激減しつつ変身もし続ける韓国の文具店

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 韓国では激減した文具店が新業態に活路を見いだしている。韓国統計庁によると、1999年に全国で約2.7万店あった文具店が2023年5月には約8000店まで減少した。理由は少子化だけではない。憲法で義務教育は無償と定めているとして、教科書のほかに制服、体操着、給食、学習に必要な文具類なども国が無償で提供するようになったのだ。

 11年からは全国の学校が授業に必要な物を一括購入して生徒に提供する「学習準備物支援制度」が始まった。地域の文具店から購入する学校もあるが、ほとんどは公開入札で最低価格落札方式を採用しているため、大型流通会社の方が有利である。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

週刊エコノミスト

2023. 5 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230606/se1/00m/020/062000c

 

韓国Z世代にハイボールブーム

 新型コロナウイルス禍以降、家飲みが定着した韓国で、1990年代半ば以降に生まれたZ世代を中心にハイボールがはやっている。韓国ではよく焼酎とビールを混ぜた「ソメク」を飲むが、ハイボールはそれよりアルコール度数が低く、果汁や紅茶を混ぜて自分で好みの味に仕上げられるところが人気だ。自分のハイボールレシピをSNSに投稿する人も多い。ハイボールはフォトジェニックでおしゃれな、カクテルのような位置付けといえる。

 大手スーパーのEMARTでは今年1~2月、ジンロのような韓国の焼酎の売り上げより洋酒(ウイスキー、ブランデーなど)の方が4%ほど多かった。焼酎より洋酒が売れたのは初めてだ。洋酒を購入した人は30代以下が39.4%、40代24.3%、50代17.1%と若年層が多かった。ハイボール人気を裏付けるように、2022年のウイスキー輸入額は2億6684万ドルで前年比52.2%増加した(関税庁統計)。

 

趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

2023. 4 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230418/se1/00m/020/070000c

韓国のペット医療費は病院次第 透明化の動きも

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韓国でペットの増加に伴い動物病院の医療費透明化が課題になっている。農林畜産食品部(部は省に当たる)によると、2022年時点でペットを飼っている家庭は25.4%、平均費用は1頭1カ月当たり約15.4万ウォン(約1万6000円)で3分の1が医療費だった。国会の調査で、動物病院の診療費や検査費、手術費などに最大80倍の差があることもわかった。

 韓国では1999年から動物病院の自由競争が認められ、すべての医療費は獣医が自由に決めている。だが、「病院によって差がありすぎる」「算定基準を明確にすべきだ」という声が長年出ていた。

残り287文字(全文548文字)

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230314/se1/00m/020/060000c

 

趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

 

週刊エコノミスト

2023. 3 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230314/se1/00m/020/060000c

 

CHIPS法の国家安全保障ガードレールが最終規定に、分かれる韓国政府と民間の反応

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米商務省は2023年9月22日(現地時間)、米CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)により米国の補助金を受け取る企業に対する国家安全保障ガードレールの最終規定を公表した。

関連ニュースリリース:https://www.federalregister.gov/documents/2023/09/25/2023-20471/preventing-the-improper-use-of-chips-act-funding

 米国の半導体支援補助金を受け取る場合、今後10年間、懸念国(中国、ロシア、イラン、北朝鮮)での半導体の設備投資や実質的な増産、技術協力を制限する。ガードレール規定に違反すると受け取った補助金の返却を迫られる。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は米テキサス州オースティン市に半導体工場があり、テキサス州テイラー市にも半導体工場を新設しているため、米半導体補助金を申請済みである。韓国SK Hynix(SKハイニックス)は米国工場建設のための敷地を探している段階である。

 ガードレールの最終規定は(1)生産能力制限と(2)技術協力制限の大きく2つがある。

(1)補助金を受け取った時点から10年間、ウエハーの投入量ベースで5%まで生産能力(設備)拡大は認める。旧世代(28nmプロセス以前)のレガシー半導体設備は10%まで生産能力拡大を認める。これらの設備で生産した半導体の85%が最終的に中国内需品として使われる場合は制限しない。

(2)懸念国との国家安全保障上でセンシティブな技術・品目の共同研究および技術ライセンシングを制限する。国家安全保障に脅威を与えない範囲で、既存の事業運営に必要な活動は対象外である。既に進行中の研究は米商務省と協議した上で継続できる。

 産業通商資源部(「部」は日本の「省」に当たる)の半導体課は2023年9月22日付けの報道資料を通じて次のように説明した。「ガードレールはあるが、国家安全保障上で問題のない正常な経営活動は保障される見通しである」「(韓国)企業が中国で運営する生産設備の維持と部分的な拡張を保障し、技術アップグレードも持続的に認められた。ウエハー投入量ベースが月単位ではなく年単位に変更され、当初は重大な取引制限としていた10万米ドル以上の設備投資が制限される件についても、米商務省と企業と協約で決めるよう変更できた」「これからもグローバル半導体の供給網強化と企業の投資・経営活動保障のため政府は米国と緊密な協議を続ける」というのが主なコメントだった。

 このように産業通商資源部はガードレール規定があっても企業の正常な経営活動は保障されるので問題ないという立場だが、韓国メディアや産業界の反応は少し違っていた。



趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

 

 

(NIKKEI TECH)

 

2023. 9.

