三星電子 携帯とプリンタなど強化(2007年4月2日 掲載)

三星電子 携とプリンタなど


 



CeBIT」で州市場をテコ入れ




 


【ソウル】三星電子は、世界最大のIT通信門展示であるCeBIT2007の開催を機に州での携電話とプリンタ事業などを化する計だ。



 CeBIT2007に未
型デザインの携電話、世界最小型複合機などを意欲的に展示する。携電話ではウルトラエディションとHSDPA携、今年のグロバル略端末など、次世代通信技術を中心に2世代UMPC(ウルトラモバイルPC)、LEDBLU(光ダイオドバックライトユニット)を採用した30インチLCDモニタなどだ。


 


 展示ブにある通信館では「ウルトラコ」を設置してデザインを調したウルトラエディションと機能別に特化させた製品群のウルトラスペシャルに分けて集中的に紹介する。特に多なメタリックシルバ製品とミラタイプのファッション製品を調して、上半期のグロバル主力製品と位置づける。


 


 また同社は、韓国独自のモバイルWimaxであるWibroによる多者間TV議およびモバイルIPTVと統合ネットワクソリュションのiBG シリズも展示、州市場の大を狙う。


 


 情報館にはプリンタ、モニタPC、MP3プレなどIT製品群を展示し、アピルする。43ppm級の超高速デジタル複合機「SCX-6345」をはじめ、企業向けプリンタと超小型レ複合機など、一般消費者はもちろん企業向け市場を攻略できる製品に力を入れる。


 


 三星電子は PC部門でもカメラを内蔵したノPCや存製品をより小型、量化した2世代UMPCなど携性と機能を化した新製品も揃える。 展示規模は情報館509坪と通信館406坪で、合計すると915坪規模になるとしている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年4月2日 vol.1181 載] Link 


 


 


 

携帯オンリーの楽曲で販売増を狙う動きが盛んに

先週、第3世代(3G)から第2世代(2G)へ乗り換える加入者が増えていることをお伝えしたが、今回は、「特別なコンテンツ」を携帯電話にプリインストールすることで端末の販売増加を狙うベンダーの競争がこの冬に目立っていることを紹介しよう。特別なコンテンツとは、携帯電話でしか聞けない楽曲のことだ。

 前回もお伝えしたように、LG電子は2G携帯で、オーディオ業界の巨匠マーク・レビンソン(Mark Levinson)が制作に参加した「ラプソディーインミュージック携帯」を発売した。モバイルに最適な音質を具現化したのが売りで、LG電子は「音楽はサウンドではなくエモーション(感情)」とし、現代人の必需品である携帯電話を利用し、手早く高品質な音楽を聴きたいとするニーズを満足させるために開発したと説明している。


 「ラプソディーインミュージック携帯」が話題になった理由はもう一つある。有名歌手7人のデジタルシングルアルバムを内蔵したことだ。5GBのメモリーを持つ音楽携帯ということをアピールするため、7人の歌手のニューシングルが収められてある。携帯電話の形をしたシングルアルバムとも言えるだろう。この新曲は、当分の間はこの携帯電話を買わないと聴けないが、3カ月後からインターネット音楽サイトで有料販売を開始する。


 新曲を提供した歌手の一人ソン・シギョンは「音楽を消費する環境の変化に伴い、これからは音楽をどこにどうやって保存するのかが課題になってくる。その一つとして、携帯電話は音楽アルバムにもなれるという発想の転換をしたにすぎない」と話している。携帯電話の中にしか存在しないシングルアルバムは「Rhapsody, The Soul of Sound」というタイトルで、歌手7人の「愛」をテーマにした7曲が収められている。バラード、ヒップホップ、ロック、オペラなどそれぞれ違うジャンルの歌手が参加しているのも面白い。三星電子や既存の携帯電話は歌手とのコラボというと10~20代をターゲットにしていたが、LG電子は10~50代までもカバーできる顔ぶれだ。


