韓国インターネット振興院によると、この他にも「コーヒーの香り豊かなカフェ.韓国」、「愛している.韓国」といった個性的なドメインを申し込んだ人も多かったそうだ。
2名以上が同じドメインを申請した件数は10万2000件あり、これは抽選で登録者を決めることになる。人気ドメインは9月20日に抽選を行いネットで公開した。正式な登録は10月6日から始まる。
政府機関と公共機関が約3500件、商標権登録者が約2800件は既に5月に優先登録した。今回申請されたのは一般登録分である。
韓国では12年前の1999年から「(ハングル).kr」、「http://(ハングル)」のドメインが普及しているが、登録されているのはまだ5万件ほど。それに比べると「.韓国」の人気はどれほど高いか分かる。
「http://(ハングル)」のドメインは2011年1月から携帯電話やスマートフォンにも対応していて、検索キーワードではなく、アドレスのところにキーワードを入力すれば登録されているサイトにつながるようになっている。企業名、サービス名をハングル(韓国語の文字)のままアドレスに入力しても、そのサイトにつながるようになっている。スマートフォンやタブレットPCのようにタッチ式の画面からドメインを長々と入力するのは面倒なので、短い韓国語ドメインが大活躍すること間違いない。
韓国のハングルドメインと「.韓国」ドメインはNetpiaという韓国のベンチャーが開発したものである。自国語ドメインは1999年に開発され、その年シンガポールで開催されたAPRICOT(Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational Technologies)で公開している。それから議論が始まり、10年後の2009年、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers、ドメイン名やIPアドレスを管理する民間の非営利法人)は世界で自国語ドメインが使えるよう決議した。
韓国では、高齢者ユーザーの場合、アドレスをアルファベットで打ち込むこと自体を難しいと感じるようで、ポータルサイトから韓国語で検索してリンクをクリックしてサイトに移動するという人が多かった。「.韓国」のドメインが定着すれば、覚えやすく入力しやすいので、ネットマーケティングにキーワード広告ではなく、Webのアドレスを活用するケースが増えそうだ。
筆者も英語のドメインだと、公共機関の場合or.krなのかgo.krなのかで迷って何度もアドレスを入力し直した経験があるので、韓国語で機関名だけ入力するか、機関名.韓国でWebサイトにアクセスできるようになって便利だと感じている。
情報通信政策を担当する省庁の放送通信委員会は、「10年前からネットで主な行政サービスを利用できるようにしているが、WEBサイトのアドレスが覚えられなくて思い立った時にすぐ使えないという人もいた。覚えやすいハングルドメインを使うことで、公共サービス利用の便宜性が大きく改善されるだろう」と期待している。
趙 章恩=ITジャーナリスト)
日経パソコン
[2011年9月29日]
-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20110922/1037035/