<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>4.今回のテーマ: WIPI

 


iPhoneを発売しない韓 策技術の放棄になる!?


 


 


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 日本では大きな話題となっているiPhoneだが、韓ではまだ発売の計がない。iPhoneに限らず、韓ではノキアやソニー・エリクソンのような外の端末は販されていない。その理由は、韓政府が策として開し、モバイルインタネットが使えるすべての携電話端末に搭載を義務化しているWIPI(Wireless Internet Platform for Interoperability)にある。WIPIは携電話のOSのようなプラットフォムで2002年5月に開された。その背景には、01年、韓の移動通信キャリアがGVMやBREW、WAPなどの異なるプラットフォムを使用していたため、モバイルコンテンツに互換性がなかったことがある。このような不便をなくし、BREWとJavaの長所を取り入れた共通プラットフォムを採用することでモバイルコンテンツの利用を活性化させる目的でWIPIが開された。05年4月からWIPI搭載が義務化され、07年までの間に約4000万台の携電話に搭載された。



 コンテンツプロバイダにとってはコンテンツ開
が容易になったものの、外の端末メは韓市場だけのために自社の端末にWIPIを搭載するという面倒なことはしたがらなかった。そのため自然と市場は閉鎖的になり、ユ7-8万円もの高額なサムスン電子やLG電子の携電話を買うしかなくなっていた。


 添付画像


 策として大的に開されたWIPIを止することに難色を示す人も多い。特に中小のコンテンツプロバイダはWIPI向けのコンテンツしか開していないので、海外のさまざまな端末が韓市場に入ってきてプラットフォムも自由化されるとなれば市場を奪われることになる。一方、止に成側のキャリアはWIPIを捨てるのではなく義務化をしないことでユの選幅をげるべきだと主張している。WIPIが止されればキャリアはiPhoneなど世界で話題の端末を発売できるようになるからだ。


 


 担の放送通信委員は「まだ討段階で、止するしないの決定は先のことだ」というが、すでに米アップルのサイトには韓iPhoneを担するアカウントマネジャを募集するという求人告が載されている。政府が策を放棄するための言いを思いつかないだけのことで、WIPIの止は時間の問題のようである。(趙 章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年7月28日 vol.1245 載] Link


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>3.今回のテーマ■Wibro(下)

<ケススタディ“韓流”IT TRY&ERROR3.今回のテマ■Wibro(下)


 


 


課題はエリアの大 自治体との連携も視野に


 


 


 


添付画像 Wibro(モバイルWiMAX)は20066月に一部が商用化されたものの、韓KTの本社近くとソウル市の中心部だけでしか使えず、ソウル全域で使えるようになったのが074月のことだ。今年6月になってもまだソウル市と首都の一部地域でしかサビスが提供されていないため、使いたくても使えない況がいている。加入者も然ながら予想を下回る況。066月の世界初の商用化とがれた時は最初の1年で13万人、11年には少なくとも390万人を超えると予想されていたのに、今年6月までのWibro加入者は約20万人にしか達していない。



 それでも、一度でもWibroを使ったことのある人には、「思ったより速度も速くバスやタクシ
りながらでもインタネットが使えるのでとても便利。家でも外でもWibroでつながればいいのに」と、好評を博している。大量の写真タをその場ですぐ送信したい報道カメラマンの間では、ソウル市では利用料が安いWibroを使う人がえている。だが、一般ユを獲得するにはやはりすぎるサビスエリアがネックだ。


 


添付画像 こうした停滞状況からするため、KTは自治体と提携してユビキタス都市を構築すべくWibroを早期に導入できるような手を打っている。韓第二の都市である釜山市やソウル近郊にある京畿道はWibro Wave2基盤ユビキタス環境を築いてモバイルオフィス、光情報、災害情報などを提供する。通勤時間の利用や社での利用もえ、地域経済の活性化に寄することが期待されている。


 