 「Rhapsody, The Soul of Sound」は携帯電話1機種のためのプロジェクトアルバムで、こうした動きが今後どれぐらい続くかは明らかにされてない。しかし、三星電子の携帯電話「Anycall」向けの広告「Anyband」に対抗する、広告とエンターテインメントが一つになった「Branded Entertainment Marketing」としてはかなり効果があったと評価されている。


 「Anyband」は、「Anymotion」「Anyclub」「Anystar」に続く、BoAを中心に若手アーティスト4人が登場するミュージックドラマ風の広告。広告であると同時にミュージックビデオ、着メロ、コンサートなどテレビ以外でもさまざまな形で活躍するプロジェクトバンドでもある。実際、11月末にはコンサートも開催し、広告に登場した曲を演奏した。三星電子の携帯電話Anycallの広告に登場する曲は、すべて広告のために作られた新曲で、その時代を代表する人気歌手が歌っている。正規のアルバムの曲ではないのに音楽チャートで1位を席巻するほどで、既存のCMソングとは次元が違う。Anybandでも、BoAと東方神起のシア・ジュンスがバンドを組むということ自体が話題になり、自然と広告価値を高めた。三星電子が企画、演出する新しいマーケティングとして他の業種もこれを真似ようとする動きが始まっているほどだ。


 Anybandのメンバーの名前を付けた「BoA携帯」、「シア・ジュンス携帯」といった音楽携帯も発売された。BoA携帯には2つのBluetoothヘッドセットが付いており、友達と一緒に音楽を聴ける機能を持っている。シア・ジュンス携帯は高音質大型スピーカーが付いていてオーディオのように機能するのが特徴だ。


 三星電子は、MP3プレーヤーでも、ブランドとエンターテインメント機能を合体させた製品を販売する。スペシャルエディションとして90年代を代表する大物アーティスト「ソ・テジ」が音源セッティングに参加し、未公開動画と未公開音源14曲を内蔵したMP3プレーヤーを1万台限定発売する。


 携帯電話や製品の機能があまりにも進化しているだけに、機能が素晴らしいのは当たり前。その上で何かユーザーを引き付ける魅力がないと選択してもらえないのはよく分かる。それにしても、手っ取り早く芸能人を利用するのはちょっとね~。もっと深みのあるユーザー分析をして、あっと驚くような面白いことを提供してくれることを期待していたのに残念だ。これ絶対買いたい!というような携帯電話になかなか出会えずにいるのは筆者だけではあるまい。










■変更履歴
本文中、「マーク・レビンソンは、トヨタの高級自動車レクサスのカーオーディオシステムを制作したことでも有名だ。」とありましたが、マーク・レビンソン氏はこのオーディオシステムの制作に関わっておりません。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/12/28 10:00]


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2007年12月26日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20071226/290194/

「鎖国」状態の韓国携帯ネットワークに風穴

韓国の携帯通信キャリア3社の中で最下位のLGテレコムのパケット定額が話題になっている。「OZ」というブランド名のこのサービスは韓国で初めて月6000ウォン(約600円)の定額で携帯電話からインターネットへ自由にアクセスできるようにした料金プランである。

 これまでも、携帯電話からインターネットに自由にアクセスできる方法としてはもう1つ「Wibro(モバイルWimax)」があった。携帯電話やノートパソコンを使って高速で移動しながらも途切れることなくブロードバンドでアクセスできることから「携帯インターネット」とも呼ばれている通信サービスだ。KTが主導していて、KTの子会社であるキャリアKTFの携帯電話から利用できる。2008年上半期まで加入すれば月々約2000円で使い放題だ。Wibroはまだソウルと首都圏の一部でしか利用できないエリアの狭さから加入者が伸びなやんでいるが、需要が増えることは間違いないとされてきた。


 しかし、ここにWibroよりも安くて手軽な「OZ」が登場することによって、Wibroに投資する意味がなくなるのではないかという声も出てきた。フルブラウザー搭載でパソコンと代わらない画面を提供できるようになっただけに、わざわざWibroに加入することもないということになる。