 

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01231/00095/

韓国のお歳暮はモバイルギフト券が人気

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 1月21日から24日は韓国のソルラル(正月)の連休だった。韓国も年末年始には親戚にお歳暮を贈るが、今年もスマートフォン経由で送信し、受け取った人がお店で商品と引き換えできるモバイルギフト券が人気だった。コンビニで使える少額ギフトからホテル宿泊券やブランド商品まで幅広くそろい、電話番号かメッセンジャーアプリのIDさえ知っていれば気軽に贈れる。以前は、お歳暮は直接会って渡すものだとモバイルギフトを嫌がる人もいたが、非接触型社会が続き文化が変わ…

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週刊エコノミスト

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

2023. 2.

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230221/se1/00m/020/062000c

韓国がW杯“ソフトパワー部門”で準優勝

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 2022年のサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会で、韓国はグループリーグを突破してベスト16入りした。それだけでなく、米経済誌『フォーチュン』が選定したW杯のソフトパワー・ランキングで、フランスに次ぐ2位になったことが話題を呼んでいる。

 ソフトパワーは外交政策の概念で、軍事力などのハードパワーに対し、文化などの魅力によって世界に訴えかける力を指す。今回のW杯では、開会式で韓国のアイドルグループBTSのJungKook(ジョングク)さんが、公式…

残り342文字(全文570文字)

週刊エコノミスト

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

2023. 1.

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230124/se1/00m/020/066000c

韓国のキムチ輸出が絶好調 対米出荷は過去最高

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 韓国の冬はキムチで始まる。気温が5度以下になると1年間食べるキムチを大量に漬ける「キムジャン」をする。全国各地の福祉団体や大手企業もキムジャンをし、一人暮らしの高齢者や低所得層におすそ分けするのが毎年の恒例行事だ。

 ところが、韓国農村経済研究院の調査では、家でキムチを漬ける家庭は6割程度、キムチを食べる量も1人当たり1日平均112.4グラム(2008年)から89.2グラム(18年)に減少した。

 食生活の変化で韓国内の消費量は減る一方、輸出は好調だ。農林畜産食品部(部は省に当たる)によると、キムチを含む農産品と農産物加工品の輸出総額は過去最高を更新する勢いで、22年1~11月は80.8億ドル(同4.0%増)。年末には90億ドルを見込んでいる。キムチ輸出対象国は12年の62カ国から22年には89カ国に増加した。22年は特に対米キムチ輸出が伸び、1~11月は輸出量7991トン(前年同期比9.…

残り192文字(全文591文字)

週刊エコノミスト

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週刊エコノミスト

2022. 12 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230103/se1/00m/020/072000c

韓国のAEDは8割が夜間閉鎖の建物内だった

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ソウルの梨泰院(イテウォン)で150人以上が亡くなった転倒事故後、韓国内では心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)の使い方を学ぶ人が増えている。学校や公共機関、大手企業などでは年に数回応急処置の講習を実施しているものの、実際にできるかどうか不安という人が多く、ユーチューブにアップされたの韓国消防庁の動画の再生回数も伸びている。

 梨泰院転倒事故の際、市民らが救急隊員を手伝い、心肺蘇生を行ったが、一命を取りとめることができた人は少なかった。AEDを同時に使うことで蘇生の可能性が高まるというが、現場で使えたAEDは地下鉄の梨泰院駅と警察の派出所にあった2台のみ。近くの学校などにもAEDはあったが、事故発生時は夜で建物が閉まっていたため使えなかった。

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週刊エコノミスト

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週刊エコノミスト

2022. 11 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221206/se1/00m/020/062000c

韓国で初めて、声も人工のAIヒューマン

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 最近韓国のテレビで見ない日はないほど出番が増えているAI(人工知能)ヒューマン。CMなどでも活躍している。企業がCMにAIヒューマンを起用するのは人と違い不祥事がないなどの理由もあるが、AI技術の進歩により、不気味さを払拭(ふっしょく)できたことも影響している。

 韓国の通信キャリアSKテレコムのCMには、アイドルと一緒にAIヒューマンのナ・スアが登場する。SKテレコムが投資するコンテンツ会社が外見を制作し、SKテレコムのAI音声合…

残り327文字(全文545文字)

週刊エコノミスト

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

2022. 11 .

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221129/se1/00m/020/064000c

韓国は物価高でも高級品の売れ行き好調

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 10月6日に韓国統計庁が公開した「9月の消費者物価動向」によると、調査した458品目で前年同月比平均5.6%値上がりした。加工食品は同平均8.7%、外食物価は同平均9%値上がりし、30年ぶりの高水準となった。

 野菜や果物、食用油などの116品目は同10%以上値上がりした。10%以上値上がりした品目は2022年1月の61品目から9月には116品目と急増しており、年末には更に増える見込みだ。値段が変わらないのは地下鉄やバスなどの交通費ぐらいだ。所得より物価…

残り344文字(全文573文字)

週刊エコノミスト

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

週刊エコノミスト

2022. 10.

-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221101/se1/00m/020/061000c