビューし、数十編のTVCMに出演しました。ドラマ『宮』に出演してからはさらにCMの出番が増え、セクシー写真集も披露しました。


理想のタイプは目が一重で男らしい男性だそうで、チョン・ジヒョンのような女優兼モデルになるのが夢だそうです。2007年は、セクシーコメディー映画を撮影中。今までとは全然違う魅力を見せてくれるそうなので、期待してしまいます。


 – BY  趙章恩

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http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200105&dr=food

キャリアとコンテンツプロバイダーとの主従関係は改善する?

例えば日本のiモードの公式サイトになった場合、キャリアとコンテンツプロバイダー(CP)との利用料配分はキャリアが9%でCPが91%と配分率が公開されている。携帯電話キャリアはヒットコンテンツを見つけて利用させて通信費で儲ける(今はそうもいかなくなったが)というのが基本的なビジネスの仕組みだった。韓国ではCPとの契約なんてキャリアの勝手。利用料の60%をキャリアが持っていくなんていう契約もあれば、30%しか持っていかない契約もある。どことどのような契約をするかは、キャリアの勝手なのだ。韓国の放送通信委員会はこれは不公正取引行為として、キャリアとCPとの契約関係を改善すべく制度改善のために調査に着手した。

 韓国ではほとんどのコンテンツ契約がCPや製作した人は4割未満の配分となっている。キャリアやポータルサイトはいつも「本の印税は10%。それに比べたら40%ももらえるなんてステキな契約じゃないですか」という。日本のキャリアは手数料として9%ほどしか取らないと聞いてびっくりしてしまった。アップルのApp Storeだって手数料は30%だというのに。当然のことだが、iPhoneが韓国に入ってきたらCPはみんなApp Storeを狙うだろう。


 今はまだ端末に韓国標準プラットフォームWIPIを搭載しない限りiPhoneは韓国で販売できないと止めてはいるものの、端末ラインアップを豊富にして顧客の離脱を防止したいキャリアの要請から、WIPI搭載義務の廃止は時間の問題といわれるようになった。iPhoneとApp Storeが押し寄せてきたとき、韓国のキャリアは今のままで大丈夫なのだろうか。

韓国は日本と違ったビジネス環境でもある。韓国のモバイルコンテンツはマスターCP(キャリアの子会社になっている場合が多い)と呼ばれる大型CP経由で納品される。キャリアとの直接交渉ではなくマスターCPと交渉しなければならないし、経由点が多いから手数料として取られるのも大きいかもしれない。また日本ではキャリアは場所を提供し、コンテンツはCPが担当するという立場だが、韓国はキャリアがコンテンツ開発に積極的で、映画会社やレコード会社を買収してコンテンツ勢力を拡大させている。


 放送通信委員会の通信利用制度課は、モバイルインターネット・コンテンツの活性化と有望新規事業者発掘のための公正競争環境を作ろうとしている。キャリアとCPの契約から端末会社とCPの契約へ変わっていこうとしている中、新しいモバイルコンテンツ事業者がどんどん市場に出てくるようにするためには、キャリアとCPとの取引や契約関係が明確でないといけないという考えからだ。


 それに今までの政府の支援策といえば、海外展示会に参加する費用を補助するとか、コンテンツ開発費を補助するとか、お金をあげて生き延びられるようにする支援が多かった。それを市場の中で生きていけるように、公正な環境を作り、国内市場で積極的にコンテンツサービスを展開して競争できるようにすることで、海外でも通用するコンテンツにさせていくということ。Wibro(モバイルWiMAX)普及により、モバイルコンテンツの需要増加が見込まれているため、今のうちに明朗会計な市場に整えておきたいということなのかもしれない。


 韓国は日本より携帯電話、モバイルでは遅れを取っているようにみえる。確かに利用率の面では携帯電話からネットにアクセスすることはあまりしない(高校生や大学生の利用率はぐんぐん伸びているが)。それでも、韓国が発祥の世界的モバイルコンテンツだってある。韓国ではカラリング、日本ではメロディコールや街うたといわれる、電話がつながるときになる信号音の代わりに音楽が流れるというあれだ。


 ゲーム好きの韓国だけに、パケット通信費が高いといってもモバイルゲームは好調で海外へもわんさか輸出されている。キャリアに利用料の50から70%を持っていかれながらも、次々に新しいアイデアでコンテンツを披露している。キャリアの取り分が10%でCPが90%もらえるようになったら、もっと意欲的になってすごいことになるのではないかと期待してしまう。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年9月3日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080903/1007634/