韓国 衛星モバイル放送「TUメディア」(2007年1月15日 掲載)

加入者100万人突破でも赤字にあえぐ


 




【ソウル2003年の設立から現在まで赤字がいている衛星DMB(衛星モバイル放送)「TUメディア」が、700億ウォン(約90億円)規模の有償資を決定した。TUメディアは3期だけでも上高172億4000万ウォンにして純損失208億7000万ウォンを記06年12月25日に、加入者100万人を達成したにもかかわらず、大規模な赤字にあえいでいる。


 


 TUメディアは、新規投資金と運資金づくりのため昨年12月27日、「大株主を含み第3者割方式の記名式普通株有償資を推進中」「具体的な新株割当内訳額、行時期など詳細件はまだ決まっていない」ことを明らかにした。資には米の衛星放送社も加すると報じられている。


 


 TUメディアの親社で29.6%の株を持つ最大株主のSKテレコムは、衛星DMB事業活性化のため325億ウォンを出資する計だ。TUメディアへの出資金額は、2509億ウォンにのぼることになる。TUメディアの株はSKテレコムを除いて三星電子が6.9%、MBCo(日本)が6.0%を保有している。


 


 SKテレコムは現在、TUメディアの大株主だが、放送法により最大株主の持分は33%までと決まっている。第3の企業が資に加しないとなると、追加投資額が決まらない況だ。大企業の持分制限は07年4月から49%へとえるので、今後資も予想される。


 


 韓で市場シェア50%を超える移動通信キャリアのSKテレコムは、放送と通信の融合時代を迎え、IPTV事業にも積極的に推進している。TUメディアのほかにアルバム製作社の「ソウル音盤」も買し、コンテンツ事業を化している。


 


 しかし、SKテレコムは、KTやHanaroなど競合する通信社が新たな成長源とするIPTV事業への進出に苦している。同社は、KTと情報通信部、放送委員が共同で推進するIPTVテストサビスに加したいとコンソシアムに名を連ねているが、本業であるネットワク事業者としてではなく、コンテンツ事業者として加できたことに足しなければならなかった。


 


 TUメディアの社長を含むSKテレコムの役員らがIPTVを提供するHanaroを訪問し、システムとインコディングに多大な心を示したとのニュスが報道されてから、SKテレコムがTUメディアを前面に出してIPTVに進出しようとしている、と通信業界では大ぎになった。


 


 衛星モバイル放送に限らず、現在世界で最も注目されている放送プラットホムであるIPTVを確保しないとSKテレコムのコンテンツ投資も持できないため、SKテレコムがIPTVのためにHanaroを買するのではないか、とも測されている。


趙章恩(チョウチャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年1月15日 vol.1170 載]  Link