韓国のキムチ輸出が絶好調 対米出荷は過去最高

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 韓国の冬はキムチで始まる。気温が5度以下になると1年間食べるキムチを大量に漬ける「キムジャン」をする。全国各地の福祉団体や大手企業もキムジャンをし、一人暮らしの高齢者や低所得層におすそ分けするのが毎年の恒例行事だ。

 ところが、韓国農村経済研究院の調査では、家でキムチを漬ける家庭は6割程度、キムチを食べる量も1人当たり1日平均112.4グラム(2008年)から89.2グラム(18年)に減少した。

 食生活の変化で韓国内の消費量は減る一方、輸出は好調だ。農林畜産食品部(部は省に当たる)によると、キムチを含む農産品と農産物加工品の輸出総額は過去最高を更新する勢いで、22年1~11月は80.8億ドル(同4.0%増)。年末には90億ドルを見込んでいる。キムチ輸出対象国は12年の62カ国から22年には89カ国に増加した。22年は特に対米キムチ輸出が伸び、1~11月は輸出量7991トン(前年同期比9.…

残り192文字(全文591文字)

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

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2022. 12 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230103/se1/00m/020/072000c

韓国のAEDは8割が夜間閉鎖の建物内だった

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ソウルの梨泰院(イテウォン)で150人以上が亡くなった転倒事故後、韓国内では心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)の使い方を学ぶ人が増えている。学校や公共機関、大手企業などでは年に数回応急処置の講習を実施しているものの、実際にできるかどうか不安という人が多く、ユーチューブにアップされたの韓国消防庁の動画の再生回数も伸びている。

 梨泰院転倒事故の際、市民らが救急隊員を手伝い、心肺蘇生を行ったが、一命を取りとめることができた人は少なかった。AEDを同時に使うことで蘇生の可能性が高まるというが、現場で使えたAEDは地下鉄の梨泰院駅と警察の派出所にあった2台のみ。近くの学校などにもAEDはあったが、事故発生時は夜で建物が閉まっていたため使えなかった。

残り229文字(全文556文字)

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

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2022. 11 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221206/se1/00m/020/062000c

韓国で初めて、声も人工のAIヒューマン

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 最近韓国のテレビで見ない日はないほど出番が増えているAI(人工知能)ヒューマン。CMなどでも活躍している。企業がCMにAIヒューマンを起用するのは人と違い不祥事がないなどの理由もあるが、AI技術の進歩により、不気味さを払拭(ふっしょく)できたことも影響している。

 韓国の通信キャリアSKテレコムのCMには、アイドルと一緒にAIヒューマンのナ・スアが登場する。SKテレコムが投資するコンテンツ会社が外見を制作し、SKテレコムのAI音声合…

残り327文字(全文545文字)

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

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2022. 11 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221129/se1/00m/020/064000c

韓国は物価高でも高級品の売れ行き好調

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 10月6日に韓国統計庁が公開した「9月の消費者物価動向」によると、調査した458品目で前年同月比平均5.6%値上がりした。加工食品は同平均8.7%、外食物価は同平均9%値上がりし、30年ぶりの高水準となった。

 野菜や果物、食用油などの116品目は同10%以上値上がりした。10%以上値上がりした品目は2022年1月の61品目から9月には116品目と急増しており、年末には更に増える見込みだ。値段が変わらないのは地下鉄やバスなどの交通費ぐらいだ。所得より物価…

残り344文字(全文573文字)

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

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2022. 10.

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221101/se1/00m/020/061000c

秋のソウル観光は夜の王宮観覧が人気

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 屋外でのマスク着用義務がなくなり人出が増えているソウル。外国人観光客も再び増え、観光産業は活気を取り戻し始めた。ソウルの夜といえば東大門市場が有名だが、今秋は夜の観光イベントが特に人気を集めている。

 韓国観光公社の調査によると、夜のイベントは観光客の宿泊や飲食消費の増加、観光地の雇用増加に貢献したという。通信キャリアは、データ通信利用量や道案内アプリのビッグデータから人の流れを分析し、夜間観光のお…

残り303文字(全文504文字)

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

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2022. .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221011/se1/00m/020/069000c

韓国企業でAI・オンライン面接が加速 ソウル市が就活生に面接練習設備を無料開放

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 2020年以降、非接触型社会が定着した韓国では企業の採用活動に人工知能(AI)面接とオンライン面接が追加された。最終面接は対面で行い、書類審査と対面面接の間にAIとオンライン面接を挟む企業が多い。AI面接は求職者の基本的な性格を把握するために簡単な質問などを行い、オンライン面接では意思表現能力や表情の変化などをAIで分析するため、5分以上カメラに向かって話す方式で行う。

 韓国でAI面接が登場したのは19年。AI面接の関連機能を開発している企業らによると、22年8月時点で大手企業630社が導入済み、93%が継続して利用しているという。一方、求職者側からは不満の声も聞かれる。対面面接の場合は相手の反応をみながら質問に答えられるが、AI面接は一人でしゃべり続けないといけないので、どのように答えれば良い評価を得られるのかが分からないというのだ。

