タブレットPCの買い時はまだ遠い? それでも準備急ぐ韓国(後編)~キャリアはWi-Fi拡大総力戦に突入

(前編「アーリーアダプターは飛びつくか」はこちら


 韓国は2008年3月より1年以上の約定加入を条件に端末購入補助金をもらって安く携帯電話が買える制度が復活した。日本が奨励金制度をやめたのとはちょうど逆のことが始まったのである。2008年約定で加入したユーザーは新しい端末に乗り換えたくてもできなかったが、キャリアの約款が改定され、約定終了まで6カ月以下の場合は、同じキャリア間で約定を承継して端末を買い換えるようにした。約定が終わるまであと6カ月というユーザーは違約金を払うことなく、同じキャリアの別の端末と料金設定に乗り換えられるので、スマートフォンの加入もぐんぐん伸びるだろうというのがキャリアの予測である。


 2010年末には約843万人が“約定奴隷”から解放されるので、年末年始の商戦ではiPhone 4をはじめとする「スマートフォン+国産タブレットPC」の販促競争がピークになると見込まれている。


 キャリアとしては、今のところアプリケーションと通常より3倍ほど高いスマートフォン専用料金制度からしか利益が取れないような状況なので、スマートフォンは使い方が難しいと敬遠するお年寄りや幼児向けにタブレットPCを販売してアプリケーション利用を伸ばそうとしている。3D、ドラマ、趣味講座、教育コンテンツを中心に動画を確保するとよく宣伝している。


 また最近すごく目に付くのは、キャリアのWi-FiスポットCMである。KTとSKテレコムは「うちの方が断然Wi-Fiスポットが多い、しかも安い」、「うちはWi-Fiフリースポットも多い、容量制限なく使い放題」といった具合に、お互いをけなし攻撃するようなCMまで登場しているのだ。KTはWi-FiのCMだけでも違う内容で10本以上制作し、同時多発的にテレビに流している。KTの加入者は地下鉄でもデパートでも映画館でも、どこでもWi-Fiが使えるけど、ほかのキャリアに加入するとすごく不便ですよ、といった内容だ。LGU+(LGUプラス、LGテレコムから社名変更) も「100Mbpsの速度を出すWi-Fiはうちだけ」とCMをじゃんじゃん流している。




KTの加入者は地下鉄、デパート、ファミレス、映画館など主な施設でWi-Fiを使えるようになった

スマートフォンやタブレットPCを使わせるためには、3Gのネットワークも必要だが、やはり、より速度が速く容量を気にせず使えるWi-Fiがどこでも使える環境でないといけない(韓国では3Gでアクセスすると料金に応じて500MBまで、1GBまでと使える容量に制限がある。2010年8月から、やっと日本のように無制限使い放題のパケット定額制度をSKテレコムが始めた)。

 カフェやレストラン、ショッピングセンターなどでも店内をWi-Fiフリースポットにするところが増えている。コーヒー1杯頼んで何時間もWi-Fiを使う人もいるため、テーブルの回転率が落ちるからとあえてWi-Fiスポットにしないところもあるが、Wi-Fiが使えないと不便だからとお客さんが来ない問題もあったのだ。


 韓国よりも先にスマートフォンやWi-Fiが普及したアメリカでは、シリコンバレーを中心に延々とカフェに居座る客が増えすぎてWi-Fi提供を中止、または決まった時間だけ提供、または1人1時間と制限するカフェも出ているという。韓国ではカフェのフランチャイズごとに、無料でWi-Fiを提供した場合としなかった場合の売り上げや利益の相違を比べる調査が行われているほど、みんなの関心事になっている。