 KTWibroのために過去3年間に約670億円を投資している。08年にはWave2とサビスエリア大のため、さらに約120億円を投資する計だ。同社によれば、08年末には首都全域をカバし、自宅でも外でもWibroにさえ加入していれば移動しながらもシムレスにブロドバンドが使えるようになるとしている。


 


 リサチ機のジュニパリサチの調査によると、2013年には世界のWibro加入者が8000万人を超え、連市場規模も230億ドルを上回ると予測されている。
(趙 章恩●取材/文)


 



“世界初”の技術も、インフラが未整備なら普及しない


BCN This Week 2008年7月21 vol.1244 載] Link

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>2.今回のテーマ■Wibro(中)

<ケススタディ“韓流”IT TRY&ERROR2.今回のテマ■Wibro(中)


 


 


優遇料金制でWibroを普及 ライバルの入で活づくか


 


 


 


添付画像 Wibroの主なユはネットを活に利用する大生であることから、全の大Wibro点にするための準備が始まっている。すでにソウルと首都の大はほぼ全てのキャンパスのどこでもWibroが使え、釜山市でも大を優先的にサビスエリアとしている。料金もでのアクセスは月3000ウォン(約300円)と格安料金で提供する。



 KTは、月約2000円で30GB分利用できる料金体系と月約1000円で1GBまで利用できるお手頃料金を提供し、モデムも無料提供、加入費も免除している。KTが提供しているブロ
ドバンドや無線LAN、携電話サビスと同時に利用することで半額近く割引されるセット割引料金プランも設定されている。こうしたプロモション料金体系のほかに月2800円ほどのKTのブロドバンド料金に月約800円を追加するだけで全にアクセススポットがある無線LANWibro(月1GB分)が使えるプランも人がある。Wibroに新規加入し、2年契約にするとヒュレットパッカドのノPC2万円ほど割引されるキャンペンも施中だ。Wibroシネマ料金プランというのもあり、Wibro料金に月260円ほど追加するだけで提携先の映館で1本映を無料でることができる。添付画像


 


 KTWibroはノトパソコンにUSBモデムを差しんで使うのが最もスタンダドな使い方だが、Wibroを搭載したサムスン電子やLG電子のスマトフォン、UMPC、携型の動再生機PMP(ポタブルマルチメディアプレ)、ナビゲション機器からも使える。KT2008年末までにはWibro搭載デジカメも発売し、写真や動を撮ったらブログに送できるパソナルメディアとしての役割をもたせたいとしている。USBモデムはMP3プレとしても使える優れものが揃っている。


 


 KTと同じくWibroの事業免許を持っているSKテレコムは、3GHSDPAの普及に力を入れていたため、Wibroに積極的ではなかったが、今年度下半期からはWave2技術を導入して本腰を入れる。デタ速度は上りが5.04Mbpsから10.08Mbpsに、下りは18.72Mbpsから37.44Mbpsに大きく改善されることで、HSDPAよりも優れたブロドバンドサビスになる。(趙 章恩●取材/文)


 


BCN This Week 2008年7月14 vol.1243 載]Link 


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>1.今回のテーマ■Wibro(上)

<ケススタディ“韓流”IT TRY&ERROR1.今回のテマ■Wibro(上)


 


 


期待高まるWibro


モバイルVoIPで携電話を超えた


 




添付画像 韓
ITは、日本よりも進んでいると評されることが多い。だが、その展の過程を仔細に見ると、試行錯誤の連ともいえる。韓在住のITジャナリストが、その際を生しくレポトする。


 


                  ◇      ◇



 今年61617日、ソウルでは10年ぶりのOECD IT
大臣議が開催された。アジアで初めて開催されるOECD議とあって、げて準備に取り掛かってきた韓は、付行事としての展示やカンファレンスを開催した。そのなかでもひときわ目立っていたのがWibro、すなわち20066月に韓が世界で初めて商用化した2.3GHzモバイルWiMAXビスだった。Wibro0710月、際電通信連合が認めた際標準で、韓、米、日本、ロシア、ブラジルなど40で導入みの、あるいは導入を討されている通信サビスである。



