サムスン電子は、18年10月にプロセッサーとイメージセンサーを発表して車載半導体事業を強化すると宣言して以降、自動車メーカーへの売り込みを進めてきた。19年1月に、ドイツAudi(アウディ)にIVI用半導体「Exynos Auto V9」の供給を開始。20年1月には、米Harman International Industries(ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ、17年に買収完了)と共同開発した5G(第5世代移動通信システム)対応のテレマティクス制御ユニット(TCU:Telematics Control Unit)が、ドイツBMWの電気自動車(EV)「iNEXT」(21年発売予定)に採用された。サムスン電子は、先進運転支援システム(ADAS)やIVI、テレマティクスなどの分野を中心に攻勢をかけている。
両社の協業は、電池の開発も含むとみられる。アップルにとってEVでの強敵は米Tesla(テスラ)であり、同社と価格でも張り合うには電池コストの低減が不可欠だ。アップルがリン酸鉄リチウムイオン電池を開発中との報道もあった。現代自動車も全固体電池の研究を進めているほか、韓国電池大手のLG Energy Solution(LGエネルギーソリューション)、Samsung SDI(サムスンSDI)、SK innovation(SKイノベーション)の3社とも緊密な関係にある。
同センターは、韓国Korea Advanced Institute of Science and Technology(KAIST)の諮問団と協業し、主に中小企業の特許紛争を積極的に支援する。諮問団は、KAISTの教授ら約100人が素材・部品・設備の国産化に向けて中小企業の技術開発を促進するために設立した組織である。19年夏に日本政府が半導体製造用材料3品目(レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミド)の輸出管理を厳格化したことが、設立のきっかけになっている。
ボストン・ダイナミクスは、SBG傘下のロボットメーカー。1992年に米Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学)発のベンチャーとして設立された。2013年に米Google(グーグル)が買収し、18年にSBGが買収した。現在はSBGの完全子会社である。2足歩行ロボット「Atlas」や4足歩行ロボット「Spot」を開発した会社として知られている。
現代自動車は最近、ロボティクスへの投資を進めている。ボストン・ダイナミクスの買収が現実となれば、Hyundai Motor Group(現代自動車グループ)会長であるEui-sun Chung(チョン・ウィソン)氏が就任してから最初の大型買収となる。同氏は20年10月14日に首席副会長から会長に昇格した。現代自動車グループのトップ交代は、20年ぶりのことである。