 アメリカの市場調査会社であるJiWireの報告書によれば、2010年4~6月の世界のWi-Fiスポットを調べたところ、世界全体でもっともWi-Fiスポットが多いのはアメリカで7万6216カ所だった。同国の全Wi-Fiスポットのうち、無料で使えるフリースポットは55.1%を占めている。スマートフォンやタブレットPCの普及で、お店で自由にネットを使えるようWi-Fiを提供するところが多いからだそうだ。韓国は1万2818カ所に過ぎなかったが、2010年末までにはKTが4万、SKテレコムが1万5000、LGU+が1万1000のスポットを構築するとしているので、この小さい国にアメリカ並みの数のWi-Fiスポットが作られることになる。


 インフラだけでなく、より使いやすいスマートフォンとタブレットPCを開発しようと、キャリアとメーカー、政府のシンクタンクが参加し、「感性ICT」を研究する協会も立ち上げた。人体の脈、脳波、表情、生活習慣などを読み取って、端末が反応しUIを自動的に切り替えてくれるといったことを「感性ICT」というのだそう。


 スマートフォンとタブレットPCを使ったモバイルライフを楽しむための下準備は着々と進められている。後はiPadとGalaxy Tabが発売されて、ユーザーの手に渡されるのみ。私はメールだけチェックすれば済む会社重役でもないし、文字を打ち込む仕事が多いのでノートパソコンの方が便利なのだが、それでもタブレットPCは気になる。アーリーアダプターにあこがれる自慢したがりの1人だからかな?



趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年9月16日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100909/1027378/

タブレットPCの買い時はまだ遠い? それでも準備急ぐ韓国(前編)~アーリーアダプターは飛びつくか

2010年9月3日、ドイツで開催されたヨーロッパ最大規模の家電展示会「IFA2010」でサムスン電子が初のタブレットパソコンである「Galaxy Tab」を公開した。サムスンが「2010年末までに世界市場で100万台以上売りたい」とする自信満々の端末である。

 iPhoneキラーとして大ヒットが期待される「Galaxy Tab」は、日本でも発売予定の「Galaxy S」3個分ほどの大きさ(7型)。iPadに対抗してスーツのポケットにも入るほど小さく軽く、携帯性と移動性を優先する。カメラ付きでテレビ電話や音声通話もできるスマートフォンのようなパソコンであることを強調している。




サムスン初のタブレットパソコン「Galaxy Tab」

WebサイトのデザインにFlashを使うのが大好きな韓国では、iPhoneやiPadではサイトが表示されなかったり、ログインできなかったりという問題があったが、「Galaxy Tab」にはFlash表示機能があるので、どんなサイトでもすいすい見られるようになった。地上派DMB(ワンセグ)でテレビも見られるので、会社でも「昨日あのドラマ見た~?」が挨拶代わりのドラマ好きの韓国人にはぴったりかもしれない。


 韓国ではSKテレコムより9月中には発売される予定で、スマートフォンよりは高い。ただし約定加入すれば補助金がもらえるのでそれほど負担にならないという。


 「よりパソコンに近い」のがiPadで、より「スマートフォンに近い」のが「Galaxy Tab」と国内では説明している。アップルに比べてアプリケーションが少ない、バッテリーの持ちがiPadより短いといった点もあるが、ビジネス用途にタブレットPCを使う人も増えていることから、やはり携帯性の高い7型の需要が伸びるのでは?という見方もある。




 「Galaxy Tab」が公開されたことで、ついにサムスンとアップルの真剣勝負が始まったと世界的に注目を集めているようだ。年末商戦に向けてHPやDell、グーグルもタブレットPCを発売するとしているので、「アップル対その他大勢」の競争になる可能性もある。





IFA2010で公開されたGalaxy Tab


 「Galaxy Tab」は韓国でも今年の春から「S-Pad」というプロジェクトで期待を集めていたタブレットPCだけに、マスコミでは大々的に「Galaxy Tab」の機能を動画で見せ、どれぐらい売れるだろうかと人々の予測が飛び交っている。携帯電話、MP3プレーヤー、テレビ、パソコンなどを開発してきた総合メーカーとして、ユーザーのメディア利用形態のパターンや近年の変化を熟知するサムスンの自信作であることからも注目せずにはいられない。同社はさらに、2011年からは多様なサイズのタブレットPCを発売するとしている。