残り112文字(全文486文字)

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2022. .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220913/se1/00m/020/063000c

韓国で若者中心に菜食ブーム VCも代替肉スタートアップに熱視線

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 韓国では動物性食材を使用しない料理がブームとなっている。「MZ世代」と呼ばれる20~30代では、気候問題や動物福祉などを考慮し、使い捨てプラスチック製品を使わず、肉を極力食べないライフスタイルが流行。それが健康志向の40代以上にも広がった。

 ソウルでは完全菜食向けの飲食店が増え、スーパーでも動物性材料を一切使わない冷凍食品が増えた。韓国の食品メーカー、CJ第一精糖によると、韓国の菜食人口は2020年の200万人…

残り313文字(全文521文字)

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

 

2022.  7 .

 

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220816/se1/00m/020/072000c

ソウル地下鉄駅名を大型眼科医院が9億ウォンで落札

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 ソウル市の地下鉄を運行するソウル交通公社は財政難を改善するためソウル地下鉄の駅名を販売している。駅名に企業名や機関名を併記する代わりに費用をもらう事業である。

 2022年6月に行われた「駅名併記有償販売事業」では7号線・論峴(ノンヒョン)駅の駅名を大型眼科病院が過去最高額の9億ウォン(約9400万円)で落札、9月から駅名に「ノンヒョン駅(江南(カンナム)ブランド眼科)」と病院名を併記することが決…

残り339文字(全文564文字)

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2022.  7 .

 

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220719/se1/00m/020/064000c

BTS 実は2年前に予定していた活動休止

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K-POP

 社会にメッセージを発信し、K-POPやアイドルの枠を超えて活動を展開してきたBTS。グループとしての活動休止も、次へのステップの新たな挑戦かもしれない。

韓国内で広がる共感 始まったソロ活動=趙章恩

 世界的に活躍する韓国の7人組人気グループBTS(防弾少年団)が6月14日、ユーチューブの公式チャンネルで公開した一本の動画の内容が、世界をニュースとして駆け巡った。デビュー10年目に突入したこの日の動画では、メンバーたちがテーブルを囲んで和やかに食事。今後の活動に話題が及んだ時、メンバーたちが「個人の成長のため当分、ソロ活動に重点を置きたい」との意思を示したのだ。

 これを受け、韓国国内メディアだけでなく、AP通信や米『ニューヨーク・タイムズ』、英BBCなど海外メディアもこぞって「BTS活動休止」と報じた。その影響は株式市場にも及び、BTSが所属する韓国取引所・有価証券市場(KOSPI)上場の芸能事務所HYBEの株価は翌日、25%も下落。時価総額が2兆ウォン(約2000億円)も吹き飛んだ。

 報道の中には、スケジュールがハードなK-POP(韓国エンターテインメント)産業の厳しさを批判するものもあったが、動画の中で明かされたメンバーの率直な思いや、「ARMY」(アーミー)と呼ばれる熱心なBTSのファンの反応などを見ていると、K-POPやアイドルの役割を次のレベルへ引き上げる新たなステップと位置付けているように感じられる。

「メッセージ」を重視

 BTSは現在27歳のRMさんをはじめ、24~29歳のメンバーで構成。デビューは2013年6月で、HYBEを創業した音楽プロデューサー、パン・シヒョク氏の肝煎りのプロジェクトとしてメンバーが選抜された。ヒップホップを主体に洗練されたダンスで徐々に人気を集め、14年には日本でもデビューするなど海外でも早くから活動していたが、他のグループと大きく異なるのは作詞・作曲にメンバーが関わることだ。

 個性を抑圧される若者の苦悩や葛藤を代弁した「DOPE」(15年)などが同世代の共感を呼び、米国を中心に世界へファン層が拡大。歌詞をすべて英語にした「Dynamite」(20年)のほか、「Butter」「Permission to Dance」、英ロックバンド「コールドプレイ」とのコラボ曲「My Universe」(いずれも21年)は立て続けに米ビルボードのシングルチャート1位になった。

 BTSはまた、SNS(交流サイト)などを活用したファンとのコミュニケーションにも優れる。現在の登録者数約6900万人のユーチューブ公式チャンネル「BANGTANTV」では、ダンスの練習動画やライブの舞台裏などをアップし、日本語や英語などの字幕も付ける。また、HYBE独自のファンとのコミュニティープラットフォームサービス「WEVERSE」もその手段の一つだ。

 WEVERSEは19年、HYBE所属アーティストとファンとの交流の場として開設。21年末時点で世界238カ国3700万人以上が会員登録しており、アクセスの90%が海外からという。WEVERSEに集まったデータを分析し、曲作りや次の活動を企画する際に活用する。アルバムなどの作品だけでなく、関連グッズなど物販の接点にもなっている。

