サムゲタンには、雛鶏に高麗人参や栗、棗、にんにく、もち米など、これまたお肌をぷりぷりにしてくれる食材がたっぷり入っているので、ひと夏に3回どころか毎日食べたいところです。家でも簡単に作れますし、ぶつ切りにした鶏ともち米でお粥風に作ってもおいしいので、ニッコリアのレシピを参考にレッツチャレンジ!
でも、キッチンに立つ意欲すらない、暑すぎて食欲もない! そんな日は氷を入れた冷麺が無性に食べたくなります。夏になると、ロッテマートなどの冷蔵コーナーには、一斉に冷麺が並びます。
売られているのは麺と汁がセットになったもので、麺は30秒茹でて冷たい水で洗い、汁は冷凍庫でうっすら表面が凍るまで冷やします。大きなボールに麺と汁と氷と千切りにしたきゅうりを入れるだけで、簡単においしい冷麺のできあがり! 麺も柔らかくてするする飲み込めてしまいます。ひや~、体の芯まで一気に氷点下にしてくれるから、どんどんおかわりしてしまいます。
冷麺はどれも同じように見えて、実はすごく種類が豊富なんです。基本的には冷たい汁があるムルネンミョン(水冷麺)、辛い薬味を入れて混ぜて食べるピビンネンミョン(混ぜ冷麺)の2種類に分かれます。そのルーツはピョンヤン冷麺とハムフン冷麺にあります。
私は、冷麺は冷たいから暑い地方の料理だと思ってましたが、実は違うんです。北朝鮮地方の寒い地域で、真冬に暖かいオンドル部屋の中で楽しむ料理として栄えたのが冷麺なんですよ! 驚き! 真夏に冷たい川に足を入れながらサムゲタンを食べていたのと同じことかしら?
ピョンヤン冷麺はそば粉に片栗粉を少し混ぜた麺と、肉を煮込んでこしたスープにドンチミ(水キムチ)の汁とお酢を混ぜた冷たいスープの組み合わせ。これは後のムルネンミョンになりました。ハムフン冷麺はジャガイモやさつまいもの澱粉で作った固くて冷たい麺の上にコチュジャンであえたお刺身をのせたもので、汁はなく混ぜて食べます。これは後のピビンネンミョンになりました。ネットで調べたところ、日本の盛岡冷麺はハムフン冷麺がそのルーツなのだとか。韓国で食べるハムフン冷麺は麺がやわらかくてするする~っと食べられるけれど、本物のハムフン冷麺はどんな味なんでしょうね。
最近は麺にクロレラや海草、ポップンジャ(野いちご。乾燥させたものは精がつく薬剤として利用されます)などを混ぜた健康冷麺もたくさん登場しています。
日本に来て初めて冷麺を食べた日の衝撃といったら~もう~。東京でとても人気があるという韓国料理のお店でおいしくカルビを食べて(日本で食べる韓国料理はまた格別~)、カルビのあとはお約束の冷麺ということで頼んだのですが……。ゴムのように硬い麺にスイカやトマト、チェリーがのった酸っぱいだけの麺が登場! 「これのどこか冷麺だ~」なんて、お店の人に思いっきり怒りをぶつけてしまったほどです。
焼肉やビビンバ、カムジャタンなど、日本の韓国料理はどんどんおいしくなっていくのに、サムゲタンと冷麺だけはまだまだ本場の味にはかないませんね~。韓国に来て本格的な冷麺を楽しんだ方はみんな、「この味をそのままお土産にしたい!」と、その美味しさに驚きます。マートで売っているレトルトもお店に負けないほどおいしいのでおすすめです。
明洞(ミョンドン)や蚕室(チャムシル)のロッテ百貨店にも、冷麺がおいしいと評判のお店があります。お昼には並ばないと食べられない「ユウォンジョン」。甘辛くあえたお刺身をのせたフェネンミョン(刺身冷麺)にチャレンジしてみてはいかがですか?
そしてもうひとつ! 夏になったら絶対食べておくべきもの! それは「コングクス」! 直訳すると「豆そば」ですが、どろどろの豆乳を冷たく冷やして、太目の手打ち麺を入れて塩で味付けして食べる夏の風物詩! これはもうとにかく食べてみて! 明洞の「明洞餃子」のコングクスなんてもう最高~。
今日は特別に、ここだけの話。こっそり秘密のレシピを教えましょう。超簡単コングクスの裏わざ! 豆をすりつぶして汁を作るのは大変。そこで豆腐と牛乳を1対1の割合でミキサーにかけ、すりつぶしたゴマと塩で味付けしてみてください。コングクスのどろどろ豆乳と変わらない香ばしい味が完成! ミスッカル(禅食の粉)を混ぜるともっとおいしくなります。ここにうどんの麺でもいいし、そばでもいいし、冷たくしたシコシコ歯ごたえのある麺を入れればコングクス完成! 超簡単でしょう?
今日は冷麺? それともコングッス? 何を食べようかな~。
by: 趙章恩
2009年08月3日
「ニッコリア」: ダイナマイト・コリア 今日もドキドキ探検に出かけよう!