 先にサムスンとKTの国産タブレットPCを売ってしまおうという戦略なのだろうか、韓国ではまだiPadの正式発売が決まらない。ネットでは「Galaxy Tabもいいけど、それより早くiPad発売して! iPadと比べようがない!」、「なんで韓国だけiPad発売してくれないの?」という不満を書き込む人がどんどん増えている。KTのタブレットPC以外は発売も未定でニュースや宣伝ばかりなので、アーリーアダプター(誰よりも早く新製品を使いたがる人)で自慢したがりの韓国人はいらいらしている。



 韓国のデジタルデイリーに面白い記事があった。台湾の携帯端末メーカーであるHTCの製品修理を担当するTGSという会社が2010年8月、利用者1008人を対象にタブレットPCについてアンケート調査を行ったところ、「タブレットPCはスマートフォンのように売れると思いますか?」という質問に対して64.3%が「そう思わない」と否定的な見方を示したことである。


「売れる」と答えた人は28.2%、「分からない」と答えた人は7.5%だった。「タブレットPCを買いたいですか?」という質問に対しても「はい」は43.8%、「スマートフォンだけで十分」という人が37.1%だった。「購入しない」と答えた人は19.1%だった。「現在のスマートフォンに満足していますか?」という質問には67.3%が「満足」と答えている。


 韓国の家庭内パソコン普及率は9割ほどで、会社でも社員1人パソコン1台が当たり前、学校でも先生1人パソコン1台どころか2台ぐらいは置いてある。そのせいか、あとはスマートフォンで十分と考えるユーザーが多く、タブレットPCが売れるようになるまでには時間がかかりそうだ。


 2009年11月、世界より2年半遅れてiPhoneが韓国で発売されたとき、スマートフォンは2010年末まで多くて100万台ほど売れるだろうと予測されていたが、既に400万台規模の市場に成長した。タブレットPCも発売直後からあっという間に普及するのではないかと期待されていただけに、ユーザーのこのような反応は意外だった。


 タブレットPC記事に対するコメントなどを見ていると、インターネットを使いたい、映画が見たい、電子書籍が読みたい、という理由でタブレットPCを購入するよりも、新しい端末を体験してみたいから、世界でブームになっているから、といった理由の方が多いように感じた。(後編に続く)



趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年9月9日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100909/1027377/

韓国のタブレットPC競争、KTが「iPadより軽い」テレビ付きタブレット発売で拍車

 iPadの正式発売が未だ決まらない韓国。それでも新し物好きで自慢したがりの韓国人だけに、個人輸入でiPadを使っている人が数千人を超えると言われているほどである。


 iPadを早く使いたくてユーザーがうずうずする中、一足先に国内メーカーがAndroid OSを搭載したタブレットパソコンを発売すると発表。8月30日と31日、立て続けに、通信最大手KTが7型タブレット「IDENTITY TAB」を、ナビゲーションシステムや電子辞書などの電子端末メーカーであるi-STATIONが7型3Dタブレット「Z3D」と5型のミニタブレット「Buddy」と「Dude」を公開した。


 メーカーはタブレットPCの主なユーザーを外回りの多いビジネスマンと受験生とに想定している。教育熱が高く大学入試にすべてをかける韓国では、受験対策として、教育放送が無料で提供する動画を見るために、携帯型動画再生端末やネットブック、スマートフォンが売れるからだ。Eラーニングが広く浸透しているこの国ならではの事情もタブレットPCの普及に影響を与えそうだ。


 またスマートフォンの急速な普及により、立派なパソコンを買うよりもスマートフォン+タブレットPCの組み合わせが理想的と考える人が増えてきた。さらに、韓国では2013年からタブレット型のデジタル教科書を全国の学校へ導入するとしているだけに、タブレットPCによってどこよりも早く「子ども1人に1台」の普及も期待される。デジタル教科書としての表現力を高めるため、タブレットから3Dや拡張現実(AR)を表示できることも重要になっている。