 これまで、韓国の携帯電話を経由したモバイルインターネットアクセスはキャリアのネットワークを経由しなくてはならなかったため、勝手サイトにはアクセスできないように遮断されていた。例えれば、NTTドコモのiモード経由でしかポータルサイトやメールにアクセスできなかったため、ドコモと契約しているサイトでないと他キャリアの携帯電話からはアクセスができないという状態だったわけである。データ通信料も高く、パケット定額は期限限定のプランしかなかったため、携帯電話で何か検索でもしようとするとあっという間に4~500円はかかってしまっていた。


 「OZ」はプロモーション料金として加入から6カ月間は容量の制限なく利用できる。さらに基本料と音声通話の利用料に応じて毎月の携帯電話端末月賦金を無料にしてくれるプランも始めた。7カ月目からは同じ料金で月1GB分利用できるようになる。1GB分というとそれほど多くないように感じるが、一般的なWebページでいうと2千~3千ページほどの分量になるので携帯電話から利用する分には十分。先行するWibroに対しても、「OZ」は通信料が破格的に安い上にどんなサイトにもアクセスできるという点で韓国のモバイルインターネット利用環境を大きく変えることになるだろう。

携帯電話からインターネットに自由にアクセスできるようにネットワークを開放することに対してシェア1位のキャリアSKテレコムは慎重な立場を示しているが、前述の通り、残りの2社は市場拡大のため積極的になっている。ネットワーク開放は2001年から実現するといわれながらも、データ通信料や公式サイトの情報料収入が減ることを恐れたキャリアは反対してきた。SKテレコムの場合、データサービスの売上は年約1400億円、全売上高の15%を占めている。KTFとLGテレコムの場合はデータサービスの売上がそれぞれ500億円と150億円と、SKテレコムとは比較にならないほど少ない。SKテレコムは加入者数が韓国の人口の約半分にあたる2300万人ということに加え、ビジネスユーザーが多いのもデータサービスの利用が大きい理由のようだ。しかし2007年末、SKテレコムがブロードバンド通信会社のHanaroTelecomを買収する条件としてネットワーク開放を約束している。2008年内にはSKテレコムも開放するしかない見込みだ。


 ただし、念のため触れておくと、SKテレコムやKTFは一応2007年からネットワークを開放したことになっている。しかし、両社は、携帯電話経由で特定のサイトにアクセスできるようにする際に、そのサイトに課すネットワーク利用料をものすごく高くして、事実上、サービスの提供をあきらめさせていた。ところが、LGテレコムのOZの登場で、日本のように携帯電話からもパソコンと同じく自由にインターネットへアクセスしたいというユーザーのニーズがあることははっきりしてしまった。


 ポータル業界はモバイルから簡単にアクセスできるようになったことで、広告チャンネルが増えると喜んでいるが、キャリアは公式サイトではない勝手サイトにアクセスさせることで情報料の収入は減ってしまうのではないかと懸念の方が現時点では大きい。


 韓国の携帯電話加入者は人口の9割近い4400万人である。「OZ」のようなサービスが全キャリアから提供されるようになれば、4400万人を対象にした新しいメディアが生まれることになる。そのためポータルサイトの「NAVER」や「DAUM」などはこぞってより使いやすくしたモバイル専用サイトの構築を急いでいる。モバイルネットワーク開放はキャリアにとっては収益減少につながるかもしれないが、ネット利用者増加と広告増加につながり、インターネット産業全体は潤ってくる。3Gで「より高速になりました」といってもデータ通信が高すぎて使えないままでは宝の持ち腐れというものではないだろうか。もう少し懐を大きくして3社ともに「OZ」のようなサービスを出してくれるといいんだが。



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年6月4日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080603/1003917/