 


 韓KTとサムスン電子はOECD議の期間中、Wibroと携電話を使ったモバイルVoIP演し、OECD係者はもちろん、一般加者からも「これはすごい!」と絶された。Wibro由のモバイルVoIPはサムスンのスマトフォンSPHM8200を使い、携電話と同じ感で使うことができる。添付画像


 


 時速120kmで移動しながらも使えるWibroのモバイルVoIPは携電話とわらないサビスを格段と安い料金で利用できるため、諸外IT大臣の間で絶大な人を得た。「自分のでも導入したい」とWibroの運営会社であるKTに詳しい料金や利用情報などについて質問する人も多かった。特に有線インフラがぜい弱な途上からはWibroの通信網を構築したいという依もあり、すでにルワンダやウズベキスタンなどに輸出されている。韓ではWibroの技術ロイヤリティ入が2024年までで約6800万ドルに及ぶとの見通しを立てている。


 


 ブロドバンドと電話と地上波DMB(日本でいうワンセグ)を持ちけるモバイルトリプルプレビスを現できるので、従来の通信サビスを根底からえるものとして注目されているWibroの音搭載だが、肝心の韓全域での商用化計はまだメドが立っていない。まずはサビスエリアを大しなくてはならないという課題がっているからだ。(趙 章恩●取材/文)


 


BCN This Week 2008年7月7 vol.1242 載] Link


 

きれいな引き際、韓国のビル・ゲイツ

6月27日、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏引退ニュースは韓国でも大変な話題となった。財閥経営を守るため、あの手この手で法律の抜け道を探し、長男に経営権を渡そうとしていたことで、サムスングループ李会長の裁判が行われようとしていた時期だけに、ビル・ゲイツ氏の引退を「美しい引退」と韓国のマスコミは褒めちぎった。

 ビル・ゲイツ氏もサムスンの李会長も自分の会社を世界ナンバーワンに押し上げた実力の持ち主である。それが一人は惜しまれながらも自分の意思で引退し、一人は脱税疑惑から世論のせいで仕方なく経営から身を引くことになってしまった。


 しかもゲイツ氏は飢餓とエイズ退治のため、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じて多額の寄付活動をしてきた。「飢餓や死に比べれば、誰がどんなOSを使うのかなんてどうでもいい問題だ」と発言したこともあるほど、寄付に熱心で、世界一のお金持ちになれて嬉しいのはたくさん寄付ができるからだという発言通りの活躍をしてきた。引退後も世の中をより豊かにするための活動に専念したいとしている。


 オーナー一族の豪華な生活ぶりは世界のどこの金持ちにも負けないけど、寄付や社会貢献のようなことにはせこい韓国財閥にとって、ビル・ゲイツ氏の寄付活動は耳が痛い話かもしれない。ゲイツ氏のように53歳で引退だなんて、韓国の財閥にはありえない話だ。もう体が動かないという歳になるまで残っているのが普通だ。オーナーが経営権を握りカリスマを発揮していた方が、組織管理も会社の経営も上手くいくと考えられているのかもしれない。


 韓国ではゲイツ氏の独特な習慣についても大きく報じられていて、一日18時間以上働き時間を無駄にするのが大嫌い、気に入らない発言をした人に対してはそれが重役であろうと徹底的に反撃して罵ったり、会議中に怒りを抑えきれずドアを蹴飛ばして出て行ったとか、毎年必ず別荘に閉じこもり一人になる「Think Week」を持つとか、競合相手を徹底的に踏み潰す戦略でここまで来たとか、天才らしいというかオーナーらしいというか、お人好しではなさそうだといったことも書かれていた。

