《日経Robo》韓国KAISTが世界のAI研究者から、殺人ロボット兵器研究をすると誤解、国際問題に

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2018年4月、韓国で大騒ぎになったロボット関連ニュースがある。

  30カ国のロボット研究者57人が、韓国の国立大学KAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)は「自律型ロボット兵器(殺人ロボット)」を開発している疑いがあり、明確になるまでKAISTとの全コラボレーションをボイコットするというニュースだった。結論から先に言うと、KAISTはロボット兵器の開発を行っていないと正式に発表、ボイコットは4月10日に撤回された。

 このニュースは、米『Science』誌のWebサイトで4月4日に「South Korean university’s AI work for defense contractor draws boycott」とのタイトルで掲載。同じ日に英『Financial Times』も「Academics boycott South Korea university on ‘killer robot’ fears」というタイトルで報じた。翌日には米CNNや英Reutersも追随し、報道は世界中でどんどん拡散していった。

 KAISTに対するボイコットのまとめ役は、著名なAI研究者であるオーストラリアUniversity of New South Wales の教授Toby Walsh氏だった。同大学のホームページに公開書簡が掲載されている注1)。同書簡には、ディープラーニング技術の権威であるGeoffrey Hinton氏やYoshua Bengio氏なども署名している。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.6.


《日経Robo》LGがAI家電「ThinQ」に注力、ロボ掃除機は異常検知機能で空き巣撃退も

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2018年5月23日から26日にかけて、ソウルでは韓国最大のIT展示会「World IT Show 2018」が開催された。キャリア3社は「5G」を中心に展示していたのに対し、韓国Samsung Electronics社と韓国LG Electronics社(以下、LG社)は「AI」を強調した展示になっていた。

 特にAIに対して力が入っていたのがLG社だ(図1)。同社は2017年からAIを搭載したスマート家電を次々と発売している。テレビから白物まで、あらゆる家電にLGのAIプラットフォーム「DeepThinQ」を搭載し、その証として既存の商品名の後ろに「ThinQ」というAIブランド名を付けている。なお、ThinQは「Think You」とQ(映画などの撮影開始合図の「cue」)に由来する造語で、「いつも顧客のために自ら考えて行動するLGのAI」との意味を込めたという。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.6.

《日経Robo》韓国小売大手の新世界グループなど店頭にロボ導入、自動運転カートからPepperまで

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米Amazon.com社の無人店舗「Amazon Go」、米Walmart社の店舗で在庫をチェックし商品の値札を確認するロボット「Bossa Nova」(別記事参照)などが話題になっている。そんな中、韓国の流通業界もリアル店舗でAIとロボットを本格的にテストし始めた。

 韓国では「直購」といって、米国や欧州、中国など世界中のEC(電子商取引)サイトを検索し、韓国での価格より関税込みでも安いお気に入り製品を探し出して購入。韓国まで海外配送してもらう買い物スタイルが定着している。特に本人が使うもので150米ドル以下の商品は関税がかからないため、直購は増えるばかりである。最安値検索も韓国のECサイトだけでなく、世界中のサイトを比較する。

 この自宅にいながら簡単にできる“世界中からのお取り寄せ”により韓国の消費環境は激変している。韓国政府が毎月公開する「流通業売上動向」によれば、2018年4月時点でECの売上高は15.9%増加したが、非ECのリアル店舗は1.0%の増加に留まった。しかも増加分はコンビニによるもので、デパートやディスカウントショップなど、コンビニ以外は売上高も購買件数も購買単価も減少し続けている。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.7.

《日経Robo》韓国2大電機メーカーがAI競争、独自開発のSamsung、協業活用するLG

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 2018年になり、韓国Samsung Electronics社(以下Samsung社)と韓国LG Electronics社(以下LG社)のAI競争は激しさを増している。両社は、2018年を本格的にAI搭載家電が売れ始める年と見込んでいるようだ。1月に米国ラスベガスで開催された世界最大級のエレクトロニクス展示会「CES 2018」でも、2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2018」(MWC2018)でも、ハードウエアの単純な仕様より「AI搭載でより使いやすくなった」ことを強調していた。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.3.

《日経Robo》平昌五輪は選手村や競技場に「ロボット支援団」、KAISTのOh氏が警備用など85台選定

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2018年2月9日、ついに平昌冬季五輪が開幕した。北朝鮮の参加が決まってから韓国内の関心も高まり、いろいろと冬季五輪「初」の記録を残している。米国の五輪中継権を持つ放送局NBCUniversal社は冬季五輪としては初めて、平昌大会の開幕式から主な試合を生中継し話題になっている。

  米Intel社は自社の「Intel True VR」を使って冬季五輪初の試合VR生中継を行っている。1試合当たり3~5台のカメラで撮影し、ユーザーは自分が観たい視点を選択して試合中継を楽しめる。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.2.

《日経Robo》KAISTの2足歩行ロボが五輪初の聖火ランナーに

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 この冬、韓国の地上波テレビ局はロボット開発者が主人公の連続ドラマを2本も放映している。1つは『ボーグマム』というタイトルで、主人公が子供の教育の世話をしてくれるロボットが欲しくなり亡き妻そっくりなAI搭載ヒューマノイドを開発。ヒューマノイドは教育ママ友の間でもまれながら人間の世界を学習するものの、融通が利かず嘘がつけないロボットらしさで嫌味な教育ママたちをやっつけ子供を守り、主人公とも恋に落ちるというストーリー。

 もう1つは『ロボットじゃない』というタイトルで、人間嫌いの財閥御曹司とロボット開発者、ロボット開発者の元恋人でヒューマノイドの顔のモデルになった女性が登場する。ロボット開発者は御曹司に投資してもらうため開発中のヒューマノイドを披露しようとするが直前に故障、モデルである元恋人にヒューマノイドのふりをするよう頼んだことから始まる物語である。