日本の携帯メーカー淘汰に割り込むタフな韓国勢の狙い

 韓政府は6月末、携電話端末の生産量を2012年までに現在の2倍近い6億台に伸ばすことを目指す「移動通信産業略」を表する。サムスン電子やLG電子の世界進出で、携電話産業は韓国経済の約7%を占める一大産業に展している。新略の下では日本市場も然大きなタゲットとなるだろう。


 


 


■プラダフォン発売は日本本格進出の象


 


 市場調査社のガトナによると2007年に11億6000万台規模だった世界携電話市場は2010年に15億2940万台、2012年には18億750万台にえる。このため新略の目標が達成されれば、世界携電話市場のなかで韓が占める割合は2007年の21.6%から2012年には33.2%へ高まることになる。


 


 サムスン電子の「ANYCALL」ブランドの携電話端末は2007年に世界市場で1億6100万台がれた。2008年は2億台の販を目標にしており、モトロラとの差を大きくげようとしている。LG電子も2007年に世界で8050万台を販している。特にLG電子はイタリアのファッションブランド大手プラダ(PRADA)と提携した「プラダフォン」や「チョコレトフォン」がヨロッパでヒットしたおかげで、全世界でブランド値やイメジが上昇した。


 


 


 


  州で先行発売されたLG電子の「プラダフォン」


 


 


 プラダフォンこと「PRADA Phone by LG」は2008年6月から日本でもNTTドコモの端末として発売されることになった。全面タッチスクリンを採用したこの端末は2007年3月にヨロッパで先に発売され、世界40カ80万台を販した人の高いハイエンド端末である。このニュスは日本で大きく報じられ、韓の端末メがついに本格的に日本へ進出しようとしていると話題になった。


 


 LG電子に限らず韓の携電話端末メの日本進出が目立っている。世界市場を舞台にシェアを伸ばしているサムスン電子、LG電子、パンテックの3社は、日本は最後にされた大きな海外マケットであるとして、日本輸出を化し始めた。韓国関税庁の資料によると、携電話端末の日輸出額は2006年から大していて、2006年は3億4338万ドル、2007年は3億84303万ドルとなっている。
 


 


■リストラは進出のチャンス


 


 韓では、2Gの時代は日本自のPDC方式のため端末の輸出が難しかった。3Gでは韓と日本が同じWCDMA方式を採用していることもあり、端末を輸出しやすくなったと言われている。それでも、高度な技術力で開期間を短縮し年間50種類以上の新機種を世界市場で発売しているサムスン電子やLG電子にとって、端末の仕をキャリアが決める日本がとても難しい市場であることは間違いない。


 


 しかも日本の携電話端末市場はリストラのっただ中だ。三洋電機が京セラへ携電話事業を却、三菱電機は携電話端末市場から撤退、ソニー・エリクソンモバイルコミュニケションズはドコモ向けの端末略を見直す。普及率が「1人1台」の時代になり新規需要が乏しく、販売奨励金の見直しで買い替えサイクルも長くなり端末の出荷台も減少すると見まれている。


 


 逆に言えば、市場の先行きがしく日本メが次に撤退している環境だからこそ、この隙を狙って日本で地位を固められるチャンスがあると期待しているのだろう。携である日本の3G市場で端末やブランドをヒットさせることができれば、世界市場でのいっそうの競力アップにもつながる。


 


 


Wibro日本投入も視野に


 


 高速無線通信の「Wibro」が利用できるサムスン電子の端末


 


 


 韓では日本メの端末はカシオ計算機の「CanU」しか販されていない。このCanUは加入者が最も少ないLGテレコム用にもかかわらず、新機種が登場するたびにモバイルマニアが「CanUを使うためだけにキャリアをえても損はない」というほど注目されている。韓としても、日本製端末の性能の高さは十分に承知しており、日本進出にはじっくりと時間をかける考えだろう。


 


 LG電子はプラダフォン以前にも、2006年からNTTドコモに端末を提供している。2007年にはFOMAハイスピ(HSDPA)に対応したチョコレトフォンを発売した。GSM方式のエリアにも対応した「WORLD WING」端末で、日本市場向けにワインレッドカラを追加した。世界100カでベストセラとなったチョコレトフォンだが、確に人証された製品でないと目の肥えた日本のユには受け入れられないという判から、日本での販を急がなかった面もある。