ワーカーホリックでもあるゲイツ氏が53歳で経営から引退、というか30年間金を稼ぐことばかり気を使っていたので、これからは金をどうやって使うかということに専念する第二の人生を歩み始めるということだ。ビル&メリンダ・ゲイツ財団の資産規模は261億ドルにも達する。


 アメリカの大富豪であるウォーレン・バフェット氏もゲイツの財団に300億ドル相当の寄付をすると発表した。「ビル・ゲイツの素晴らしい実力なら世界の飢餓と福祉問題を解決できるだろう。人類の福祉のためにもっとも効率的に富を活用できる人」というのが寄付のきっかけだそうだ。ビル・ゲイツも経営能力を生かして福祉分野で貢献したいという気持ちなのだろう。でも寄付活動は独占、寡占しないでみんなで仲良くしてほしいものだ。


 ゲイツ氏に似たようなCEOの事例を韓国で探すのは難しいが、一人だけあげるとすれば、アン・チョルス氏だ。医学博士からパソコンの病気を予防する医者になりたいと、ウイルス退治プログラムを作るベンチャーを立ち上げ、今では日本にも支社があるアンラボの元CEOだ。2008年で開発20周年を迎えるV3というアンチウイルスソフトは、韓国人なら誰もが知っているソフトでもある。


 40代でCEOを引退してアンラボ議事会(日本企業の取締役会に当たる)の議長になることで経営から一歩身を引き、アメリカに3年ほど留学してMBAを取得、今では韓国中の秀才が集まるというKAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)の教授になった。経営のことをもっと勉強して迷える新米ベンチャー社長を助けてあげたい、そのために勉強をしなおして教授になったというから、これも社会貢献の一つだろう。大統領諮問委員にもなり、ITベンチャー復興のための講演会やイベントン積極的に顔を出している。最も尊敬するCEOとしていまだに名前が登場するほど、韓国では有名な人物である。


アン・チョルス元CEOをインタビューした時の印象は、当時から社長というより教授という感じで、声も静かで穏やかな人だった。韓国のベンチャー社長といえば、ほとんどが声もでかくて何かとそわそわ忙しく、話を膨らませる傾向が強く、インタビュー中もしょっちゅう電話だとか、来客だとかで落ち着きのない印象があったのだが、アン・チョルス氏の場合は、隣に座った広報担当が社長の代わりにぺらぺらと話し、当の社長はニコニコ微笑んでいるだけという、なんとも韓国の社長らしくないところがあった。CEOになって金持ちになるのが最終目的ではなく、やりたいことがまだまだいっぱいあるからあっさり経営から手が引けたのかもしれない。


 韓国はまだ発展途上中だから貧欲でいいのだと話す人もいるが、会社の金を自分のお小遣いと勘違いするCEOがいなくならない限り、これ以上の発展は難しいのではないだろうか。韓国ではある有名ベンチャーの社長が自分の彼女を非常勤取締役にして、あいた口がふさがらないほど巨額の報酬を与え、その後結婚したというニュースから、株主が一騒動起こしたことがある。


 会社の経営は傾くばかりなのに、会社の金と役員という地位で女性を口説き、設立者で大株主というだけでCEOの座に居座っているなんてどういうことだという話だった。このCEO、持ち株を売れば一生食べていける以上の大金を手に入れられる。経営に関心がないならさっさと引退して、夫婦で楽しくお金を使えばよかったのだ。引退してほしい人ほどしぶとく生き残る。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年7月9日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080709/1005852/




 

韓国ではFirefox 3が使い物にならない理由

世界で約20%のシェアを占め、マイクロソフトのIEを脅かしているWebブラウザー「Mozilla Firefox 3」。2008年7月2日には「Firefox 3」がリリース後、24時間で800万2530件がダウンロードされ、ギネスブックに世界記録として正式に認定されたほど注目を浴びている。しかし、インターネットの普及率や生活の中に占める重要度では世界一ともいえるインターネット大国の韓国ではIEが99%でFirefox 3は 1%未満とまでいわれるほど全く普及しないでいる。