「止まってもいいよ、何の理由も知らず走る必要はない」「夢がなくても大丈夫」──。18年発表のアルバム収録曲「Paradise」の歌詞のように、BTSの楽曲にはありのままの自分を肯定し、周りの人を愛し、希望を持とう、というメッセージが込められる。若い世代だけでなく中年層にも響き、韓国では「善の影響力を持つアイドル」として好感度が高い。

 ただ、まさに分刻みのスケジュールの中で、BTSが重視していた世の中に発信するメッセージの方向性を見失っていったようだ。RMさんは6月14日の動画の中で、「どんなメッセージを投げかけるのかが重要で、生きる意味でもあるのにそれがなくなった。どんな話をすればいいか分からない」「K-POPもそうだし、アイドルというシステムそのものが、人を熟成するように放っておかない」と語っている。

 BTSメンバーらの話によれば、本来は20年にデビュー7周年を記念するアルバム「Map of the Soul 7」を発売してワールドツアーを行い、BTSとしての活動にひとまずの区切りを付ける予定が、新型コロナウイルスの感染拡大によりツアーの中断を余儀なくされた。その後に発表した「Dynamite」などの曲が本人たちの予想以上に人気が出て、計画が思うようにいかなくなったという。

 アイドルとして率直すぎるともいえる心情の吐露であり、HYBEの一般株主からはメンバーが兵役に就くまで活動を継続するべき、との恨み節も一部にあった。しかし、韓国内のARMYなどではむしろ、ここまでの実績をたたえたうえで、BTSの決断に共感を示す人が多い。BTSの活動の根幹を支えているのが、世の中に発信するメッセージであることを、多くの人が理解しているからだ。

所属事務所は依存度を引き下げ

 そうしたメッセージは、アイドルとしての活動の枠を超えて、17年にはユニセフ韓国委員会と児童・青少年暴力根絶のためのキャンペーンを後援。国連では18年、20年に続き、21年も総会で演説し、「若い世代を道に迷ったという意味で『ロストジェネレーション』と呼ぶと聞いたが、コロナ禍でも変化を怖がらず、何でもウエルカムという『ウエルカムジェネレーション』が似合う」と述べて大きな反響を集めた。

 今年5月には米ホワイトハウスを訪問し、米国で増えるアジア系住民への憎悪犯罪(ヘイトクライム)について、「私たちは、異なる国籍、文化、言語を持つ世界中のARMYのおかげで今、ここにいる」などとメッセージを発信。その後に面会したバイデン大統領は「皆さんがやっていることは大きな変化を作り出す。嫌悪を根絶すべきと語るのはとても重要だ。自らを過小評価しないでほしい。感謝している」と語った。

 BTSは当面、グループとしての活動からは距離を置くが、RMさんは「(今年6月の新曲)『Yet To Come』(まだこれから)というタイトル通り、(動画の中で) 本当に話したかったのは絶対、今が終わりではないということ」とWEVERSEに長文を掲載。メンバーのJung Kookさんは6月24日、米シンガー・ソングライター、チャーリー・プースさんとのコラボ新曲を発表するなど、ソロ活動も早速始まっている。

 株価が大幅に下落したHYBEも、BTS依存の経営から脱しつつあった。19年まではアルバム売り上げの大半をBTSが占めていたが、20年10月の上場に前後してM&A(企業の合併・買収)を活発化。昨年4月にはジャスティン・ビーバーさんら世界的なアーティストが所属する米芸能事務所の買収も発表し、その後完了した。HYBEで相対的にBTS関連の比重が下がっていたこともソロ活動を後押しした可能性がある。

 これまでK-POP産業の一員として、アイドルとして挑戦を続け、さまざまな常識を覆してきたBTS。今回の休息とソロ活動も、新たな挑戦の一つにすぎないのかもしれない。

(趙章恩・ジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

 

2022.  7 .

 

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220719/se1/00m/020/056000c

韓国企業でAI・オンライン面接が加速 ソウル市が就活生に面接練習設備を無料開放

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2020年以降、非接触型社会が定着した韓国では企業の採用活動に人工知能(AI)面接とオンライン面接が追加された。最終面接は対面で行い、書類審査と対面面接の間にAIとオンライン面接を挟む企業が多い。AI面接は求職者の基本的な性格を把握するために簡単な質問などを行い、オンライン面接では意思表現能力や表情の変化などをAIで分析するため、5分以上カメラに向かって話す方式で行う。

 韓国でAI面接が登場したのは19年。AI面接の関連機能を開発している企業らによると、22年8月時点で大手企業630社が導入済み、93%が継続して利用しているという。一方、求職者側からは不満の声も聞かれる。対面面接の場合は相手の反応をみながら質問に答えられるが、AI面接は一人でしゃべり続けないといけないので、どのように答えれば良い評価を得られるのかが分からないというのだ。

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2022.  9 .

 

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