  


 サムスン電子はボダフォンの流れでソフトバンクから端末を発売している。ブランド力があることから日本でもそこそこれていて、日本市場シェア1%を記したという報道もあった。


 


 サムスン電子はモバイルWiMAXの設備を日本に輸出している。モバイルWiMAX というとカド形式のイメジがいが、韓では同の高速無線通信「Wibro」を搭載したスマトフォンも発売されている。まだ決定されているわけではないが、日本のモバイルWiMAXサビスのエリアががり加入者がえてくれば、自慢のWibroスマトフォンで存の携電話端末市場とぶつかることなくシェアを伸ばしていくことも視野に入れている子だ。


 


 サムスン電子、LG電子だけでなく経営がかなり改善してきたパンテックも日本進出に積極的である。パンテックはLG電子よりも早く、2005年12月からKDDIのau向けに端末を納入し、韓のなかでは初めて日本に進出した経歴を持つ。2007年に骨導スピを搭載した「簡タイ A1407PT」を発売するなど、スリムで安いだけでなく機能の面で特を持つ端末も出し始めている。


 


 


■日本メとの距離縮める


 


 



サムスングルプの2008年春のヒット端末。タッチパネルを搭載している


 


 


 韓の携電話市場では今年、インタネット機能が重視され、タッチスクリンの簡な操作でパソコンとわらない面表示ができるフルブラウザ搭載端末がえている。キャリア最下位のLGテレコムは、「OZ」という激安パケット定額プランを始めて、韓モバイルインタネット市場で最下位からの反に出ている。


 


 「OZ」は月約600円で携電話からインタネットが使い放題になるだけでなく、キャリアのポタルサイトを由せず自由にウェブサイトへアクセスできるようにしたのが特である。これまで韓のキャリアはフルブラウザであってもキャリアのポタルサイト(日本でいうiモドのようなサビス)を由しないとインタネットにアクセスできず、キャリアと契約していないサイトにはアクセスできないようにしていた。それが「OZ」の登場により携電話からもパソコンとわらず自由にインタネットを使えるようになり、ほかのキャリアもネットワクを開放せずにはいられなくなった。 


 


 さらに、SIMカドのロック解除で複の端末が使えるようになったのも大きな化だ。海外だけでなく韓国内でも携電話に求められる機能はわり始めているため、韓のメ国内、世界市場、日本、新興市場など市場ごとにな端末を計しなくてはならなくなった。


 


 移動通信、そのなかでも携電話端末を家として略的な産業に育てようとしているだけに、韓は今まで以上に端末の輸出を化するだろう。韓は熱血で口うるさい韓に揉まれ、ヨロッパ、アメリカ、インド、中など世界各ってきた経験を通じ、どんな況でも生きれるタフさを身につけてきた。


 


 世界マケットの一つとして日本を見ている韓と、需がすべてで日本人ユを熟知している日本メの競力を比べるのは難しい。しかし日本にとって韓米のメより怖い相手になるだろう。世界最大の3G市場で勝ちれるよう韓は必死で、重に距離を縮めている。日本のメがまた携電話市場から撤退するのを待っているかもしれない。



– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  
2008年6月3日


韓国ユーザーが携帯に求める機能は「自分」撮りのしやすさ、機種変更周期は1年未満

韓国での携帯電話の買い替え周期がまた短くなった。

 リサーチ会社と携帯電話部品開発会社が2008年1月に共同で開催したアンケート調査の結果によると、16~35歳の利用者629人のうち、58.2%が過去1年以内に携帯電話を機種変更しているという。しかもそのうち36.4%は機種変更して6カ月も経たないと答えた。2007年に行われた政府機関の調査では、機種変更の周期は1年4カ月ほどという結果があったが、今回は16~35歳と若い世代を対象にした調査のせいか、さらに短くなった。