 2008年7月6日時点での「Firefox 3」のダウンロード件数を比べた資料があったが、アメリカ773万件、ドイツ246万件、日本134万件、イギリス120万件、中国72万件、インド42万件、ベトナム20万件、フィリピン19万件、マレーシア16万件と続く中、韓国は14万8千件に過ぎなかった。(海外のWEBサイトにアクセスできない北朝鮮は当然のことながら0だった)。


 Firefox 3を使っていないからインターネット先進国ではない、ということにはならないが、世界的な傾向やITインフラから考えると、どうして韓国ではこんなにFirefox 3が使われないのか疑問を持たずにはいられない。


 しかし、その理由はとても単純、IEでないとWebサイトが表示されないからだ。韓国の電子政府、政府・行政サイト、インターネットバンキングをはじめほとんどのWebサイトがIE環境で動くように制作されているため、IEでは普通に見られるサイトがFirefox 3からアクセスすると「ページを表示できません」というエラーが登場するのだ。

もっと問題なのはActiveX。韓国では簡単で便利であるという理由からセキュリティプログラムや音楽再生・動画再生ツール、ファイル添付ツールなど何でもかんでもActiveXでインストールさせるようにしてある。インターネットバンキングや音楽、動画サイトなんてActiveXをインストールしないと何にも表示されず利用できない。


 マイクロソフトさえもセキュリティの問題からActiveXを縮小しようとしているのに、韓国では依然とWebの標準技術でもなく、マイクロソフトの技術であるActiveXに固執している。Firefox 3はActiveXを表示させないので韓国では利用できるサイトに限界がある。つまり韓国はWeb標準を守らずマイクロソフトに依存したWebサイトを作ってきたためにIE以外ではWebサイトを表示できなくなってしまった。


 この問題は既に何年も前から指摘されている。しかし韓国政府は電子政府や行政のサイトをWeb標準で作り直して、ユーザーが好きなブラウザーで利用できるようにすることよりも、マイクロソフトにこれからもActiveXを問題なく表示させることをお願いしている。恥ずかしいことだ。


 韓国でも「行政機関のサイトは国民の税金で作られたサイトなのにIEでしか利用できないなんて話にならない。国民は誰もが使いたいブラウザーで公共の財産を利用できる権利がある」と抗議している。


 大学教授を中心としたWeb標準化を要求する市民団体「オープンWEB」は、IEにしか対応していない行政サイトを制作したのは公正取引違反に当たるとして訴訟を起こしている。しかし、韓国の公正取引委員会はIEにだけ、適しているWebサイトを運営しているからといって消費者の選択権を制限する行為が消費者の利益阻害につながることではないとして、公正取引違反を認めなかった。


 日本でもまだメジャーではないFirefox 3だが、いろいろなサイトがFirefox 3からも利用できるようにWebページを制作している。Firefox 3をどれぐらい使っているかよりも、ブラウザーに関係なく利用できるサイトがどれぐらいあるのか、WEBサイトはブラウザーに関係なく利用できて当たり前と思うこと自体がインターネット先進国らしい考え方なのではないだろうか。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年7月24日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080724/1006299/

ITUテレコムワールド2006、ITでも韓流を狙う

「情報通信技術分野のオリンピック」とも呼ばれる「ITU(国際電機通信連合)テレコムワールド2006」が12月4日から8日まで、香港アジアワールドエキスポで開催されている。アジア初のテレコムワールドだけあって、韓国のIT関連新製品が一堂に会するほか、大手企業のCEOやIT業界の大物もみんな香港に集結する盛り上がりをみせている。