 その上、IPTVの次に話題をさらうスマートTVとスマートフォン、タブレットPC、情報家電の連動によるマルチスクリーン戦略も今後の重要なビジネスモデルと考えられるため、メーカーにとってその間をつなぐタブレットPCの市場先制とシェア獲得は急務と言える。


 KTの「IDENTITY TAB」はAndroid 2.1、7型TFT LCD、重さ450g。静電式タッチパネル、1GHzのCPU、8GBの内蔵メモリー、外付けSDカード、地上波DMB(ワンセグ)、300万画素カメラ、SNSと電子書籍リーダー、文書編集機能を備える。バッテリーの持ち時間は動画連続再生3時間30分、連続待機時間72時間。多様なファイル形式の動画を再生できるコーデックを搭載することで、マルチメディア利用に特化した。iPadより小さく、軽く、安くすることで差別化している。




KTが発表した「IDENTITY TAB」

「IDENTITY TAB」の特徴は、Wibro(モバイルWiMAX)使い放題料金プラン(月額約2000円)に24カ月約定加入すれば、無料で端末をもらえることである。この料金プランに加入すればWi-Fiも無料で使え、Wibroの信号をWi-Fiに変える「Egg」という手のひらサイズのモデムももらえる。約定なしの場合、約3万8000円で購入する。

ナビゲーションや受験勉強用として高校生に人気の高い動画再生端末を製造するi-STATIONは、同社「Z3D」が世界初の3DタブレットPCだと宣伝する。偏光3Dパネルを搭載しており、専用のメガネが必要だ。Android 2.1、7型TFT LCD、16GBのモデルは約3万円、32GBモデルは約4万6000円で販売する。2011年にはメガネなしで3Dが見られるタブレットを発売するという。

 「Buddy」は学習用タブレットとして企画されたもので、約2万2000円と値段を安く抑えた。5型TFT LCD画面で持ち運びやすくし、電子辞書、教育放送の動画をダイレクトにダウンロードできる。「Dude」はマルチメディア機能に重点を置いたタブレットで、5型、ワンセグ、300万画素カメラ、GPSを搭載する。


 この春から注目されていたサムスン電子のAndroid 2.2、7型タブレット「Galaxy Tab」は今秋ドイツで開催するコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA 2010」で公開され、アメリカで先行販売されるという。iPadにはないテレビ電話機能付きが特徴である。LGも「OPTIMUS PAD」をIFA 2010で公開して、年内に韓国で発売するとしている。KTの「IDENTITY TAB」に対抗して、9月中にはSKテレコムから「Galaxy Tab」が発売されるというので、スマートフォンに続いてキャリアのタブレットPC競争も激しくなりそうだ。


 端末の普及のためには仕様や価格と同じぐらいモバイルインターネットとコンテンツも重要である。韓国では全地下鉄駅内でWi-Fiが使えるようにし、フリースポットも増やしている。KTもサムスンもこれからはタブレット向けコンテンツに力を入れるとして、動画ストリーミング、電子ブック、スマートフォン向けアプリケーションとの連動を強調する。特に教育コンテンツは大事で、有名な塾や講師の動画を独占提供することでタブレットの売れ行きが違ってくるとも見られている。


 しかし韓国ユーザーの間では、9.7型のiPadの方が見やすく、動画再生時間も韓国産の3倍を超える10~12時間でバッテリーの持ちがいい、2万件以上のアプリを利用できる、といったことから、今すぐ韓国メーカーのタブレットを買うより、iPadの発売を待った方がいいという意見もある。携帯電話端末メーカーやMP3プレーヤーメーカー、ノートPCメーカーの相次ぐタブレットPC発売の発表で、本格的なタブレットPC競争は2010年の年末になると見込まれている。

趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年9月2日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100902/1027250/

アップル不在の今を狙え! キャリアもメーカーもタブレットPC開発ラッシュ

韓国では発売未定のiPad。個人輸入だけで数千台は売れているというだけに、街中でもよく見かけるiPadだが、正式販売は未だ決まっていない。しかしiPadの影響からタブレットPCに対する期待は高まるばかりである。アップルがいない間に先手を打って市場を狙おうと、キャリアもメーカーもタブレットPCの開発を急いでいる。

 中でも韓国最大手通信事業者のKTが自社ブランドでタブレットPCを販売しようとしていることが話題だ。KTはiPhoneを独占販売しているキャリアであり、iPadもKTから発売される予定。KTのショールームにはしっかりとiPadが展示されている。なのに、あえて自社ブランドのタブレットPCを発売するというから意外である。



韓国では発売未定のiPadだが、KTのショールームでは体験できる

KTのタブレット端末は中小企業が開発していて、遅くても9月にはAndroid OSを搭載した7型画面のものが発売されるという。iPadは重いという韓国ユーザーの声から、より軽く、持ち運びを便利にするため7型にしたという。タブレットPC用に電子書籍コンテンツも充実させている。端末の値段は約2万円前後になるようだ。


 韓国ではiPhone 4も発売未定なので、KTはアップルに苛立っていることをアピールするために開発姿勢を見せているのかもしれない。KTは固定でも携帯電話でもシェア1位を目指してiPhone発売+Wi-Fi無料という賭けに出たが、ライバルであるSKテレコムのシェアはビクともせず50%を超えている。スマートフォンブームが絶頂になったここでiPhone 4とiPadを発売できていれば、KTのシェアは大きく変わったかもしれない。ところがアップルはなかなか製品を出してくれない。


 サムスン電子もiPadのようなタブレットPCを開発していて、6月には試作品の写真がネットで出回った。SKテレコムから発売する予定で、KTと同じくiPadより小さい7型、音声通話もできるようになっている。そのほかの具体的な仕様は公開されておらず、8月にでも商品化されるということだけ明かされている。

世界で旋風を巻き起こしているiPadは当座発売未定のまま、韓国内のタブレットPC市場ではKTとサムスン電子の競争になるかもしれない。KTがiPhoneを発売してから、サムスン電子の新機種はすべてSKテレコムとLGテレコムでしか買えなくなっているほどの仲なので、タブレットPC競争も容赦なく派手にやってくれそうだ。


 韓国でタブレットPCが注目されているのは、大人気のiPadを使ってみたいという新し物好きな人が多いのに加え、スマートフォンやノートPCよりも使い方が単純で大画面のタッチパネルが欲しい、去年から流行っている電子書籍端末のアップグレード版が欲しい、といった要望もある。さらに、デジタル教科書や医療、企業のモバイルオフィスといったB2Bの需要がとても高いのもタブレットPC開発を急がせる要因となっている。


 アップルファンの間では、「iPadだから価値があるのであってほかのタブレットPCはいらない」という意見も多い。だが、開発ラッシュは止まりそうにない。LG電子もiPadのような端末をもうすぐ発売するとしている。中小パソコンメーカー、Eラーニング用の動画再生端末やMP3プレーヤーのメーカーもタブレットに興味を持っている。しかし中小メーカーがiPadやサムスン電子が予定する製品と競争しても勝てないことは見え見えなので、Androidを搭載した5型、7型で教育用に的を絞る作戦を練っている。


 スマートフォンに続いてタブレットPCも大ブームになるか。これもやはり端末そのものよりもやはりアプリケーション次第ではないだろうか。iPhoneに熱狂するのは端末デザインが良いというのもあるが、やはりアプリケーションの力が大きかった。タブレットPCではネットと電子書籍、新聞、ゲーム以外に何ができるんだろう? それを見せてくれるところが勝ちなのかもしれない。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年7月29日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100729/1026560/