 ロボット開発者が見たら「あり得ない!」とつっこまずにはいられない場面だらけだが、ドラマとしては人気があるようだ。2本のドラマに共通しているのは、AIを搭載したヒューマノイドに人間の世界を学習させながら、逆に主人公が人間について考えるようになり成長するというところである。韓国では子供からシニアまでAIやロボットに興味を持つ人が多いことから、ドラマの題材になったようだ。

 韓国政府はここ数年、国をあげてロボット産業を盛り上げようとしている。2017年12月11日には、平昌冬季オリンピックの聖火リレーが大田市のKAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)校内を一周した。そのとき聖火ランナーとして参加したのが、KAIST教授のJun Ho Oh(オ・ジュンホ)氏と彼の研究室が開発した高さ1.2mで重さ55kg、41個の関節を持つ2足歩行ロボット「DRC-Hubo」と、高さ2mで重さ270kgの搭乗型2足歩行ロボット「FX-2」である(図1)。平昌冬季オリンピック・パラリンピック組織委員会によると、ロボットが聖火ランナーになったのはオリンピック史上初めてだという。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2018.1.

https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00150/00043/

《日経Robo》ディープラーニング権威のBengio氏と組むSamsung、9種ものロボットを開発するNAVER

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2017年10月、韓国ソウルではAIとロボットに関する国際フォーラムが盛んに開催された。

 韓国Samsung Electronics社は著名なAI分野の教授を招待したフォーラムを開催して産学連携を強調、LINEの親会社である韓国NAVER社は開発者向けフォーラムで同社の生活ロボットプロジェクトを公開した。韓国の毎日経済新聞社が主催する「世界知識フォーラム」では中国Baidu(百度)社のPresidentであるZhang Ya-Qin氏が登壇し、「これからAIの研究と技術は中国が米国をリードするだろう」と語った。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

《日経Robo

2017.11.

https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00150/00039/

書籍案内 : HDR制作解説書Ver.2 

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HDR制作解説書Ver.2 
世界の映像クリエーター、技術者による解説
HDR制作解説書Ver.2

 

<ハリウッドのHDRカラーグレーディングから>
●米映画スタジオ技術部門から見たHDR制作とテレビ画質/米ソニー・ピクチャーズエンタテイメント 高島芳和
●Netflixオリジナル作品『Marvel アイアン・フィスト』/EncoreシニアカラリストTony D’Amor
●ドルビーのHDRコンテンツ制作/Dolby Lab.ディレクターThaddeus Beier

<HDRの運用と課題>
●HDR運用の基本と概況/ソニービジュアルプロダクツ 小倉敏之
●ドルビービジョンのライブ放送サービスへの適用/ドルビージャパン 真野克己
●大相撲8K/SHV・HDR(HLG方式)生中継/NHK 藤井達也

<HDR制作に挑む>
●HDR・SDR一体化制作の取り組み~NHK土曜時代ドラマ/NHK 前田貢作
●4K制作、2K/SDR変換・放送とHDR編集の取り組み~メーテレドラマ/神道俊浩・江口聡・田中博昭
●WOWOWの4KとHDR制作経験/WOWOW岡野真紀子・篠田成彦
●カンテレ初の8K/HDRオリジナル作品/関西テレビ放送 矢野数馬
●フルスペック8Kの技術特性とコンテンツ制作/NHK技研 瀧口吉郎
●フルスペック8Kが切り拓く新しい映像の世界/ロボット 諸石治之

<特別報告>
●大分朝日放送の4Kへの挑戦~経営と制作現場の視点/OAB上野輝幸・塩川秀明
●4K/HDR制作による地域のデジタルアーカイブと新たな創生の提案/凸版印刷 高橋隼人
●世界初 韓国の地上波による4K放送とHDR制作/ITジャーナリスト 趙章恩

 

140ページ 定価1,500円(本体価格1,389円/送料別)

詳細



韓国 若者にブーム プチぜいたく品販売増=趙章恩

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韓国の最近のトレンドは「小確幸(ソファクヘン)」である。小さいが確実な幸せの略語だ。 村上春樹著『村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた』に出てくる造語だ。

 韓国は20年以上就職難が続き、物価は高騰、経済格差も広がるばかり。激しい競争社会の反動か、流れを逆行する20~30代の小確幸の若者が増えている。

 成功を目指して苦しむより、自分が好きなことをする。コンビニでちょっと高級なお弁当を買うとかペットと遊ぶ時間を設ける、あるいは公園で自転車に乗るなどの小さい目標を達成し、幸せな気分になり満足する。

残り335文字(全文588文字)

週刊エコノミスト

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

2018.10 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20181023/se1/00m/020/022000c

韓国 プラゴミ削減へ 最高20万円の過料=趙章恩

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 世界中で環境汚染防止のためプラスチック製品の使用をやめる企業が増える中、韓国も8月2日から新制度が始まった。カフェやファストフード店で店内利用にもかかわらずプラスチック製カップで飲み物を提供した場合、その店は過怠料が科される。過料は最高200万ウォン(約20万円)で、違反回数と売り場面積に応じて決まる。

 環境部(日本の環境省)の調査によると、2015年の韓国内の使い捨てカップの使用量は260億個で、09年の191億個から大幅に増えたが、リサイクル率はわずか6・1%にとどまった。カップの材質が複数で選別に手間がかかる、企業のロゴがプリントされているとリサイクルが難しいなどの理由で焼却されるためだ。

残り328文字(全文630文字)

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

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2018. 8.

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20180828/se1/00m/020/022000c