 韓国国内の報道では、ITUに初参加加するチャイナモバイル、チャイナネットコムなど中国勢に注目すべしと騒いでいるし、中国通信業界の世界進出のきっかけになるだろうという指摘もなされている。一般ユーザーからすると「テレコムワールドってそんなすごい展示会なの?」としか思えないが、「へ~」と驚くべき便利な最新モバイル技術がどっと披露されるという点は注目すべきではないだろうか。


中国の韓流は衰え知らず、その波及効果はIT機器にも


 最近、日本の韓流(韓国ブーム)は一時に比べると下火になったようだが、中華圏での韓流はまだまだ勢いが衰えていない。ドラマに登場するサムスンのPCや携帯電話、LGのTVや家電までもすごい勢いで販売が伸びているという。


 11月にあった俳優ソン・スンホンの除隊では日本や中国、台湾、シンガポールなどから5000人以上のファンが詰め掛けたそうだし、済州道であった韓流エキスポ開幕式ではヨン様が30分登場するだけで日本からの参加者が軽く3500人を超したそうだ。驚いたのは遠い砂漠の国、中近東でも韓国のドラマが人気で、韓国製の黄金TVやプラチナ携帯といった韓国や日本では見たこともないようなすごい製品が売れているそうだ。


 韓流ファンたちは韓国人にとってありがたい存在だ。自国の文化を尊重してくれて、ドラマや映画を観ながら一緒に感動してくれる仲間だからだ。この勢いに乗って、ITでも韓流が続いてくれればという思いもあるが、一方でサムスンとLGの独走ゆえに、韓国にはこの二つの会社しかないのかと思われるのは悲しい気もする。


 冒頭に紹介したITUテレコムワールド2006に参加するのは世界40カ国、700以上の企業だ。韓国からは日本のNTTのような電話・通信企業であるKT、携帯電話会社のSKテレコムとKTF、加入者100万人を目前した衛星DMB(日本の衛星をシェアしている衛星モバイル放送)のTUメディア、端末関連ではサムスン電子とLG電子といった韓国を代表する大手IT企業が参加する。


 韓国勢の展示の目玉は、今年から商用化された3.5GのHSDPA、Wibro(モバイルWimax)といった新しい通信サービスと端末。IT強国と自負しているだけあって、世界に向けあっと驚くような最新技術を紹介するべきという義務感を感じているようだ。KTとKTFは「ユビキタスライフパートナー」というテーマで公園(U-Park)、商店街(U-Mall)、駅(U-Station)、地下鉄(U-Metro)、家(U-Home)など、生活の中の具体的なシーンを挙げた展示コーナーを設けた。


 SKテレコムは「Innovation & Inspiration」がテーマで、日本でも提供されている携帯電話での決済、いわゆるおサイフケータイ機能のほかに韓国が発信地となったマルチメディアサービスを展示する。1回の決済で再課金なく、PC、MP3プレーヤー、携帯電話など、いろいろな端末から音楽を再生できる「Melon」、携帯電話が人の動きに反応してゲームの操作が簡単にできる「GXG」、世界4カ国でサービスされているメガヒットSNS「モバイルサイワールド」などを展示する。


 日本ではなかなか定着しないモバイル衛星放送も韓国ではポピュラーな存在だ。韓国では有料サービスにもかかわらず高速鉄道や地下鉄の中を含め全国95%に至るカバレッジの広さとチャンネルの多さから人気を集めていて、映像15、オーディオ19チャンネルを提供している。利用できる端末も54種類と選択の幅が広く、加入者数100万人まであともう少し。ITUでもそのノウハウに注目が集まっている。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2006年12月5日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20061205/256061/

KJIBCは

KJIBCは日韓のIT業界に携わる実務者達の交流を図るための非営利団体です。日本で留学や生活した経験のあり日本語が話せる韓国のIT業界の若手達と、韓国のITビジネスに関心のある日本のIT業界の若手が集うコミュニティでもあります。現在は主に韓国ソウルでのオフ会を中心に活動しています。
メール・アドレス<kjibcmail@gmail.com