韓国ではデータ・AI産業への関心と期待が高いことから、新型コロナウイルス禍でもAI関連カンファレンスは中止せず、オンラインで開催している。2020年9月23、24日には韓国科学技術情報通信部(韓国の部は日本の省に相当)とソウル市が主催する「Smart Cloud Show 2020」が開催された。
基調講演にはSLAM技術で著名なSebastian Thrun氏が登壇した(図1)。同氏は、米グーグルの次世代技術開発を担うGoogle X Lab(現X社)や、コンピュータ科学分野のオンライン学習プラットフォーム「Udacity」の創設者などとしても知られ、韓国では「自動運転の父」として尊敬されている。
Kora International Trade Association(韓国貿易協会)の統計によると、20年1~7月の韓国の半導体輸出額は547億4000万米ドル(約5兆7200億円)。そのうち、中国向けは41.1%の224億8900万ドル(約2兆3500億円)、それとは別に集計している香港向けは20.8%の113億7500万ドル(約1兆1900億円)だった。香港経由で中国の各地に送られる半導体が多いとされており、韓国の半導体輸出先として中国の占める割合が非常に大きいことが分かる。
LG Electronics社は2020年8月、ホテル向けの屋外配送ロボットを公開した(図1)。ソウル市のMayfield Hotel & Resortにおいて建物内外を行き来しながら客が注文した商品を屋外テラスのテーブルまで届ける用途で使われる。LG Electronics社としては初の屋外で稼働するロボットである。
LG Electronics社はかねて、仁川国際空港で稼働する掃除ロボットやサービスロボット、ファミリーレストラン向け調理ロボットなどを提供してきた。2018年にはロボット製品群のブランド「CLOi」を打ち出している。
Samsung社の李氏ら経営陣は、Hyundai社の「Hyundai Kia Namyang Technology Research Center」を訪問し、開発中のレベル4自動運転車や水素燃料電池バスに試乗。Hyundai社の鄭氏ら経営陣からモビリティやロボティクスなど同社の新ビジネスに関して説明を受けた。李氏と鄭氏の交流は、鄭氏が2020年5月にSamsung SDI社の天安工場を訪問して全固体電池関連で意見交換をして以来、今回が2度目である。同社の全固体電池は要素技術の開発段階であり、商用化は2027年以降になりそうだ。