 韓国の携帯電話は決して安くない。2008年3月末から奨励金規制がなくなり自由化されてから無料端末も登場したが、無料といっておきながら実は月賦で36カ月払いとか、特定の付加サービスに加入しなくてはならない条件があるから、顧客は端末価格を違う形で支払っているだけである。


 奨励金があっても最新端末の価格は大体7万~9万円はするので、どんなに安くなっても流行の新機種だと5万円は下らない。それでも機種変更を繰り返す理由は、携帯電話は機能やデザインよりも、自慢になるかどうかで決めるようなものだからではないだろうか。そしてもう一つ、韓国携帯ユーザーにとっては自分撮りしやすいカメラ、実物よりきれいに写してくれるカメラが付いているかどうかもすごく大事なのである。


 上記のアンケートでは1年以内に機種変更したいという人も35%いた。機種変更の理由としては端末の故障が43.9%ともっとも多かったが、「流行遅れ」25.8%、「キャリアを変えたい」6.7%、「新しい機能とサービスを利用したい」5.6%という理由もあった。


 携帯電話購入時に最優先する要素としては価格、デザイン、ブランド、通話品質、付加機能、故障しないといった順でカメラの画素数は上位に登場しないのだが、携帯電話で通話以外に頻繁に使う機能はカメラが圧倒的だった。その次に音楽再生、電子辞書、ワンセグ、モバイルインターネットと続く。日本では当たり前な携帯電話でインターネットを使うという機能は韓国ではまだまだそれほど使われていない。何よりも料金が高いからだ。

携帯電話カメラを使った撮影頻度は週6.7回。日本だと携帯電話のカメラで撮るのは風景や食べ物などだろうが、韓国は違う。男性の場合は友達や彼女が37.7%で1位、女性の場合は自分自身を撮ると答えた人が48.9%と圧倒的に多かった。


 確かに、時間と場所に関係なくあちこちで携帯電話で自分を撮っている女性をよく見かける。腕を思いっきり上に伸ばして、できるだけ顔が小さく写るようにがんばるんだよね。今街を歩いている自分、今ケーキを食べている自分などなど、この瞬間の自分を記録に残したいという個人的な目的だけでなく、SNSやホームページに堂々と掲載して自分のかわいさをアピールするところは、世界でも稀なのではないかと思ってしまう。自分に自信がありすぎるというか、国民総芸能人化というか、自分のことをアピールするのが好きなんだよね。


 韓国では人に撮ってもらうのではなく自分で自分を撮る「セルフカメラ」好きな女性が本当に多くて、写真写りがいい場所とネットで噂になれば客がどっと増える。ソウルの中心部である鐘路には33階建てのビルがあり、最上階はガラス張りのレストランになっている。このレストランでセルフカメラを撮ると美人に見えるとネットの書き込みが増え話題になったことから、周辺のレストランやカフェではお店で撮ったセルフカメラの写真を投稿するイベントを開催し、照明にものすごく気を使っているほどだ。携帯電話の大型代理店にはフォトゾーンみたいなコーナーがあって、壁に絵を掛けたり照明を落としたりしてセルフカメラを撮りたくなるようにしている。


 韓国のこの夏の人気機種はどれもタッチパネルで、500万~800万画素のカメラが付いている。顔認識でセルフカメラが撮りやすくしたカメラが付いた携帯も増えている。日本ではiPhone 3Gだとメールが打ちにくいということがよく言われているが、韓国ではメールよりSMS、モバイルコンテンツよりは写真なのでタッチパネルの方が使いやすい。撮った写真を確認したいので液晶もどんどん大きくなっている。写真を保存するためにメモリも大容量になっている。


 ここで、セルフカメラのコツを伝授。「顔は15度横に傾け、カメラを45度上に置いて上目にして撮る」。すると、顔は細く目は大きく見えるという。みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょう?



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年8月20日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080808/1006883/